■第36回オンライン句会入賞発表/2002年7月14日■
『7月句会入賞発表@』
司会/高橋正子 2002年7月14日(日) 13:2:1 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■オンライン7月句会入賞発表/高橋信之選■

【金賞】
★夫と飲むラムネ昔を透かし見る/祝 恵子
ラムネの水色の壜を透かして、過ぎ去った昔が見えるというのは、なんとうれしいことだろう。子どもたちもそれぞれに独立して、物言わずとも互いに思い出される事に、幸せな時間がある。(評:高橋正子)
昔を透かし見るが面白い。さて何が見えたのてしょうか。(評:西野研一)

【銀賞】
★青芒風にひびける水の音/相原弘子
きれいな句である。青芒、風、水音、ひびける、といったどの語をとってもイメージがきれいである。青芒を風が吹いて、そのどこかに水音が聞こえている。川の水音かもしれない。澄んだ世界がいい。(評:高橋正子)

【銅賞】
★夕焼けを受け観覧車円を舞う/相沢野風村
「円を舞う」は、観覧車を言うのにぴったりで、同心円を舞う緊張感があって、現代的。夕焼けを浴びた観覧車に夢がある。(評:高橋正子)

『7月句会入賞発表A』
司会/高橋正子 2002年7月15日(月) 4:48:23 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【優秀10句】

★洗濯機まわるよまわる水すずし/高橋正子
「まわるよまわる」は、子どもの表現のようだが、「水すずし」にいい季感があり、深みがある。(評:高橋信之)

★潮騒をまじかに花火闇に浮く/山野きみ子
潮騒を聞きながらの花火、夏本番ですね。(評:祝恵子)

★一輪を涼しき音に剪り取りぬ/やぎたかこ
梅雨の朝、一輪を選んで鋏を入れる。清清しい空気と、花にこぼれる雫が涼しげです。花の色がくっきり見えてきます。(評:宮地ゆうこ)
剪定鋏の澄んだ音色が耳に心地よく爽やかな情景が浮かびます。(評:土井たくみ)

★おはじきで遊ぶ子ら居て星涼し/宮地ゆうこ
素朴な昔ながらの遊びをする子どもに、連綿と繋がる人の歴史と星の悠久さが心を広々と涼しくさせている感じがいたします。(評:碇 英一)
おはじきと季語の星涼しが響きあっていてとても清々しく感じます。(評:小島直美)

★中世の聖女たらんと衿レ−ス/戸原 琴
レースは、夏の季語として新しい。衿レースを着ければ、清純な中世の女性となる。衿レースを着け、聖女たらんことを思い見る一日もあっていいのではないか。ヨーロッパ中世の肖像画を彷彿させる句。(評:高橋正子)

★あの山を越えればふるさと夏の雲/右田俊郎
歌謡曲調の句意と音が、親しみやすい。だれでもが思う望郷の心情が、さりげなく詠まれ共感を呼ぶ。(評:高橋正子)

★天竜を舟跳びにけり夏燕/作者不明
天竜下りの舟に乗っているのだろう。小舟は、急流に跳ぶように下って、そこを、燕がかろやかに飛んでいる。この辺りが、川下りの醍醐味であろうか。(評:高橋正子)

★パソコン画風鈴添えて完成す/安丸てつじ
パソコンで画く画面にも、夏らしさを呼んでみる。最後の仕上げに、風鈴を画き添えて、画も決まって、できあがり。出来映えに満足感があるのがいい。(評:高橋正子)

★一本の柱に片蔭求めたる/碇 英一
柱の一本に凭れていて出来た句だろう。その柱が支えているものを想像してみるのも楽しい。庇か、藤棚かなど。蒸し暑い日本の夏をうまく表現している。(評:高橋正子)

★氷水の桶より取り出すわらび餅/柳原美知子
わらび餅は、冷蔵庫で冷やすと、固めになるのでいけない。氷水で芯までひやして、喉越しのよさも味の一つとする。桶に入れられているので、一段とすずしそうな趣となった。(評:高橋正子)
『7月句会入賞発表B』
司会/高橋正子 2002年7月14日(日) 18:36:27 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選T/15句】

★合歓の花どこにも風のない時刻/相原弘子
夕方散歩なさっているのでしょうか、合歓の花との取り合わせの妙と思います。(評:重定克則)
合歓の花の雰囲気が詩的に表現されていて好きな句です。(評:霧野萬地郎)

★北向きに泳ぐ感覚日本海/伊嶋高男
作者の独特の感性に取らせていただきました。(評:森 国龍)
日本海から句が広がり、夏の日本海が新鮮に感じました。(野田ゆたか)

★バックするトラックにふれ木槿散る/伊嶋高男
はかない槿の一段のはかなさを感じます。(評:葉鳥 洵)

★青苔へ山からの水ほとばしる/宮地ゆうこ
岩清水が青苔の上をほとばしって飛沫まで飛ばしているようです。如何にも清く涼しげです。手で掬い飲んでみたら冷たくて美味しい事でしょう。(評:堀佐夜子)

★大樟を膨らませたる南風/小島直美
はるかからの南風(はえ)の、大きさ、明るさ、心地よさ。その南風の度、大樟は輝き、脹らみを惜しみません。(評:相原弘子)
大風がドウッと鳴れば大楠がザワッと鳴る、大空の会話。(評:戸原琴)

★西日さす下宿の窓に原節子/金子孝道
そういえば、セピア色になった写真が貼ってあったっけ。遠い昔の回想。(評:右田俊郎)
懐かしいですなあ。往年、東京の学生時代の私そっくりです。(評:安丸てつじ)

★少年の目線は遥か白ヨット/霧野萬地郎
大海原に憧れの目少年の心に大志宿る。(評:金子孝道)

★刈り込みし垣根の青き風を生む/江田 晋
すっかり刈られたあと風がきた それも青い風と感性が句をひからせた。(評:小峠静水)

★海光を映す強めのサングラス/霧野萬地郎

★絵がすりの団扇一つを置き去りに/山野きみ子

★早朝の鍬あと美しく大南風/宮地ゆうこ

★ざくざくと鱧の骨切る音響く/平野あや子

★炎昼の影から影へ自分を運ぶ/安増惠子

★揚羽蝶また窓に来る風ある日/矢野文彦

★コロリ揺るラムネのビー玉風乾く/平野あや子

『7月句会入賞発表C』
司会/高橋正子 2002年7月15日(月) 4:44:26 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選U/20句】

★梅雨雲のほころぶ小さな青い空/やぎたかこ
鬱陶しく垂れこめた梅雨雲の合間に青空を見つけた時の心弾む嬉しさが伝わってきます。(評:山野きみ子)

★ハンカチは別れの気がして拒みけり/河ひろこ
ハンカチ、正確にはハンカチーフ。それを受け取るのを拒んだのであろう。それ以上の背景は詠み込まれていない。それだけに、それぞれがそれぞれの立場から想像できる範囲がひろがっている。なるほど。(評:椎木英輔)

★夏草の追い詰められて刈られけり/磯部勇吉
暑い盛りの草刈は大変な作業だと思います。やっと終わりに近づきほっとした気持ちがよく詠われています。夏草が憎い悪者にされているようで面白いですね。(評:伊嶋高男)
生い茂った夏草がだんだんと刈り取られて行く様子。その中にも草の命への憐憫も感じられます。(評:岩崎楽典)
夏草も最初は人に夏を与えるが、雨とともにどんどん伸びていく。たちまち人の悩むところとなり遂に刈られるいく運命の夏草の様子がいいです。(評:河ひろこ)

★帯締めを決めて扇を渡さるる/河ひろこ
舞踊の会でしょうか。衣装をつけ帯締め決め、いよいよ舞台にたつ寸前の緊張した場面が想像されます。そして最後にそっと扇子が渡されます。本番寸前の一瞬が扇渡さるるで表現されています。(評:都 久俊)

★洗礼を受けし赤子や男雨/作者不明
今の世の中決してこどもにいい環境ではありませんが、洗礼を受けた赤子を勢いのいい男雨が祝福しているようです。(評:岩本康子)

★介護ヘルパー日焼けの手足眩しかり/矢野文彦
ヘルパーさんのきびきびした動きが見えるようです。介護される人もこんなヘルパーさんなら安心してお願いできますね。信頼関係が伝わってくる句です。(評:高橋由美子)

★The end の画面のやうな大夕焼け/作者不明
大夕やけが今日の私のドラマを残してくれてゆく。一日を思い出しながら見ているとThe Endの雲が見えた。(評:古田けいじ)

★のうぜんや木戸に手を振る母九十/西野研一
別れを惜しむ母と子の思いが咲き登るのうぜんの花と共に鮮明。(評:加納淑子)
手を振るお母さんの姿に今の満ち足りた暮らしをみるようです。(評:福田由平)

★泣き顔は覆ひ隠せずサングラス/作者不明
映画のアップシーンのように、ただ呆然と、外そうともしないサングラスの下から涙の流れ出る泣き顔の表現は的確ですね。(評:野上哲斉)

★国宝の燕子花図は蔵の闇/伊嶋高男
先日の水煙東京句会の吟行場所,根津美術館所蔵の光琳絵を皆さん期待していたのだろう。中学校の教科書で見たのが最初,実物に会いたいものです。 (評:守屋光雅)

★鉢上げし菊の白根は伸び盛り/柳原 博
早くから手塩にかけて丹精する苦労と見事な開花を想わせる白根に命の息遣いと作者の気力が充実した日常生活が偲ばれる。(評:能作靖雄)

★仰け反るは命の力蝉生まる/加納淑子
蝉は夏の朝、渾身の力をふりしぼって殻を破り生まれるが、その様子がよく表現されている。このような状景を眺めていた少年時代を懐かしく思い出させていただきました。(評:柳原博)

★風鈴の横で風鈴鳴り続く/古田けいじ
鳴る風鈴と、鳴らない風鈴と。人生そのもの。(評:矢野文彦)

★古樫の影に牛置く盛夏かな/作者不明
日盛りの中、その影に人も牛もなごませる古樫の大樹の大きさと美しさを感じます。(評:柳原美知子)

★レ−ス編む膝に広がる波のごと/戸原 琴
一目一目編み進むレース編み、膝に広がるのはピアノ掛けでしょうか、テーブル掛けでしょうか、襞のある白いレースが波のように女性の膝に揺れています。編みあがってゆく喜びと昼下がりの穏やかで平和なひとときに一幅の絵を見るようです。(評:八木孝子)

★瀧壷の底はしずかに思いけり/加納淑子 
私もあの激しいエネルギーの果てはどんなかしらとと何時も思っていました。静かであると言う事を思わせて戴いて有り難うございます。(評:馬場江都)
激しく落ちる瀧の音と対象的に底は静かだと感じる以外な発想ですね。(評:平野あや子)

★灼熱を越え来し人の顔涼し/碇 英一
幾多の艱難苦労を耐え抜いてきた来た人の顔の涼しさを灼熱の中にうまく語られています。(評:磯部勇吉)

★兄も買い弟も買い捕虫網/相原弘子

★名水の小さき流れとなり涼し/土井たくみ

★妻の彫る木彫りの板に花菖蒲/作者不明

『7月句会選者詠』
司会/高橋正子 2002年7月14日(日) 13:23:8 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■選者詠/高橋信之

平野あや子・森国龍・高橋正子選
★青梅雨のドアの表裏に木目濃し

小峠静水・伊嶋高男選
★梅雨の畳にさいころ投げて壱と出る

山野きみ子・相原弘子選
★冷房の音の軽さの中に居る

『7月句会全作品』
司会/高橋正子 2002年7月12日(金) 9:18:11 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■全作品
は、下記のアドレスをクリックしてご覧ください。

http://user.shikoku.ne.jp/hiroko47/haiku/k0207z.htm
『高点句発表』
日野正人 2002年7月14日(日) 21:42:15 削除・編集
7月オンライン句会

【最高点/11点】
★夫と飲むラムネ昔を透かし見る/祝 恵子

【次点/9点】
★合歓の花どこにも風のない時刻/相原弘子