■第39回オンライン句会入賞発表/2002年10月13日■
『10月句会入賞発表@』
司会/高橋正子 2002年10月14日(月) 1:12:50 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■オンライン10月句会入賞発表/高橋信之選■

【金賞】
掛稲も陽に平行に向けられし/相沢野風村
陽に干される稲は、陽によく当たるように掛け置かれる。その状態が平行となる。「掛稲も」の「も」から、想起されるのは、たとえば、道が東西に陽に平行に抜けているとか、家並みが東西に広がっているとかであろう。日差しをたっぷりと受けている稲架のある田が明るく静かである。(高橋正子)

【銀賞】
鴨の来て羽打つ水の光りけり/磯部勇吉
やって来たばかりの鴨が、羽で水を打ち、そのしぶきがきらきらと日を反射して輝いている。生き生きとうれしげな鴨の姿を見て、作者にも鴨を迎え入れたうれしさがある。(高橋正子)
鴨の羽ばたきにきらきらと眩しい水面が美しいです。水面の輝きは、飛来する鴨を待ちのぞむ嬉しさが溢れているようです。(藤田洋子)

【銅賞/2句】
手のひらに落葉を載せて陽も載せて/小峠静水
「手のひらに」に秋の自然をいとおしむ気持ちが素直に表れている。陽も載せてのしめくくりもお見事。(安丸てつじ)

鰯雲お〜いわたしは元気だぞ/安増惠子

『10月句会入賞発表A』
司会/高橋正子 2002年10月14日(月) 1:14:21 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【特選10句】

★林檎あかく木箱にあふれ店先に/高橋正子
近頃旬を感じるのはバーゲンセールのときである。大量に仕入れ、大量に売るから、手間暇を掛けているわけにはいかない。「木箱にあふれ店先に」に旬を感じる。(椎木英輔)

★陽に風に乾きゆく稲架濃く匂う/藤田洋子
稲の乾く匂いに郷愁のようなようなものを感じます機械農で架稲が少なくなった今日、この郷愁を感じるのは私が、年をとった事によるものでしょうか。(野田ゆたか)

★秋の浜平衡感覚足裏に/戸原琴
手を広げて平衡を保とうとする、その足の裏をくすぐる砂、何とも気持ちよさそうです。(龍造寺規谷)

★柿の実のまるい赤さを篭に盛る/安増惠子
篭に山盛りの柿、丸い赤さという表現がいい。(西野研一)

★まっすぐに束の下がりて稲架長き/池田多津子
★秋燈火校庭の子ら影と走る/祝恵子
★父の忌のふるさと訪へば銀河濃し/西野研一
★大花野より草の穂の摘まれゆく/葉鳥洵
★連なりて落葉落葉の温みあり/小峠静水
★秋没日ビルの谷間に詰め込まる/都久俊

『10月句会入賞発表B』
司会/高橋正子 2002年10月13日(日) 12:9:52 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選T/15句】

★藁の匂い地にもどしつつ稲を扱く/吉田晃
豊作だった今年の藁の匂いを来年の豊作を祈る思いを込めて地に返します。(平野あや子) 

★どこまでが空どこからが宇宙鰯雲/矢野文彦
鰯雲の連なりを見上げれば、限りなき空に心が遊び始める。広く遠く宇宙を想い、しばしの浮遊感。(宮地ゆうこ)

★林檎剥く拇指でリズムを取りながら/野田ゆたか
津軽をふるさとに持つ者には、林檎は秋の味覚の代表です。
布で磨いた林檎の肌は艶めいて物が映るほど綺麗です。楽しげに林檎を剥く弾んだ気持ちが伝わってきます。(右田俊郎)

★白桃や嫁ぐてふ娘のあどけなし/江田晋
間もなく嫁ぐ娘のあどけない様子を見るにつけ、いとおしさと今後の人生の厳しさが思われる親心、白桃と無垢な娘のイメージがぴったりです。(柳原美知子)

★名残り茄子紫ぎゅっと閉じこめて/池田多津子
恐らく最後の漬物にするのであろう、「紫ぎゅっと」という一語がこの句のポイントになって季節感と作者の気持ちをよく表現している.(おおにしひろし)

★日の出待つ土静かなる秋小寒/宮地ゆうこ
秋の朝の静かな感じがよく伝わります。朝は肌寒くなり、その風景の中の皆が日の出を心待ちしています。(池田多津子)

★ふっくらと稲架の組まれて陽の匂い/藤田洋子
豊作の喜びの恵みは、柔らかなひかりかもしれない。冒頭のふっくらがすべてをものがたっている。(小峠静水)

★反り強き古刹の庇小鳥来る/土井たくみ
★秋水の河口に満ちて草濡らす/柳原美知子
★空港に降り立ち足元飛蝗飛ぶ/鬼頭雅子
★四角な柿整然と積まれ店頭に/馬場江都
★存分に秋の麗の白シーツ/碇英一
★定位置に凛と明るき星月夜/日野正人
★吹く風に合はせ団栗落ちる音/堤二青
★百ほどの柿をもぐ手に夕陽かな/河ひろこ

『10月句会入賞発表C』
司会/高橋正子 2002年10月13日(日) 12:14:52 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選U/22句】

★籾殻の充実の色田に残し/吉田晃
籾殻に[充実の色]の発見、ハッとさせられました。(碇 英一)

★息継いでしたたか鳴けり河原鵙/おおにしひろし
たしかにしたたかに鳴くのには息継ぎが必要でしょうね。河原での鳴き声が聞こえるようです。(岩崎楽典)

★朝寒や日向より尼の掃き始む/土井たくみ
寒い朝の日、尼さんも、日向より掃除の開始というところが、少しユーモアがあって好きです。(祝恵子)
季節の変わり目、急に寒くなったのでしょう。人の行動は無意識のうちにこんなふうにしているのですね。まず暖かいところで体を慣らしている尼僧の姿がほほえましく感じられます。スケッチと言うことはこういうことなんですね。(高橋 由美子)

★世の澄みに誘われてくる曼珠沙華/福田由平
曼珠沙華という花はつくづく面白い花だと最近気がつきました。 思わぬ所にスーッとした緑の茎を見せてその上に花火のような花を咲かせています。そして、したたかに強い花です。「世の澄みに」の世が意味深いと思います。(岩本康子)
今年は夏が暑く、暑さで疲れ、人の世も濁っていたが、お彼岸の頃となると、空気も澄んできて、何か人の世も澄んでくるような気分になってくる。その頃に咲く曼朱沙華を世の澄みに誘われてくると人間社会と自然界の動きを関連させているところが面白い。(柳原博)

★秋の声落葉松林に聴きにゆく/右田俊郎
秋が来た気配を唐松林に確かめに行かれたのです。風や小鳥や小動物も秋の来た事を知らせてくれましたでしょう。(堀佐夜子)

★千振や亡父の湯飲み渋は濃く/高橋由美子
「親孝行、したい時には親はなし」頑固一徹だった父親の生き様が「千振」の一言に秘められている。秋の夜長、引き継いだ湯のみで一服していると染付いた渋跡から苦言が聞こえてくるようだ。(能作靖雄)

★風しみて夜長を思う停留所/龍造寺規谷
朝夕寒くなりこの間まで明るかったこの時間がもう暗くバス待つ時間の長く感じること、風も身にしみます待つときは長くおもいますね。(大給圭泉)

★山里の水車軋みて野菊かな/池田和枝
絵画を眺めているようなのどかな風景が浮かび秋風の爽やかさも伝わります。(小島直美)
軋む音が巧い表現で静かな山里で水車の音、水の音、その水を受けて野菊がひっそりと咲いている。秋の静かな山里の風景です。(相沢野風村)

★相寄りて何か急かるる秋の声/小島直美
秋の気はなぜか人を急がせるものがあります。本当はのんびりとしたいのですが・・・気持ちが伝わってきます。(大石和堂)

★シート掛け刈田に残すコンバイン/澤井渥
★高原に早き落暉の寒露かな/おおにしひろし
★花すすき逆光に揺れる山路かな/堀佐夜子
★峡ふかき崖の紅葉に昃りくる/平野あや子
★ポケットに青き団栗二つ三つ/青海俊伯
★鮎下り終えて澄み行く飛騨の川/古田けいじ
★濃く匂う姿を見せぬ葛の花/加納淑子
★椎の実の零れだしたる杜の空/作者不明
★霧の朝雉の羽音のことことと/作者不明
★スーパーへ桜紅葉の匂ひ踏む/椎木英輔
★青き嶺間近に見えて柿赤し/藤田荘二
★秋日和母のまなざしやわらかし/大給圭泉
★水引草凛としべ張り咲きにけり/佐藤とみ子

『10月句会選者詠』
司会/高橋正子 2002年10月13日(日) 11:13:49 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■選者詠/高橋信之
暮れてゆく秋天の大きさよ
秋雲のかたまり難き夕暮れに
穂草交差して空間を深くする

『10月句会全作品』
司会/高橋正子 2002年10月12日(土) 9:21:27 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■全作品
は、下記のアドレスをクリックしてご覧ください。

http://www.fuchu.or.jp/~asako/online/k0210z.htm
『高点句発表』
日野正人 2002年10月14日(月) 15:44:31 削除・編集
10月オンライン句会

【最高点/9点/同点2句】
★手のひらに落葉を載せて陽も載せて/小峠静水
★ふっくらと稲架の組まれて陽の匂い/藤田洋子

【次点/7点/同点2句】
★鴨の来て羽打つ水の光りけり/磯部勇吉
★柿の実のまるい赤さを篭に盛る/安増惠子