■第35回オンライン句会入賞発表/2002年6月9日■
『6月句会入賞発表@』
司会/高橋正子 2002年6月9日(日) 11:48:11 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■オンライン6月句会入賞発表/高橋信之選■

【金賞】
★ほととぎす啼きつつゆくも空の中/高橋正子
遥かなるものに寄せて、詩情がいい。醒めた詩情がいい。「ほととぎす啼き」は、明け方の「空の中」であろうか。「ほととぎす」は、昼夜の別なく鳴くという。(高橋信之)

【銀賞】
★十薬の花十薬の花の傍/椎木英輔
十薬の花の傍にまた十薬の花が咲き、その花の傍にまた十薬の花が咲く。しろく浮かんだように咲く十薬の花が、ほの暗さの中に清楚であって、日本画を見るようである。(高橋正子)

【銅賞】
★短夜の天地を返す砂時計/伊嶋高男
いい遊びがある。写生とは違った良さがある。「砂時計」の中に「天地」があって、時間と空間を見せている。真実を見せている。(高橋信之)
夜の読書かなにかの中休みでしょうか。無心になって砂時計を返せば、時も引き戻されるような気がします。(岩崎楽典)

『6月句会入賞発表A』
司会/高橋正子 2002年6月9日(日) 14:34:36 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【優秀10句】

★みずすまし動けば動く山の影/金子孝道
みずすましの動きとともに水面を揺らぐ山の影、澄む水と風景の美しさを感じます。山あいの大きな自然の中で、すいすいと軽やかに動き回る小さなみずすましの姿が、実に印象的です。(藤田洋子)
小さなみずすましと大きな山の影の対比がいいと思います。みずすましは山の大きさを気にせず、山はまた静かにみずすましの動きを受け入れて揺れている。寛容、受容の心を感じます。(吉田 晃)

★郭公の鳴いて大きな空になる/八木孝子
学生時代を過ごした仙台のちょうど今頃がこんな具合でした。(右田俊郎)

★日を歩き日焼けし身体大風呂に/霧野萬地郎
一日、日の下を歩きすっかり日焼けした熱る体を、「大風呂」に投げ入れる、この開放感がよい。なみなみとしたお湯に、疲れを癒され気分も爽快である。(高橋正子)

★茄子の紺空は斑なく晴れ渡り/相原弘子
茄子の紺は、極まりなく深い。くまなく晴れ渡った空と、よく響きあっていい音楽が聞こえてきそうである。(高橋正子)

★滴りや火焔不動の荒格子/平野あや子
滴りという季語が生かされた句。(加納淑子)

★六月の光り満たして水は田に/藤田洋子
空よりも水にきらめきのある六月。水がゆっくりと田んぼに入ってゆくときの水の姿がよい。(高橋正子)
幾つもの要素を強欲に取り込んでいながらそれらが効率よく調和して見事に初夏の田園風景を詠い上げていると思います。脱帽!!(石原利朗)

★更衣女の靴音よく響く/佐藤とみ子
オフィスでの更衣と思われるが、更衣えて心まで軽くなって、颯爽と仕事をこなしている女性の姿がさわやか。(高橋正子)

★古墳の丘丸くぎしぎし花盛り/柳原美知子
古墳の丘を覆うぎしぎしの花がやさしい色合いである。古代が、それだけ遠くはるかなものになった、ということでもあろう。(高橋正子)

★紫陽花の色軽ろやかに雨上がる/碇 英一
雨が上がると、それまで色濃く咲いていた紫陽花が、雨露も消えて、明るい空色になっている。すがすがしい雨上がりである。「色軽ろやかに」は、よく観察されている。(高橋正子)

★青トマト兄弟多き日を思い/作者不明
農家に育った方なのだろうか。畑の青トマトが思い浮かぶ。年長のものから年少のものまで、さまざまなことを経験しながら育った日が懐かしく思い出される。(高橋正子)

『6月句会入賞発表B』
司会/高橋正子 2002年6月9日(日) 12:45:45 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選T/15句】

★夕陽いま外に置く百合に差し来る/高橋正子
外に置いた百合の白さと、窓を染める夕日の紅が、刻刻と醸す美しい幻想。夏の夕べに魅せられます。(宮地ゆうこ)

★造船所昼餉のチャイム薫風に/柳原美知子
平成不況にもめげず頑張り続ける造船所には世界に誇る確かな技術がある。一人ひとりの労働者が午前の仕事を終え、薄暑の風さえも心地よく感じ、全身に働く充実感がみなぎる。(能作靖雄)

★笑い声そして弾ける青葉の陰に/霧野萬地郎
青葉の近くを歩いていると若い人たちの笑い声が青葉の陰から聞こえて、こちらももらい笑いしてしまいます。弾けるが若々しくて青葉をうまく表現していると思います。(河 ひろこ)

★草笛や富士の裾野にちぎれ雲/林 暁兵
うらやましい、雄大な富士の裾野で、ちぎれ雲の景のなか、気ままに草笛!絵になりますね。(祝恵子)

★菖蒲田やモネの庭など語りつつ/戸原 琴
菖蒲が水に映っている光と影の様子の観察,モネの絵のようである。睡蓮でなくとも作者の発見である。明るい水辺の色彩がある。(守屋光雅)

★祭り子の馬上に揺れて眠りけり/守屋光雅
夏祭りの馬上にある幼い子が、鈴の音と揺れに心地よくいつのまにか眠ってしまった。着飾った疲れもあるのでしょう。祭の日の子供のあどけない様子が目に浮かぶようです。(八木孝子)

★放たれし鶏気ままに夏木立/青海俊伯
いつも鶏小屋の中で窮屈な思い(?)をしている鶏が夏木立の下を自由にしかも落ち着きなく歩き回っている姿を想像します。「気ままに」にユーモアが感じられます。また、己が身を重ねて見る思いもします。(岩本康子)
放たれて自由に振まう鶏その気ままぶりさえ、夏木立と相まってさわやかです。(馬場江都) 

★片陰に己の影も一休み/日野正人
自分の影がすっぽり片陰に入っているのか、それとも頭の先、肩の端がお日様に当たっているのでしょうか。いずれにしても陰の中に身を置いて安堵するほっとした気分が良く現れていると思います。(葉鳥 洵)

★梅雨晴れに北京へたつ身華やかに/甲斐浩子

★梅の実が二つ成りたる鉢植木/作者不明

★心太はるかな海の澄む色に/藤田洋子

★水旨し空気も旨し山若葉/金子孝道

★ネクタイの軽き模様や五月尽/作者不明

★鮨圧しつ最終便でと老母言う/能作靖雄

★若葉揺れ手押しポンプを押したがる/小峠静水

『6月句会入賞発表C』
司会/高橋正子 2002年6月9日(日) 17:7:12 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選U/20句】

★挨拶の声さわやかに今朝の夏/青海俊伯
万物がフル回転する夏、その夏が立つ日の挨拶が爽やかにと言う。作者の生活に好感が持てて好きな句です。(野田ゆたか)

★栗の花仁王に胸裡見透かさる/平野あや子
対峙している仁王の玉眼に見透かされている錯覚、実感が面白い。季語の「栗の花」が効いていると思います。(霧野萬地郎)

★夫と歩む夫の赴任地花りんご/田中栄子
単身赴任のご主人と久しぶりの散歩道に林檎の花が咲いていてお話も花林檎に及んだことでしょう。ほのぼのとする俳句だと思います。(堀佐夜子)

★献体を決めし友ありビアガーデン/安丸てつじ
献体という非日常の話、聞く人話す人それぞれの思い。ビアガーデンの喧騒の中で、そこのテーブルにだけある感慨。なにか厳かで温かくて静かな句に感じました。(高橋由美子)

★薄墨の大橋聳ゆ海の霧/碇 英一
水墨画のような情景ですね。聳え立つ橋の大きさとそれを包む霧の大きさがよく感じられます。(多田有花)

★子は別の旅にありけり夏の月/田中栄子
奥様はご主人の単身赴任地にあり、お二人の語らいの中で旅に出ている子に思いをはせている様子が浮かびます。「別の旅」「夏の月」が効いています。(重定克則)
遠いところへ旅をしている子を想う親心がよく分かります。同じ夏の月をどこかで見ている思うと、気持ちがつながっている安心感がよく出ていると思います。(日野正人)

★どっこいしょひととびふたとび青蛙/福田由平
写生のようですが、作者はそこに自分を見ているように窺えます。素晴らしいです。(林 暁兵)
おだやかな観察模様がみえるようです。(大石和堂)

★じいちゃんと呼ばれ振り向く薄暑かな/田岡 弘
この絶妙な間に感心。じいちゃんの白髪と「薄暑」が響きあう。(岡田一夫)

★夏蝶の波形乱して越ゆる屋根/葉鳥 洵
夏蝶の早く行きたい気持ちが波形乱してによく表れています。すがすがしい気持ちと頑張れと声をかけたくなります。(相沢野風村)
「波形乱して」が巧いと思いました。(江田 晋)

★追憶も老いるひとつとバラを剪る/山野きみ子
老いにも色々あります。中でも追憶は人に分らない内面の老いでしょう。バラは青春の追憶の一つでしょう。キット華やかな追憶なんでしょう。しかし、何故かバラを断ち切る所に忘却せざるを得ない追憶でもあったと思います。(都 久俊)

★些事ありて一気に突くや心太/高橋由美子
胸にわだかまることがある。あきらめるのか、あきらめないのか、ところてんをぐっと一押しして決意した作者の気持ちが伝わってきた。(古田けいじ)

★はまなすや遠きは空を行く船か/磯部勇吉
はまなすの浜辺に立って茫々と空と海の溶け合った沖に行く舟を見やる、身も心も広々となる情景です。(山野きみ子)

★蟻地獄落ちていいよと声がする/相沢野風村
昔、砂の女という映画がありましたが、現代日本の閉塞感は、いよいよリアルに男を誘いますね。(伊嶋高男)

★夏鶯朗らかに鳴く夕べかな/岩本康子

★泣きベソの遠き日のこと祭り髪/河ひろこ

★窓すべて開け放ちたり夏の朝/多田有花

★令嬢を鏡囲いの夏館/作者不明

★行き先の二転三転青嵐/堀佐代子

★夫知らぬ人に会いたり薪能/岩本喜代子

★まっさらな月曜の朝更衣/江田 晋

『6月句会選者詠』
司会/高橋正子 2002年6月9日(日) 23:4:58 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■選者詠/高橋信之

相原弘子,金子孝道,藤田洋子,日野正人選
★若竹の風吹く空へいく本も
清々しく、目にしても、思い浮かべても、心身が伸び上ります。風吹く空に幾本も騒ぐのが、まだどこか、幼気にも感じます。(相原弘子)
五月の空に伸びきった竹すがすがしい風が、前途洋洋。(金子孝道)

右田俊郎,宮地ゆうこ,日野正人選
★ところてん海の色して透けている

都 久俊選
★旅鞄うらがえしされ片蔭

『6月句会全作品』
司会/高橋正子 2002年6月8日(土) 14:50:42 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■全作品
は、下記のアドレスをクリックしてご覧ください。
http://user.shikoku.ne.jp/hiroko47/haiku/k0206z.htm

■伝言集
は、下記のアドレスをクリックしてご覧ください。
http://user.shikoku.ne.jp/hiroko47/haiku/dengon0206.htm

『高点句発表』
日野正人 2002年6月9日(日) 19:5:14 削除・編集
6月9日オンライン句会

【最高点/19点】
★みずすまし動けば動く山の影/金子孝道

【次点/11点】
★滴りや火焔不動の荒格子/平野あや子