■第37回オンライン句会入賞発表/2002年8月11日■
『8月句会入賞発表@』
司会/高橋正子 2002年8月11日(日) 12:13:37 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■オンライン8月句会入賞発表/高橋信之選■

【金賞】
★海染めて海を鳴らすや揚花火/柳原美知子
【評】海に打ち上げられた花火の美しさに加え、たゆたう潮の香までしてきそうである。「海染めて」、「海を鳴らす」に、実感があり、港の花火がいきいきと伝えられている。 (高橋正子)

【銀賞】
★汗かいて不器用にしか生きられない/加納淑子
【評】「不器用にしか生きれない」と自認するに至るまでの歳月が尊い。真面目に、正直に生きていれば、当然不器用な生き方となる。この句自体も、不器用な句と言えるが、自分の不器用さを身に沁みて感じている人も多いはず。「汗かいて」が正直。(高橋正子)

【銅賞】
★夕焼けの雲水平に幾重にも/安丸てつじ
【評】夕焼け雲に魅了され、しばらく眺めていることもよくあることである。「雲水平に」は、すっきりとした作者の心境で、今日がさわやかに過ごせた証でもあろう。(高橋正子)

『8月句会入賞発表A』
司会/高橋正子 2002年8月11日(日) 12:14:56 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【優秀10句】

★鳴く蝉の一樹を浸す声一途/藤田洋子
【評】「一樹を浸す」に蝉時雨のあたらしい捉えかたがある。蝉時雨を聞いていると、水に棲んでいるような錯覚を覚えさせられるときがあるが、こういうことか。(高橋正子)
【評】蝉の鳴く音がしゃわしゃわと樹を浸し、みじかい地上の生が大地にかえされてゆく。(宮地ゆうこ)
「声一途」に蝉音の本質を見ます。(碇 英一)

★朝涼に目覚めて旅を懐かしむ/岩本康子
【評】「朝涼」に覚めて、旅を懐かしむ感懐。やや疲れもあるのだろうが、旅が思い出として記憶されることに、一夏の思いがゆたか。(高橋正子)
【評】よほど心に残っている旅だったのでしょうね。ゆっくりと寝床で旅の余韻を噛みしめて居られるのですから、今日はお休みの日ですか。朝涼をたっぷりと楽しんで下さい。(堀佐夜子)

★軒端は風吹ところ貝風鈴/小峠静水
【評】軒端に吊るした貝がらの風鈴に、風が集まって涼しそうな海の音をたてている。(高橋正子)

★夜の秋航空券は水色に/相原弘子
【評】楽しみにしている旅行なのだろう。航空券の「水色」に意識が集中しており、そのことを強く感じさせる。書かれてあるシートの番号や行き先を何度も確かめ、空想に浸っている作者が目に浮かびます。(吉田 晃)

★網戸して生活の声の通り抜け/おじまなおみ
【評】懐かしい、日本の夏の風景ですね。お隣さんから聞こえてくる生活の音、生の声....生活の声、匂いがとても懐かしい年齢になったのでしょうか?(岩本康子)

★滝音と別な水音ありにけり/作者不明
【評】滝の落ちる轟々とした音とは別に、少し場所をずらせば小さなみな水音が聞こえてくるということでしょうか。別な水音に焦点を当てたところがよいと思います。(重定克則)

★子の部屋の窓開けておく夜の秋/古田けいじ
【評】子供の部屋を、いつ帰ってきてもいいように風を入れて、夏の終わり頃、心待ちしている親御さんの心根。(祝恵子)

★夏山巓異国の人の一団も/作者不明
【評】富士山頂で経験したことでもあるが、日本の山に異国の人たちが、一団で登ることがある。夏山が親しくみんなに開かれて、世界が身近になった思いが新たである。(高橋正子)
  
★朝市は妻の好みや草苺/大石和堂
【評】妻に誘われて朝市に出かけたのであろう。すがすがしい朝市に、なおいっそうすがすがしく草苺がある。これも妻の好みであろうが、牧歌的な朝である。(高橋正子)

★ひまわりの似合う役場や過疎の村/江田 晋
【評】住民コードとはおよそ関係ないような、のどかで静かな村役場。(安田明子)

『8月句会入賞発表B』
司会/高橋正子 2002年8月11日(日) 13:27:42 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選T/15句】

★富士裾野傾斜うずめてキャベツ巻き/高橋正子
裾野の拡がりをうずめる一面のキャベツ畑に、爽やかな夏の富士を感じ、美しい富士山の全景までも見えてくるようです。(藤田洋子)

★みどり子の背伸びする手に秋来る/平野あや子
【評】みどり子も、五体のどこかで感じ取る秋の訪れです。みどり子の一日一日の成長に、空も空気もさわやかに広がります。(相原弘子)
【評】赤ん坊はよく背伸びする。そのたび空気が動くようで、さわやかなうれしい気もちになり、秋の訪れを感じる。(柳原美知子)

★花木槿こんなに落ちてまた咲いて/安田明子
【評】可憐な木槿の花は凋んでころころと沢山落ちて、叉優しく咲いて健気に炎暑に耐えています。<こんなに落ちて>に実感があり、木槿に注ぐ思いやりさえ感じられます。(山野きみ子)
【評】花木槿を愛しむ思いやりが素直に伝わってきます。(土井たくみ)

★親族の似た顔ばかりスイカ食う/霧野萬地郎
【評】帰省されて、美味しそうに食べておられる様子が、目に浮かびました。(大給圭泉)

★秋立つ夜草の匂いは星の数へ/相原弘子
【評】待たれる秋への期待と夏の思い出の交差。季節の移ろいが上手く捉えられていて好きな句です。(野田ゆたか)
【評】草の匂いは夜に天空へ、そして星の数ほど広がり、秋の匂いが見えるようになるのでしょう。(大石和堂)
【評】草の匂いから星の数への飛躍が不思議ですが、宮沢賢治の世界を彷彿とさせられて魅力的です。(福田由平)

★釉薬を浸ける右手の涼しけれ/加納淑子
【評】釉薬を浸ける直前の緊張感、浸け終えてほっとして右手に涼を覚えた。これも陶芸の醍醐味でしょうか。(野上哲斉)

★旅の荷は解かずに身を解く夜の秋/おじまなおみ
【評】疲れて我が家に帰り着いたホッとした気持ちが、よく表現されている句だと思います。「解く」を重ねたところに「夜の秋」が効いていると思います。(澤井 渥)

★神木に太き綱あり蝉時雨/碇 英一
【評】どっしりと立つご神木。深く静かに静寂の空間に響く蝉の声が、よく伝わってきます。(日野正人)

★家と家つなぐ青田のつながりぬ/吉田 晃
【評】様々なものがそれぞれにところ得て,ハ−モニ−を作っているこの星の上。(戸原 琴)

★蝉時雨一つとなりて山包む/藤田洋子
 
★背中みせ長き黒髪洗いけり/河ひろこ

★脚長き少年蒼海がよく似合う/大西ひろし

★夕方にぽぁんと秋の破れたる/作者不明

★縦縞の青を涼しく切符切る/やぎたかこ

★黍の穂の傾く方へ雲白く/作者不明

『8月句会入賞発表C』
司会/高橋正子 2002年8月11日(日) 12:17:14 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選U/22句】

★通ひ路の橋の夜風や秋近し/金子孝道
【評】通い馴れた橋を渡る風にあ〜秋はすぐそこに、くり返される日常で見つけた季語が明日へ希望をつなぐ。(加納淑子)

★ソプラノの声衰えず生身魂/西野研一
【評】元気一杯。昔はハイカラで通した女性でしょうね。こちらまで、元気を貰えそうです。(田岡 弘)

★花火待つ間を金星の光澄む/柳原美知子
【評】花火を待っている間子供とあれが一番星、金星等の会話が聞こえます。花火の季語で花火以外を詠っているのが好きです。(相沢野風村)    

★美しき人正確に蚊を打てり/田中栄子
【評】美しき人と蚊の組合せが面白い。正確にもおもしろい。美しき人も、簡単に蚊を殺すことが出来る。殺生とはいえないだろうが、「美しき人」の裏面を少し感じた。 (古田けいじ)
【評】涼しげに端座している美しい人が動いた一瞬…。瞬きもせず、見つめている作者…。その緩急が面白い。(伊嶋高男)

★日の落ちて家並影絵となる晩夏/山野きみ子
【評】夏の終わりの西日を受ける町並みの様子、なにか一抹の寂しさも感じます。(平野あや子)
 
★モダンジャズグラスの氷をかき鳴らす/伊嶋高男
【評】夏の夜のジャズの祭典だろうか,バーボンウイスキーのオンザロックを傾けている作者,ドラムの連打が心地好い。(守屋光雅)

★夕映えて噴水は穂を和らげり/田中栄子
【評】夕映えの中で噴水の先端がかすかに消えるような感じが一日の終わりの安堵感のようにも感じられます。(やぎ たかこ)

★滝壷の日翳れば蒼深まりぬ/澤井 渥
【評】全くそのとおりです。実感として足元の滝壷をよく見ているな・・・という感じで素晴らしいです。(おおにし ひろし)

★ねずみ花火は向こうでやって車いす/矢野文彦
【評】闇にくるくる走るねずみ花火のユーモアもあり、真剣さもあり、気持ちが伝わります。(霧野萬地郎)

★清水引く養魚の向きのみな同じ/作者不明
【評】取水口に新しい水を求めて集まる姿、肌を寄せ合い。(金子孝道)

★灰を撒く手のしらじらと夏終る/宮地ゆうこ
【評】もう秋野菜の種を蒔く準備ですね。石灰を撒いて土を消毒すると手がしらじらとして夏も終わりです。(磯部勇吉)

★せせらぎに浸すペディキュア雲の峰/作者不明
【評】夏を謳歌していて、健康的で明るくて若々しい。うらやましい情景です。(河 ひろこ)

★日に幾度叩かれ西瓜買われゆく/太田淳子
【評】スーパーでよく見かける光景、少しでも美味しいものをと願う親の心根を素直に詠っている。(能作靖雄)
【評】スーパーでしょうか、それとも近所の八百屋さん。西瓜の売られゆく様を面白く詠われていると思います。(葉鳥)

★七夕や色紙足らざる願いあり/能作靖雄
【評】老いてなお希望に燃える人生、良き哉! 素晴らしき人生に乾杯!!(右田俊郎)

★頭内に風穴を生むかき氷/戸原 琴
【評】かき氷を食べた時に一瞬暑さから解放される様が、頭内に風穴を生むという言葉でうまく詠まれている。猛暑の今年はことのほか実感がわく。(柳原博)

★雷雲の砕けて山を下る風/野田ゆたか

★ぽっかりと浮んでは消え遠花火/日野正人

★送り来し冬瓜重きを抱き上げる/馬場江都

★月見草残して雑草刈られ行く/堀佐夜子

★球児らの白き一団稲の花/佐藤とみ子

★故郷の訛り優しき夏休み/高橋由美子

★廚より声高にして夜の秋/重定克則

『8月句会選者詠』
司会/高橋正子 2002年8月11日(日) 6:27:28 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■選者詠/高橋信之

原爆忌真昼の音のない刻よ
憤ることも静かに原爆忌
萍の一枚がまた増えて朝

『8月句会全作品』
司会/高橋正子 2002年8月10日(土) 15:17:43 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■全作品
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