■オンライン5月句会入賞発表/高橋信之選■
【金賞】 ★先へ行く白靴先に森に消ゆ/都
久俊 前を歩いている人の「白靴」が際立って印象に残る。先を歩く人が、先に森へと入って行くのは当然であるが、その人の後を来て、その人が森に入るとたん、白靴を見失っているところに不思議さがある。夏の森が茂って暗いせいであろう。(評:高橋正子)
【銀賞】 ★天草の干された軽さを腕が抱く/高橋正子 戴きものの「天草」で、「腕が抱く軽さ」が嬉しさを表して充分であろう。(評:高橋信之) ところてんの材料にするのであろう天草がすっかり乾燥している。なお磯の香を残している〈軽さを腕が抱く〉に満足感も見えるのである。(評:守屋光雅) 手間暇を掛けた天草に対する愛着。「軽さを腕が抱く」という表現がそれを読者に伝えて余りある。(評:椎木英輔) 乾燥するまでの時間と労力、そしてそれが溶かされると美味しい心太となるのである。天草も人も我を戻す。知っている人の句と思いました。(評:河ひろこ)
【銅賞】 ★平らかに田水張られて雲が浮き/安増恵子 田水が、ぴっしりと張られて、泥なども見えず、平らなのである。空がそのまま映って田に空が生まれ、雲が浮くようになった。「雲が浮き」によって、この句が生きた。(評:高橋正子) 田一面に平らにゆきわたる水、穏やかな白い雲、初夏の清々しい田園風景がいいですね。(評:藤田洋子) |