■オンライン8月句会入賞発表■

2001年8月12日/水煙ネット事務局


追加発表 投稿者:日野正人  投稿日: 8月12日(日)14時04分04秒

■最高点句・同点2句/8点■
新涼やくるりと向きの変わる椅子/野田ゆたか
驟雨来て山消え失せし山にいる/高橋信之

■次点・同点2句/7点■
この道のまっすぐが好き黍嵐/小峠静水
ゆうらりと雲になりたき夏休み/金井ひろみ


入賞発表@ 投稿者:主宰 高橋信之  投稿日: 8月12日(日)13時53分48秒

■オンライン8月句会入賞発表/高橋信之選■

【最優秀】
★中天に雲寄せつけず百日紅/阪本登美子
百日紅の、百日の花が開いている間には、柔らかな
曇りの空もあるが、咲き極まるころの、秋めくよう
な気配を見せる青く高い空が、この花には最も似合
うようである。雲は、はるかに小さく浮かんでいる
。終戦の頃もこうであったかと、想いみる。(評:
高橋正子)
真っ青な空に百日紅はしろでも紅でも似合います。
中七「雲寄せ付けず」に一票。(評:林 暁兵) 

【優秀12句】
★宙に浮き蝉は樹間を移り飛ぶ/高橋正子
広がりの中に動きがあって、一つの世界を作ってい
る。これは、作者内面が表出された世界である。(
評:高橋信之)

★露草や朝の空より早く青/古田けいじ
明けてくる空に、朝の色がつく前に、露草はすでに
青い色をたたえている。露草の青は、見たものには
わかるのだが、朝が早ければ、早いほど透明度が高
い。(評:高橋正子) 

★落ち蝉を放り上げてやる大空へ/磯部勇吉
不覚にも落ちたであろう蝉を、手に拾ってすること
は、「さあ、空へ飛んでゆけ」と、力を貸して飛ば
してやることである。そうすれば、蝉は、勢いを得
て空へ飛んでいって消える。人間を省みて、身に沁
みるような思いがする。(評:高橋正子)

★今が日の出諸々の秀に露が透け/相原弘子
日の出とともに、朝はいっそう明るくなる。稲の葉
先、草の葉先など、とがったものの先にある露は、
朝日にいっそう透明になってくる。(評:高橋正子)

★とんぼうの翅を広げて空気張り/相原弘子
とんぼが羽をぴんと張れば、すなわち空気が張られ
ることになる。見えないものを見るときは、そんな
事象から、奥深さを覗くことになるのだろう。(評
:高橋正子)

★朝顔や水着のままの児ら走る/山田 天
夏の子供たちの生き生きとした元気な姿が嬉しい。
季語が活かされ明るい情景が目に浮かびます。(評
:藤田洋子)
子供らの一番元気な頃、親の生活もお陰で張りがあ
って楽しいものになります。そんな思いで読ませて
頂きました。(評:福田由平)

★存分に働き山の秋めきし/野田ゆたか
定年退職でも迎えたのでしょうか、満足感があり、
これからの、輝く人生を錦秋の山に例えていると読
みました。今の自分への応援歌です。(評:霧野萬
地郎)

★杉箸の小気味良く割れ秋の宿/堀佐夜子
こんなことが案外に気持ちの良い一日を持続させる
。心涼しい一日を。(評:戸原琴)
杉の箸の爽やかな香りと割れる音が涼しげです。(
評:脇美代子)

★ひまわりは上昇気流に垂直に/葉島洵
ひまわりが空へ真っ直ぐに背を伸ばして咲いている
。ひまわりの向うの空に動く上昇気流を見たのでし
ょうか。真夏のひまわりではなく、季節が移り変わ
る感じがした句です。(評:古田けいじ)
今年は酷暑が続いたせいか向日葵の茎は太く育って
天に向かってすっきりと伸びている。上昇気流とい
う言葉がそれを連想させ、あわせて、今年の凄まじ
い気象までも連想させる。(評:椎木英輔)

★時のきて時の流れてつくつくし/金子孝道
立秋を過ぎると時の経過の速さを意識します。
一年の終りに向けて時の流れが急に速まるように思
われるのです。法師蝉の鳴き音を聞きながらそんな
ことに想いを馳せる今日このごろです。(評:右田
俊郎)
法師蝉が鳴き始めるともう今年も夏が行ってしまっ
たんだなとつくずく一抹の寂しさを感じます。そし
てつくつく法師の声が聞こえなくなるといよいよ秋
も深まってゆきます。(評:磯部勇吉 )

★この道のまっすぐが好き黍嵐/小峠静水
玉蜀黍畑が続いてる道、曲がることも無く続く道、
そんな所へ行ってみたいですね。(評:祝恵子)

★美化してはならぬことあり終戦日/矢野文彦
戦争に関して、美化してならないことは、一つや二
つではない。報国殉国の国民の内心の真実を検証す
るのも、終戦の記念日なのではなかろうか。(評:
高橋正子)


入賞発表A 投稿者:主宰 高橋信之  投稿日: 8月12日(日)13時50分03秒

【入選30句】

★秋蝉鳴く空に残照あるかぎり/藤田洋子
お盆過ぎの蝉は、暮れつつの中を、残照の中を、
声を上げることがあります。虚をつかれたような、
むなしいような一瞬です。(評:相原弘子)

★遠花火の音を忘れて無重力/日野正人
だいぶ遠くの花火ですね。「無重力」が遠花火の全
てを語っています。(評:伊嶋高男)

★吊革に五体あずける残暑かな/金子孝道
季語がうまく生かされ、残暑の中の通勤の様子が伺
われます。(評:北村ゆうじ)  
初秋とはいえ厳しい暑さが続く今の季節を、「吊革
に五体あずける」という措辞でみごとに表現されて
いると思います。(評:山田 天)

★ジャングルジム錆びた公園秋西日/堀佐夜子
西日を受けた公園、ひと気の無い公園は何となく疲
れたような雰囲気がただよいます。(評:山野きみ
子)

★清水汲む一瞬火傷するおもい/右田俊郎
山の伏流水のこんこんと湧き出る清水。冷たい痛い
感覚は気持ち好いの先にある感覚なのかもしれぬ。
ひと飲みし汗の顔を洗えば天国である。(評:守屋
光雅)

★雲低く湧いて青柿触るるほど/柳原美知子
青い柿の実がだんだん大きくなってきた。彼方に湧
く低く白い雲に届きそうである。「青柿触るるほど
」の表現にリアリティがあって身近な親しみを覚え
ます。(評:八木孝子)

★手花火の手の混み合いて色こぼす/藤田洋子
競う様に輪の中に入り手だけが時間を争っている様
子が、よくわかります。それに元気有る声さえきこ
えてきます。少し当たり前だが、最後の、色こぼす
に,一点を。子供達仲良くしてネ。(評:小峠静水)

★秋草の風に昔の音を聴く/葉島洵
過ぎ去った過去を風に揺れる秋草の中で想い出して
いる。良い秋の季感を感じました。(評:阪本登美
子)

★並走のとんぼの群れに手を伸ばす/霧野萬地郎 
最近とんぼが少なくなりました。群れを見たら、き
っと私も手を伸ばすでしょう。(評:矢野文彦)

★熱気球夏高原なを広く/金井ひろみ
見渡す限りの青空とパノラマの世界に、ゆっくりと
浮かぶ熱気球。小豆粒くらいの大きさから、手に届
きそうな大きさまで、その世界の広さが手に取るよ
うにわかります。(評:日野正人)
高原の広さが熱気球の出現でより一層広さを感じま
す。又高原の爽やかな風も感じられます。(評:河
ひろこ)

★今朝の秋皿四枚をテ−ブルに/高橋正子
なにげない朝の情景が見えるようです。(評:大石
和堂)

★休め田や開拓の碑に蝉の殻/磯部勇吉
今はもう休耕田となってしまった一帯の開拓の碑と
蝉の殻の取り合わせが長く重い歴史とはかなさを感
じさせ、味わい深い句だと思います。(評:柳原美
知子)

★波透きて海水平に秋日置く/阪本登美子

★新涼やくるりと向きの変わる椅子/野田ゆたか

★夏薊奄美の友の瞳の光/太田淳子

★影法師靴の下なる暑さなり/椎木英輔

★今朝の秋成層圏まで空深く/安増惠子

★暮れなずむ青田に青まだ残りけり/河ひろ子

★体操の空あおあおと蝉乱舞/野上哲斉

★ロープウェイ涼しさ増してすれ違う/祝けいこ

★指揮者逝く涼しき寺のマンドリン葬/守屋光雅

★盆支度終えて日暮れのゆるやかに/藤田洋子

★牧牛の草食む音の夏空へ/八木孝子

★原爆忌からっぽの空を鳩の群れ/音羽和俊

★風触れて芋の葉露をこぼしけり/山野きみ子

★バイク乗る盆僧ころもひるがえし/平野あや子

★しらしらと眼の昏きまで日の盛り/脇美代子

★雲の峰「知恵子」嘆きし空がある/伊嶋高男

★からむ藻を蹴っては遊ぶ子等の夏/作者不明

★それぞれに己が高さで草は実に/作者不明

■選者詠/高橋信之
★驟雨来て山消え失せし山にいる
驟雨に出逢って、山は突如消え失せてしまい、雨を
避ける術もなく、呆然とした現場の情景を的確に把
握している。(評:野上哲斉)
驟雨きて、ほにさっきまで、緑に包まれていた周り
が、色を無くし唖然とする。そのなかに身を置いて
いる。情景、心情とも良く伝わってきます。(評:
葉鳥 洵)
★山涼しカーブミラーの丸い空
拡大のミラーで風景などを見ると変って映りますの
で楽しいですね。ご家族でドライブに山へ出かけら
れたのですね。良いお天気だったようで空も深くな
った感じで初秋です。(評:堀佐夜子)
★秋立つ日マリオネットの糸の張り


全作品 投稿者:主宰 高橋信之  投稿日: 8月12日(日)10時13分05秒

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