平成11年度水煙大会に出席して                                       古田けいじ

 

定年退職となったその日1120日に、松山に向けて出発。片道500km余を一気に突っ走るのは一寸きつそうだったので、京都の息子の下宿に小休止してからとする。

京都までの国道1号線は所々の、景気浮揚策の工事?のため渋滞、いつもの倍の時間が掛かってしまう。早目に夕食を済ませ、3時出発をめどに就寝。子供の遠足みたいに、1時過ぎには目が覚めてしまい、結局2時過ぎに京都を出発。真夜中の高速道路は車が少なく、スムーズに流れ、小休止をとりながら走る。瀬戸大橋に来た時、丁度、日の出で真っ赤な太陽を見る事が出来る。

四国に入ってからも、混雑はなく順調に走り、吉田先生に頂いた地図を便りに大会会場の「にぎたつ会館」へ、名古屋から530km余を走って9時過ぎに到着。

インターネット上での名前しか知らないメンバーに、先生から紹介してもらう。俳句からイメージする人物像と実物はなかなか一致せず、驚きの連続である。どなたも想像以上に若くみえるからである。

全員が揃って、有吉さん司会で始る。高橋先生の挨拶、愛媛大学森教授のご挨拶、吉田先生の記念講演、各賞の表彰式と続く。私自身は身に余る、栄えある第一回橘賞をいただく。インターネット俳句センターに参加して1年と10ヶ月しか経っていない私ごときがいただくのは、先輩諸氏に対し申し訳ない思いがしたが、これから、もっと水煙の為に働け、という励まし理解して、有りがたく頂戴する。新人賞の@森くん(ごめんなさい)は@が似合わない落ち着いた風貌で、毎朝、その日の掲示板のトップバッターを高橋先生と争って、早朝の投句を、欠かさず続けられ、今回の受賞となられた。日本の豊かな自然を彷彿させる毎朝の句風を風貌に表して受賞されていた。

水煙賞受賞の一代さん、ベテランらしい落ち着きのある方で、「良い俳句を作るには良い生活を」の信之先生の教えを実践しておられるような感じであり、これから自分も真似てみたいと思った。

句会は初めての経験で、心地よく緊張する。脇坂さんから配られた用紙に、運転してくる途中での3句を書いて提出。清書はなく、皆の書いた物を10枚ずつに分け、2回ずつ回覧し、選句する。

最高点が3句あり、水煙仲間のセンスのよさと、共有している句心みたいなものがを感じた。

金、銀、銅賞、特選、入選の発表の都度、若やいだ喜びの声が上がる。

年齢の割に、若く見えるのは、こうした感動や喜びが俳句を通して日常的にあることによるのだろう。

句会の後は会食。美味しいワインやら、高橋先生がお持ち下さった地酒など、明るい太陽があるうちからいただく。各自、自己紹介をする。私自身は酔っ払っていて何をスピーチしたか定かでない。

但し、定年初日がこうした楽しい集いだった事で、定年生活も充実したものになるだろう、と言った事だけは、今もそう思っているので、覚えている。これが、家にいて、みじめったらしくパソコンにでも貼りついていたら、と思うとぞっとしてしまう。

第二の人生にソフトランディングさせて頂いた仲間の皆さんに感謝する次第です。

青春の真っ只中の二人から、老いて益々盛んの大ベテランまで、幅広い層を擁している水煙の充実ぶりを感ずる、皆さんのスピーチでした。

会食後は子規記念館へ案内してもらう。が、名古屋から500km余の運転と、昼間からの美味しいお酒に負けて、折角の記念館なのに、やや、もうろうとして、足下がふらついてしまう。

夜は信之先生、吉田先生、高男さんと4人で中心街へ出て楽しい酒宴。高男さんの、実に楽しい、豊富な話題で盛り上がる。翌日は先生ご夫妻と、藤田洋子さんに案内してもらい松山城、美味しい午餐、東京へ高松からのんびりと一昼夜の船旅を楽しまれる高男さんに別れてから、砥部焼きの窯元へ、と楽しい一時を過ごす。

一日目、瀬戸大橋を渡って、四国へ入り、愛媛県に入ったあたりの山の風景に、後ろの座席の愚妻が、山が優しいという。そこで一句詠んだ。  「伊予に入る秋の優しさ見えてくる」。

期待した優しさと楽しさに満ち溢れた松山の2日間であった。皆さん本当に、楽しい思い出をありがとうございました。