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■オンライン9月句会入選句■


【最優秀】



爽やかな駅アナウンス電車入る/小田島恵子



これまで、暑かった駅のホームに比べ、涼しくなると、駅のアナウ

ンスの声も、滑り込んで来る電車も、さっそうと爽やかに感じられ

る。新涼の季節がうまく捉えられている。(評:高橋正子)



【優秀10句】



父の球ミットにしかと朝霧らう/八木孝子

子のミットは、父の行為をしかと受け止めた。「霧らう」がこれを

さわやかに語ってくれる。(評:高橋信之)



こぼしつつ荷揚げの鰯あお光/小原せい子

鰯の水揚げである。網からこぼれるほどの鰯は、ぴちぴちと青く光

り、海の色、空の色も映して、かがやいている。(評:高橋正子)

船が港へ帰って、鰯の水揚げが始まる。

今朝も豊漁らしく、網が揚がるたび鰯がこぼれ出る。こぼれた鰯は

折からの朝日を受け、その青い色がきれいに海に戻る。

(評:古田けいじ) 

漁を終え船から陸へ水揚げされる風景が生き生きと伝わります。旬

の鰯の青が目映いばかりに輝いています。(評:藤田洋子) 

大漁であろう鰯の荷揚げ、光をうけて輝きそのおこぼれを低空から

狙っている鳥も居るのでしょう。(評:祝 恵子)



追い越してゆくもの風と赤とんぼ/鈴木照子

透きとおった秋の空気の中を歩いていると、うしろから風と赤とん

ぼが追い越して行った。爽やかな初秋のかろやかなリズムが感じら

れます。秋の自然の中に溶け込んで、自然と一体になっている作者

の心に惹かれます。(評:八木孝子)



黍畑悲しみの彩ひた隠す/紫苑 恵

さわさわと鳴る黍畑のようすには、どこか悲しみをかくしているか

のような雰囲気があります。その色合いや葉ずれの音に初秋のやや

悲しい感じがでている句です。(評:高橋正子)



名月や独りぼっちもまた楽し/岩本康子

月の明るい夜の楽しさが、率直に詠まれていて、好感がもてます。

誰にも、何にも邪魔されないで、心ゆくまで名月を楽しまれたので

すね。月の明るさが引き立って思えます。(評:高橋正子)

 

秋あかね下校自転車群れ走る/守屋光雅

自転車通学の、学生たちの群れのなかに、赤とんぼも、群れ飛んで

いる。下校時刻というから、夕方なのでしょうか。学生の白いシャ

ツに赤とんぼが映えて、学生がより学生らしくさわやかに見えます。

(評:高橋正子)

新学期が始まって、学校にまた活気が戻ってきました。沢山の下校

途中の自転車の群れに混じり、追い越し追いかけるように秋あかね

が舞い飛ぶ、そんな動きのある情景とともに子供たちの歓声も聞こ

えて来そうな、躍動的な生き生きとした句です。(評:紫苑 恵)



車窓開け秋風の音次々と/日野正人

車を走らせながら入れる風の心地よさが伝わってきます。走る風景

から、次々に入ってくる風の楽しさが、爽快です。(評:高橋正子)



妻の手をしっかり握る残暑の岩場/北村ゆうじ

登山の場面でのひとこまですが、「岩場」での実感が、「残暑」と

いう言葉で、生き生きと表現されています。登山のたのしみが、こ

んなところから、伝わってきます。残暑といいながらもすがすがし

い句です。(評:高橋正子)



銀杏の葉陰に丸く風を待ち/古田けいじ

銀杏が十分に丸くなり、緑の葉陰に安息しているようです。吹いて

くる風を待って、落ちる実もあれば、枝で風を楽しむ銀杏の実もあ

るのでしょう。銀杏に心を通わせる詩的な空間がいいと思います。

(評:高橋正子)



そよぐものを越して蜻蛉の宙を行く/高橋正子

風に流され、又、抗しつつ飛んでいるようなとんぼ、とんぼにとっ

て、そこはまさに蜻蛉の宙なのでしょうね。(評:福田由平)



【入選23句】



青空に手をさし入れて柿をもぎ/角野行人

収穫する柿もぎの楽しさが<青空に手をさし入れ>の表現で倍加さ

れている思います。(評:霧野萬地郎)



朝市に海色満たし秋刀魚桶/武 清子

大きな桶に今朝揚がったばかりの、ドキドキと黒光りする秋刀魚が

溢れています。漁港近くの朝市の活気と潮の香が伝わってきます。

(評:伊嶋高男) 



いいわけをするまでもなし桐一葉/森 隆博

いい訳をしたいのは、人情だが、それを「するまでもなし」とする

のは、その人の生き方。桐の一葉がぱさりと落ちるように、胸にぱ

さりと収めることができるのは、やはり、男らしい人柄というべき

でしょう。桐一葉が、心情をよく表しています。(評:高橋正子)



早生梨のゆがみの多様よき個性/野田ゆたか

早生梨の形の均整さの欠けるところを歪みと見、一つ一つにある違

いの多様さをよい個性と捕らえる心持ちが暖かい。(評:碇 英一)



鮨処女将の活けて鳥兜/田中栄子

馴染みのお寿司屋さんでしょうか?紫の花をめぐって女将との対話

が弾んだことでしょう。(評:安丸てつじ)



四阿(あずまや)の小さな句座や吾亦紅/太田久女

数人で近くへ吟行,四阿の下で句会,それぞれ批評をしながら秋の

一時を楽しんでいる。お年寄りのグループ,目立ちはしないが,私

たちも亦俳句愛好者。〈吾亦紅〉が効果的です。(評:守屋光雅)

暑い間ご無沙汰していた句会を久しぶりに再開した。四阿でのこじ

んまりした句会は俳句仲間の楽しさを満喫させてくれる。庭には今

を盛りに吾亦紅。作者の息使いが聞こえてくる。(評:武田稲子)



秋冷の気配に目覚む休刊日/伊嶋高男

朝の冷やかな気配で、いつもの時間に目覚めた。しかし手持ち無沙

汰でする事がない。休刊日の戸惑いが伝わってきます。この句の音

律リズムが好きです。(評:野田ゆたか)



虫の声よい間隔に風はくる/相原弘子

昨夜、窓を半分開けて虫の声を聞きながら寝ました。風がまさによ

い間隔で入ってきて、秋っていいなあと思ったことでした。

(評:小田島恵子)



夕映えを野にひろげいる薄かな/鈴木照子

薄野の夕景を上手く表現されていると思います。(評:堀佐夜子)



秋灯下源氏はどこまで行ったやら/武田稲子

灯火親しむ秋、そこへながーいながーい物語、源氏を持ってこられ

たのがとてもいいと思い ます。どこまで行ったやら、がユーモラス

ですね。物語?それともあなたの光源氏?(評:岩本康子)



新涼や街の疲れを流す雨/霧野萬地郎

この時期の実感です、暑くって雨のない長い日々を終え植物も人間

も街も元気戴きます。(評:目見田郁代)



朝の虫鳴く一匹が太く鳴く/高橋信之

日の出前の虫の声、とりわけ太く鳴くのを、いつのまにか耳にして

います。そしていつの間に聞こえなくなったのでしょう。きょうの

始まりが、胸や背にあるのです。(評:相原弘子)



換気扇フル回転で秋刀魚焼く/霧野萬地郎

旬の秋刀魚を味わうにはこれしか有りませんね。<フル回転で>が

いいですね。厨の中を覗かせて戴きました。 おいしそー。

(評:北村ゆうじ)



下校路の風の高さに赤とんぼ/江間万里子

秋の夕暮れ時、子どもたちはニコニコしながらの帰り道。緩やかな

向かい風の中、一定の高さを保って蜻蛉と一緒に帰る情景が浮かび

ます。車などの騒音も無い風の音と笑い声だけの世界がそこにあっ

たのでしょう。(評:日野正人)



クーラーの物音消えて虫の声/作者不明

夏に活躍してたクーラーの音から、涼しくなり電源を切る。しかし

、外には虫の声。季節には季節の声がどこかで必ずしている。それ

を実感させてくれてる句です。私の、最優秀句とさせて頂きました。

(評:森竹智則)



踏みしだく山路の毬はみなし栗/武 清子

山路きて何か靴底にあたる固いもの。心地よき足運び。でもそれが

みなし栗。なにかさみしさも・・・。(評:服部 洵)



天気図に台風兆す南州忌/西野研一

西郷の波瀾万丈の生涯と台風が絶妙の取り合わせと、思います。

(評:伊藤重美)



賽の目に白さを分けて新豆腐/相原弘子



日向より日向へひらり秋の蝶/堀佐夜子



秋澄むやとんがり帽の時計台/西野研一



火が走る点火時刻の大文字/人見忠雄



コンバイン秋高らかに秋を刈る/城本竜馬



泣き声も虫の音もあり夜の居間/祝 恵子



【最高点/13点】



青空に手をさし入れて柿をもぎ/角野行人



【次点/8点】



追い越してゆくもの風と赤とんぼ/鈴木照子



【第3位同点4句/7点】



四阿(あずまや)の小さな句座や吾亦紅/太田久女



こぼしつつ荷揚げの鰯あお光/小原せい子



爽やかな駅アナウンス電車入る/小田島恵子



そよぐものを越して蜻蛉の宙を行く/高橋正子


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今回は、9月10日でしたが、次回の10月句会は、10月8日です。
ご参加をお待ちしています。


入選句
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俳句雑誌水煙