■第41回オンライン句会入賞発表/2002年12月8日■
『12月句会入賞発表@』
司会/高橋正子 2002年12月8日(日) 15:3:23 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■オンライン12月句会入賞発表/高橋信之選■

【金賞】
★摘み取りし大菊我が手にずっしりと/柳原 博
丹精篭めた菊の花、葉ともに見事に育った。それを摘み取り、手にしたときのいきいきとした重みが、実感としてずっしりと手に伝わってくる。いきいきとしたものを手にする喜びは、何にも代えがたいもの。(高橋正子)
私も先日同じことを思いました。咲き誇り、楽しませてくれた大菊、傷み出して切るときのありがとうの気持ちが、手にずっしりですね。(祝恵子)

【銀賞/2句】
★流木の焚き火弾ける潮の香も/霧野萬地郎
流木の焚火の経験はありませんが、「潮の香も」と言われればそのような気がしてきます。出漁前或いは浜の作業前の活気が漲っている。(野田ゆたか)
海辺で焚火の火が弾けて香りも弾ける様に一面に漂って来る。それは流木で焚火をしているから。そんな感じでしょうか。きっと日本海側の浜辺だと思います。(堀佐夜子)

★極月の軽き暦に文字を記す/日野正人
極月、つまり十二月のカレンダーが軽いと言われれば、そうだと頷ける。今年一年の終わりの月を軽々と送れる心境が、明るい。いい年だったに違いない。でもまだ少しやるべき予定がある。それも軽くこなせそう。(高橋正子)
12月になり暦も軽くなってきて年末の感が深まってきました。その12月の予定を日にち毎に記載していく。「軽き暦に文字を記す」にその感じが出ています。(都久俊)
この1年の予定をこなし、無事に終えることのできそうな安堵感と充実感がうかがえます。文字を書きいれる指先も軽そうです。(柳原美知子)

【銅賞/3句】
★水鳥の水かく足の見えており/祝恵子
水鳥が近くを泳いで、柔らかに澄んだ水に、水をかく足の形が見えた。水鳥の明らかな生態を見たときの嬉しさが、親しさとなっている。状況が澄んだ目で捉えられた。(高橋正子)

★枯木立夕陽真横にして歩く/磯部勇吉
低い日差し、長い影が枯木立をよぎる様子など冬そのものをこの句で共有できます。(霧野萬地郎)
冬になると陽が低くなり真横になる、葉が落ちた木立の間から陽を受ける絵になる風景です。枯葉を踏む音も聞こえます。(相沢野風村)

★冬木の芽硬く構えて風に向く/山野きみ子
冬木の芽が春まで硬くつぐんで、寒風に向かっている様は、小さいながらも毅然としている。芯のある強さとはこういうのを言うのだろう。冬木の芽のつややかさを思う。(高橋正子)

『12月句会入賞発表A』
司会/高橋正子 2002年12月8日(日) 13:1:33 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【特選10句】

★一つずつ円らな音や冬の雨/碇 英一
水面に一粒の雨広がる水の輪を丸い音と表現したところがとてもいいです。作者の温和な人柄がうかびます。(金子孝道)

★引き寄せてふるさとを嗅ぐ枇杷の花/古田けいじ
枇杷の花にふるさとを思う、やさしい気持ちが感じられます。目立たない枇杷の花ですが、手にとってみたくなります。(池田多津子)

★霜柱ざくざく踏んで青菜摘む/守屋光雅
朝一の静けさの中、霜柱を踏む音が気持ちをしっかりとさせてくれます。そして、青菜の緑を摘む音までも聞こえてきます。(日野正人)

★海峡の小島は蜜柑の色に晴れ/吉田 晃
蜜柑山がある瀬戸の小島なのでしょう。冬の日があたり、島全体が熟れた蜜柑の色に輝いています。大きくて明るい情景ですね。(多田有花)
美しい色調が目に浮かびます。心を和ませてくれる夢のある絵本を見ている様で次の頁をめくりたくなります。 (馬場江都)
ふるさとの景色です望郷が募ります。(櫻井洋元)

★暖房のかすかな音と昼暮らす/脇美代子
★鴛の水尾二本広がり又狭む/野田ゆたか
★冬はこぶ大空渡る白かもめ/高田 碧
★葱貰い野山の枯に遠く棲む/小峠静水
★海遥か少年流す木の葉舟/金子孝道           
★純白の雨のひいらぎ花こぼす/藤田洋子

『12月句会入賞発表B』
司会/高橋正子 2002年12月8日(日) 13:2:27 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選T/10句】

★一年の句帖ふくらみややくずる/高橋正子
一年間使い続けた句帖は大切な一年の記録となり、書き綴った句帖を眺めながら今年を感慨深く振り返っているのでしょう。句帖のふくらみと少しのくずれが一年間の充実した時を何より表しているようで、使いこなした句帖への愛着が感じられます。(藤田洋子)

★冬晴の大河一面玻璃散らす/加納淑子
大きな景ですね。 日本ではないようですが...。 下5の「玻璃散らす」に、「これだ!!」と思いました。(岩本康子)

★歓談の後のひとりに暮れ迅し/堀佐夜子
楽しいひとときは すぐに過ぎ後の寂しさがひしひしと伝わります。 (大給圭泉)
歓談の後だけに早い夕暮れを余計に感じます。(碇英一) 

★まだ雪になりきれぬ雲北へ行く/大石和堂
★ろうそくが色とりどりのクリスマス/杯来
★霜を浴びほうれん草の甘さかな/守屋光雅
★冬の雨ゆっくり上がり明るき海/岩本康子
★口中の粉薬苦く星冴ゆる/平野あや子
★駄菓子屋の道を尋ねて一葉忌/青海俊伯
★冬帽子似合う子の立つ駅ホーム/右田俊郎

『12月句会入賞発表C』
司会/高橋正子 2002年12月9日(月) 10:40:33 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選U/10句】

★片思いポント渡して冬林檎/池田和枝
「ポント渡して」が、あとくされ無く、からっとした明るい別れを感じさせます。冬林檎の甘酸っぱさが良く効いていると思います。(磯部勇吉)
これで良いと思いますよ。これで分かってもらえなければ、無理しても性格の不一致がオチです。権謀術数など、あなたには似合わないのですから。(右田俊郎)

★裸木の枝を広げて星つかむ/池田多津子
木の近くに立って空を見上げると、星が見えて嬉しく驚くことがあります。まさにこの句の表現のような感じで。(追川悠)

★裸木にみなぎる力朝日さす/金子孝道
冬の樹々の逞しさを感じます。春を信じて暮らす人々の姿も連想されます。 (河ひろこ )

★水底の落ち葉に見えし諦めや/大石和堂
春には新緑鮮やかであった葉も、時が経ち、秋になれば紅葉し、やがて落ち葉となって水底に沈み、生を終えていくという諸行無常観が、「諦めや」でよく表わされている。水底に落ちたというのが「侘しさ」が増している。(柳原博)

★短日の夕日裾野に沈みけり/都 久俊
★帰花空が明るきゆゑ気づく/椎木英輔
★山茶花や登校前の勢ぞろい/安丸てつじ
★冬晴の突堤切れて海に入る/宮地ゆうこ
★冬朝日今日の佳き日を照らしけり/安田明子
★マウンテンバイク落葉の音させて/多田有花

『12月句会入賞発表D』
司会/高橋正子 2002年12月8日(日) 18:31:1 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選V/12句】

★しぐるるや明日の旅路の地図たどる/池田和枝
期待と不安がはつきりと読み取れます。(おおにしひろし)

★大雪や街は静かに人やさし/追川 悠  
人の暮らしの騒がしさ全てを消して大きく包んでしまう大雪、そこには静かな優しさが残り清らかさを感じます。 (山野きみ子)

★追うホウキ逃げる落ち葉や鶴林寺/櫻井洋元
第二十番札所鶴林寺の広い境内をお掃除している寺男が見える。今頃の季節は落ち葉掃きは大変であろう。八十八カ寺どこも清々しい箒目のあったことを思い出した。(守屋光雅)

★冬日射す池に糸魚の影過(よ)ぎる/土井卓美
斜めに射す陽光に魚鱗がきらっと光る。静かな冬の公園の一光景と見ました。(河勝比呂詩)

★先客は風の落ち葉や古書の店/櫻井洋元
風で運ばれてきたのだろう、古書店の床に一枚の落ち葉。あまり客の来ない古い店の印象でも有るし、繁盛の店の一瞬静かになる時間帯の景色とも取れる。作者の視線が優しい一句と感じました。(高橋由美子)

★獅子舞のごと頭を振りて落とす雪/河ひろこ
外出から帰った家の玄関か。フードに降り積もった雪を獅子舞が頭を振るうようにしてふるい落とした。7.7.5の破調であるが、動きが見えて、惹かれた句。(古田けいじ)

★冬の海船の灯あまた震えをり/大給圭泉
春夏秋冬、心情も含めるといろいろに見える船の灯。冬の海のそれは震えていると・・・ (葉鳥 洵)

★湯に沈めポンと出て香の柚子湯かな/相沢野風村
★枝元に溜まりし枯葉に日の温み/馬場江都
★極月の棘たくましき冬薔薇/おおにしひろし
★松毬の落ちて垂直立つ寒さ/小峠静水
★配られし懐炉のぬくみ通夜の席/小島直美

『12月句会選者詠』
司会/高橋正子 2002年12月8日(日) 12:22:56 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■選者詠/高橋信之

★枯れてゆく匂いの真っ只中にいる
落ち葉が敷き詰めている森の中。初冬の寂寥感と緊張感を巧みに表現している。(安丸てつじ)
嗅覚からの秋。枯れの匂いが寂しさと再生への清らかさを醸しだす。自然の営みにすっぽり包まれる。(宮地ゆうこ)
枯れて寂しい野を楽しむ気持ちが見えます。(大石和堂)

★落葉して一枚ずつの明らかに
★暮れゆきて冬灯のぬくい瞬きを

『12月句会全作品』
司会/高橋正子 2002年12月7日(土) 17:21:49 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■全作品
は、下記のアドレスをクリックしてご覧ください。

http://www.suien.net/online/k0212z.htm
『高点句発表』
日野正人 2002年12月8日(日) 19:29:27 削除・編集
12月オンライン句会

【最高点/13点】
★枯れてゆく匂いの真っ只中にいる/高橋信之

【次点/12点】
★片思いポンと渡して冬林檎/池田和枝