【最優秀/高橋信之選】
★島を縫い冬灯台の灯と会いぬ/高橋正子
瀬戸内海の夜の航を無理なく捉えた。技巧は特に
新しいものではないが、しっかりした句だ。内実
がある。昭和初期の草田男、波郷、梵等、人間探
求派が台頭した頃を思う。(信之評)
【最優秀/高橋正子選】
★枯蓮の枯れ切らぬ葉の明るさよ/河ひろこ
法隆寺弁天池か。11月といっても、暖かい日和
に恵まれると、枯蓮となってゆきながらも、枯れ
切っていないので、「明るい」みどりが葉が穏や
かな風に揺れいてるのが見える。日差しを存分受
けながら、枯れてゆく蓮の葉の明るい静寂がよく
捉えられ、いい色彩がある。(正子評)
【高橋信之特選15句】
★朱雀門はるかに望み落葉踏む/多田有花
★屋根の反り青き冬日の秋篠寺/守屋光雅
★大仏をうかうかと見て冬の陽へ/高橋正子
★冬紅葉きらめく朝の新幹線/今村七栄
★目つむれる薬師に冬の風清ら/碇 英一
★天邪鬼冬うららかに踏まれおり/今村七栄
★枯蓮の枯れ切らぬ葉の明るさよ/河ひろこ
★夢殿へ差し入る冬日わが影も/池田加代子
★冬晴れや伽藍への道真っ直ぐに/岩本康子
★冬朝日耀き今日を賜わりし/黒谷光子
★銀杏散る並木は山へ一直線/祝 恵子
★高速路曲がる先まで冬紅葉/多田有花
★金色の鴟尾に会いたる古都の冬/岩本康子
★いっぱいに冬陽浴びたる若草山/多田有花
★小春日の大道芸は影を連れ/守屋光雅
【高橋正子特選15句】
★歳時記を乾きて落ちる桜紅葉/碇 英一
★屋根の反り青き冬日の秋篠寺/守屋光雅
★冬雲に届ける煙まっすぐに/碇 英一
★そば立てる耳に霰や旅支度/河ひろこ
★冬ぬくし奈良の佛の笑みにあふ/守屋光雅
★朱雀門はるかに望み落葉踏む/多田有花
★千年の仏の御側冬温し/今村七栄
★小春日の大道芸は影を連れ/守屋光雅
★手に取れば手の平ほどの柿紅葉/河ひろこ
★朱雀門そこから寒き野となりぬ/高橋信之
★銀杏散る並木は山へ一直線/祝 恵子
★幾代にも甍重ねて冬木の芽/小西 宏
★五重塔冬青空に揺るぎなし/守屋光雅
★冬暖か黒き微笑の仏かな/守屋光雅
★冬うらら大和で会いし仏たち/碇 英一