■第38回オンライン句会入賞発表/2002年9月8日■
『9月句会入賞発表@』
司会/高橋正子 2002年9月8日(日) 16:54:58 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■オンライン9月句会入賞発表/高橋信之選■

【金賞】
★映るものみな新しく水澄めり/加納淑子
よく澄んだ水が、ものを新しくして映す、まっさらな秋がここに来た感動がある。詠みての心境ひとつで、ものは新しくなる。(高橋正子)

【銀賞】
★朝風のとんぼを運び海へ消ゆ/高橋正子
朝のさわやかな季節となった。「朝風のとんぼ」と「海」との取り合わせに詩情があって、日常のいい詩が生まれた。「運び」に言葉の無理がない。(高橋信之)

【銅賞】
★鉄骨の四角の中の鰯雲/葉鳥 洵
建設中のビルを見上げると、鉄骨が四角に区切る空に鰯雲が流れている。秋空までの高さが、すがすがしく、新鮮な気持ちになる。(高橋正子)
大景を切り取り鉄の硬質とやわらかい雲との対比に凄く魅かれました。(小島直美)

『9月句会入賞発表A』
司会/高橋正子 2002年9月8日(日) 12:32:12 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【特選10句】

★一筋の白き坂道破れ芭蕉/安丸てつじ
破れ芭蕉は、そのばさとした風姿に魅力がある。日に晒された白い坂道を登っていて出会えば、緑陰を得たような心地になる。(高橋正子)

★秋かすか大連土産のプーアール/椎木英輔
大連のお土産のプーアール茶を飲んで、かすかに秋を感じた。大連は、懐かしい土地なのだろう。「秋かすか」にその思いがある。(高橋正子)

★遠目には赤い日向の烏瓜/小峠静水
遠くに、烏瓜の赤い色が見える。日は丁度、烏瓜を浮き立たすように今差して、そこに明るい静けさがある。(高橋正子)

★十二湖や色を違えて水澄めり/河ひろこ
湖の広さ、深さそれぞれ異なるそして神秘なる色をたたえて。(金子孝道)

★蕎麦の花闇夜に汽笛遠ざかる/平野あや子
日中の蕎麦の白い花、闇夜の汽笛がよく対比されています。(鬼頭雅子)

★竹伐って竹の長さを持て余し/金子孝道
★新米や棚田育ちの粒光る/西野研一
★新豆腐出来しと信者持ちて来る/堤 二青
★秋日傘回して午後の明るい陽/吉田 晃
★一枚の田に一匹のやんまかな/碇 英一

『9月句会入賞発表B』
司会/高橋正子 2002年9月8日(日) 12:46:23 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選T/15句】

★どの花も撒水されて秋花壇/高橋正子
撒水されたばかりの花壇。水滴が秋の陽にきらきら光っている。おやおや、よく見ると目立つ花にも、目立たない花にも、満遍なく水が掛かけられている。「どの花も」という言葉から撒水した人の草花に対する優しさと、それに気づいた作者の優しさが伝わってくる。(椎木英輔)

★子と分かつ秋の灯部屋にふくらめる/藤田洋子
とてもいい光景ですね。お父さん(お母さん?)は読書、お子さんは多分勉強ですね。(違っていたらごめんんなさい。)「秋灯がふくらめる」という捉え方、大変新しいと思います。(岩本康子)

★ものの声木から草へと虫の秋/野田ゆたか
高い梢の鳥の声、蝉時雨から虫すだく草むらへ、そしてやがて土に返る季節の推移を映しだして深い想いを抱かせます。(山野きみ子)
季節の移ろいが心にひびきます。常日ごろの観察眼に敬服します。(矢野文彦)

★水引きの花のもつれを風が解く/小島直美
細く可憐な花の伸び伸びと揺れてまつわった様子が目に見えます、優しく風が解いてくれたのですね。(大給圭泉)
花がも縺れることは無いのですが、風が通ると縺れとも解くとも見える。路傍の花が見えてきて気持ちのよい風が通る道を想像しました。(野田ゆたか )
ささやかな小さい秋が,水引の動きと風によって鮮やかに見えてくる、もの柔らかな捉え方だと思います。(おおにしひろし)

★水面へ影を走らす赤とんぼ/霧野萬地郎
静かな青い水面に素早く動く赤とんぼ。静と動、青と赤、鮮やかな描写です。(岩崎楽典)

★朝霧や句会のメール着きにけり/堤 二青
インターネット句会の雰囲気が出てます。(西野研一)

★碁石置く音にこーんと秋が澄む/椎木英輔
閑静な庭に面した座敷に碁敵と。石の音を詠み込んだ所が卓抜。(安丸てつじ )

★少年は片思いらし青蜜柑/高橋由美子
青蜜柑という季語がぴたりはまっていると思います。(江田 晋)

★澄む秋の雲湧く尾根を分け降りぬ/作者不明
★白露の朝一斉に飛び立つ雀/堀佐夜子
★悉く蓮の実風に揺れにけり/磯部勇吉
★女人結界解けて満山秋色に/おおにしひろし
★蜉蝣の闇に戦い闇に消ゆ/相沢野風村
★秋空にシャツの匂いと透ける白/日野正人
★虫の音の一つを耳に連れ帰る/山野きみ子

『9月句会入賞発表C』
司会/高橋正子 2002年9月8日(日) 17:33:19 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選U/22句】

★虫の音も閉じ込めたるや琥珀玉/戸原 琴
琥珀は花粉の化石と聞いたことがある。虫がそのまま閉じこめられたものは珍しいものなのだろう。音も閉じこめているのではと想像させる琥珀は秋の色である。愛用されている装飾品なのだろう。(守屋光雅)

★岩に来てふっと息抜くやんまかな/佐藤とみ子
いつも勢いをもって飛んでいるやんまの止まる瞬間を「息抜く」と言い、「ふっと」にやんまに託した作者の休息の安堵感のようなものを感じます。(碇 英一)
小さな体でよく飛ぶやんまが、飛び疲れて岩に来てとまり、安堵する様がうまく表現されている。少年時代が懐かしく思いだされます。(柳原 博)

★八朔やしずかに畝の土均す/宮地ゆうこ
土を均すには正確なリズムが必要だ。正確なリズムはしずかな心から生まれる。(戸原 琴)

★秋海光る双眼鏡の輪の中に/徳毛あさ子
双眼鏡で見る秋の海、波のうねりが輪の中に大きく見える。遥か遠まで見えて飽きないのでです。作者が一人秋を楽しんでいる様子が好きです。(河ひろこ)

★秋桜の迷路に頭見え隠れ/高橋秀之
秋桜のいっぱい咲いている迷路に子供らが挑戦したのでしょうね。丈が高いので頭しか見えません。あっちへ行ったりこっちへと見え隠れする頭たち、楽しい俳句です。(堀佐夜子)

★モネの絵の青に浸れり秋雨止むまで/柳原美知子
絵画展で、好きなモネの絵をたっぷり楽しみましょう、秋雨の止むまで。 (祝 恵子)

★病廊の家路はるかに鰯雲/太田淳子
入院している我が身、帰りたくてもままならぬ病廊は長い。外を見ればもう空は秋の雲ではないか、何時になったら帰れることだろう。作者の心情が切ない。一日も早く回復される事を祈ります。(磯部勇吉)

★長谷寺へ行く道を問ふ秋日傘/田中栄子
長谷寺への道は、静かな田舎道。日傘を差すご婦人の優雅な姿が浮かびます。古都の秋は日本の秋とでも表現できましょうか。(吉田 晃)

★虫の夜や調弦をしてバイオリン/田中栄子
すだく虫の音に誘われて、協奏されたのでしょうか。やおらバイオリンを手にされた時の心情がうかがわれます。(葉鳥 洵)

★店頭を銀色に染め新秋刀魚/太田淳子
新秋刀魚の勢いと魚屋の威勢のいい声が聞こえてきそうです。(日野正人)

★秋茜眼下に群れて新学期/徳毛あさ子
★自然薯や独りの厨水の音/片平奈美
★今落ちた木の実は道のど真ん中/龍造寺規谷
★海峡に静かに満ち来る秋の潮/岩本康子
★青蜜柑剥くや昔の匂いくる/馬場江都
★水遣る日重ね朝顔種となる/柳原 博
★水溜りバイクと空が映ってる/作者不明
★秋潮や底より泡(あぶく)湧き上がる/澤井渥
★蟋蟀の入り来し部屋の灯を消しぬ/矢野文彦
★振り返る肩ごしに見る月は赤く/安増惠子
★栗実る大地へ枝の撓むほど/古田けいじ
★ひやひやと茗荷の畑に首を入れ/守屋光雅

『9月句会選者詠』
司会/高橋正子 2002年9月8日(日) 13:50:44 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■選者詠/高橋信之

★去りゆくも露けき朝日を受く鳥ら
朝日を受けて露を含む鳥の旅立ちが明るく詠まれている (平野あや子)
去りゆく鳥に一抹の寂しさを感じるものの、新涼の朝の清々しさあふれる光景は明るい希望を与えてくれるようです。(藤田洋子)

★地に生きるもの等さやけき朝の音
★新涼の明るく深い朝の空

『9月句会全作品』
司会/高橋正子 2002年9月7日(土) 20:8:21 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■全作品
は、下記のアドレスをクリックしてご覧ください。

http://www.suien.ne.jp/online/k0209z.htm
『高点句発表』
日野正人 2002年9月8日(日) 18:0:44 削除・編集
9月オンライン句会

【最高点/11点】
★鉄骨の四角の中の鰯雲/葉鳥 洵

【次点/10点】
★水引きの花のもつれを風が解く/小島直美