■第48回オンライン句会入賞発表/2003年7月13日■
『7月句会入賞発表@』
司会/高橋正子 2003年7月13日(日) 11:54:13 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第48回オンライン句会(7月)入賞発表/高橋信之選■

【金賞】
★潮の香を溶かし天草透き通る/池田多津子
天草を煮溶かすと、天草独特の風味がする。それを「潮の香」と捉えて、晴れ晴れとした混じり気のない気持を詠った。(高橋正子)
潮の香りをたっぷり含んだ天草がふつふつと煮え上がり、流し箱に固められた心太の透き通る清涼感を楽しむ夏ならではの食べ物ですね。(平野あや子)

【銀賞/2句】
★梅雨山の木ごとのしずく匂いけり/宮地ゆうこ
梅雨の山に入ると、木々は梅雨でずっしりと重くなっている。滴にもその木、その木の匂いがある。梅雨山に入った者の実感である。(高橋正子)
草木生い茂る梅雨山の匂い立つ緑とみずみずしさを感じます。(藤田洋子)
梅雨の雨に蘇った山のそれぞれの樹の香とみどり、しずくの一粒一粒が美しく光り、透明な音を奏でるようです。(柳原美知子)

★噴水の飛沫をくぐり来るチャイム/服部淳子
手前に噴水が吹き、向こうの建物からのチャイムが、噴水の飛沫を潜って聞こえてくる遠近感のある句。眩しい噴水の飛沫と、チャイムの音が程よくまじって夏らしい句となった。(高橋正子)

【銅賞/3句】
★ひたひたと蒲の穂わたに満ちる潮/平野あや子
蒲が穂わたとなる静かで、動きそうにもない景色に、静かに入り来る潮の動きが目に見えるようである。(高橋正子)

★夏暁の波打ち際に足洗ふ/都久俊
波打ち際の夏の暁、それだけで心地よい風と波音を思い起こす。波打ち際に行って足を洗いたくなるのも自然な思い。海水の冷たい感触が、体中に伝わってくるような句。(高橋正子)

★パソコンで納涼祭の大看板/碇英一
納涼祭の大看板は、おおらかで、精一杯夏らしさを振り撒くものに仕上がっているに違いない。パソコンで描くのが、今風で、若さと元気がある。(高橋正子)

『7月句会入賞発表A』
司会/高橋正子 2003年7月13日(日) 20:41:42 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【特選10句】

★切り西瓜角すずやかに売られける/高橋正子
切り分けたばかりの新鮮な西瓜。薄く透けた角がみずみずしく輝いて、ルビー色の果汁が甘く香る。今すぐにも食べたくなりました。(宮地ゆうこ)

★雷豪雨明けて沿線つつがなし/安丸てつじ
雷と豪雨の一夜が明けてみると、雷も去り、雨も止んで、通勤の沿線の家並みは、蘇ったように、静かで明るく何事もない朝を迎えている。「つつがなし」に、沿線に住む人たちへの思いやりがある。(高橋正子)

★曲り家に見せ物の馬栗の花/加納淑子
曲がり家は、今は少なくなっているのだろう、実際農耕に使う馬ではなく、かつては、このように飼われていたと見せるだけの馬となっている。栗の花は、曲がり家に住む人の心のように、馬にやさしさを与えている。(高橋正子)

★渡り来し橋の揺らぎや川蜻蛉/重定克則
木の橋かと思われます。橋のかすかな揺れと、そこにひらひらと飛ぶ川蜻蛉。静かなひとときを感じます。(池田多津子) 

★万緑のどん底に田の二三枚/加納淑子
山登りでふと見下ろした風景でしょうか。「どん底に」がすごく利いています。(安丸てつじ)

★青芝に寝て大空を翔ける夢/山野きみ子
青芝、大空、夢、躍動感のある句です、日々の暮らしの中に忘れてはいけない三要素を強く感じます。(金子孝道)
眠っているわけでなく、目を瞑ると自分が自分を鳥瞰している。大きくて良い句だと思います。(加納淑子)

★船溜り静に昏れて梅雨送る/平野あや子
梅雨も終るとなるともう秋がそこまで来ているという感じがして何とも名残惜しい。(磯部勇吉)

★滴りは木洩れ日に瀬音荒きに/福田由平
滴りが落ちるのは、「木洩れ日に」であり、「瀬音荒きに」であるから、あるがままの渓流の風景であろう。渓谷の木々の葉から落ちる滴りは、木々を洩れる日の班に、滾る瀬に涼しげに落ちて、登山者の心を洗う。(高橋正子)

★どこまでも百万石の青田かな/相沢野風村
青田のどこまでもの広がりをみて、「百万石」に納得し、驚きもしている。「百万石」と青田を捉えるのも、「百万石」の平野に立てばこそであろう。(高橋正子)

★扇風機羽の青色芯に持ち/高橋正子

『7月句会入賞発表B』
司会/高橋正子 2003年7月13日(日) 11:51:0 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選T/10句】

★思春期の声つつぬけて更衣/藤田洋子
元気で朗らかな声がこちらまで聞こえそうです。(大石和堂)

★娘の便りを持って茅の輪をくぐりたる/大石和堂
無病息災を願っての茅の輪くぐりに遠くにいる娘の分もと手紙を携えて潜った。母性愛が滲み出ている。(都久俊)

★塀越しに南瓜咲き継ぐ明るさよ/宮地ゆうこ
★くちなしの朝一番の白開く/古田けいじ
★半ズボン穿いて少年めく日曜日/太田淳子
★重なりし丸太の年輪梅雨湿り/河ひろこ
★黒南風や人無き街にジャズ流る/藤田荘二
★網戸越し雲湧く空の広々と/柳原美知子
★ジャガイモの香りの中の梅雨の晴れ/守屋光雅
★草刈りて空色となる通学路/相沢野風村

『7月句会入賞発表C』
司会/高橋正子 2003年7月16日(水) 13:42:46 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選U/20句】

★雲の峰棒高跳びはよくしなり/霧野萬地郎
★万緑に雨かさなりて目にやさし/金子孝道
★上る汗下る汗あり富士五合/大石和堂
★常磐木のいよよ深まり夏落葉/山野きみ子
★木槿掃きかがめば夕日かがみけり/大給圭泉
★ふるさとを出でて戻らぬ蝉の穴/霧野萬地郎
★鳥放つ公園の森梅雨晴間/矢野文彦
★髪洗う激しい雨が降り始め/おおにしひろし
★冷麦の竹箸ながし嵯峨野かな/脇本柾木
★暗闇をものともせずに蛍狩/卯波孤石
★立ち話西瓜の紐の食い込みぬ/右田俊郎
★夕顔が咲いてちりぢり遊びの子/吉田晃
★咲き初めてまだ風呼べぬ月見草/野田ゆたか
★修験者の蓮とり舟は漕ぎ出でし/芳林淳子
★垂直に胡瓜大地に突き立ちぬ/日野正人
★雲ふつふつ八割までを晴れといふ/椎木英輔
★雷雨あと夜空すがしき雲流る/藤田洋子
★梅雨晴や日の高きより鳥の声/磯部勇吉
★しそ酢作りメモする車内信号待ち/祝恵子
★茄子の花涼やかに咲く雨上がり/岩本康子

『7月句会選者詠』
司会/高橋正子 2003年7月13日(日) 13:40:53 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■選者詠/高橋信之

★萍の今日の日を乗せ平らかに
波瀾万丈は若者にとっては復元力もあるが,今日の日も明日も平穏であってほしい。時間性のある作者の哲学的境地であろう。(守屋光雅)
萍の水面はいつも平ら。平穏を好むかのように、萍は、日を乗せて静かです。(吉田晃)
何気ない田園風景の中に安らぎがある。(おおにし ひろし)
静かな池のたたずまいを思い浮かべました。日を静かに受ける萍の緑が心を和ませてくれるようです。(藤田荘二)

★風鈴を気ままに鳴らし風が去る
風鈴を鳴らす風は、気ままな風で、強く鳴らしてみたり、しばらく間を置いて鳴ってみたり、自在である。風の軽さがよい。(高橋正子)

★朝顔の空の広さに蔓を伸ばす
朝顔が意志のあるように大空へ伸びてゆく様が明るく伸びやかに詠まれています。(山野きみ子)

『オンライン7月句会互選句の集計結果』
野田ゆたか 2003年7月13日(日) 22:1:50 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【高点句】

13点  渡り来し橋の揺らぎや川蜻蛉  / 重定克則

11点  でんでんの遅れて殻も曲がりゆく / 宮地ゆうこ

10点  潮の香を溶かして天草透き通る / 池田多津子

【高点者】

22点  宮地ゆうこ

21点  高橋信之

16点  重定克則

『7月句会全作品』
司会/高橋正子 2003年7月12日(土) 9:51:11 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■全作品
は、下記のアドレスをクリックしてご覧ください。

http://www.suien.ne.jp/0001/online/k0307z.htm