■第40回オンライン句会入賞発表/2002年11月10日■
『11月句会入賞発表@』
司会/高橋正子 2002年11月10日(日) 12:45:9 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■オンライン11月句会入賞発表/高橋信之選■

【金賞】
★北風吹ける湖を見ていて湖動く/高橋正子

写生が生かされているが、単なる写生句ではない。下五の「湖(うみ)動く」は、深いところを詠んで、本質的なところを見た。「北風(きた)」の季の本質を、「湖(うみ)」の自然の本質を捉えた。(高橋信之)
少し強い北風に湖の波が騒いたのでしょうか。それを湖動くと表現されたと思います。素敵な句ですね。(堀佐夜子)

【銀賞】
★くるくると陽の色溜めし柿を剥く/古田けいじ

「くるくる」という音が楽しく、柿好きな人が柿を剥く手馴れた手つきが見える。「陽の色溜めし」という柿の色には、あたたかな郷愁がある。(高橋正子)
情景がありありと伝わる.よくある光景、秋を実感する。(おおにしひろし )
「陽の色溜めし」に過ぎ行く秋への想いがこもってをり、くるくると柿を剥く手にいろいろな思い出が甦ってくる。明るくて幸せなそうな家庭生活の温もりがある。(能作靖雄)
柿をこんな風に詠み、こんな柿を食べたいと思いました。(岩本康子)

【銅賞/2句】
★いさぎよき雲の白さや冬入れり/碇 英一

立冬の空の澄明な様子が、「いさぎよき雲の白さ」に詠まれている。冬に入る日の緊張感と、冬の清潔さがきっぱりと捉えられた。下五の「冬入れり」は、「冬に入れり」としたい。(高橋正子)
冬の青空の中の雲であろう。白さを潔いと見た感性がすばらしい。(江田晋)

★首太きラガー雄叫ぶ国訛り/江田晋

いかにもラグビー選手らしい首の太さ。いかつい体と喉から発せられる声がお国訛りであって、全力をかけての試合の緊迫感が伝わってくる。国訛りであることにラガーらの実がある。(高橋正子)
試合の迫力・緊迫感伝わってくるようです。選手の益荒男振りが目に浮かびます。線の細い若者が多い中、好ましい青年の姿を思い描いています。(高橋由美子)

『11月句会入賞発表A』
司会/高橋正子 2002年11月10日(日) 12:50:19 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【特選10句】

★ボルシチにたっぷり入れる秋野菜/守屋光雅
ロシア料理のボルシチ。秋野菜をとりどり入れてあたたかいボルシチができあがる。収穫のお祝いと感謝をするような明るさと暖かさがある。(高橋正子)
寒い夜にきのこ類など沢山の野菜をフーフーと吹きながら体の芯が温まって美味しそうな雰囲気が伝わります。(小島直美)

★晩秋の風を吹かせて列車過ぐ/金子孝道
列車が過ぎるときに起こる風が、草を揺らし、身を巻くように吹き過ぎる。辺りは刈田だろうか。晩秋が列車の吹き起こす身ほとりの風によって捉えられた。(高橋正子)

★冷まじき峰に没り日を待つ時間/福田由平
「冷まじ」は、秋冷の強い感じである。少し寒さ冷たさを覚えながらも、山の没り日を待つ登山の心楽しい時間である。今日の登山のよさ、没り日の美しさが思われる。(高橋正子)

★落葉掃く音の軽さの朝始まる/藤田洋子
朝の落ち葉を掃く箒の音が軽やかに聞こえる。落ち葉掃きには楽しさがあって、いい一日の始まりである。(高橋正子)

★床屋出て清けき寒さ吹き来たる/碇英一
さっぱりと刈られた頭には、吹いてくる寒い風が、「清けき寒さ」となる。寒さが清らかなものとして受け止められていて、作者の精神の清潔さがなによりよい。(高橋正子)

★手袋のやさしき色の五指ひらく/宮地ゆうこ
今年初めてする手袋。 革ではなくて柔らかく暖かな感触の毛糸の手袋。 色々な優しい色で編まれた五指だと一層楽しいですね。(岩本康子)
寒くはなっても女性には冬には冬のおしゃれの楽しみがあるんですね。初めて手に着けた手袋を眺めながらはずんでいる心の動き、愛しみが感じられて好きです。(福田由平)

★銀杏黄葉持久走の子ら駆け抜ける/池田多津子
耐えて走る子等への応援歌ですね。銀杏黄葉が降る舞台と「持久走」が良いでですね。(霧野萬地郎)

★入り船のくぐり来たるは秋の虹/高橋秀之
秋の港に入港する船。おりしも港口の沖には虹が掛かっている。幻想的でもあります。(岩崎楽典)
絵を見ているようです。先日大きな濃い虹を見たところです。海、船、虹、素敵なシーンでしたね。(祝恵子)

★背に当たる象牙冷たき聴診器/小峠静水
診察室の緊張感が伝わってきます。会話のない時間、長く長く感じます。(金子孝道)

★うす紙がかりんをかたちのまま包む/高橋正子
「うす紙」が効いて、「かたちのまま」にリアリティーを与えた。「かりん」は、秋の季語。(高橋信之)

『11月句会入賞発表B』
司会/高橋正子 2002年11月10日(日) 16:39:57 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選T/10句】

★故郷へ帰りたき日なり枇杷の花/古田けいじ
北国にはないと聞く枇杷の木、ことに厳冬に咲く野趣に富むが可憐な白い花は郷愁を誘います。(柳原美知子)

★自転車に大根の葉のゆさゆさと/葉鳥洵
大根を買って来たのでしょうか。自転車の前籠からはみ出した葉っぱがゆさゆさと揺れている。最近は葉の付いている大根は珍しい。葉を切って売るのは大根がしなびない為である。それだけ新鮮な大根なのでしょう。爽やかな句ですね。(都久俊)

★夜の明けて初冠雪の麓まで/磯部勇吉
麓まで雪になった山を朝一番に見たときの驚きが伝わって来ます。(碇英一)

★蛇行する大河の水面冬ざるる/大給圭泉
水面が一変する冬の大河の様子が詠われている大きな句。山より川が近い私も良く感じる光景で好きな句です。(河ひろこ)

★しなやかに革手袋の指にそう/多田有花
★立冬の街のアーケードに明るい陽/おおにしひろし
★竹とんぼ秋日にきらり舞い上がる/池田多津子
★朴落葉倒木に日の一筋に/加納淑子
★お絵描きのセット持ち来る冬隣り/祝恵子
★紅葉散る合掌村に日が沈む/能作靖雄

『11月句会入賞発表C』
司会/高橋正子 2002年11月10日(日) 16:41:26 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選U/13句】

★秋深し能面打ちの鑿の音/岩崎楽典
能面を打つ音に冬が忍び寄る音を感じる好きな句です。(平野あや子)
澄みきった秋が「鑿の音」でより深みを表現されていて好きな句です。(加納淑子)

★山腹の鉄塔白し冬に入る/佐藤とみ子
良く宿の窓から見ます部屋は暖かく、見える山間の鉄塔の白さ、寒さを感じます。(大給圭泉)

★和ランプの影の仄けし白障子/霧野萬地郎 
和ランプと障子がよく似合って、暖かい座敷の雰囲気を感じます。外は寒くても、部屋に入るとほっとする、やさしい句だと思います。(池田多津子)

★連山の藍の深さに冬三日月/作者不明
冬の冴えている夜に三日月が連山を照らしている。藍の深さに壮大な山と冬の厳しさが感じられます。(相沢野風村)

★サクサクと林檎食む人若かりき/岩本康子
★陽があるに明日は雪らし酒の蔵/河ひろこ
★観覧車色なき風と乗り込めり/小島直美
★真空ぞ山天辺の木枯しは/相沢野風村
★バス停を降りて見上げる草紅葉/青海俊伯
★ココア飲む少し甘めに今朝の冬/堀佐夜子
★冬隣北の大地の暁の星/右田俊郎
★返り花ひとつ手前の駅にあり/大石和堂
★冷ややかに螺子巻かれをり古時計/河勝比呂詩
『11月句会選者詠』
司会/高橋正子 2002年11月10日(日) 12:58:28 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■選者詠/高橋信之

(高橋正子・宮地ゆうこ・古田けいじ・安丸てつじ・加納淑子選)
★樹とわれと立冬の海からの風に
冬の清潔な透明と、大いなる海からの風。「樹とわれ」の同じ命を慈しむかのようです。(宮地ゆうこ)
立冬の海からの風に泰然と立つ。太い樹のそばに。海を見て作者は何を考えているのだろう。自分の道の今までにも、これからにも迷いはない。(古田けいじ)

(河 ひろこ・能作靖雄選)
★鳥啼いて朝冬天の明るさに

(岩本康子・宮地ゆうこ選)
★冬野菜画かれ楽しき団欒に

『11月句会全作品』
司会/高橋正子 2002年11月10日(日) 4:53:32 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■全作品
は、下記のアドレスをクリックしてご覧ください。

http://www.fuchu.or.jp/~asako/online/k0211z.htm
『高点句発表』
日野正人 2002年11月10日(日) 16:16:11 削除・編集
11月オンライン句会

【最高点/15点】
★くるくると陽の色溜めし柿を剥く/古田けいじ

【次点/9点】
★ココア飲む少し甘めに今朝の冬/堀佐夜子