■第32回オンライン句会入賞発表/2002年3月10日■
『3月句会入賞発表@』
司会 高橋正子 2002年3月10日(日) 6:18:11 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■オンライン3月句会入賞発表/高橋信之選■

【金賞】
★湧水に映りし芽木の強き張り/金子孝道
生命はどんなにささやかであっても、「強き」で、その強さがいい。生命の始まりである。(評:高橋信之)

【銀賞】
★思いっきり歩幅広げて青き踏む/太田淳子
「思いっきり」である。「青き踏む」春だからこそ「思いっきり」である。(評:高橋信之)

【銅賞】
★湯たんぽや使い収めて日に晒す/ウォルナー由三子
生活観がいい。「湯たんぽ」は、冬の季語だが、「使い収めて」いるので、季感は、早春。(評:高橋信之)


『入賞発表A』
司会 高橋正子 2002年3月10日(日) 12:28:11 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【優秀10句】

★白魚やおのが影さへ持たず透く/佐藤とみ子
白魚は透き通って見える。その為白魚は影がないように一瞬思われる。躍り食いをするため掬われて鉢に2・3匹泳いでいる。その情景が美しい。(評:都 久俊)

★いぬふぐり畦に咲き続ぎ空も青/堀佐夜子
やわらかいいぬふぐりの青が遠くまで伸び、春の滑走路のように空へ翔け上がる。視線と共に心も伸びやかに開放されます。(評:宮地ゆうこ)

★一湾は空より青しミモザ咲く/西野研一
小高い丘から湾を眺めた景色でしょうか。晴れた春の日のコバルトブルーの湾と鮮やかな黄色のミモザとのコントラストが美しいと思います。(評:岩崎楽典)
色の強烈な印象。(評:加納淑子)

★麦青むペダルをゆるく下校生/相原弘子
心地よい景色の中、下校する生徒も無意識のうちゆっくりとペダルを踏んでいる。(評:柳原美知子)

★音もなく水撒く畝や囀れる/碇 英一 

★鳥帰る夜には揃う星の数/相原弘子

★蒲公英の濃き方へ向く車椅子/堀佐夜子

★きらきらと立山まぶし畦青む/能作靖雄

★雲雀より始まる朝の晴れ上がり/藤田洋子

★風知るや今日の青さの柳の芽/林 暁兵

『入賞発表B』
司会 高橋正子 2002年3月10日(日) 16:47:59 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選T/15句】

★春風に琵琶湖疎水の下る音/高橋正子
満々と水をたたえる豊かな琵琶湖より蕩々と流れくる疎水の水音が清らかに聞こえてくるようです。春風の柔らかな穏やかさと軽やかな水音に心地よい春らしさが溢れます。(評:藤田洋子)

★雉翔ちて山野の光り極めけり/宮地ゆうこ
足許から長い尾を翻して雉が飛び立った一瞬を鮮やかに捉えています。極彩色の豪華な花鳥画を見ているようですね。(評:伊嶋高男)

★ぜんまいのわたに溜めたる地の力/宮地ゆうこ
芽立ち前のぜんまいの株を覗きますとわたにしっかりと包まれて固い芽がぎっしりと詰っています。此れが正に地の力を溜め込んで一斉に立ち上がろうとしているように思われます。(評:磯部勇吉)

★園児らのつなぐ手揺れて花菜道/藤田洋子
時々この様な光景に出会います。幼稚園とか保育園の園外活動でしょうか。先生や保母さんが等間隔に手をつなぎ、あっちこっちでは園児達のいざこざが有ったりして其れは賑やかで楽しそうです。きっと子供達の良い思い出になる事でしょう。(評:堀佐夜子)

★帰る鴨しばし流れに添ひて飛ぶ/佐藤とみ子
北へ帰る鴨が、暫くは住み慣れた湖から流れ出る川に沿って飛ぶ。
それだけを言っただけですが、人の世の住み慣れた所への郷愁、延いては春愁をも呼び起こす句だと思います。(評:田岡 弘)

★磯波の弾けて海苔の青さかな/霧野萬地郎
波が弾く度に磯の海苔の青さが深まってきます。春の訪れが海辺にもきました。(評:平野あや子)

★三椏の花が疎水をやわらかに/高橋正子

★菜の花や鉄塔大きく立ち上がる/碇 英一

★雪柳散り敷くままに白きまま/小峠静水

★桃の花つぎつぎ開く明るい部屋/岩本康子

★春暁や鏡を閉じて今日も晴れ/安田明子

★のどけしや窓に背伸びの影うつる/祝 恵子

★木々の芽や母子は歩みあわせおり/鬼頭雅子

★車椅子髪なびかせて風光る/能作靖雄

★卒業式草木の青が校庭に/高橋句美子

『入賞発表C』
司会 高橋正子 2002年3月10日(日) 16:47:7 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選U/20句】

★春風に背中おされし別れかな/越前唯人
春にはいろいろの別れがある。少し名残惜しい別れかもしれない。背をおされて、に寂しさが出ている。(評:河 ひろこ)
春は出会いと別れの季節、つらい別れの戸惑いを春風が勇気付けてくれます。(評:安田明子)

★咲きかけの辛夷薄暮に冷えている/古田けいじ
春の日の夕暮れは冷たい風が吹いて、やっと咲きかけた辛夷を震わせています。繊細な辛夷の花に優しさと哀れさを感じます。(評:山野きみ子)

★抱き上げし子犬の鼓動風光る/平野あや子
子犬のドキドキする心臓の鼓動に春をかんじます。(評:越前唯人)

★犬の尾の高く振られし青む草/葉鳥 洵
我が家の愛犬も同じです。初春の明るい風景と愛犬との楽しい散歩の様子がよく見えます。(評:江田晋)

★巣立つ朝校長ともに卒業す/青海俊伯
定年を迎えられた校長さんでしょうか。満足感と寂寥感を織り交ぜ、心を打たれます。(評:安丸てつじ)

★舟溜り花の出を待つ屋形船/山野きみ子
隅田川を見てきたところです。桜の花が両岸に咲いた時に乗る屋形船は、最高でしょう。待たれるところですね。(評:祝恵子)

★六姉妹母つつがなき雛の夜/田中栄子
今、失われつつある日本のゆかしき情緒です。落ち着いた雛の夜、至福の一時ですね。(評:右田俊郎)

★啓蟄やあしうらやはらかき赤子かな/鬼頭雅子
水温み、柔らかな風も吹き、あらゆる生き物たちの蠢く頃、あたたかな日差しに遊ぶ赤子の瑞々しい命も一層輝いてくる事でしょう。(評:福田由平)

★隣席の優しき言葉春ショール/江戸 晋
「春ショール」という季語があるかどうかは別として、そのやわらかな響きをいただきました。春の日のひとこま、こころもなごやかになるんですね。(評:根本秋湘)

★薔薇の芽の赤き緑が壁つたう/作者不明
私も先日、薔薇の葉や芽の色に驚きました。でも表現が出来なかったのですが、赤き緑とはよく詠まれたとおもいます。(評:葉鳥 洵)

★杖の母梅の林へ入りけり/碇 英一
余りにすばらしい梅林にひきつけられて、おもわず入り込まれたお母様のお気持ちを喜ばれうとともに、大丈夫かなと一寸ご心配もなさる作者のお優しさを、感じました。(評:馬場江都)

★この土手に米寿の母と蕗の薹/能作靖雄
春が来て毎年同じ土手に蕗の薹が出るのを待って採取にいらっしゃるのでしようか?それとも、たまたまお母様と散歩されていた時に、思わぬ土手に蕗の薹を見つけられて弾んだ気持ちになられたのでしようか?省略が効いた句なので、色々想像できますが、どちらにしても、春の喜びを高齢のお母様と共に感じられているところが心温まります。(評:岩本康子)

★制服は今日で終わるや若柳/高橋由美子
晴れて卒業する喜びと、一抹の寂しさが混ざり合う気持ちが、よく分かります。そして、希望に膨ら胸の内を若柳に見立てたところに句の奥の深さを感じます。(評:日野正人)

★新築の増ゆるあたりやいぬふぐり/佐藤とみ子

★踏めば鳴る晶子の砂丘木の芽風/太田淳子

★指先のほろりと苦し蕗の薹/磯部勇吉

★下萌やはるかに望む阿蘇五嶽/作者不明

★青空に咲き初む辛夷の白点々/右田俊郎

★動くもの動かざるもの春の色/林 暁兵

★梅匂う土に幼子歩き初む/柳原美知子

『ありがとうございます』
高橋 由美子 2002年3月11日(月) 6:51:42 削除・編集
卒業式での息子を柳に託して句にしてみました。
選んでいただき嬉しく、励みになります。
ありがとうございます

『選者詠』
司会 高橋正子 2002年3月10日(日) 12:41:54 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■選者詠/高橋信之

★すっかり晴れて桜花芽の今日がある/高橋信之
桜の芽がふくらんでゆく頃は、時に夜明けはかなり冷え込み、一日晴れ渡ります。新しい命を育む空の青は、桜花芽を、枝毎に広げて見せてくれます。朝の冷え込みが嬉しく思い起こされ、全身で桜花芽を目にします。(評:相原弘子)

★一枚の空の白くて三月に/高橋信之
「一枚の空」に大きな景を、「白く」に空の明るさを感じます。春三月を迎えたおおらかで明るい喜びが伝わってきます。(評:八木 孝子)
見上げる空は春三月のどんな色となるのだろう、気持ちがふくらんでいきます。(評:大石和堂)
そう云えば、今の空は薄い雲がいつも空にある。「一枚」「白くて」の表現が美しいと思います。(評:霧野萬地郎)

★芽吹きつつ揺れてポプラの朝風に

『3月句会全作品』
司会 高橋正子 2002年3月9日(土) 20:38:7 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■全作品
は、下記のアドレスをクリックしてご覧ください。
http://user.shikoku.ne.jp/hiroko47/haiku/k0203z.htm
『高点句発表』
日野正人 2002年3月10日(日) 20:35:46 削除・編集
■オンライン3月句会入賞発表/高橋信之選■

【最高点/10点】
★一湾は空より青しミモザ咲く/西野研一

【次点/9点】
★下萌やはるかに望む阿蘇五嶽/作者不明