■オンライン10月句会入賞発表■
『入賞発表』
司会 高橋正子 2001年10月14日(日) 18:50:4 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■オンライン10月句会入賞発表/高橋信之選■

【最優秀】
★杉山は昏れてよく澄む水の音/小峠静水

【優秀11句】
★蟹籠を秋水こぼしつつ上げる/吉田晃

★天高し線路は山まで真っ直ぐに/林曉兵

★村じゅうに大きな秋がやって来る/河ひろこ

★亜浪忌の近づく頃の時雨かな/野田ゆたか

★背もたれの窪みに秋陽父の椅子/脇美代子

★稔り田の四隅を取られ機械入る/安田明子

★三連の水車止まりて豊の秋/西野研一

★遠霧の薄むらさきに潮満ちる/山野きみ子

★秋桜母の残せし鯨尺/平野あや子

★やわらかな人影コスモスの向こう/相原弘子

★槌音を山突き返し秋の空/野上哲斉

【入選22句】
★吾亦紅くれない枯るるを灯の中に/高橋正子

★花のように活けて楽しい唐辛子/柳原美知子

★畦つなぎことごとく立つ曼珠沙華/藤田洋子

★真空なる空に溶けゆく秋桜/阪本登美子

★鳥渡る空一枚でありにけり/阪本登美子

★竿売りの声秋天に突き抜ける/日野正人

★病む母にいくつ嘘つく秋の暮れ/小峠静水

★熊笹に寝て秋の雲生るを見る/古田けいじ

★おさな名を呼ばれ振り向く夜店の灯/堀佐夜子

★稜線を駆け下りてくる霧の音/江田晋

★渡り鳥一途といふは美しき/加納淑子

★馬の脚同円描く秋の馬場/安増惠子

★蜻蛉の追えば目線の水平に/目見田郁代

★選り取りしどれも重たき奈良の柿/霧野萬地郎

★満月をゆっくり渡る船の影/岩本康子

★晩秋の運河満々と平らなる/山野きみ子

★秋風や少女早くも稜線へ/熱海修一

★遠山のアンテナ光る秋高し/矢野文彦

★姉眠る大東京の鰯雲/音羽和俊

★夕暮れに母の呼ぶ声路地の秋/右田俊郎

★木犀や遍路の鈴の遠ざかる/田岡弘

★コスモスが我が物顔に母の家/田中栄子

■選者詠/高橋信之
★秋日背にしてわが影を押し歩く
★蔦枯れてますます壁に貼りつきぬ
★とんぼ来てまた去るときも唐突に

※コメントは、下記の書き込みをご覧下さい。
『追加発表』
日野正人 2001年10月14日(日) 15:57:11 削除・編集
■最高点句/12点■
★背もたれの窪みに秋陽父の椅子/脇美代子

■次点/10点■
★秋日背にしてわが影を押し歩く/高橋信之

『コメント@』
司会 高橋正子 2001年10月14日(日) 18:52:3 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【最優秀】
★杉山は昏れてよく澄む水の音/小峠静水
杉山は、昼間でもうすっらと暗く静かである。昏れなずむと杉山はいっそう暗くなり、耳が敏くなる。流れる水音が、はっきり澄んで聞こえてくる。(評:高橋正子)

【優秀11句】
★蟹籠を秋水こぼしつつ上げる/吉田晃
「秋水」ならば、「蟹」は、川蟹であろう。水も空気も、すべてがきらきらと光って、川蟹の動きが見えてくる。(評:高橋信之)

★天高し線路は山まで真っ直ぐに/林曉兵
視線は、「山」へ「真っ直ぐに」である。「天」へ「真っ直ぐに」である。作者の心は、自然と直に結びつく。そして読者の心もまた大自然へと誘って、そこに結びつける。(評:高橋信之)

★村じゅうに大きな秋がやって来る/河ひろこ
村のすべてがすっぽりと「大きな秋」に包み込まれた。大きな実りの秋である。(評:高橋信之)
稔り田、赤トンボ、熟れ柿、山の栗、里山のもみじ、突き抜ける空、鳥の声。秋一色の村、豊かな日本の郷土の原点に惹きよせられます。(評:福田由平)

★遠霧の薄むらさきに潮満ちる/山野きみ子
「潮満ちる」ときの少しの高ぶりを、「遠霧の薄むらさきに」という色彩で捉えた。いい感覚である。(評:高橋信之)

★亜浪忌の近づく頃の時雨かな/野田ゆたか
亜浪忌は、11月11日であるが、その日が近づく頃になると、秋も終わりとなり、寒々した感じになる。新しい俳句を目指した亜浪は、昨今の俳句の様子をどのように見ているだろうか。(評:高橋正子)

★背もたれの窪みに秋陽父の椅子/脇美代子
日当たりに置かれた父の椅子は、良く使われて、背もたれに、秋陽が溜まっている。そこに様々な思い出がある。(評:高橋正子)
やわらかな秋の陽差しに包まれる中、お父様への深い思慕がしみじみと感じられます。(評:藤田洋子)   
窪みにお父様に対する思いが詰まっていますね。秋は人々にいろんな思いを深くさせる季節でしょうか。(評:目見田郁代)
ほのぼのした気分になります。(評:西野研一)

★稔り田の四隅を取られ機械入る/安田明子
機械で稲を刈るためには、機械が入れるだけの場所を作っておかなければいけない。その場所をつくるために、稲を人間の手で刈りとって置くのである。挟みで切るように四隅が取られるのも面白いが、機械と長く稲を作ってきた人間の関係も、面白い。(評:高橋正子)

★槌音を山突き返し秋の空/野上哲斉
明るく建設的な強さを、「槌」と「突き」の音で確かなものにしています。気持ちの良い句です。(評:林 暁兵)
建前の頭領の振り上げる大きな木槌の先に済みきった秋空。木槌を振り下ろすつど、山が槌音を返し、その澄み切った秋の空気が鮮明に詠まれています。(評:北村ゆうじ)

★三連の水車止まりて豊の秋/西野研一
稲田になみなみと水を送りながら、稲の成長を見守り、日常に溶け込んだ回る音が聞こえてきます。実りを見終えるまで、黙々と回り続けた水車に感謝する気持が伺えます。(評:日野正人)

★やわらかな人影コスモスの向こう/相原弘子
コスモスの咲き乱れる、その向こうを人影がゆっくりと動いてゆく、コスモスの揺れるやわらかさを透けて、人の姿もふんわりとやわらかい。コスモスも人も溶け合って、優しさに包まれるような気持ちになります。(評:八木孝子)
コスモスを通しての人影は、ほのぼのとした優しさに包まれている。(評:山野きみ子)
秋風に揺れるコスモスの向こうに、母子の遊ぶ姿か、若いカップルか、ともに安らぐひとときを、やわらかな人影という言葉でよく表現している。好きな句です。(評:柳原美知子)

★秋桜母の残せし鯨尺/平野あや子
お母様を思い出しながら飴色になった鯨尺で冬支度でもなさっておられるのでしょうね。それともお孫さんの七五三の晴れ着でしょうか。秋桜と鯨尺、日本の秋です。思い出です。(評:堀佐夜子)
母が残していった鯨尺。子供たちの着物を作るのに良く使っていた。角もすれてまあるくなっている。ふっと庭に目をやると、母の好きだった花、コスモスが風に揺れている。(評:古田けいじ)
秋桜の温かみが、お母さんの思い出につながり、鯨尺を使うたびに、いつも母の愛を思い出すのだ。(評:野上哲斉)
秋桜、母、鯨尺−−三題噺の趣がありますね。(評:矢野文彦)

『コメントA』
司会 高橋正子 2001年10月14日(日) 14:3:58 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選22句】
★真空なる空に溶けゆく秋桜/阪本登美子
真っ青に晴れた日にコスモスの林の中に腰をおろして空を見上げると花が光に透き通り無一物の青の中へ溶け込んでゆくような錯覚にとらわれます。真空なる空が秋桜を一層美しく詠んだ。 (評:磯部勇吉)

★竿売りの声秋天に突き抜ける/日野正人
澄んだ秋天に竿売りの甲高い声が突き抜ける。とても秋を感じる句です。(評:平野あや子)

★晩秋の運河満々と平らなる/山野きみ子
広い河の流れ、ゆったりと時が流れるような空間。(評:脇美代子)

★熊笹に寝て秋の雲生るを見る/古田けいじ
秋山の登山途中でのこと、頂上近くの熊笹の茂ったところで一休み。 荷物はすっかり払って、熊笹の上にあお向けに寝転んで大空を仰ぐ。白雲がもくもくと湧いてくる。 気持ちのいい句だと思います。ただし、熊笹の上は少し痛くはなかったでしようか? (評:岩本康子)
丘でしょうか、山でしょうか。雲の流れるさまを見ている情景に、青年の樹という歌を思い出しました。(評:葉鳥 洵)

★稜線を駆け下りてくる霧の音/江田晋
山での霧(雲?)の動きは本当に速い。もちろん、霧に音はないが、こう言われると音なき音が聞こえてくる。(評:田岡 弘)
霧の只中にいるとプチプチというような霧の音が聞こえる。山と一つになってその音を聞いている。(評:戸原琴)

★病む母にいくつ嘘つく秋の暮れ/小峠静水
母を思う子の愛情がひしひしと伝わってくる。元気づける言葉が矛盾だらけとなる寂しさ,季語〈秋の暮れ〉がぴったりです。 (評:守屋光雅)
私も体験しました。この切なさに共感の一票を投じます。どうぞお大事に。(評:右田俊郎)

★選り取りしどれも重たき奈良の柿/霧野萬地郎
子規の名句「柿食えば」を思い出します。秋の古都を存分に楽しんでいる風情。(評:安丸てつじ)

★満月をゆっくり渡る船の影/岩本康子
雅の世界に引き込まれるような幻想的な句。上五の省略が効いており、詩情がある。(評:山田 天)

★秋風や少女早くも稜線へ/熱海修一
山を下りながらさっきすれ違った少女、汗を拭いて振り返ると、もう稜線を歩いている。秋風が涼しい。情景がありありと目に浮かぶ。絶賛!(評:椎木英輔)

★夕暮れに母の呼ぶ声路地の秋/右田俊郎
いつまでも遊んでいたい子供達、そして母の呼ぶ声が林の夕日の中で響く。懐かしさを感じさせてくれる句である。(評:阪本登美子)

★木犀や遍路の鈴の遠ざかる/田岡弘
木犀の香の中で聞いた鈴の音が秋の透きとおった遍路道にまだ残っているようだ。(評:加納淑子)

★渡り鳥一途といふは美しき/加納淑子   
心に沁みます。つい忘れそうなことを、呼び覚ましてくれます。(評:相原弘子)

★コスモスが我が物顔に母の家/田中栄子
久しぶりに訪れた実家の庭に、コスモスの花が縦横に咲き乱れている。そのコスモスに占領された母の家に、もの悲しさを感じます。(評:音羽和俊)
玄関もかくれんばかりに沢山咲き乱れているお家が目に浮かぶようです。(評:安田明子)

★おさな名を呼ばれ振り向く夜店の灯/堀佐夜子
東京なら、べったら市や酉の市。雑踏の中で「ちゃん」付けで呼ばれて振り返る一瞬。昔日があざやかによみがえります。(評:伊嶋高男)

★吾亦紅くれない枯るるを灯の中に/高橋正子

★花のように活けて楽しい唐辛子/柳原美知子

★馬の脚同円描く秋の馬場/安増惠子

★蜻蛉の追えば目線の水平に/目見田郁代

★畦つなぎことごとく立つ曼珠沙華/藤田洋子

★鳥渡る空一枚でありにけり/阪本登美子

★遠山のアンテナ光る秋高し/矢野文彦

★姉眠る大東京の鰯雲/音羽和俊

『コメントB』
高橋信之 2001年10月14日(日) 14:31:30 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■選者詠/高橋信之

★秋日背にしてわが影を押し歩く
西(太陽が東)へ向かっている男性。「押し歩く」で力強く目的(地)に向かって進む男のロマンを感じる。作者が女性であれば少し解釈が異なるので男性作者の句としてこの句をいただく。(評:野田ゆたか)
「押し歩く」に年配の男性を思わせます。またいろいろの句意を感じる奥の深さもあると思います。 (評:河 ひろこ)

★蔦枯れてますます壁に貼りつきぬ
「ますます壁に貼りつきぬ 」は「蔦枯れ」の様子を的確に言い表していると思います。また少し悲しい感じもいたします。(評:碇 英一)

★とんぼ来てまた去るときも唐突に

『全作品と伝言』
司会 高橋正子 2001年10月13日(土) 17:57:30 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■全作品
は、下記のアドレスをクリックしてご覧ください。
http://user.shikoku.ne.jp/hiroko47/haiku/dengon0110.htm

■伝言
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