■オンライン12月句会入賞発表/高橋信之選■
【金賞】 ★摘み取りし大菊我が手にずっしりと/柳原
博 丹精篭めた菊の花、葉ともに見事に育った。それを摘み取り、手にしたときのいきいきとした重みが、実感としてずっしりと手に伝わってくる。いきいきとしたものを手にする喜びは、何にも代えがたいもの。(高橋正子) 私も先日同じことを思いました。咲き誇り、楽しませてくれた大菊、傷み出して切るときのありがとうの気持ちが、手にずっしりですね。(祝恵子)
【銀賞/2句】 ★流木の焚き火弾ける潮の香も/霧野萬地郎 流木の焚火の経験はありませんが、「潮の香も」と言われればそのような気がしてきます。出漁前或いは浜の作業前の活気が漲っている。(野田ゆたか) 海辺で焚火の火が弾けて香りも弾ける様に一面に漂って来る。それは流木で焚火をしているから。そんな感じでしょうか。きっと日本海側の浜辺だと思います。(堀佐夜子)
★極月の軽き暦に文字を記す/日野正人
極月、つまり十二月のカレンダーが軽いと言われれば、そうだと頷ける。今年一年の終わりの月を軽々と送れる心境が、明るい。いい年だったに違いない。でもまだ少しやるべき予定がある。それも軽くこなせそう。(高橋正子) 12月になり暦も軽くなってきて年末の感が深まってきました。その12月の予定を日にち毎に記載していく。「軽き暦に文字を記す」にその感じが出ています。(都久俊) この1年の予定をこなし、無事に終えることのできそうな安堵感と充実感がうかがえます。文字を書きいれる指先も軽そうです。(柳原美知子)
【銅賞/3句】 ★水鳥の水かく足の見えており/祝恵子 水鳥が近くを泳いで、柔らかに澄んだ水に、水をかく足の形が見えた。水鳥の明らかな生態を見たときの嬉しさが、親しさとなっている。状況が澄んだ目で捉えられた。(高橋正子)
★枯木立夕陽真横にして歩く/磯部勇吉 低い日差し、長い影が枯木立をよぎる様子など冬そのものをこの句で共有できます。(霧野萬地郎) 冬になると陽が低くなり真横になる、葉が落ちた木立の間から陽を受ける絵になる風景です。枯葉を踏む音も聞こえます。(相沢野風村)
★冬木の芽硬く構えて風に向く/山野きみ子 冬木の芽が春まで硬くつぐんで、寒風に向かっている様は、小さいながらも毅然としている。芯のある強さとはこういうのを言うのだろう。冬木の芽のつややかさを思う。(高橋正子) |