■第50回オンライン句会入賞発表/2004年2月8日■
『2月句会入賞発表@』
司会/高橋正子 2004年2月8日(日) 12:36:2 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■オンライン2月句会入賞発表/高橋信之選■

【金賞】
★春あけぼの出羽三山を押し出せり/北野清市
出羽の国山形県の羽黒山・月山・湯殿山の三山。最も高い月山を真中に、添うように湯殿山、離れて低く羽黒山があるのだろうが、曙にいち早く黒く浮かびあがってくる山の猛き姿は、曙に押し出されたようだという。三山をもって、出羽の春のあけぼのを心深く詠んだ。(高橋正子)
「春あけぼの」は、枕草子を思い出してくださいというメッセージと解しました。明けるにしたがって晴れゆく朝霞の中から現われる出羽三山。「押し出せり」のズームアップが効いていますね。古い17インチのTVを大型ハイビジョンTVに切り替えたような圧倒的迫力を感じます。(ひのまきお)

【銀賞】
★如月の光に淡く和紙干さる/池田多津子
凍るような月光に、ほのかに浮かびあがる和紙の白。研ぎ澄まされたきよらかな日本の美があって触れがたいほどである。(高橋正子)
春浅き光の淡さに、心込めて漉き上げた和紙のやわらかさ。ぬくもりの中に清澄な気を感じさせる美しい句です。(宮地ゆうこ)
二月の光りに和紙の柔かさが相まって、優しい情景が映し出されています。(山野きみ子)
この月の冷たくも優しさの感じられる光が、言い表されていると思います。(脇 美代子)
和紙の白さが澄んだ2月の空気のなかで清清しさが感じられます。(やまなかみゆき)

★飛ぶ飛ぶと白鳥空へ子を抱きて/守屋光雅
白鳥へのまなざしが、すなわち人へのあたたかさとなる。哀切の想いがどこかにあるのも、白鳥の住むみちのくの自然のせいか。(高橋正子)

【銅賞】
★寒明けの丸みを持って水流る/吉田晃
寒が明けると、流れる水もやわらかで丸みを帯びているように思える。南国では暦のとおり、寒明けは春立つ日なのである。(高橋正子)
「丸みを持って」が寒明けの水の感じを表しています。ぴんとした冷たい水から少しなめらかになる春先の流れです。(池田多津子)
寒さはまだまだ続きますが、寒が明けたという喜びが「丸み」に表されています。(多田有花)

★「卒業」と大きく墨を滴らせ/野仁志水音
墨をたっぷりと含ませて、大胆に大きく「卒業」と書ける晴れやかさ。筆の運びを見守るものにも、卒業を祝う気持ちがいっぱいである。(高橋正子)
たっぷりと墨を含ませて大きく書き上げる「卒業」の二文字、明るさや希望、みずみずしさを感じさせてくれます。(藤田洋子 )

※選者作品は、金銀銅賞から割愛しました。

『2月句会入賞発表A』
司会/高橋正子 2004年2月8日(日) 12:38:13 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【高橋信之特選7句】
★石を打ち石を巡りて春の川/山野きみ子
★春立ちて巡り来るもの戻らぬもの/山中啓輔
★春耕の音の深々鍬を打つ/吉田晃
★雪解けの音を集めて海へ行く/池田多津子
★「卒業」と大きく墨を滴らせ/野仁志水音
★冬の駅伝言板の余白あり/大給圭泉
★春あけぼの出羽三山を押し出せり/北野清市

【高橋正子特選7句】
★寒明けの丸みを持って水流る/吉田晃
★街路樹の冬芽をもたぐ日のありし/石井信雄
★飛ぶ飛ぶと白鳥空へ子を抱きて/守屋光雅
★如月の光に淡く和紙干さる/池田多津子
★「卒業」と大きく墨を滴らせ/野仁志水音
★春あけぼの出羽三山を押し出せり/北野清市
★雪を云い風を云い顔そろい来る/矢野文彦
雪が降り、風が吹く中を仲間が集まってくる。暖かな集いが始まる予感。(古田けいじ )

『2月句会入賞発表B』
司会/高橋正子 2004年2月8日(日) 12:48:14 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選T/10句】
★春の雪のせて露地の菜売られける/宮地ゆうこ
春の雪降る身近な光景が、雪と野菜の対比、「雪のせて」で臨場感をもって描かれています。(おおにしひろし)
名ばかりの春。路地に開いた行商の小店であろうか。お得意さんを待つ野菜売りの姿が「春の雪をのせた菜」とともに新鮮に見えた。(吉田 晃)

★毛糸編む交互に動く色の玉/相沢野風村
何を編んで居られるのだろうかとか色が一色でなく交互に編んでいらっしゃるし棒針か鈎針かと色々に想像出来て楽しいですね。色は何色、きっと春の色でしょう。楽しませて頂きました。(堀佐夜子)

★寒明けの声を広げて田の雀/藤田洋子
★新雪の風樹包みて野のきよら/おおにしひろし
★白椿咲いてかたさを失わず/宮地ゆうこ
★靴底に触るる凍て土荒々と/山中啓輔
★新幹線冬野をぬけて空の青/河ひろこ
★吹雪やみ湯気立ち上る自在鍋/畑育子
★見舞い行く二月の坂の風集め/霧野萬地郎
★冴え返る剥落しげき屋号板/平野あや子

『2月句会入賞発表C』
司会/高橋正子 2004年2月11日(水) 20:25:55 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選U/24句】
★少しずつ違ってどれも桜の芽/藤田洋子
まさにナンバーワンよりオンリーワン。そして万朶の桜の一つ一つとしての開花が待たれます。(矢野文彦)

★父が押し子が捲上げる若布刈舟/ひのまきお
胴長をつけた親子が黙々と動き、二人の呼吸が聞こえてくる。海面から上がってくる若芽がきらきら光っている。磯漁師を活写して日本の風景である。(守屋光雅)
鳴門若布でしょうか、父と子の呼吸の合った若布刈舟に早春を感じます。このようになるまで、いろんなことがあったのでしょう。父と子の葛藤の年月も感じられます。(相沢野風村)
親子が言葉少ないももくもくと働く情景がうまく捉えられています。
(大石和堂)

★たま風に崩れんばかりの東尋坊/湯山淳三
玉風という季語、広辞苑で「北陸に吹く北風」と知りました。冬の荒波を被る大岸壁、中7の表現が凄い。(安丸てつじ )

★満月に明る坂道冴返る/安丸てつじ
昼との差を感じながら冷たく光る月に冴返るを実感季語が生かされていると思います。字余りでも「明る」に一考されては?(加納淑子)

★眠くなり春の細胞分裂す/野田ゆたか
作者の意にコメントの的が絞れて居ないかも知れませんが、先ず巧みに「細胞分裂」を持って来た処に衝動を受けました。眠くなる様な春の気配の中であちらこちらの小さい春が進んでゆく様子を増殖する細胞分裂と捉えられた鋭さと面白さとに惹かれました。(志賀たいじ )

★語らいつ筆をとりつつ春の夜は/福田由平
理想の平和像です。 みんながこんな時を持てば、戦争なんてなくなるのにと思います。(岩本康子)
寒い冬を越して、春の夜、夫婦でいろいろ話し合ったり、又、書道を嗜んだり、楽しい一時を思い浮かべました。(藤田裕子)

★薄氷の割られてゐたり通学路/大石和堂
子供達が転ばぬように、先生だろうか地域の人だろうか、思いやりの出ている通学路の光景。優しい人々の交流がみえて嬉しい。(河ひろこ)

★剪り責めの低きばら園東風強し/碇英一
上五がユニーク、傷めれば良い花を付けるとの事ですが、人間本位のやり方への作者の訴える気持ちを読みました。(霧野萬地郎)

★雪底に微かにうまれ水の音/河ひろこ
★粉雪舞い地に溶け又も溶けてゆく/藤田裕子
★昼過ぎの淡雪肩に降らせ行く/多田有花
★春立つ日早くも月の出でにけり/堀佐夜子
★雪掻きの湯気立つ背中大きかり/渡辺酔美
★しんしんと余寒の月の研ぎ澄みて/都久俊
★海底の駅に流るる早春賦/篠木睦
★流氷や絞る鴉声も虚ろなり/志賀たいじ
★取り上げし京菜の束の初初し/平田弘
★立春や荒海渡る飛機の輝り/能作靖雄
★遊覧船春立つ海に跡を引く/高橋秀之
★下校児の声賑やかに牡丹雪/ 祝恵子
★凍雲の上に拡がる月明かり/河野齊
★物言わぬ父の家路や春の雪/太田淳子
★寒けれどどこか明るき春の雪/やまなかみゆき
★蒜山の水芹伸びし水光らす/京羅坊

『2月句会選者詠』
司会/高橋正子 2004年2月8日(日) 8:38:4 削除・編集 スレッドの一覧・返信
[高橋信之]
★冬山へ雲が日を載せきらきら行く
★風邪に臥す畳に届く日が強し
★風邪薬の白き丸きを手のひらに

[高橋正子]
★咲きはじむ山の椿の赤かりき
★春嵐野積みのものをかたくなに
★冬茜ひとり見ていて暮早む

『オンライン2月句会互選句の集計結果』
野田ゆたか 2004年2月8日(日) 20:35:0 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【高点句】
12点 寒明けの声を広げて田の雀  藤田洋子
12点 如月の光に淡く和紙干さる  池田多津子
 9点 父が押し子が捲上げる若芽刈舟   ひのまきお

【高点者】
 17点 藤田洋子 
 17点 池田多津子
 13点 矢野文彦

『2月句会全作品』
司会/高橋正子 2004年2月7日(土) 17:33:6 削除・編集 スレッドの一覧・返信
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http://www.suien.ne.jp/0001/online/k0402z.htm