2004年
オンライン4月句会
全作品
NPO法人水煙ネット
No.52 徳毛あさ子
娘の箏の立てかけてあり夜半の春
水音のときに激しく楡新樹
新若布水にひろごり夕厨
No.51 服部淳子
ルアーだけ花菜畳を飛んでをり
陰日向一本ずつに竹の秋
幾ヶ所も歪みし大木風光る
No.50 作者不明
街灯に丸く最後の花吹雪
仕事終え深夜に花の独り占め
遠吠えて終バスつつむ花ふぶき
No.49 野仁志水音
散る桜自転車の風に舞い上がる
朝日差す校舎に溢れる新入生
シャボン玉明るい空へ透きとおる
No.48 多田有花
湯の町の川を流れる花筏
花吹雪受けてバイクを走らせる
しずかさや落花瞬時もとどまらず
No.47 高橋秀之
帰り来る船を包みし朝霞
終着の駅の片隅金盞花
休日の野遊び親子影に陽に
No.46 柳原美知子
鶯の声を窓辺に降らせおり
五弁地にふわりと伏して桜花
夜桜や堀わたりくる声高し
No.45 矢野文彦
老いても四月始めてみたきこと探す
混乱期には夢ありぬ草だんご
花時の人を見に出る車椅子
No.44 津村昭彦
川渕の蛇も昼寝や春うらら
ハンカチをのせて散歩の夏近し
川の春群れ遊びたる赤目立ち
No.43 岩本康子
チューリップ伸びて少女の背も伸びし
花満ちて自在に広がる天空や
花吹雪く公園の子ら遊び飽きず
No.42 霧野萬地郎
竹の秋その一叢の揺れ激し
鉛筆はみなとんがって入学子
ジグザグの道まだ見えぬ春の富士
No.41 下地鉄
飛沫あげどっと繰出す海開き
ベニチュアの溢れるほどに鉢を咲き
初燕よぎりて影の余韻かな
No.40 都久俊
絵を描いて背なは花と人だかり
結び三つ持って花見に出かけけり
名も知らぬ花に会いけり城の春
No.39 碇英一
大き日出大き日入る花野かな
花の御所御車寄せに牛車止む
一もとの地を蓋いたる桜かな
No.38 吉田 晃
花蜂の花の中より蜜吸う音
指揮棒の春を包んで曲終わる
春の夜の飲んでいるらし父の酒
No.37 林緑丘
桜花散る音聞けり床の中
春の日は母を想いて散らし寿司
狭き庭幾度も歩く春の朝
No.36 磯部 勇吉
時々は桜見上げて碁を打てり
鶺鴒を連れて一日を耕せり
咲き満ちて椿の花の潔し
No.35 おおにしひろし
蓬摘む籠いっぱいに陽の匂い
雲雀野を行けば草の香陽の香満つ
花筏かき分けてくる子白鳥
No.34 小峠静水
鳥帰る水と空との直線に
花筏こつんこつんと水の来る
沈丁の香りにゆうぐれにちゃにちゃと
No.33 宮地ゆうこ
山吹の花びら白きを整える
リュックサック陽にふくらんで花の庭
初蛙しずかに動くよ草の上
No.32 脇美代子
げんげ田に一、二、三で跳びにけり
高気圧日本を包み花満開
茎立の明るさに踏む土やさし
No.31 相沢野風村
耕せし太平の地に雨の降る
場所取りの仰向け我も花の中
水温む思い思いの手帳かな
No.30 石井信雄
げんげ野やはだしをつつむ草の息
朝風の河畔に満ちて囀れり
写生の娘肩に花びら散らしつつ
No.29 山中啓輔
毛氈をたためば花の幾ひらも
散る花を惜しみつ心移ろいぬ
囀りの止みて心の虚ろなり
No.28 藤田洋子
堀めぐる水に張り出て桜咲く
さざめける濠につぎつぎ飛花落花
散りつづく桜の坂を徐行する
No.27 山野きみ子
初蝶の小さき草にたたむ羽
菜の花に黄帽子紛れて走り去る
路地裏の間口いっぱい春の花
No.26 追川悠
闇の夜に妖しく哀し白き花
職辞してその次の日の晴れた朝
若き日の春空青しラッパ飲み
No.25 能作靖雄
三月尽ちらし寿司よな誕生日
顔洗う誕生の日の水温るし
新講座寄稿迫らる三月尽
No.24 澤井渥
チェン脱着場三つ葉つつじの咲き出せり
山神の裏に見つけし初わらび
芽吹く木木杉山檜山黒く見え
No.23 池田多津子
入学の親子ら朝日に向かい来る
潮流に任せて春の魚を釣る
空の青海の青濃き入学式
No.22 福田由平
あかつきも夕べも花のくるおしき
星ひとつ桜の照らす小路ゆく
鈍色の空は動かぬ桜散る
No.21 安丸てつじ
背高の狭間老春ここに在り
食卓にもう次の旬初鰹
目には目を歯には歯をの世イースター
No.20 大給圭泉
もう声の届かぬ友に花吹雪
三面鏡影ある顔の春時雨
げんげ田にお握りを割る二人かな
No.19 やまなかみゆき
柿の木の濡れし枝より芽吹き始む
風に揺れ白えんどうは蝶のよう
〜鶴が丘八幡宮〜
千年の時超え大銀杏いま芽吹く
No.18 河ひろこ
片栗の花で一村賑わえり
春暁の山脈越えて光る湖
ふららこの軋む音入る厨窓
No.17 野田ゆたか
かすみ草末の娘の婚近づきぬ
白れんの闇を深めて雨もよう
再会の先ずは一匹春の蝿
No.16 藤田裕子
池の面に花影揺れて光となり
孫の手の桜に届きシャッターきる
野の香り蕾に秘めて菜の花漬け
No.15 前田修平
純白の嫁ぐ姿に母子草
雄飛する田鶴の出立春日かな
花吹雪なお定まらぬ遍路の眼
No.14 平田弘
花吹雪つむじを描きて立ち昇る
雨上がり深緑にはゆ松の芯
喜寿の席円らなひとみの蛍烏賊
No.13 守屋光雅
野良犬を飯食う遍路払いけり
闘牛の番付貼られ土佐に入る
歩を緩め結願近き遍路道
No.12 篠木睦
満開の今日を境に花の雨
使い馴れし言葉忘れて花万朶
今日生きし証しの一句涅槃の日
No.11 河野齊
折り紙のおだいり様を真中に
藁たらす雀が壁に影うつし
老杏花は年ごと新たなり
No.10 高橋正子
石鎚のもっとも遠しもっとも霞み
満々の池水に高く花ポプラ
霞立つ海より波の音拾う
No.9 高橋信之
入学の黒服の清潔な黒
妻と歩けば鶯の啼くまた啼く
空からの風に吹かるるパンジーは
No.8 大石和堂
丸坊主さばさばさばさば風光る
燃え流るしだれ桜や恐きかな
鉛筆を削れぬ生徒葱坊主
No.7 大野武
今日明日かつぼみ覗けき桜かな
北上の花の便りのせわしなき
舞込みし桜ひとひら元を追い
No.6 渡辺酔美
公魚や天ぷらと成りて太りをり
朗報にアクセル強く雪消水
雪柳新妻の笑み満面に
No.5 矢部れい子
花落ち葉春愁集め庭を掃く
大切りに新玉葱の実の白さ
友達は来たの仔猫に問うてみる
No.4 堀佐夜子
パン屑に雀の親子飛び来たり
つばくらめ泥銜え飛ぶ薄暮空
うたた寝の夢見る為の春ストーブ
No.3 祝 恵子
桜舞う大正琴の大演奏
リズムとる奏でる曲の花の下
二人乗り菜の花坂の縄電車
No.2 平野あや子
添う肩へ濡らし初めたり花の雨
花吹雪く風の底なるしるべ石
ふるさとの調べやさしく山笑う
No.1 志賀たいじ
土手の下どこにも瀬音蕗のとう
春日和いつも寄る児が金ボタン
のぼるのぼる光の中を初雲雀