【金賞】 ★蜻蛉の風の音連れ行き来する/日野正人 「風の音連れ」は、安易に使った言葉であるようだけれど、安易ではない。蜻蛉は飛びながら、時に一瞬宙に留まって羽を整えるような羽音をさせる。それが風の音である。蜻蛉の飛ぶ姿があきらかに見える秋らしい空気がある。(高橋正子) 野山か湖の辺りの澄みきった空気の中をゆっくり飛んでいる、たくさんの蜻蛉を想像しました。(河ひろこ)
【銀賞/2句】 ★秋潮のしぶき真白きクルージング/池田多津子 秋潮のしぶきの真白さが清潔で、一読してさわやかさを覚える。秋海のクルージングの楽しさが迷うことなく率直に捉えられている。(高橋正子)
★稲を刈る大きい空の下で刈る/おおにしひろし 高く広い秋空の下での稲刈り。さわやかな秋の印象と、実りの豊かさや収穫の喜びがあふれています。(池田多津子) うらやましい光景。体験してみたいものです。(矢野文彦) 収穫の喜び、きっと豊作だったことでしょう。汗も心地よい。(古賀一弘)
【銅賞/3句】 ★コッヘルに秋の静けき水を汲む/池田加代子 コッヘルが判らずに広辞苑でしらべました。携帯用の炊事用具と判り、家族で野外で楽しまれた時の光景が浮かんで参りました。(堀佐夜子) ハイキングの途中の渓谷で清らかに流れる水や岩間から涌き出る清水をコッヘルで汲んで飲む味はまさに醍醐味ですね。(都久俊)
★暴風裡さびしさありて梨を剥く/堀佐夜子 自然の勢いになす術もなくひたすら息をひそめ暴風域の行き過ぎるのを待つ、先日台風を体験したばかりで、感じるさびしさに梨を剥く姿が身近に感じます。(志賀たいじ)
★葡萄房ペルシャ模様の皿に盛る/臼井虹玉 葡萄は、ヨーロッパ文化と深いつながりがある。葡萄の房を今日はペルシャ模様のエキゾチックな皿に盛って、絵にも描きたいような葡萄となっている。(高橋正子)
※選者作品は、金銀銅賞から割愛した。 |