伝言板
過去入賞発表一覧

十三夜チャット句会2005入賞作品
2005年10月15日

[10月17日訂正]


『十三夜チャット句会入賞発表@』
【金賞】
★新米を何度も掬い零し見る/河ひろこ
作り手の思いが読み手に伝わってきて、リアルだ。作者の姿が見えてくる。生活の軽さと強さがあって、嘘がない。(高橋信之)

【銀賞】
★厨窓に雨傘過ぎる十三夜/堀佐夜子
日常の中に詩を拾った。詩は、どこにでもあって、作り手の心次第である。「心外無仏」という言葉がある。(高橋信之)
厨の窓を過ぎる傘を見て、やはり十三夜の今宵は雨なのだと、思う。十三夜なので、残念と思う気持ちにも詩情がある。 (高橋正子)

【銅賞】
★懐かしき声階下より十三夜/今村七栄
いい詩情だ。「十三夜」であればこそ、と思う。「懐かしき声」の主は、明らかでなくてもよい。(高橋信之)
映画の場面としてきりとられたような状景に、十三夜らしい情緒がある。(高橋正子)

『入賞発表A』
【高橋信之特選】
★新米を何度も掬い零し見る/河ひろこ
作り手の思いが読み手に伝わってきて、リアルだ。作者の姿が見 えてくる。生活の軽さと強さがあって、嘘がない。(高橋信之)

★夕暮れの雨の明るく十三夜/高橋正子
雨の夜は、どこか明るい。十三夜であれば、なおのことである。 明るいのがいい。(高橋信之)

★厨窓に雨傘過ぎる十三夜/堀佐夜子
日常の中に詩を拾った。詩は、どこにでもあって、作り手の心次 第である。「心外無仏」という言葉がある。(高橋信之)

★懐かしき声階下より十三夜/今村七栄
いい詩情だ。「十三夜」であればこそ、と思う。「懐かしき声」 の主は、明らかでなくてもよい。(高橋信之)

★折り紙のうさぎ座らせ十三夜/石井孝子
楽しい句だ。「十三夜」のいい季節だ。読み手もともに楽しんで くれるに違いない。(高橋信之)
十三夜の飾りに折り紙のうさぎを座らせるのも、メルヘンがあって楽しい。(高橋正子)

【高橋正子特選】
★新米を何度も掬い零し見る/河ひろこ
作り手の思いが読み手に伝わってきて、リアルだ。作者の姿が見えてくる。生活の軽さと強さがあって、嘘がない。(高橋信之)

★十三夜記憶の泉湧ける音/池田加代子
十三夜に思い出すこと。清らかに湧く泉の音。心象に起こる十三夜の美しさ。(高橋正子)

★厨窓に雨傘過ぎる十三夜/堀佐夜子
厨の窓を過ぎる傘を見て、やはり十三夜の今宵は雨なのだと、思う。十三夜なので、残念と思う気持ちにも詩情がある。 (高橋正子)

★懐かしき声階下より十三夜/今村七栄
映画の場面としてきりとられた状景に、十三夜らしい情緒がある。(高橋正子)

★コスモスを車窓に入れて山深し/脇坂紀子
山道を車でいくとコスモスが車窓に溢れてくる。山のコスモスは色が特に澄んできれいだ。(高橋正子)

『入賞発表B』
【古田けいじ特選】
★旅立ちに厨明るき十三夜/河ひろこ
十三夜の光が届いてあかるい厨を見回して、いざ旅へ。いい旅に。(古田けいじ)

★厨窓に雨傘過ぎる十三夜/堀佐夜子
大阪も雨。でも十三夜の俳句はうまく生まれておめでとうございます。(古田けいじ)

★懐かしき声階下より十三夜/今村七栄
懐かしい人の話し声が階下から。階下へ立ち上がる作者の動き。いい十三夜。(古田けいじ)

★無月なるきらを残して鮭のぼる/志賀たいじ
月は見えないが、川をさかのぼる鮭のきらが見える。出会ってみたい風景。(古田けいじ)

★戸車の軋みて雨の十三夜/野田ゆたか

【藤田裕子特選】
★雨冷えに熱き茶立て十三夜/篠木睦
熱いお茶が雨の十三夜にいい風情ですね。(池田加代子)

★戸車の軋みて雨の十三夜/野田ゆたか
いかにも雨の十三夜という感じでリアルな表現です。(おおにし ひろし)

★ひつじ田に雨ひたひたと水明り/甲斐ひさこ
水明りという言葉とひたひたと満ちる雨に優しさがあります。(臼井虹玉)

★新米を何度も掬い零し見る/河ひろこ
★市電の灯遠のく街の十三夜/藤田洋子

【藤田洋子特選】
★厨窓に雨傘過ぎる十三夜/堀佐夜子
大阪も雨。でも十三夜の俳句はうまく生まれておめでとうございます。(古田けいじ)
全ての言葉が、十三夜に美しく合っていると感じました。日常の厨、外と内とを繋ぐ窓、月を隠してしまう雨、守る傘、けれど、何ものもが「過ぎ」ていくということ。十五夜よりもどこか控えめな、十三夜にこそ、ふさわしいひとコマと存じます。(かわなますみ)

★新米を何度も掬い零し見る/河ひろこ
手にさらさらと零れる新米の一粒ずつの光沢が見えてくるようです。(藤田洋子)

★まるまると実の白きこと山の栗/藤田裕子
大粒の山栗、豊かな秋の実りが感じられて嬉しくなります。(藤田洋子)

★掘り起こす甘藷赤々息づけり/大給圭泉
掘りだちのいかにも新鮮な甘藷、季節と大地の恵みを感じます。(藤田洋子)
「息づけり」は、掘りたての甘藷の新鮮さに、いとおしささえ感じている。(高橋正子)

★戸車の軋みて雨の十三夜/野田ゆたか
月が出ていれば、軽くからからと開く戸なのに、雨のために軋んで、戸が重い。雨の十三夜のしっとりとした雰囲気がある。(高橋正子)

【野田ゆたか特選】
★少しずつ軽くなりゆく十三夜/日野正人
この月が欠け尽きれば冬が立つ。「少しずつ軽く軽くなりゆきに」に共感します。(野田ゆたか)

★雨冷えに熱き茶立て十三夜/篠木 睦
特に今日の雨は、冷えをひしひし感じます。熱き茶がいいですね。(野田ゆたか)
風情のある句です。中七が、心を暖かくし、ほっとさせてくれます。(飯島治蝶)

★厨窓に雨傘過ぎる十三夜/堀佐夜子
小さな窓に雨傘だけが横切って見える。雨の十三夜の詩情がありますね。(池田加代子)

★後の月出ませ今宵の能舞台/黒谷光子
★十三夜物音静まりゆく夕べ/藤田洋子

【碇 英一特選】
★掘り起こす甘藷赤々息づけり/大給圭泉
まだ土の湿りのついた甘藷がリアルです(碇 英一)

★折り紙のうさぎ座らせ十三夜/石井孝子
詩心の豊かさを感じます(碇 英一)

★無月なるきらを残して鮭のぼる/志賀たいじ
無月でものぼり止めない鮭のすごさ(碇 英一)

★和太鼓のとんとこ響く秋うらら/多田有花
素朴な村祭の様子が見えます(碇 英一)

★陽光に羽根光らせる秋の蜂/河野一志
陽光が光一段です(碇 英一)

【堀佐夜子特選】
★折り紙のうさぎ座らせ十三夜/石井孝子
詩心の豊かさを感じます。( 碇 英一)
折り紙のうさぎが素朴で、月を愛でる夜にふさわしいと思います。(臼井虹玉)
一読で、好きな句だなぁ、と出逢いに嬉しくなりました。月に兎は言い尽くされたかなどと、勝手な思い込みをしておりましたこと、反省いたしました。(かわなますみ)

★戸車の軋みて雨の十三夜/野田ゆたか
今夜は生憎雨で月が見られませんでしたね。雨戸を閉める時軋んで困ります。けれども雨だと外は静かでチャットには良い十三夜だと思いました。(堀佐夜子)

★ひつじ田に雨ひたひたと水明り/甲斐ひさこ
秋の雨の降り方は、このように、しずかにひたひたと降る。ひつじ田にたまると、水明りが生まれる。(高橋正子)

★耳もとに朝を引き連れ小鳥来る/日野正人
小鳥の鳴き声が耳もとに届いて、さわやかな朝です。小鳥が朝を引き連れてきたのに違いありません。(高橋正子)

★遠灯り無月の湖や宴果つ/安丸てつじ

【岩本康子特選】
★折り紙のうさぎ座らせ十三夜/石井孝子
お月様に居ると言われるウサギを折って十三夜を迎えるって童心に返ったようでいいですね。(岩本康子)
折り紙のうさぎの軽やかさと直線的な陰影がとても素敵ですね。 (池田加代子)
心情的に共感できる句です。中七がこの句を夢のある句にしています。(飯島治蝶)

★戸車の軋みて雨の十三夜/野田ゆたか
実はまだ読んでいないのですが、一葉の世界の十三夜かなと思いました。(岩本康子)

★厨窓に雨傘過ぎる十三夜/堀佐夜子
ちょっと残念ですが、こんな十三夜もあるでしょうね。 雨傘がしっとりしていいですね。(岩本康子)

★十三夜記憶の泉湧ける音 / 池田加代子
詩人の加代子さんらしい素晴らしい句ですね。 美しい記憶意外には考えられません。(岩本康子)

★夕暮れの雨の明るく十三夜/高橋正子

『入賞発表C』
【入選/24句】
★無月なるきらを残して鮭のぼる/志賀たいじ
無月の闇にきらりと光を残して鮭がさかのぼる。遡上する鮭の命のきらとも思える。(高橋正子)

★届く荷をつぎつぎ取り出す十三夜/祝恵子(正子添削)
荷を受け取るのは、うれしい。何があるかと、つぎつぎ取り出すのにも、十三夜なので、一つ一つのものに、麗しさが加わる。(高橋正子)

★深秋の船旅終えしと電話あり/臼井虹玉
深秋の船旅。それに深い詩情がある。電話にあかるい思いが広がる。(高橋正子)

★手の平に木の実の温さのせてみる/おおにしひろし
木の実は、実は温かい。夜露に冷えれば、冷たいが、手の平にあれば、ほっこりと温かい。(高橋正子)

★見えぬ月愛づるかに友子を宿す/かわなますみ
三日月ほどの吾子と草田男が詠んだように、宿った子は、見えぬ月のような感じ。(高橋正子)

★盛り花の五色の菊に彩られ/平田 弘
盛り花にとりどりの菊の花が活けられて、馥郁とした菊の香りに加えて、一部屋が華やかになる。花のちからの不思議さ。(高橋正子)

★月光や下草生うる庭に訪う/大山 凉
下草に月光がさして、静かな月の庭である。その月の庭のうつくしい静かさに感動する。(高橋正子)

★百選の水汲む妻や秋の朝/ 篠木 睦
百選に選ばれた水を汲む妻のさわやかさにほっとする気持ちがあります。秋の朝がさりげなく、それでいてしみじみとしています。(高橋正子)

★えのころの抓めば種の零れ来る/碇 英一
えのころ草のをつまむと、すぐに種がぽろぽろと零れる。それほど、えのころ草の実が充実のときを迎えているのだ。(高橋正子)

★紛れなく鳰の声聞く今朝の闇 /山中啓輔
明け方早く目覚めていると、たしかに今年初めて聞く鳰の声。その声に少し興奮気味のうれしさがある。(高橋正子)

★祝典の調べ流れて秋深む/安丸てつじ
祝典の晴れやかな調べ。身にしみて思えるさまざまな事柄に秋の深さを思う。(高橋正子)

★咲き初めし畑の小菊に黄の多し/黒谷光子
咲き始めた畑の隅に小菊に黄色が多くで、あたりを明るくしてくれて、それを見ていると気持ちも明るくなる。(高橋正子)

★陽光に羽根光らせる秋の蜂/河野一志
秋の光を受けて、羽を光らせている蜂。一匹の蜂のきらめく姿が目に焼きつく。(高橋正子)

★あの山のいずこに出づや十三夜/長岡芳樹
あの山のどのあたりに出るかと、十三夜の月を心待ちにしている。心には、山から昇る十三夜の月が描かれている。(高橋正子)

★青磁器にすすき一挿し染物屋/飯島治蝶
染物屋のショーウィンドウに、青磁の花瓶にすすきが挿されているのだろう。青磁とまだ紅色の薄なのだろうが、色合いが美しい。(高橋正子)

★村の子のブラスバンドや稲雀/古賀一弘
★ライブジャス流れる河岸に月明し/岩本康子
★恙無し今年も紫蘇の実を摘めり/古田けいじ
★公園の灯の明るくて雨月かな/渋谷洋介
★無月にも幟の高く勇みおり/藤田裕子
★逆光に飛ぶものの見ゆ秋桜/澤井 渥
★雨音を聞いて湯にいる十三夜/多田有花
★客船の航跡揺れる秋の海/高橋秀之
★灯が彩る雨を見ている十三夜/矢野文彦

『選者詠』
■選者詠/高橋信之

★池置いて遠くに秋の海を見る
○遠くに海を見る先生の落ち着いた姿が見える。(古田けいじ)
○とても広がりのある句に、おおらかさが伝わって参りました。(石井孝子)
○近くの池に視線を置いて遠く海への広がりを見ている、詠者の静かな心の広がりの様なものを感じます。(志賀たいじ)
○遠くに見える秋の海、澄んだ空気が感じられます。(岩本康子)
○秋の池と海の奥行きの広がる風景に心も広がり澄み渡るようです。(藤田洋子)
○目の前の池も静か遠くの海も深まる秋を感じておられる様子と思います。(大給圭泉)

★十三夜今宵確かに詩神在る
○十三夜に寄せる作者の深い思いが感じられる力強い句だと思いました。(臼井虹玉)
○下五が季語に生命を吹き込んでいるようです。(飯島治蝶)
○「詩神」への皆の祈りが「確かに在る」十三夜(碇 英一)
○句の内面に切り込みかけた、鋭さが伝わって参ります。(おおにし ひろし)
○拝読してうれしくなりました。力を与えてくださる句です。(池田加代子)
○十三夜というだけで、だれにも詩心がわき、どこにも詩情をかもす雰囲気が生まれる。だから、今宵確かに詩神の存在を確信するのだ。 (高橋正子)

★朝顔の青よし青と語り合う

■選者詠/高橋正子

★夕暮れの雨の明るく十三夜/高橋正子
○雨の明るさに、静かな十三夜の風情を感じます。(臼井虹玉)
○十三夜の夕暮れの雨なのに「明るく」と言う所に詩への自信を見る。(古田けいじ)
○十三夜の雨を恨むことなく自然の恵みを何処までも明るく受け入れるお人柄に思わず頭が下がりました。(石井孝子)
○雨の夜は、どこか明るい。十三夜であれば、なおのことである。明るいのがいい。(高橋信之)
○秋は空気が澄んで来るせいか月がなくても、闇の中に何となく明るさを感じる。十三夜の夕暮れの雨の夜 であれば、なお心に残る明るさ かもしれません。(志賀たいじ)
○雨でもやはりどこか薄く明るい夕暮れの空に十三夜の風情が感じられます。(藤田洋子)

★青蜜柑青さも海の青をもち/高橋正子
○蜜柑は、母なる海から青をもらっているという心の広さを感じます。(飯島治蝶)
○一句に「青」を三つも使うも嫌味がなく蜜柑の青を際立たせいる佳句ですね。( 澤井 渥)
○「青」を三つ重ねられた句調に私なりの魅力を感じます。若い蜜柑は深い青を持っています。(おおにし ひろし)
○海の近くで実をつけた蜜柑は、海の青さをもっているのですね。三つの青が印象に残りました。(池田加代子)

★きよらかに月の澄みけり虫の声/高橋正子
○秋の深さそのものです(碇 英一)
○ついさっきまで黒い雲に隠れていましたが、やっと澄んだお月様が現れほっとしています。(岩本康子)
○静けさが伝わります、秋も深まりましたね。(大給圭泉)

■お礼/高橋正子
今夜は十三夜の月を期待いたしましたが、あいにく雨のところが多かったようです。それでも、十三夜ということで、詩神の助けを得て、どなたにもすばらしい句が生まれましたことに、感嘆しているところです。総勢37名の方がご参加くださいまして、十三夜のいいチャット句会になりました。どうもありがとうございました。句会終了後に、またゆっくりとご投句を読みたいと思っております。信之先生、ゆたかさん、句会の準備・進行と、いろいろお世話になりありがとうございました。今夜遅くにでも月が出そうな予感です。それでは、皆様おやすみなさい。

★★★☆☆追加入賞などの訂正がありますので、ご確認ください。10月17日 主宰/高橋信之

『十三夜チャット句会互選句の集計結果/野田ゆたか』
【互選高点句】

13点  戸車の軋みて雨の十三夜 /野田ゆたか
13点  厨窓に雨傘過ぎる十三夜 /堀佐夜子
10点  折り紙のうさぎ座らせ十三夜 /石井孝子

  信之先生、正子先生の選者詠句は、集計を割愛しました。

『十三夜チャット句会全作品』
■全作品は、下記のアドレスをクリックしてご覧ください。

http://www.suien.ne.jp/0001/chat/13ya05z.htm