■第43回オンライン句会入賞発表/2003年2月9日■
『2月句会入賞発表@』
司会/高橋正子 2003年2月9日(日) 12:15:5 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■オンライン2月句会入賞発表/高橋信之選■

【金賞】
★南部富士連山真白に二月晴れ/守屋光雅
南部富士、それに連なる山々は雪で真っ白い。その連山を際立たせて二月の空が晴れ渡っている。みちのくの春はまだ先であるが、晴れ渡った二月の空の色に、春を待つ心が映って見える。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★自転車の籠に立ちたる葱の白/碇英一
真っ白い葱を買い、自転車籠の隅に、折れないように真っ直ぐに立てて入れる。買い物という何気ない日常にも、葱の清冽な姿が損なわれないように、という日本人らしい心がある。(高橋正子)

★雪玉の硬き丸みが手に馴染む/日野正人
雪玉を作るときの手の微妙な感覚がよく現されていると思います。(碇英一)

【銅賞/3句】
★波高し二月の海に貨物船/高橋秀之
ある日は波は穏やかに、ある日は波は高く、と海の表情が変わるのが三寒四温の二月であろう。今日の海には貨物船が、高い波を分けて押し進んでいる。「波高し」と言い放って男性的な句。(高橋正子)

★薄氷を踏み鳴らしつつ出勤す/太田淳子
作者は、山陰に暮らす。この日は、薄氷の張った水溜りをいくつか踏んでの出勤で、「踏み鳴らしつつ」に、山陰のそぞろ冷たい朝の空気が感じられるような句である。(高橋正子)

★幼子の描く春日の大きかり/堀佐夜子
幼い子どもは、絵に太陽をよく描くが、それが春の大きな太陽であるので、のどかでほのぼのとした気持ちになる。子どもも春の太陽の暖かさを感じたのであろう。(高橋正子)
明るく描かれた大きな春日が新しい季節への子どもたちの希望がふくらむようです。幼子を見守る優しい眼差しも感じます。(藤田洋子)
ベランダでしょうか、野原でしょうか、クレヨンで描かれた絵の中のお日さまの一段と大きく、そこにほのぼのとした春を感じます。(服部淳子)

『2月句会入賞発表A』
司会/高橋正子 2003年2月9日(日) 12:0:5 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【特選10句】

★春潮の港の波に空があり/高橋正子
「春」の拡がりを捉えた。その焦点に「波」があって、ひろびろとした「春」である。海が拡がり、空が拡がる。(高橋信之)

★春光に煌く海峡船にぎわう/岩本康子
きらきらと春の光が射す海峡に、たくさんの船。明るく、活気があり、希望がわいてきます。(池田多津子)

★白鷺の脚のすっくと春立ちぬ/藤田洋子
水辺での白鷺の動きに合わせて春が訪れた。そんな一瞬を見事に句におさめていると思います。(霧野萬地郎)

★笑い声聞こえる春の土手高し/吉田晃
まだまだ枯れ草の多い土手だと思いますが、四温晴れの陽光に照らされた土手の上から(子供の?)笑い声が聞こえてくる。土手の上にはきっと大きな白い春の雲もあることでしょう。(岩本康子)

★冬の水くぐりて和紙の白冴える/池田多津子
冷たい紙漉き作業の中で情景がよく浮かびます。(おおにしひろし)
厳しい寒さの中、和紙を水にさらします。和紙の白さが清冽な水の中で冴え渡ります。(多田有花)

★春水を汲んで畝へと幾たびも/宮地ゆうこ
これまでの冷たい水と違って、ぬるんできた春の水を、畑の作物に春の喜びを分かつように、一勺一勺、いく度もかけてやる。春の潤いがある。(高橋正子)

★氷解け田水眩しく陽を返す/霧野萬地郎
氷の解けた田の水が、清潔に煌いて、眩しく陽を返している。こんな光景はよく見るが、いつ見ても、春が来た嬉しさがある日本人の原風景である。(高橋正子)

★枯葦刈り水の匂いの広げらる/藤田洋子
川辺に密生していた枯葦が刈られると、見えなかった水が広く見え、水も生きいきと匂いたつように感じられた。(高橋正子)

★眩しきをこらえ雲雀を追ひ求む/右田俊郎
★畦焼く火縦に横にも走りけり/澤井渥

『句会入賞発表B』
司会/高橋正子 2003年2月9日(日) 12:1:46 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選T/10句】

★白梅へ香りを屈んで近づけり/古田けいじ
白梅のほのかな香りをもっと近くで、感じたいと身体を花に添わせる様子が目に浮かびます。(やまなかみゆき)

★剪定の空の青さへ抜ける風/宮地ゆうこ
軽やかな剪定の鋏の音が風に乗って聞こえてくる。晴天で重苦しい冬を抜けた喜びがある。(守屋光雅)

★エプロンの干されし藁屋梅咲けり/脇美代子
懐かしい昔の景が見えます。「梅咲けり」でその景が現代に繋がっています。(澤井渥)

★青空へせり出す藪の椿照る/霧野萬地郎
藪を狭しと日をもとめて青空へ出た椿、せいせいとしている景が見えます。(大給圭泉)
藪椿の葉も花も、今いきいきと輝いているようです。青空を背景に椿らしさが出ていると思います。(脇美代子 )  

★早春のシャツの白きを干しにけり/池田和枝
真っ白なシャツが春風の中で揺れているのが見えてきます。(大石和堂)

★薄氷や学齢の子の鏡文字/野田ゆたか
★遠嶺の灯瞬き多く冬の暁/小峠静水
★丘からは春耕の線たて横に/脇美代子
★休耕田くろぐろと草焼かれおり/澤井渥
★本繰るる音の軽きや春となり/大石和堂

『2月句会入賞発表C』
司会/高橋正子 2003年2月9日(日) 13:3:58 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選U/10句】

★堅雪の土の形に解け始む/磯部勇吉
土は命の源。春の喜びを教えてくれます。(加納淑子)

★冬の里子ら絣着て民話聞く/河ひろこ
社会見学に行ったのでしょうか。その土地の昔話、真剣に聴く子達は、用意された絣を着ている。その中に居て話を聞いている気持ちになりました。(祝恵子)

★地図になき島ぼんやりと春きざす/平野あや子
小島がかすんで見えるようになれば春の訪れなのですね。墨絵を見ているような素敵な俳句と思います。(堀佐夜子)
                 
★水仙の白を描きし墨汁かな/服部淳子
如何にも趣味人を思わせる句ですね。墨絵の簡素な美がよく表れています。(安丸てつじ)

★節分豆を少しおどけて子らの撒く/馬場江都
★日を弾き水は大地に梅植樹/山野きみ子
★春浅し螺旋描きて鳥下る/佐藤とみ子
★入り船も出船も受けし春の風/高橋秀之
★冬菫地震(ない)八年の町角に/安丸てつじ
★木の温みほのかに残る手漉き和紙/池田多津子

『2月句会入賞発表D』
司会/高橋正子 2003年2月9日(日) 13:5:4 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選V/20句】

★さくら餅菓子屋に朱墨の春立ちぬ/守屋光雅
★近づけば思いふくらむ梅真白/作者不明
★釣りの浮き赤白きいろ水温む/金子孝道
★薄氷に鯉のうごめく古寺かな/高橋由美子
★無人駅降りて一夜の冬銀河/片平奈美
★日脚伸ぶただそれだけをよろこべり/やまなかみゆき
★高きビルそびえる街へ受験生/多田有花
★「みすず」読む白いページに春日はさみ/おおにしひろし
★春の日やひなが一日子とすごす/祝恵子
★微かなる潮風にゆれ野水仙/野仁志水音
★雪煙木々のしがらみ開放す/相沢野風村
★立春や蒼き雄山へひた走る/能作靖雄
★日脚伸ぶ木の芥箱の残る路地/土井卓美
★島の灯の瞬きおりて春来る/都久俊
★花びらの花粉が目立つ椿かな/南出孝次
★暗がりに松明燃ゆるついなかな/作者不明
★川底を曝せしままに春寒し/磯部勇吉
★しゅんしゅんと湯が沸く早さ春兆す/椎木英輔
★観覧車春景色つれ回りをり/大給圭泉
★置き床につましく御座すお雛様/河勝比呂詩

『2月句会選者詠』
司会/高橋正子 2003年2月9日(日) 12:26:20 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■選者詠/高橋信之

八百屋店頭梅の花咲かせ売る
春灯の範囲の中にくず篭も
二月晴れて前へ前への歩く足

『オンライン2月句会互選句の集計結果』
野田ゆたか 2003年2月9日(日) 16:23:6 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【高点句】
15点 冬の水くぐりて和紙の白冴える /池田多津子
11点 剪定の空の青さへ抜ける風 /宮地ゆうこ
 9点 幼子の描く春日の大きかり/堀佐夜子

【高点者】
21点  池田多津子
12点  宮地ゆうこ
12点  霧野萬地郎

『2月句会全作品』
司会/高橋正子 2003年2月9日(日) 8:46:52 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■全作品
は、下記のアドレスをクリックしてご覧ください。

http://www.suien.net/0001/online/k0302z.htm