■第46回オンライン句会入賞発表/2003年5月11日■
『5月句会入賞発表@』
司会/高橋正子 2003年5月11日(日) 12:10:39 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■オンライン5月句会入賞発表/高橋信之選■

【金賞】
★さし潮の卯波へ漁夫の潜り入る/平野あや子
「卯波」は卯月の波、つまり陰暦四月のころの波。さして来る勢いのある潮の、晴れやかに豊かな波に、時をみて漁夫が潜っていく。さし潮、卯波、潜ってゆく海に詩がある。卯波の伝統的な意義が読み取れる句。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★一天に鳴き声を置き揚雲雀/金子孝道
<揚雲雀>を詠んで、その本質的なところ捉えた。<置き>に作者の思いが込められている。(高橋信之)

★ワイシャツの真白き初夏の郵便夫/池田和枝
ワイシャツの真白が効いて、初夏の清潔感が溢れた句。郵便夫が初夏を運んで来たようだ。(高橋正子)
郵政公社と変わって新しく採用された郵便夫なのかもしれぬ。一軒一軒誤配達のなきよう確かめて配達している清々しい青年が想像できる。〈ごくろうさん〉と声を掛けてやりたい。(守屋光雅)
すがすがしい初夏のイメージが伝わってきます。(橋本ひとみ)

【銅賞/3句】
★青葦の切っ先空へ葉を立てる/藤田洋子
葦は角から葉え、空に向かって成長を続けている若葦の勢いが感じられます。(野田ゆたか)

★風の音を軽く弾いて柿若葉/日野正人
風に音を軽く弾くような柿の若葉といえば、もう、青が強くなりかけた柿の若葉であろう。さわやかで、力のある風を感じさせてくれる。(高橋正子)
風音を弾く楽しさと柿若葉の明るさに、軽やかな明るい初夏の季節感が溢れます。(藤田洋子)

★咲く前の蜜柑の花の固かりし/碇英一
作者の視線が一点に集中され、そこに<咲く前の>時の流れを見た。<固かりし>がいい。(高橋信之)

『5月句会入賞発表A』
司会/高橋正子 2003年5月11日(日) 19:25:39 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【特選10句】

★夏蕨近くで妻の手折る音/古田けいじ
妻と二人の蕨採り。妻が蕨を手折る音に、妻との程よい近さが確かめられている。それはまた、夏蕨の生え具合を想像させてくれ、初夏の山をすがすがしく詠んでいる。(高橋正子)

★スコップのサクという音夏立てり/福田由平
スコップで土を掘るときの音の、さわやかな印象に夏が来たことを感じる。「サク」という軽い音に、土の乾き具合、日の照らし具合、風の吹き具合などがある。「夏立つ」は、「軽さ」である。(高橋正子)

★葉桜の田水に影を揺らしけり/磯部勇吉
地味な句であるが、田水に映った葉桜の影が初夏をよく物語っている。「揺らしけり」に田面を吹く風を感じる。(高橋正子)

★御仏の目に初夏の日の届きけり/服部淳子
ひっそりとした場所での明暗のくっきりとした情景が良く理解でき,御仏という語で一層強められた感じで重厚感のある句だと思います。(おおにし ひろし)

★画用紙に満たされていく若葉色/池田多津子
一心に写生している子供、いちばん印象の強いもの若葉が中心に置かれつつ描かれていく様子がよく見えます。(河勝比呂詩)

★絹莢の花乱舞させ風強し/椎木英輔
★グラウンドの声筒抜ける新樹中/山野きみ子
★筍や寺領はみ出し鍬の音/小峠静水
★オカリナを吹く少年に若葉風/河ひろこ
★夏草の野に馬を駆る女性騎手/右田敏郎

『5月句会入賞発表B』
司会/高橋正子 2003年5月11日(日) 12:23:5 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選T/12句】

★さざなみの田水かすめて夏燕/藤田洋子
「田水かすめて」まさしく燕返しの身の軽さですね。燕が低く飛ぶ時は雨が近いとか、どうでしたか。句の調べもよくて好きです、この句。(堀佐夜子)

★大凧の位置定まりて雲迅し/霧野萬地郎
広い空にゆったりと大凧が上がっています。周りの雲の動きと対照的に安定感を感じます。子どもの成長を願い、広々としたいい日を思います。(池田多津子)

★耕人の顔黒ぐろと苗はこぶ/磯部勇吉
日焼けをした人が懸命に苗運びをしている様子がうかびます。(芳林淳子)

★一枚の代田へ夕陽迎え入れ/日野正人
一見平凡な句のようですが、代田掻きをした人が作業の後詠んだ句だとすると、労働の後の満たされた幸福な気持ちがよく表わされていると思います。 「夕陽迎え入れ」に農業をする人の自然に対する感謝の気持ちが表れていると思います。(岩本康子)
茜色の夕陽を映す水田が鮮やかな絵のように目に浮かびます。(やまなか みゆき)

★海見ゆる始発の駅の夏めきし/吉田 晃
子供の頃に戻った感じです。楽しかった家族での、夏の海と駅とジーゼルカーです。(祝恵子)

★布巾干す朝の若葉の窓明けて/藤田洋子
女性でなければ出来ないいい句だと思いました。(澤井 渥)
すがすがしい気持ちが伝わってきました。(服部淳子)

★雨霽れて若葉の山の盛り上がる/平野あや子
「盛り上がる」若葉の山の勢いに、この時季のよさを共感いたします。 (碇英一)

★車ごと新緑に入りて洗わるる/柳原美知子
車まで新緑に入れて洗う。車に新緑が映って清々しいです。現代の句を感じました。(相沢 野風村)

★新緑を抜け来る一輌ローカル線/守屋光雅
新緑に包まれてゆっくりと走るローカル線のつかの間の旅。ささやかではあるが、これほどの贅沢はないかもしれません。背中やお尻に響く程よい振動が心地よいでしょう。(日野正人)

★池水の澄んで若葉を映したり/高橋正子
★子等の乗る模型機関車風薫る/霧野萬地郎
★リモコン機薫風切って大空へ飛ばす/おおにひひろし

『5月句会入賞発表C』
司会/高橋正子 2003年5月11日(日) 12:44:37 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選U/12句】

★缶蹴りの音に振り向くこどもの日/青海としひろ
缶蹴りはまだ子どもの遊びとして健在なのですね。嬉しく懐かしい思い出ですが、最近はとんと見かけることが無くなっていました。(右田俊郎)

★明日君に逢える夏服選び抜く/野仁志水音
若者の活き活きした生活が見えて好きです。(古田けいじ)

★鶯や水底見せぬ山の池/金子孝道  
なかなか当たり前の事は気づかない。その視点をズバリと言い切った作者の繊細さに感動!(片平奈美)

★フラミンゴ緋を羽ばたいて夏来る/都久俊
フラミンゴの飛翔に夏を呼ぶ美しさと涼やかさを感じます。(山野きみ子)

★薔薇咲きて散りたる辺りも美しき/岩本康子
散ったばかりの薔薇のはなびらの香ととりどりの色の美しさが思われて、幸せな気持になります。(柳原美知子)
薔薇の花びらが自然に任せて散り重なっている様子も又こころを誘うものがあります。(馬場江都)

★渋滞の車列の上を初燕/矢野文彦
★朝の陽に露の輝く鯉幟/高橋秀之
★花空木各駅停車のローカル線/太田淳子
★山つつじ雑木林でチャイム聞く/祝恵子
★聖五月切子グラスの石榴色/小原亜子
★蒲公英の透けし絮より風に乗る/馬場江都
★麦秋の穂先に風が海に吹く/都久俊

『5月句会入賞発表D』
司会/高橋正子 2003年5月11日(日) 16:15:22 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選V/23句】

★夏めくや嬰児に増す独り言/重定克則
機嫌の良い時の嬰児の独り言が季語と良く合い、手足の動きまで見えてきます。(加納淑子)

★どの家もカーテン泳ぐ5月晴/大石和堂
暑からず寒からず、薫風が吹く、ささやかな幸せを感じる。(金子孝道)

★青羊歯の茂りて原始の森めける/岩本康子
結構な繁殖力のある青羊歯に、恐竜時代の森を想うロマンへ共感します。(霧野萬地郎)

★カーネーション会えば小言の母娘なる/河勝比呂詩
たまに会っても小言ばかり、でも母子の絆は更に深まるのでしょう。(大石和堂)
会えば小さな諍い。裏返せば仲のよさ。母と娘にのみ許されるニアミス。(矢野文彦)

★齢重ね青葉年々美しく/やまなかみゆき
木が齢を重ねて年々青葉が美しくなって来るのか、それとも作者が齢を重ねて年々青葉が美しく見えてくるのか、読み手に判断を委ねる事になりますが、私は後者の方に共鳴します。(磯部勇吉)

★五月晴れ古里ウォーク親子連れ/能作靖雄
★蚊を打ちて薬草園の昼休み/橋本ひとみ
★山恵む水の郷なり植田かな/相沢野風村
★五月晴れ軒に吊りある目白籠/澤井渥
★緑陰のベンチで風を聞いている/加納淑子
★子を持たぬ夫婦となりて花菖蒲/片平奈美
★早苗床明日を待ちいる夕間暮れ/重定克則
★ツアー旅の話などしてラムネ飲む/堀佐夜子
★通勤や白色目立ち立夏かな/津村昭彦
★青鷺の目線歩みて動かざる/河勝比呂詩
★湖渡る風に音あり姫女苑/野田ゆたか
★闇の田に今宵も合唱蛙かな/南出杯来
★釣人等荒磯の岩に立ち並ぶ/芳林淳子
★麦の丈不揃いのまま黄ばみ初む/作者不明
★おだやかな夕日の中のれんげかな/やまなかみゆき
★けもの道人も歩きて草泉/大石和堂
★夏空の青さに足どり軽くなる/野仁志水音
★京羅木山谷を見下ろす新樹光/作者不明

『5月句会選者詠』
司会/高橋正子 2003年5月11日(日) 12:25:46 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■選者詠/高橋信之
★春の蘭白く光と影を生む
★五月晴れて子らの声聞く真昼どき
★風薫る遠くの海を見ておれば

『オンライン5月句会互選句の集計結果』
野田ゆたか 2003年5月11日(日) 22:57:15 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【高点句】

12点  ワイシャツの真白き初夏の郵便夫  池田和恵

10点  一枚の代田へ夕陽迎え入れ      日野正人

10点  さざなみの田水かすめて夏燕     藤田洋子

【高点者】

21点  藤田洋子

19点  日野正人

13点  池田和恵

『5月句会全作品』
司会/高橋正子 2003年5月10日(土) 20:41:18 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■全作品
は、下記のアドレスをクリックしてご覧ください。

http://www.suien.ne.jp/0001/online/k0305z.htm