■オンライン2月句会入賞発表/高橋信之選■
【金賞】 ★春あけぼの出羽三山を押し出せり/北野清市
出羽の国山形県の羽黒山・月山・湯殿山の三山。最も高い月山を真中に、添うように湯殿山、離れて低く羽黒山があるのだろうが、曙にいち早く黒く浮かびあがってくる山の猛き姿は、曙に押し出されたようだという。三山をもって、出羽の春のあけぼのを心深く詠んだ。(高橋正子) 「春あけぼの」は、枕草子を思い出してくださいというメッセージと解しました。明けるにしたがって晴れゆく朝霞の中から現われる出羽三山。「押し出せり」のズームアップが効いていますね。古い17インチのTVを大型ハイビジョンTVに切り替えたような圧倒的迫力を感じます。(ひのまきお)
【銀賞】 ★如月の光に淡く和紙干さる/池田多津子 凍るような月光に、ほのかに浮かびあがる和紙の白。研ぎ澄まされたきよらかな日本の美があって触れがたいほどである。(高橋正子) 春浅き光の淡さに、心込めて漉き上げた和紙のやわらかさ。ぬくもりの中に清澄な気を感じさせる美しい句です。(宮地ゆうこ) 二月の光りに和紙の柔かさが相まって、優しい情景が映し出されています。(山野きみ子)
この月の冷たくも優しさの感じられる光が、言い表されていると思います。(脇
美代子) 和紙の白さが澄んだ2月の空気のなかで清清しさが感じられます。(やまなかみゆき)
★飛ぶ飛ぶと白鳥空へ子を抱きて/守屋光雅 白鳥へのまなざしが、すなわち人へのあたたかさとなる。哀切の想いがどこかにあるのも、白鳥の住むみちのくの自然のせいか。(高橋正子)
【銅賞】 ★寒明けの丸みを持って水流る/吉田晃 寒が明けると、流れる水もやわらかで丸みを帯びているように思える。南国では暦のとおり、寒明けは春立つ日なのである。(高橋正子) 「丸みを持って」が寒明けの水の感じを表しています。ぴんとした冷たい水から少しなめらかになる春先の流れです。(池田多津子) 寒さはまだまだ続きますが、寒が明けたという喜びが「丸み」に表されています。(多田有花)
★「卒業」と大きく墨を滴らせ/野仁志水音
墨をたっぷりと含ませて、大胆に大きく「卒業」と書ける晴れやかさ。筆の運びを見守るものにも、卒業を祝う気持ちがいっぱいである。(高橋正子) たっぷりと墨を含ませて大きく書き上げる「卒業」の二文字、明るさや希望、みずみずしさを感じさせてくれます。(藤田洋子
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※選者作品は、金銀銅賞から割愛しました。 |