『水煙京都吟行報告/碇英一記』

高橋信之 2001531 【木】 315 削除・編集 スレッドの一覧・返信

■水煙京都吟行報告/碇英一記■

5月26日(土)
(京都蹴上駅)
 いよいよ本番を迎えた。11時にゆたかさんの吟行組が地下鉄蹴上に集合。念のため車で蹴上駅に行く。ゆたかさんが煙草を吸っているところに到着。ザックに水煙と印刷した紙を貼って花壇に腰を降ろしている。一緒に一行の到着を待つ。最初に康子さんが現われる。4月の松山の記念会写真で拝見していたのですぐ分かった。次に音羽さんが現われる。電話で声だけだったのでお若いのにびっくり。しばらくしていると道路の向こうから声がする、てつじさん、高男さん、萬地郎さんである。孝子さんから携帯電話がある平安神宮の正面にいると言う。タクシーで南禅寺の三門に来るよう伝言してみんな出発。私は一路会場のセミナーハウスへ。

(会場)
 事務局から送られてきた信之先生の作品展示をする。10点大額中額とある。会場の雰囲気が俄然変わる。一番に到着は佐夜子さん、恵子さん、佐夜子付き添いの姪ごさんの3人。昨年の大阪城吟行で顔なじみである。続いて大石和男さん、小峠静水さん到着。初対面。小峠さんは電話では70歳ぐらいと想像していた。若いので驚かされる。芦本さんが来られる。初対面。お元気。皆はまだなので句会の席を作って、投句をしていただく。ゆたかさんから電話。2時15分、銀閣寺へ先生、弘子さん、洋子さんが今入ったので、少し開会が遅れるとのこと。10分もしないうちに再度電話もうタクシーでこちらに向かっているとのこと。電光石火鴉の行水銀閣吟行である。2時40分全員入場。予め投句用紙を配っていたので即投句をしていただく。

(句会)
 ジャスト3時句会開会。先生の主宰挨拶の後、清記、選句を済まし。披講に移る。自己紹介をして自分の選句を披講する。作者はそこで名乗る。16人が終わったところで先生の選の発表。(これら作品全ては事務局掲示板のゆたかさんの記事にあります)作品の多様性と選の一致性を感じる。優秀者に主宰より賞品。その他の人にも主宰の書が配られた。豪華。伊嶋さんから和手拭をみなさんに。その後、先生の古稀のお誕生日のお祝いをしてご壮健を祈念する。一度部屋に帰って食堂に6時に集合する。

(夕食)
 予定の懇親会は1時間の夕食では無理なので別室ですることにして、てつじさんの音頭で乾杯し開食。O大の学生達と一緒の食堂なのでワイワイと賑やか。いややかましい。混信会である。しかし、若さは速い30分もすれば全員食事を終わり出ていく。あとは静かに大人のおしゃり。

(懇親会)
 別館和室で18人が揃う。主宰のお手前でお茶を戴く。といっても最初の2〜3人。後は女性陣のお手前と、お酒が入り混じる。冷房機が故障で京都の蒸し暑さを満喫する。それでも行ける人はピッチを上げる。主宰へのQandA。有花さんの自転車旅行。高男さん萬地郎さんの東北旅行。竹落葉。山ぼうし。などなど。比叡の天然の水を、米やブドウの水を飲みながら。水煙のこれからの行方なども。1泊されないてつじさん、静水さん、和男さんが帰られる。
<インターネットにおける感性の共同体がこのようにできるとは思ってもいなかった>
<これからみんなが水煙をどうするか考える時期に来ている>
 記憶装置の老朽化が進んでいる、アルコールに浸された頭はこのぐらいしか痕跡を留めない。1時ごろ皆が引き上げた部屋に男性陣は討ち死に。(和俊さんはすでにダウンしていた)

 5月27日(日曜) 雨。霧雨。夏の雨。青葉雨。
 昨日は吟行ができなかったので一人で目をつけていた鷺森神社行く。玄関外で佐夜子さんが車椅子で一人いる。他の2人は吟行にいったとのこと。勿論、佐夜子さんも目の前にある山ぼうしを見ながら句を捻っていたのである(作品はゆたか版で)。神社行きどうにか5句作る。

 2日目
(句会)
 昨日と同じ手順で句会開会。(選句、主宰選全作品ゆたか版参照)さらりとした句が多い。皆きっちり吟行しているのがよく分かる。時間を少し余して終了。記念撮影(1日目に帰られた方申し訳ありませんでした。)先生の作品鑑賞のあと皆で片付け。昼食野後解散。ごくろうさまでした。

 このたびの句会には東京・藤沢・富山・北九州・松山などの遠方からも参加くださり、また新しい会員の方も沢山ご参加いただきみなさまのおかげで盛会だったこと感謝して報告を終わります。

『京都吟行句会開催結果/野田ゆたか記』

野田ゆたか 2001/5/31(4:3)

■京都吟行句会結果■

◎ 5月26日(土)・1回目
  午後3時・関西セミナーハウス会議室 

○ 優秀
吟行へペットボトルは冷茶とす/霧野萬地郎
掌(てのひら)をやはわらに蹴って蛍飛ぶ/小峠静水
東山三十六峯青滴る/安丸てつじ

○ 入選
青葉若葉フロントガラスに流れゆく/多田有花
緑蔭の峠を越えて京に入る/同
発掘の現場を回る撒水車/同
逝く母の顔に百合香の花粉つく/小峠静水
目は空へ耳は若葉の風を聞く/同
整然と耕されし畑夏の陽に/岩本康子
あれこれを捨てて旅立つ夏来る/同
水うちて砂利道響き風香る/祝 恵子
やわらかき光につつまれ山つつじ/同
銀閣は素にして庭の暑さかな/霧野萬地郎
地下鉄を出てつつじ山目の前に/同
袖めくる制服夏のバスに乗る/音羽和俊
北へ奥へ京の山手に栗の花/相原弘子
旅立ちの空の青さに夏つばめ/藤田洋子
踏みゆけば竹の落葉の柔らかさ/碇 英一

◎ 5月27日(日)・2回目
  午前10時30分・関西セミナーハウス会議室 

○ 最優秀
麦藁帽朝の挨拶して通る/堀 佐夜子

○ 優秀
様々な鳥啼く朝の旅五月/藤田洋子
梅天やお寺は人の寄るところ/野田ゆたか
一泊の旅の朝なり茄子の花/相原弘子

○ 入選
濡れ光る若竹肌の青さかな/霧野萬地郎
芍薬の遠い畑や朝の雨/同
猿注意ガラスに張らる夏吟行/祝 恵子
異人さんと挨拶かわす青葉雨/同
桜の実爪の染りて華やげり/芦本照代
筍の寺の囲いを夜半(よわ)にぬけ/同
目薬さす五月の末の空潤む/伊嶋高男
竹薮の大きくかじかの声透かに/相原弘子
楓若葉五ケ国文字で案内板/碇 英一
夏だいこん引きし人あり京の野に/岩本康子
竹落葉濡れて底なき沼となり/音羽和俊
芍薬の花びらすべて雲を抱き/多田有花
山法師小雨に濡れてなお白し/堀 佐夜子
句談義の夢の中まで夏の星/八木孝子


                

■5月26日(1回目)の互選結果■

◎ 高点句
5点 大門が若葉の額となりし寺/音羽和俊
4点 薫風の古希には古都の重さあり/大石和堂
4点 時計草ゆっくりきざむ京の午後/音羽和俊

◎ 高点者
13点 音羽和俊
 8点 安丸てつじ・大石和堂
 7点 霧野萬地郎
 6点 八木孝子

・・・ 互 選 ・・・

【相原弘子 選】
緑蔭の峠を越えて京に入る/多田有花
青葉若葉フロントガラスに流れゆく/同
踏みゆけば竹の落葉の柔らかし/碇 英一
会場へ急ぐ細道時計草/霧野萬地郎
万緑や車中で開く同人誌/野田ゆたか

【芦本照代 選】
薫風の古希には古都の重さあり/大石和堂
蜘蛛の囲や野寺(やじ)門跡寺の区別なし/同
哲学の道ほうたるの道となり/音羽和俊
おみくじのひとつ結われて若楓/八木孝子
三門に添いて句碑あり夏の詠/安丸てつじ

【碇 英一 選】
早苗田のただ中にあり麦畑/多田有花
あれこれを捨てゝ旅立つ夏来る/岩本康子
鴨川を五條で渡る朝曇/伊嶋高男
先哲もカンカン帽歩まれし/安丸てつじ
吟行へペットボトルは冷茶とす/霧野萬地郎

【伊嶋高男 選】
時計草ゆっくりきざむ京の午後/音羽和俊
大門が若葉の額となりし寺/音羽和俊
三門に添いて句碑あり夏の詠/安丸てつじ
山ふところの青葉のなかのセミナーハウス/高橋信之
ざわめいて若葉はすでに風の中/小峠静水

【祝 恵子 選】
掌(てのひら)をやはらに蹴って蛍飛ぶ/小峠静水
おこしやす耳許で鳴く御苑の蚊/伊嶋高男
三門に立てば寄せくる若葉の気/野田ゆたか
三千院苔むし灯籠夏日影/堀 佐夜子
山門を出ませる尼僧白日傘/芦本照代

【岩本康子 選】
時計草ゆっくりきざむ京の午後/音羽和俊
大門が若葉の額となりし寺/同
薫風の古希には古都の重さあり/大石和堂
くもの囲や野寺門跡寺の区別なし/同
夏萩や老舗のシャッター開ける音/八木孝子

【大石和男 選】
水色をもちてあじさい咲き初むる/碇 英一
吟行の朝コロンをふたつ振り/音羽和俊
おこしやす耳許で鳴く御苑の蚊/伊嶋高男
道問えば風に頷く芥子坊主/小峠静水
三門に添いて句碑あり夏の詠/安丸てつじ

【音羽和俊 選】
夏の蝶止まるる花も揺れており/堀 佐夜子
万緑や千年古都の空蒼茫/同
銀閣は素にして庭の暑さかな/霧野萬地郎
新緑の道口ずさむ逍遙歌/安丸てつじ
おこしやす耳許で鳴く御苑の蚊/伊嶋高男

【霧野萬地郎 選】
一休の里に三丁樟若葉/大石和堂
くもの囲や野寺(やじ)門跡寺の区別なし/同
先哲もカンカン帽歩まれし/安丸てつじ
おみくじのひとつ結われて若楓/八木孝子
銀沙灘真昼まぶしき薄暑かな/藤田洋子

【小峠静水 選】
おみくじのひとつ結われて若楓/八木孝子
三千院苔むし灯籠夏日影/堀 佐夜子
哲学の道七曲り七変化/野田ゆたか
大門が若葉の額となりし寺/音羽和俊
山門を出ませる尼僧白日傘/芦本照代

【多田有花 選】
袖めくる制服夏のバスに乗る/音羽和俊
大門が若葉の額となりし寺/同
東山三十六峯青滴る/安丸てつじ
ざわめいて若葉はすでに風の中/小峠静水
吟行へペットボトルは冷茶とす/霧野萬地郎

【野田ゆたか 選】
時計草ゆっくりきざむ京の午後/音羽和俊
大門が若葉の額となりし寺/同
銀沙灘真昼まぶしき薄暑かな/藤田洋子
先哲もカンカン帽歩まれし/安丸てつじ
裏山の杉にさえずり銀閣寺/岩本康子

【藤田洋子 選】
冷房のバス窓外の青い空/高橋信之
プラタナの青葉そよそよ京都に着く/同
山ふところ青葉の中のセミナーハウス/同
踏みゆけば竹の落葉の柔らかさ/碇 英一
整然と耕やされし畑夏の陽に/岩本康子

【堀 佐夜子 選】
会場へ急ぐ細道時計草/霧野萬地郎
借景の山の緑や石の庭/同
電話手に羅(うすもの)の人二年坂/芦本照代
掌(てのひら)をやはらに蹴って蛍飛ぶ/小峠静水
夏萩や老舗のシャッター開ける音/八木孝子

【八木孝子 選】
三門に立てば寄せくる若葉の気/野田ゆたか
身の内の暑さを冷まし銀閣寺/同
哲学の道ほうたるの道となり/音羽和俊
薫風の古希には古都の重さあり/大石和堂
木下闇京都の眼白古色帯ぶ/伊嶋高男

【安丸てつじ 選】
銀閣は素にして庭の暑さかな/霧野萬地郎
新しきみどりの幹の竹落葉/碇 英一
時計草ゆっくりきざむ京の午後/音羽和俊
幾太郎の歩幅に添いぬ五月川/八木孝子
薫風の古希には古都の重さあり/大石和堂


■5月27日(2回目)の互選結果■

◎ 高点句
4点 一泊の旅の朝なり茄子の花/相原弘子
4点 参道の坂は濡れずに青葉雨/碇 英一

◎ 高点者
9点 相原弘子
8点 高橋信之・八木孝子

・・・ 互 選 ・・・

【相原弘子 選】
さつき咲く雨は静かに降り続く/多田有花
筍の寺の囲いを夜半にぬけ/芦本照代
芍薬の遠い畑や朝の雨/霧野萬地郎
夏だいこん引きし人あり京の野に/岩本康子
吟行に人出払いて蝸牛/伊嶋高男

【芦本照代 選】
竹落葉濡れて底なき沼となり/音羽和俊
あちこちに疎水清らに京の夏/岩本康子
竹落葉ガードの堅き門跡寺/伊嶋高男
雨の鳥静かに食(は)めり桜の実/碇 英一
夏霧の動かず特別保存地区/相原弘子

【碇 英一 選】
麦藁帽朝の挨拶して通る/堀 佐夜子
早起き眼に満開の山ぼうし/高橋信之
京茶店青葉の下に看板あり/祝 恵子
夏霧の動かず特別保存地区/相原弘子
吟行に人出払いて蝸牛/伊嶋高男

【伊嶋高男 選】
青梅の葉陰に丸し京の雨/八木孝子
青時雨句帳の文字のにじみけり/同
ハヤの腹紅く疎水に流されり/岩本康子
夏帽子叱られ哲学の道走る/音羽和俊
参道の坂は濡れずに青葉雨/碇 英一

【祝 恵子 選】
竹落葉濡れて底なき沼となり/音羽和俊
万華鏡京都の初夏の色踊る/同
一泊の旅の朝なり茄子の花/相原弘子
青時雨句帳の文字のにじみけり/八木孝子
曼殊院お庭をぬらす緑雨(りょくう)かな/多田有花

【岩本康子 選】
ヒロインになって踏み行く竹落葉/八木孝子
句談義の夢の中まで夏の星/同
さみだれる能楽堂の猫めざめ/霧野萬地郎
カーテンの向こう五月の雨降る朝に/高橋信之
一泊の旅の朝なり茄子の花/相原弘子

【音羽和俊 選】
なだらかな京の山並み夏煙雨(えんう)/岩本康子
山法師咲けり比叡の小糠雨/碇 英一
蛇蜥蜴思索モードの疎水道/伊嶋高男
早起きの眼に満開の山ぼうし/高橋信之
夏霧の動かず特別保存地区/相原弘子

【霧野萬地郎 選】
大根せり上り五月雨降る空へ/高橋信之
一泊の旅の朝なり茄子の花/相原弘子
鳥居くぐればりるりるりると蟇の恋/八木孝子
蝸牛角の指す先能舞台/芦本照代
ハヤの腹紅く疎水に流されり/岩本康子

【多田有花 選】
竹薮の大きくかじかの声透かせ/相原弘子
夏だいこん引きし人あり京の野に/岩本康子
参道の坂は濡れずに青葉雨/碇 英一
傘さして行く竹落葉つもるまま/藤田洋子
さつきより明け初む今朝の小糠雨/芦本照代

【野田ゆたか 選】
参道の坂は濡れずに青葉雨/碇 英一
竹薮に抜き立つ榎や囀れる/同
比叡山花白々と山法師/霧野萬地郎
青時雨句帳の文字のにじみけり/八木孝子
なだらかな京の山並み夏煙雨(えんう)/岩本康子

【藤田洋子 選】
早起きの眼に満開の山ぼうし/高橋信之
すくすくと育つものあり青葉の京に/同
大根せり上り五月雨降る空へ/同
一泊の旅の朝なり茄子の花/相原弘子
竹薮の大きくかじかの声透かせ/同

【堀 佐夜子 選】
青梅の葉陰に丸し京の雨/八木孝子
ハヤの腹紅く疎水に流されり/岩本康子
玉虫の気の若かりし古稀を祝(ほ)ぐ/野田ゆたか
あちこちに疎水清らか京の夏/岩本康子
目薬さす五月の末の空潤む/伊嶋高男

【八木孝子 選】
すくすくと育つものあり青葉の京に/高橋信之
万華鏡京都の初夏の色踊る/音羽和俊
参道の坂は濡れずに青葉雨/碇 英一
蝸牛角の指す先能舞台/芦本照代
蛇蜥蜴思索モードの疎水道/伊嶋高男

 

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