■第48回オンライン句会(7月)入賞発表/高橋信之選■
【金賞】 ★潮の香を溶かし天草透き通る/池田多津子 天草を煮溶かすと、天草独特の風味がする。それを「潮の香」と捉えて、晴れ晴れとした混じり気のない気持を詠った。(高橋正子) 潮の香りをたっぷり含んだ天草がふつふつと煮え上がり、流し箱に固められた心太の透き通る清涼感を楽しむ夏ならではの食べ物ですね。(平野あや子)
【銀賞/2句】 ★梅雨山の木ごとのしずく匂いけり/宮地ゆうこ 梅雨の山に入ると、木々は梅雨でずっしりと重くなっている。滴にもその木、その木の匂いがある。梅雨山に入った者の実感である。(高橋正子) 草木生い茂る梅雨山の匂い立つ緑とみずみずしさを感じます。(藤田洋子) 梅雨の雨に蘇った山のそれぞれの樹の香とみどり、しずくの一粒一粒が美しく光り、透明な音を奏でるようです。(柳原美知子)
★噴水の飛沫をくぐり来るチャイム/服部淳子 手前に噴水が吹き、向こうの建物からのチャイムが、噴水の飛沫を潜って聞こえてくる遠近感のある句。眩しい噴水の飛沫と、チャイムの音が程よくまじって夏らしい句となった。(高橋正子)
【銅賞/3句】 ★ひたひたと蒲の穂わたに満ちる潮/平野あや子 蒲が穂わたとなる静かで、動きそうにもない景色に、静かに入り来る潮の動きが目に見えるようである。(高橋正子)
★夏暁の波打ち際に足洗ふ/都久俊 波打ち際の夏の暁、それだけで心地よい風と波音を思い起こす。波打ち際に行って足を洗いたくなるのも自然な思い。海水の冷たい感触が、体中に伝わってくるような句。(高橋正子)
★パソコンで納涼祭の大看板/碇英一 納涼祭の大看板は、おおらかで、精一杯夏らしさを振り撒くものに仕上がっているに違いない。パソコンで描くのが、今風で、若さと元気がある。(高橋正子) |