■第44回オンライン句会入賞発表/2003年3月9日■
『3月句会入賞発表@』
司会/高橋正子 2003年3月9日(日) 13:7:0 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■オンライン3月句会入賞発表/高橋信之選■

【金賞】
★青空の色を加えて石鹸玉/加納淑子
石鹸玉が吹かれて、高く昇れば、虹色にさらに空の青を映し加えることになります。そうなると石鹸玉は空のものとなって、はかないものの張り詰めた美しさを見せてくれます。(高橋正子)
透明感があって空の青さを吸いながら、上へ上へとあがって行く様子が詠われています。春の喜びがあり、空気も感じられる。(河 ひろこ)

【銀賞/2句】
★木の揺れが花の揺れとなる椿/高橋正子
木の全体を捉えたのがいい。そして動きがある。「花」をその焦点としてである。中七が6音となった破調にも無理がない。(高橋信之)

★耕しの鍬胼胝(たこ)見せて手を洗ふ/小峠静水
表現がリアルである。それがいい。写生であるか、「手を洗ふ」のは、作者自身であるか、は問わない。(高橋信之)

【銅賞/3句】
★蕗のたう緑を筆にうつしけり/都久俊
蕗のたうの緑を筆にうつしけり(正子添削)としたい。蕗のとうのしずかな淡い緑色を筆に含ませる明るい心境が、早春の季節と通じ合っている。(高橋正子)

★春光へ回転扉押して出る/小原亜子
眩しい光りの中へ。でも、「光の春」の風なまだ冷たい。そんな光景が目に浮かびます。シンプルで好きな句です。(岩本康子)

★種を蒔く指先さらと風生まれる/宮地ゆうこ
指先からさらさらとこぼれ落ちる種の感触に風を感じられたのです。種から育てる喜びを詠まれててとても好きです。(堀佐夜子)
柔らかい日差しの中で、蒔く種は軽く均等になるように気を使います。風はやさしく手伝ってくれるかのようです。(脇美代子)
指に触れるこぼれる種とやわらかな春の風に種蒔きの喜びが溢れています。(藤田洋子)
種を蒔く指先に感じる春の光と風、明日への元気と希望が生まれます。(柳原美知子)

『3月句会入賞発表A』
司会/高橋正子 2003年3月9日(日) 13:8:32 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【特選10句】

★剪定を終えし公園空青き/高橋秀之
公園の木々が剪定されて、空がすっきりとし、清潔で広々した感じになります。その春の空の青さがことに印象に残ります。最後の「き」の音の響きが句の内容に相応しくてよいです。(高橋正子)

★木の校舎に卒業合唱刻み込む/日野正人
中学校の卒業式だろうか。級友と三年間学んだ思い出を学び舎に歌う,それぞれの希望に向かう出発の時でもある。〈刻み込む〉が〈木の校舎〉に呼応して温かい。(守屋光雅)

★真直ぐな畝間に春の水ゆたか/佐藤とみ子
★卒業期校塔高く青空へ/山野きみ子
★十軒の集落にまづ春の湖/河ひろこ
★大窓に共に映りし芽木仰ぐ/脇美代子
★沈丁を嗅げば一気に刻移る/柳原美知子
★床飾る一刀彫の立ち雛/芳林淳子
★種袋ふれば旋律生まれ出る/金子孝道
★匂ひ立つ蕗の薹浮く汁碗に/椎木英輔

『3月句会入賞発表B』
司会/高橋正子 2003年3月9日(日) 18:43:54 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選T/10句】

★吾が影に一日まとわれ花なずな/おおにしひろし
田や畑でのお仕事でしょうか、ふと周りを見れば、花なずなが、影にまとわれとは素敵な表現ですね。(祝恵子)

★若草の湿りに自転車押して行く/都久俊
自分の足で若草を踏みたくて、自転車を押しているのだろう。或いは、ぬかるみに轍を取られるからだろうか、春の野辺の様子がすんなりと描かれている。(霧野萬地郎)

★影追ひし初蝶影のまま消ゆる/服部淳子
初蝶と気付いたとき影となって消えていってしまう、小さきものへの春の賛歌を詠って好きな句です。(山野きみ子)

★渡航者の知れぬ消息鳥帰る/野田ゆたか
★北窓を開けて篭れるもの払う/安丸てつじ
★息吹いて胸ふくらます紙の雛/小原亜子
★春の山明るき声の下りてくる/岩本康子
★飛機上り周囲全て春の山/相沢野風村
★たんぽぽの花の低さに風生まる/藤田洋子
★芽吹き待つ背丈伸ぶ子ら校庭に/池田多津子

『3月句会入賞発表C』
司会/高橋正子 2003年3月9日(日) 13:10:58 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選U/10句】

★空に立つ尖り確かに辛夷の芽/脇美代子
春浅い時期、辛夷は確かにこのように見えます。数多の尖りです。北国で子供時代を過ごした自分には辛夷の咲き出すのがとても待ち遠しかった。(右田俊郎)
見上げる春の空、しっかりした辛夷の芽が見えてきます。
もっと高くもっと大きくなあれ (大石和堂)

★春水の力溢れし滝の音/吉田晃
雪解けで水嵩が増えどうどうと落ちてくる滝、やがて春耕の田へと行くもある。(磯部勇吉)

★春の空窓を拭く手を高く上げ/藤田洋子
手を高くに待ち望んだ春への喜びが好く出ている。主婦か児童か、我家か学校か、想像するのも楽しい。(安丸てつじ)

★飲む水の顔に散りけり春の山/高橋正子
せせらぎの水を飲んだのでしょうか、見上げると山は芽吹きいっぱいの春の山。冷たい水と春を待つ和らいだ気持が感じられます。(相沢野風村)

★棲むものの揺らぎ伝えて春の川/柳原美知子
春の平和な川面をあやしく揺らす「もののけ」は何?その光景も明るい春の日差しの中にある。想像をかき立てられる、気持ちの良い句です。(追川悠)
はっきり見えなくても、キラキラ光る春の水面に、また小さな生き物のかすかな動きを見つける。生命の春のありがたさがつたわります。(越前唯人)

★四温晴れ角なき牡鹿角あわす/澤井渥
★明けの空声上げ白鳥北帰行/太田淳子
★水音や水仙低く香り来る/碇英一
★男生徒バラ二輪持ち卒業す/追川悠
★森に入る梢揺らして芽吹き風/古田けいじ

『3月句会入賞発表D』
司会/高橋正子 2003年3月9日(日) 13:13:17 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選V/19句】

★マラソンや比良八荒を背に受けて/京羅坊
寒さの残る強い風を受けて走っているランナーと、春先の琵琶湖周辺の景色を思い浮かべます。(碇 英一)

★瀬戸はるか春光あまねし紀伊の嶺/平野あや子
遥か洋上を経て見る嶺々に光が注がれ溢れているさまが眼に浮かぶよう。(河勝比呂詩)

★篭に載せせんべいを売る春たすき/守屋光雅
せんべいの歯ごたえ、音の軽さが春らしくて好きです。明るい売り声が聞こえてきそうです。わたしには、新鮮な一句です。(池田多津子)

★かんざしの螺鈿の艶や春の風/平野あや子
店先に飾られているのでしょうか、それとも舞妓さんの髪に揺れているのでしょうか。私の出会いたい光景です。(服部淳子) 

★紙ひいな小さき母の床の辺に/重定克則 
家族の祈りと優しさに溢れている句。(加納淑子)

★合格の知らせうれしや春の雨/高橋由美子 
この時期は合否の結果の出る時期です。合格の知らせによろこんでいる様子が目の浮かんできます。(芳林淳子)

★摩崖仏拝す岸辺の水ぬるむ/芳林淳子
対岸の摩崖仏。水ぬるむから緑の磨崖仏、紅葉の磨崖仏、雪の磨崖仏が連想され磨崖仏の一年の始まりの厳かさが伝わってきて好きな句です。(野田ゆたか)

★三月の教室に満つ子らの色/池田多津子
卒業の子達も進級の子達も、春からの新しい生活に期待と不安を抱いている。夢の叶った子、叶わなかった子、見つめる教師も心を痛める場面もある。色は様々、一様ではない。子供たちの表情を見つめている教師の痛みと優しさを感じました。(高橋由美子)

★算盤と家計簿見つめ春炬燵/高橋秀之
日々の暮らしがリアルに表現されていていいです。(金子孝道)

★三月の雨の朝なりマーマレード/池田和枝
やわらかな春の雨が降っている朝の食卓にやわらかな橙色のマーマレードとトースト、熱い珈琲が湯気立っている明るい朝食風景である。(都久俊)

★春浅き参道に佇つ喜捨の僧/土井卓美
★うららなる川の流れとゆで卵/堀佐夜子
★おひなさま優しきまなこ一本線/祝恵子
★一椀の香り食卓木の芽和え/大給圭泉
★コンテナの積みあがり行く春港/右田俊郎
★春空にはり出す大樹の輝けり/馬場江都
★朧夜の小さき嘘を許したり/越前唯人
★風抜ける芽組む木立に揺るぎなし/霧野萬地郎
★若草やおぼつかなきは恋はじめ/片平奈美

『3月句会選者詠』
司会/高橋正子 2003年3月9日(日) 13:16:39 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■選者詠/高橋信之

美代子・洋子・ひろし・淳子・ゆうこ・あや子・佐夜子選
★芽木の山丸く大きく今朝の晴れ
暖かくなり芽吹きを迎へ眠りから覚めた山の様子がうれしい弾みの朝です。(平野あや子)
近づけばひとつひとつの新芽が柔らかく、いのち膨らむような山の朝。みずみずしい空気を感じます。(宮地ゆうこ)

ひろし選
★花束の花として猫柳も売られ
破調だが、花束,猫柳で春への希みと情緒を十分出して余りある。(おおにしひろし)

美代子・ひろし・勇吉・久俊・萬地郎選
★桜花芽を透かして見みれば空が近い

『オンライン3月句会互選句の集計結果』
野田ゆたか 2003年3月9日(日) 15:52:24 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【高点句】
13点 種を蒔く指先さらと風生まれる / 宮地ゆうこ
12点 春光へ回転扉押して出る / 小原亜子
10点 青空の色を加えて石鹸玉 / 加納淑子

【高点者】
15点  宮地ゆうこ
14点  小原亜子
13点  高橋信之

『3月句会全作品』
司会/高橋正子 2003年3月9日(日) 13:26:21 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■全作品
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