【金賞】 ★夏蝶の花から離れ我からも/藤田裕子 「夏蝶」の真の姿を捉え、作者の主情を詠んだ。夏蝶を観て、付かず離れず、の心境である。(高橋信之)
【銀賞/2句】 ★夏が来て家の東西風とおす/脇美代子 こういう風がもっとも涼しい風と言えるだろう。東の窓も西の窓も開け放たれて、風が迷わず吹き抜ける。単純化された表現に俳句のよさが伺える。(高橋正子) 梅雨晴の今日。朝からこの句のようにさわやかな風が吹き抜けています。「夏がきた」とうれしく肌で感じます。(宮地ゆうこ)
★梅雨晴間空に抜けゆくものの音/山野きみ子 湿り気のない「晴間」の快い音が開放感を与えてくれる。「空に抜けゆく」のである。(高橋信之)
【銅賞/4句】 ★苺摘むまだらに雪の駒ケ岳/守屋光雅 苺つみながら見上げればまだ山には残雪。色の対比にきりりとした清々しさがあって初夏の空気が感じられます。(河ひろこ) 雪残る山嶺の雄大な自然をバックに、苺摘む鮮明な色の対比の美しさと、高山の麓に訪れる、爽やかな初夏の嬉しさを感じます。(藤田洋子) 苺の赤と雪の白、苺の小さい存在と駒ケ岳の雄大さの対比がおもしろい。大自然を借景に日々の生活が営まれている現実があり、うらやましくもある素晴らしい生き方をうれしく読ませていただいた。(吉田
晃)
★えごの花男子ばかりの通学路/伊藤華将 高校生であろうか。そうであったら、なおさらのことで、高きに咲く「えごの花」が似つかわしい。有季定型がしっかりしているのも、「男子ばかり」の風景に合う。(高橋信之)
★上を向いて歩こう口ずさむ合歓の路/おおにし
ひろし 中七が9音という破調だが、どの語も切り捨てることができない。「合歓の路」の季語の働きがいい。(高橋信之)
★海のものしんと潜れる冷蔵庫/池田加代子 次の日の料理のために買ってきた魚が冷蔵庫の中にあって、夜中などにそのかすかな電気音が聞こえるときなどはこんな気分になります。いい表現だと思います。(宮腰淳司)
※選者作品は、金銀銅賞から割愛しました。 |