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高橋信之選 高橋正子選
水煙俳句フェスティバルin奈良入賞作品
2005年11月19日〜20日

記録A



【最優秀/高橋信之選】
★島を縫い冬灯台の灯と会いぬ/高橋正子
瀬戸内海の夜の航を無理なく捉えた。技巧は特に
新しいものではないが、しっかりした句だ。内実
がある。昭和初期の草田男、波郷、梵等、人間探
求派が台頭した頃を思う。(信之評)

【最優秀/高橋正子選】
★枯蓮の枯れ切らぬ葉の明るさよ/河ひろこ
法隆寺弁天池か。11月といっても、暖かい日和
に恵まれると、枯蓮となってゆきながらも、枯れ
切っていないので、「明るい」みどりが葉が穏や
かな風に揺れいてるのが見える。日差しを存分受
けながら、枯れてゆく蓮の葉の明るい静寂がよく
捉えられ、いい色彩がある。(正子評)

         
【高橋信之特選15句】
★朱雀門はるかに望み落葉踏む/多田有花
★屋根の反り青き冬日の秋篠寺/守屋光雅
★大仏をうかうかと見て冬の陽へ/高橋正子
★冬紅葉きらめく朝の新幹線/今村七栄
★目つむれる薬師に冬の風清ら/碇 英一
★天邪鬼冬うららかに踏まれおり/今村七栄
★枯蓮の枯れ切らぬ葉の明るさよ/河ひろこ
★夢殿へ差し入る冬日わが影も/池田加代子
★冬晴れや伽藍への道真っ直ぐに/岩本康子
★冬朝日耀き今日を賜わりし/黒谷光子
★銀杏散る並木は山へ一直線/祝 恵子
★高速路曲がる先まで冬紅葉/多田有花
★金色の鴟尾に会いたる古都の冬/岩本康子
★いっぱいに冬陽浴びたる若草山/多田有花
★小春日の大道芸は影を連れ/守屋光雅

【高橋正子特選15句】
★歳時記を乾きて落ちる桜紅葉/碇 英一
★屋根の反り青き冬日の秋篠寺/守屋光雅
★冬雲に届ける煙まっすぐに/碇 英一
★そば立てる耳に霰や旅支度/河ひろこ
★冬ぬくし奈良の佛の笑みにあふ/守屋光雅
★朱雀門はるかに望み落葉踏む/多田有花
★千年の仏の御側冬温し/今村七栄
★小春日の大道芸は影を連れ/守屋光雅
★手に取れば手の平ほどの柿紅葉/河ひろこ
★朱雀門そこから寒き野となりぬ/高橋信之
★銀杏散る並木は山へ一直線/祝 恵子
★幾代にも甍重ねて冬木の芽/小西 宏
★五重塔冬青空に揺るぎなし/守屋光雅
★冬暖か黒き微笑の仏かな/守屋光雅
★冬うらら大和で会いし仏たち/碇 英一



【入選30句/信之・正子選】
★句座へ向く足取軽し落葉踏む/山中啓輔
★冬日燦人に歴史の一つずつ/矢野文彦
★時雨傘入れて北への旅鞄/黒谷光子
★水煙を透かし大和の小春空/霧野萬地郎
★空は青雲は白なり冬の奈良/野田ゆたか
★青空のちびっ子サッカー一茶の忌/守屋光雅
★冬晴れの富士伴うて師がもとへ/池田加代子
★耕せし土ふかぶかと初霜に/黒谷光子
★庭師来て石の定まる石蕗の花/甲斐ひさこ
★花の水かえて出かける冬の旅/祝 恵子
★古都奈良は山なだらかに冬ざれて/池田加代子
★下駄鳴らし白足袋の僧駆け下る/霧野萬地郎
★秋篠の白の山茶花咲き初める/守屋光雅
★古都の空暮るる藍色冴えまさり/池田加代子
★煙突の煙真直ぐに霜の晴/小西 宏
★斑鳩の里の田いびつ藁ぼっち/霧野萬地郎
★弁天の水の返せる冬日眩し/池田加代子
★我も居て冬陽あまねく法隆寺/河 ひろこ
★柱ふとし背面より見る冬仏/祝 恵子
★柿紅葉拾えば葉っぱ湿りおり/祝 恵子
★小春日に夢殿少し角がとれ/大石和堂
★夢殿を囲いて夢を見る冬芽/野田ゆたか
★冬の雲集まり易き御空かな/碇 英一
★霜晴れの喧騒朝の駐機場/小西 宏
★伎芸天御座す苔庭冬紅葉/石井孝子
★せせらぎの女人高野の冬椿/石井孝子
★大根をふたつに分けて夕げの膳/高橋秀之
★平城宮の冬の疎水の動かざり/山中啓輔
★冬光も吸いし藁あり法隆寺/大石和堂
★薄日差す冬の御堂の伎芸天/岩本康子



【互選最高点】

■第1次句会■
□最高5点□ 
★耕やせし土ふかぶかと初霜に/黒谷光子
□次点4点/同点2句□ 
★水煙を透かし大和の小春空/霧野萬地郎
★冬ぬくし奈良の佛の笑みにあふ/守屋光雅

■第2次句会■
□最高4点□
★千年の仏の身側冬温し/今村七栄
□次点3点/同点2句□
★古都奈良は山なだらかに冬ざれて/池田加代子
★技芸天御座す苔庭冬紅葉/石井孝子

■第3次句会■
□最高5点□
★塔影を踏みて小春の法隆寺/野田ゆたか
□次点3点□
★斑鳩の里の田いびつ藁ぼっち/霧野萬地郎

※選者詠は、集計から割愛しています。

 

■選者詠■

□高橋信之□
 瀬戸内海
★船窓の島の灯親し十一月
 大阪南港
★冬の航終わりしずかに接岸す
 古都奈良五句
★紅葉して時過ぎゆかす古都大路
★朱雀門そこから寒き野となりぬ
★十一月の空きらきらす大仏殿
★大仏の裏わが息の冷たしと
★冬晴へ鐘鳴らしおり法隆寺

□高橋正子□
★島を縫い冬灯台の灯と会いぬ
★冬星を一つ連れ行く船の旅
 東大寺
★大仏をうかうかと見て冬の陽へ
 秋篠寺
★御肩に秋灯落ちて伎芸天
 法隆寺三句
★金堂の重き扉に冷えのあり
★わが白息秘仏の玻璃を曇らせる
★蓮の実のおびただしきが日当たれる