第54回オンライン月例句会入賞作品
2004年6月13日

『6月句会入賞発表@』
司会/高橋正子 2004年6月14日(月) 21:37:53 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【金賞】
★夏蝶の花から離れ我からも/藤田裕子
「夏蝶」の真の姿を捉え、作者の主情を詠んだ。夏蝶を観て、付かず離れず、の心境である。(高橋信之)

【銀賞/2句】
★夏が来て家の東西風とおす/脇美代子
こういう風がもっとも涼しい風と言えるだろう。東の窓も西の窓も開け放たれて、風が迷わず吹き抜ける。単純化された表現に俳句のよさが伺える。(高橋正子)
梅雨晴の今日。朝からこの句のようにさわやかな風が吹き抜けています。「夏がきた」とうれしく肌で感じます。(宮地ゆうこ)

★梅雨晴間空に抜けゆくものの音/山野きみ子
湿り気のない「晴間」の快い音が開放感を与えてくれる。「空に抜けゆく」のである。(高橋信之)

【銅賞/4句】
★苺摘むまだらに雪の駒ケ岳/守屋光雅
苺つみながら見上げればまだ山には残雪。色の対比にきりりとした清々しさがあって初夏の空気が感じられます。(河ひろこ)
雪残る山嶺の雄大な自然をバックに、苺摘む鮮明な色の対比の美しさと、高山の麓に訪れる、爽やかな初夏の嬉しさを感じます。(藤田洋子)
苺の赤と雪の白、苺の小さい存在と駒ケ岳の雄大さの対比がおもしろい。大自然を借景に日々の生活が営まれている現実があり、うらやましくもある素晴らしい生き方をうれしく読ませていただいた。(吉田 晃) 

★えごの花男子ばかりの通学路/伊藤華将
高校生であろうか。そうであったら、なおさらのことで、高きに咲く「えごの花」が似つかわしい。有季定型がしっかりしているのも、「男子ばかり」の風景に合う。(高橋信之)

★上を向いて歩こう口ずさむ合歓の路/おおにし ひろし
中七が9音という破調だが、どの語も切り捨てることができない。「合歓の路」の季語の働きがいい。(高橋信之)

★海のものしんと潜れる冷蔵庫/池田加代子
次の日の料理のために買ってきた魚が冷蔵庫の中にあって、夜中などにそのかすかな電気音が聞こえるときなどはこんな気分になります。いい表現だと思います。(宮腰淳司)

※選者作品は、金銀銅賞から割愛しました。

『6月句会入賞発表A』
司会/高橋正子 2004年6月14日(月) 21:39:10 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【高橋信之特選7句】
★ぐいと漕ぐ夏湖に森膨れくる/池田加代子
カヌーかボートで湖の中にいるのでしょうか、湖の中から新緑の森が溢れて清々しいです。ぐいと漕ぐが力強く逞しさも感じます。森やか森ので切れが入ればもっといいと思いました。(相沢野風村)
ぐいと漕ぐ にボートを漕ぐ作者の元気なここちよさと、森にかこまれた夏湖が身近にかんじられます。(矢部れい子)
静かな湖面を漕ぎ出すと、周りの深い緑が迫ってきます。膨れくると表現されているのが、いいですね。(脇美代子)

★夏蝶の花から離れ我からも/藤田裕子
★えごの花男子ばかりの通学路/伊藤華将
★上を向いて歩こう口ずさむ合歓の路/おおにし ひろし
★田植えして青一線の列となる/池田多津子
★梅雨晴間空に抜けゆくものの音/山野きみ子
★梅雨入りぬ夕陽は円く海に落つ/作者不明

【高橋正子特選7句】
★蚊帳吊草子供の頃のピタゴラス/作者不明
誰が命名したものか、蚊帳吊草は正にその通りだ。蚊帳を吊るのは子供の私の役目であり部屋の四隅を、そして算数から数学に変った少年の頃の幾何・ピタゴラスの定理を思い起こしてくれる。(守屋光雅)

★田植え終えいよいよ灯る能舞台/河ひろこ
田植えを終えての安堵感と、能舞台への期待感ですね。(祝 恵子)
忙しかった田植えも終わり、待ちに待った能のかがりが灯り始まる舞台に馳せる思い。(平野あや子)

★朝空をすみずみ映し植田水/藤田洋子
眩しい朝日の照らす田んぼに一日の爽やかな始まりが感じられます。(高橋秀之)

★夏が来て家の東西風とおす/脇美代子
★海のものしんと潜れる冷蔵庫/池田加代子
★花菖蒲夜はせせらぎを引き寄せて/篠木 睦
★苺摘むまだらに雪の駒ケ岳/守屋光雅

『6月句会入賞発表B』
司会/高橋正子 2004年6月14日(月) 21:42:33 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選T/10句】
★教室の明るくなりぬ更衣/伊藤華将
夏服に衣更えし、子供達のいきいきとした表情が見えてくるようです。(伊藤笑留人)
学童、生徒の上衣の白色でぱっと明るくなる夏着初日の教室。句を鑑賞して子らと教諭のやりとりの声などが明るく伝わってきました。(野田ゆたか)

★山門を入りて涼しき大欅/石井信雄
山門と大欅が季語を大きく引き立てており、夏の句として非常に雄大かつ力強い佳句と思います。(今井伊佐夫)

★木の葉揺れ朝日に生まる影涼し/堀佐夜子
朝の爽やかさが一読して伝わりました。(大給圭泉) 
★誰もいない島の交番夏燕/井上 明
それだけ島は平穏なんですね。誰もいない交番の軒先を夏つばめが飛んでいるなんて、平和そのもの。(澤井 渥)

★六月の伸びる勢いどの樹にも/宮地ゆうこ
「伸びる勢い」が六月をよく現していると思います。(碇 英一)
新緑の候、大自然の命の息吹きを胸一杯に吸収する作者の生活の充実感が爽やか。(能作靖雄)
天地を潤おす雨の豊かな六月、伸びやかに成長する木々、句に伸びやかさと強さを感じます。(山野きみ子)

★若葉風地球を青く膨らます/篠木 睦
スケールの大きい句柄に魅かれました。(谷あまり)

★狛犬の背中焦がしけり大西日/都 久俊
★かりかりと実梅かじれば故郷遠し/古田けいじ
★百年の大桶たわめ清水溢る/池田加代子
★群青の空へ溶けゆく桐の花/井上 明

『6月句会入賞発表C』
司会/高橋正子 2004年6月14日(月) 22:12:24 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選U/10句】

★初蛍源流の闇曳いてくる/栗原秀規
蛍の群舞も復活計画中のところがぼつぼつ聞かれるようになりましたが、この景色は清流でのものでしょう。「源流の闇」を曳いて現われた「初蛍」に、作者の喜びが目に見えるようですね。(佐藤貴白草)
ホタルの背景の黒を幻想的に表現。ホタルの灯のゆれる様が目に浮かびます。(追川 悠)

★山法師人には判らぬ暮しあり/堀佐夜子
山法師が白い苞に小さく目立たぬ緑黄の花をつけるを見る。人知れずひっそりと暮らす法師とした捉え方が面白い。(志賀たいじ)

★草笛や少年の目して九十翁/今村七栄
年を感じさせない若さあふれる思いを感じます。(平田 弘)
私も、この歳まで生き生きとした目をしていたいですね。(伊藤華将)
若々しさが感じられていいですね・好きな句です。(篠木 睦)

★更衣みな平成の子供達/相沢野風村
既に、中学生まではみな平成生まれなのだ。「衣更」の季語を活かして、時の流れと元号の節目への感慨に共感できる。(霧野萬地郎)

★草刈女深々と座し空の雲/河ひろこ
ゆったりと充実した草刈女の姿です。揺るぎない心を感じました。(池田加代子)

★幾すじも揺れる漏れ日や竹落葉/霧野萬地郎
新しい竹の葉の間を通して洩れてくる幾すじもの日の光が、地面に張り付いた竹落葉にちらちらと揺れています。(小西 宏)

★ビール干すこと告白の第一歩/栗原秀規
重要な告白には、間が必要である。まず、1杯。そろそろ、切り出し時か。(小島花英)

★早苗田に挟まれし道を出勤す/やまなかみゆき
通勤路は季節の中、季毎の楽しさの中で働く意欲がわいてきます。(大石和堂)

★角隠し橋をくぐれば花菖蒲/古賀一弘
水郷の風景でしょうか、鄙びたお嫁入りと花菖蒲がよく合います。(おおにし ひろし)

★語り部の切々と説き夏立ちぬ/佐藤俊一

『6月句会入賞発表D』
司会/高橋正子 2004年6月14日(月) 21:49:6 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【佳作/20句】

★紫陽花の増すふくらみに雨優し/山野きみ子
一雨ごとに紫陽花の玉が大きくなっていく様子がまったくその通りです。(石井信雄)

★老鶯や渓流釣りと共にあり/能作靖雄
渓流の水しぶきと鶯のこえだけが聞こえる贅沢な時間ですね。(やまなか みゆき)

★田の隅を丁寧に植ゆ一人影/祝 恵子
田植えをする人の、その田んぼに対する思いを感じます。(臼井虹玉)
   
★梅雨寒やうつろに暗し埴輪の目/野田ゆたか
素朴な埴輪の目が博物館の片隅で、我々に語り掛けているそんな状景が目に浮びます。(都 久俊)

★打ち揃い猫の席あり夏料理/作者不明
お祝いに猫も家族の一員として加わった心の温かさと夏料理の涼しさ。ユーモアがあって好きです。(今村七栄)

★建前のふるまい酒やゆすらうめ/石井秀子
季語ゆすらうめと、建前の喜びの心の揺らぎに俳味がある。(町田智司)

★甚平にピアス揺らして四肢長し/太田淳子
現代娘の特徴が良く出ています。(河野 齊)

★青柿を清らに透かし雨が降る/脇美代子
★通学の子等の映りし植田かな/伊藤笑留人
★父の日や言葉は無上の贈り物/平田 弘
★貨物船夏の海面に円弧描く/高橋秀之
★ゆるやかに干潟すすみぬ南風/平野あや子
★生垣へ光ならびて梅雨晴れる/吉田 晃
★自転車で梅雨駆け抜ける少年ら/林 緑丘
★背丈ほど箱積む歩荷雲の峰/今井伊佐夫
★残雪や鋭き峰の立山に/作者不明
★田のふちのいと色深きかきつばた/追川 悠
★海よりの風に青田の波打てり/作者不明
★中洲浸し濁らする千曲の走り梅雨/小島花英
★天籟や明けの早きを楽しめり/大石和堂

『6月句会選者詠』
司会/高橋正子 2004年6月13日(日) 12:57:34 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■選者詠/高橋信之
★朝顔の蔓伸び空にある未来  
朝顔の蔓に未来を感じられたんですね。日毎に伸び行く蔓を見ていると何かしら希望が湧いてきますね。(堀佐夜子)
伸びてゆく蔓を見ていると、どんな花を咲かせるだろうと、いろいろ想像されます。「空にある未来」に句の大きな広がりを感じました。(藤田裕子)
植物が伸びるのを見るのは嬉しいものだ。生きることの喜びを知るもののみが蔓の先に未来を見ることができる。草田男の句を思い出した。(古田けいじ)

★梅雨晴間人語鳥語の風に乗り
★梅雨の夜の天井の木目の重し

■選者詠/高橋正子
★夕星に枇杷の実暮れていたりけり
★熟れ梅の甘き匂いを行き過ぎに
★梅雨海の広さへ出でし船あまた

『オンライン6月句会互選句の集計結果』
野田ゆたか 2004年6月14日(月) 21:34:55 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【高点句】
14点 ぐいと漕ぐ夏湖に森膨れくる / 池田加代子
12点 朝顔の蔓伸び空にある未来 / 高橋信之
12点 夏が来て家の東西風とおす / 脇美代子

【高点者】
23点 池田加代子
16点 宮地ゆうこ
15点 河 ひろ子

『6月句会全作品』
司会/高橋正子 2004年6月12日(土) 19:7:50 削除・編集 スレッドの一覧・返信
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