句会記録


■十三夜チャット句会2003■
A入賞発表・投句互選一覧

2003年10月8日/旧暦9月13日(十三夜)
午後7時〜11時30分

水煙ネット事務局


入賞発表/高橋信之選

【金賞】
★鎮もりて村青々と十三夜/太田淳子
村には、灯る灯は少ない。十三夜の月が照らすと、青々と一塊りに
なって鎮まっている。原風景をここに見るような思い。(高橋正子)

【銀賞】
★青白き月のきりりと十三夜/おおにし・ひろし
青白い十三夜の月は、うら淋しさを通り抜け、きりりとした月とし
て詠まれた。何かを通り越した強さのある青白い光である。(高橋
正子)

【銅賞】
★月白やことに柱はまっすぐに/小峠静水
月の出の前のほの明るさが、特に柱に見て取れる。真っ直ぐに立つ
柱に、やがて月光が差し込んでくることを暗示している。(高橋正
子)

★この位の明るさがいい十三夜/藤田裕子
十三夜の月の微妙な明るさが、「この位の明るさがいい」と、作者
を納得させる。七分ほどに抑えられたもののよさであろう。(高橋
正子)

【優秀8句】
★十三夜奥行広く山の上/相沢野風村
★旅終えて奥羽の山に後の月//河ひろこ
★吾が薄き影立ち来る十三夜/碇 英一
★十三夜戸締りはやき小間物屋/山野きみ子
★慎ましく明るく高く十三夜/岩本康子
★十三夜肩緩やかな青磁壷/野島葉亭
★坂道の空へと続く十三夜/大給圭泉
★後の月起重機くろぐろ浮びおり/堀佐夜子

【佳作13句】
★十三夜川の明りに沿う家路/藤田洋子
★故里へ帰りたき日よ十三夜/古田けいじ
★来るものに去るものありぬ十三夜/野田ゆたか
★柿紅葉一枚の葉に始まりぬ/碇英一
★後の月花野もろもろ影を持つ/おおにし・ひろし
★晴れ渡る空晧晧と十三夜/安丸てつじ
★薄雲に囲みて放つ十三夜/津村昭彦
★橋下を手漕ぎ舟ゆく十三夜/平野あや子
★くっきりと前山隣る後の月/宮地ゆうこ
★飲み余すワインの壜に夜長の灯/矢野文彦
★地平線燃えて背に見る後の月/能作靖雄
★奥深く見せて浮き出す後の月/平田弘
★星ひとつ月と照り合う十三夜/馬場江都

【選者詠/高橋信之】
★日が落ちる色なき風の吹く中を
★十三夜の始まる空の濃き青に
★くっきりと欠けいることも後の月

【司会者詠/高橋正子】
★十三夜刻む大根のきらきらと
★虫音低くつづれて昇る後の月
★コスモスの一列二列の陽に向かい


互選一覧/互選者21名(選者高橋信之・正子を除く)

能作靖雄
綺麗ですね声かけられて十三夜/岩本康子
十三夜見知らぬ人の会釈受く/野島葉亭
どこからかカレーの匂い後の月/大給圭泉
くっきりと欠けいることも後の月/高橋信之
後の月起重機くろぐろ浮びおり/堀佐夜子

古田けいじ
鎮もりて村青々と十三夜/太田淳子
エプロンをはずす窓辺に後の月/藤田洋子
十三夜刻む大根のきらきらと/高橋正子
来るものに去るものありぬ十三夜/野田ゆたか
十三夜の始まる空の濃き青に/高橋信之

藤田裕子
日が落ちる色なき風の吹く中を/高橋信之
十三夜刻む大根のきらきらと/高橋正子
故里へ帰りたき日よ十三夜/古田けいじ
エプロンをはずす窓辺に後の月/藤田洋子
後の月起重機くろぐろ浮びおり/堀佐夜子

野島葉亭
綺麗ですね声かけられて十三夜/岩本康子     
十三夜川の明りに沿う家路/藤田洋子
コスモスの一列二列の陽に向かい/高橋正子
どこからかカレーの匂い後の月/大給圭泉
夫迎えにともに連れゆく後の月/祝恵子

霧野萬地郎
十三夜の始まる空の濃き青に/高橋信之
妻自慢創作サラダに林檎入れ/守屋光雅
すばる天文台へアクセス十三夜/矢野文彦
十三夜戸締りはやき小間物屋/山野きみ子
エプロンをはずす窓辺に後の月/藤田洋子

宮地ゆうこ
くっきりと欠けいることも後の月/高橋信之
来るものに去るものありぬ十三夜/野田ゆたか
この位の明るさがいい十三夜/藤田裕子
十三夜刻む大根のきらきらと/高橋正子
十三夜戸締りはやき小間物屋/山野きみ子

岩本康子
この位の明るさがいい十三夜/藤田裕子
鎮もりて村青々と十三夜/太田淳子
くっりきりと欠けいることも十三夜/高橋信之
十三夜見知らぬ人の会釈受く/野島葉亭
後の月花野もろもろ影を持つ/おおにしひろし

おおにし ひろし
くっきりと欠けいることも後の月/高橋信之
十三夜刻む大根のきらきらと/高橋正子
十三夜川の明りに沿う家路/藤田洋子
どこからかカレーの匂い後の月/大給圭泉
祈願する句友の快癒十三夜/守屋光雅

山野きみ子
日が落ちる色なき風の吹く中を/高橋信之
虫音低くつづれて昇る後の月/高橋正子
裏町の灯は無音なり後の月/霧野萬地郎
十三夜川の明りに沿う家路/藤田洋子
吾が薄き影立ち来る十三夜/碇英一

碇 英一
豊穣の里を照らして栗名月/安丸てつじ
虫音低くつづれて昇る後の月/高橋正子
夫迎えにともに連れゆく後の月/祝恵子
工場の町に優しく後の月/藤田裕子
くっきりと欠けいることも後の月/高橋信之
地平線燃えて背に見る後の月/能作靖雄

大給圭泉
日が落ちる色なき風の吹く中を/高橋信之
十三夜刻む大根のきらきらと/高橋正子
後の月花野もろもろ影を持つ/おおにしひろし
橋下を手漕ぎ舟ゆく十三夜/平野あやこ
夫迎えにともに連れゆく後の月/祝恵子

矢野文彦
この位の明るさがいい十三夜/藤田裕子
甘納豆食べたのはだれ後の月/野田ゆたか
火の星と栗名月のかくれんぼ/霧野萬地郎
橋下を手漕ぎ舟ゆく十三夜/平野あや子
十三夜戸締りはやき小間物屋/山野きみ子

藤田洋子
十三夜の始まる空の濃き青に/高橋信之
青白き月のきりりと十三夜/おおにしひろし
裏町の灯は無音なり後の月/霧野萬地郎
十三夜刻む大根きらきらと/高橋正子
工場の町に優しく後の月/藤田裕子

祝恵子
澄む月をふたたび隠す雲の旅/山野きみ子
後の月雲を明るくみちのくは/守屋光雅
十三夜の始まる空の濃き青に/高橋信之
地平線燃えて背に見る後の月/能作靖雄
尾根にある梢明るし後の月/多田有花

相沢野風村
地平線燃えて背に見る後の月/能作靖雄
路地に猫目ひかりて十三夜/祝恵子
裏町の灯は無音なり後の月/霧野萬地郎
十三夜肩緩やかな青滋壷/野島葉亭
くっきりと欠けいることも後の月/高橋信之

多田有花
慎ましく明るく高く十三夜/岩本康子
十三夜刻む大根のきらきらと/高橋正子
草の香と空の湿りと十三夜/宮地ゆうこ
芋美味く煮る妻がいて後の月/古田けいじ
日が落ちる色なき風の吹く中を/高橋信之 

守屋光雅
柿紅葉一枚の葉に始まりぬ/碇英一
十三夜戸締りはやき小間物屋/山野きみ子
この位の明るさがいい十三夜/藤田裕子
虫音低くつづれて昇る十三夜/高橋正子
後の月起重機くろぐろ浮かびおり/堀佐夜子

河ひろこ
あたたかきミネストローネ十三夜/多田有花
日が落ちる色なき風の吹く中を/高橋信之
後の月窯に忘れしメロンパン/小峠靜水
すばる天文台へアクセス十三夜/矢野文彦
橋下を手漕ぎ舟ゆく十三夜/平野あや子

福田由平
後の月花野もろもろ影を持つ/おおにしひろし
ささら波舷(ふなばた)たたく十三夜/平野あや子
吾が薄き影立ち来る十三夜/碇 英一
あたたかきミネストローネ十三夜/多田有花
尾花見て里なつかしむ床の母/大給圭泉

野田ゆたか
あたたかきミネストローネ十三夜/多田有花
後の月起重機くろぐろ浮びおり/堀佐夜子
日が落ちる色なき風の吹く中を/高橋信之
夫迎えにともに連れゆく後の月/祝恵子
十三夜戸締りはやき小間物屋/山野きみ子

堀佐夜子
豊穣の里を照らして栗名月/安丸てつじ
くっきりと欠けいることも後の月/高橋信之
この位の明るさがいい十三夜/藤田裕子
妻自慢創作サラダに林檎入れ/守屋光雅
故里へ帰りたき日よ十三夜/古田けいじ


投句一覧/投句者31名
馬場江都
暮れ残る空に現る後の月
中天に少しやせたる後の月
星ひとつ月と照り合う十三夜

碇 英一
吾が薄き影立ち来る十三夜
後の月うろこに光る甍かな
柿紅葉一枚の葉に始まりぬ

岩本康子
慎ましく明るく高く十三夜
新しき住まいに静かに十三夜
綺麗ですね声かけられて十三夜

山野きみ子
十三夜戸締りはやき小間物屋
色のせて流れる雲に後の月
澄む月をふたたび隠す雲の旅

太田淳子
鎮もりて村青々と十三夜
厨事止めて眺める後の月
月の窓全開にして虫を聴く

藤田洋子
十三夜川の明りに沿う家路
エプロンをはずす窓辺に後の月
月の窓ガラスの小鳥照らさるる

河ひろこ
旅終えて奥羽の山に後の月
着陸や残して来たり十三夜
ドアノブを回し振り向く星月夜

安丸てつじ
晴れ渡る空晧晧と十三夜
豊穣の里を照らして栗名月
銀杏散る池のほとりに児ら無心

高橋正子
十三夜刻む大根のきらきらと
虫音低くつづれて昇る後の月
コスモスの一列二列の陽に向かい

野島葉亭
十三夜見知らぬ人の会釈受く
十三夜肩緩やかな青磁壷
後の月遠く口笛聞こえくる

津村昭彦
基地の街轟音残す後の月
薄雲に囲みて放つ十三夜
急ぎたる首を竦める秋の風

平野あや子
橋下を手漕ぎ舟ゆく十三夜
ささら波舷(ふなばた)たたく十三夜
白鷺の二夜の月へ向かい翔つ

相沢 野風村
十三夜奥行広く山の上
栗名月北緯40度の高さなり
挨拶の香り一番金木犀

宮地ゆうこ
草の香と空の湿りと十三夜
くっきりと前山隣る後の月
酢橘搾る手元は湯気につつまれて

矢野文彦
すばる天文台へアクセス十三夜
くしゃみして部屋に戻りぬ後の月
飲み余すワインの壜に夜長の灯

霧野萬地郎
雲走り光の滲む十三夜
裏町の灯は無音なり後の月
火の星と栗名月のかくれんぼ

おおにし ひろし
青白き月のきりりと十三夜
後の月花野もろもろ影を持つ
茎太き鶏頭抜けば赤燃ゆる

大給圭泉
どこからかカレーの匂い後の月
坂道の空へと続く十三夜
尾花見て里なつかしむ床の母

守屋光雅
祈願する句友の快癒十三夜
後の月雲を明るくみちのくは
妻自慢創作サラダに林檎入れ

祝恵子
路地に猫眼ひかりて十三夜
夫迎えにともに連れゆく後の月
どんぐりの太いの細いの手に渡す

福田由平
月あがる宵をすごせば十三夜
いい月と声する方へ後の月
虫の音もなくてそぞろに秋の暮れ

古田けいじ
故里へ帰りたき日よ十三夜
大根をおろす秋刀魚が焼ける間に
芋美味く煮る妻がいて後の月

野田ゆたか
来るものに去るものありぬ十三夜
甘納豆食べたのはだれ後の月
虫の音に紛れたるより夜の静寂

藤田 裕子
この位の明るさがいい十三夜
工場の町に優しく後の月
毬栗の山里離れ食卓に

小峠静水
後の月窯に忘れしメロンパン
月白やことに柱はまっすぐに
換気扇より覗く光の十三夜

都久俊
カレンダーに印せし今日十三夜
天守なき袖石垣の月明り
改築の素気無き足場後の月

高橋信之
日が落ちる色なき風の吹く中を
十三夜の始まる空の濃き青に
くっきりと欠けいることも後の月

堀佐夜子
雲ひとつ無く月の出美しき十三夜
後の月起重機くろぐろ浮びおり
樋口一葉のにごりえ読む夜長

多田有花
尾根にある梢明るし後の月
川沿いに栗名月と走りけり
あたたかきミネストローネ十三夜

能作 靖雄
ひつじ田や風音もなく十三夜
地平線燃えて背に見る後の月
月蒼く犬の遠吠え消え遣らず

平田  弘
筆を擱きしばし見上げる十三夜
奥深く見せて浮き出す後の月
茸取りし山は薄墨暮れ残る