■オンライン10月句会入賞発表/高橋信之選■
【最優秀】 ★杉山は昏れてよく澄む水の音/小峠静水
【優秀11句】 ★蟹籠を秋水こぼしつつ上げる/吉田晃
★天高し線路は山まで真っ直ぐに/林曉兵
★村じゅうに大きな秋がやって来る/河ひろこ
★亜浪忌の近づく頃の時雨かな/野田ゆたか
★背もたれの窪みに秋陽父の椅子/脇美代子
★稔り田の四隅を取られ機械入る/安田明子
★三連の水車止まりて豊の秋/西野研一
★遠霧の薄むらさきに潮満ちる/山野きみ子
★秋桜母の残せし鯨尺/平野あや子
★やわらかな人影コスモスの向こう/相原弘子
★槌音を山突き返し秋の空/野上哲斉
【入選22句】 ★吾亦紅くれない枯るるを灯の中に/高橋正子
★花のように活けて楽しい唐辛子/柳原美知子
★畦つなぎことごとく立つ曼珠沙華/藤田洋子
★真空なる空に溶けゆく秋桜/阪本登美子
★鳥渡る空一枚でありにけり/阪本登美子
★竿売りの声秋天に突き抜ける/日野正人
★病む母にいくつ嘘つく秋の暮れ/小峠静水
★熊笹に寝て秋の雲生るを見る/古田けいじ
★おさな名を呼ばれ振り向く夜店の灯/堀佐夜子
★稜線を駆け下りてくる霧の音/江田晋
★渡り鳥一途といふは美しき/加納淑子
★馬の脚同円描く秋の馬場/安増惠子
★蜻蛉の追えば目線の水平に/目見田郁代
★選り取りしどれも重たき奈良の柿/霧野萬地郎
★満月をゆっくり渡る船の影/岩本康子
★晩秋の運河満々と平らなる/山野きみ子
★秋風や少女早くも稜線へ/熱海修一
★遠山のアンテナ光る秋高し/矢野文彦
★姉眠る大東京の鰯雲/音羽和俊
★夕暮れに母の呼ぶ声路地の秋/右田俊郎
★木犀や遍路の鈴の遠ざかる/田岡弘
★コスモスが我が物顔に母の家/田中栄子
■選者詠/高橋信之 ★秋日背にしてわが影を押し歩く ★蔦枯れてますます壁に貼りつきぬ ★とんぼ来てまた去るときも唐突に
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