過去入賞発表一覧

第57回オンライン月例句会入賞作品
2004年10月10日

『オンライン10月句会入賞発表@』
司会/高橋正子 2004年10月10日(日) 15:43:12 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【金賞】
★手折りきし芒の軽さ壷に挿す/おおにしひろし
折り取った芒は。数本であろう。心慰みに折り取った芒の数本の軽さを、さりげなく壷に挿して秋を楽しむ。そういった行為の心自体が軽い。軽いといのは、軽率という意味ではない。雑念が消え、さらりとした心境を言うのであって、芒の穂のように風に軽がるとそよぐ心の状態なのである。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★雲を雲追いかけている花野かな/長瀬正之
雲が雲を追いかけて、その空の広さと花野の広さが映りあって、自由な広がりがよい。(高橋正子)

★露白し日当たるまでの杉木立/霧野萬地郎
「日当たるまで」は、いい時間の経過で、露の命を的確に表現した。「露白し」が鮮明である。(高橋信之)
澄み通る朝の空気、清爽な秋の気配を感じます。(藤田洋子)

【銅賞/3句】
★よく廻るひとつ大事に木の実独楽/矢野文彦
いくつも作って廻している内に、ひときわ良く廻る独楽がある。手に馴染んで艶を持った木の実独楽は、大切にしたくなる。(脇美代子)
おそらく何個か作った木の実独楽の中の一個でしょう。よく廻り、お気に入りとなっているのですね。素朴な玩具を宝物のように大切にする気持ちを好ましいと思います。(臼井虹玉)

★ゴンドラの視界は徐々に霧の尾根/祝 恵子
霧の中え中えとゴンドラの消えて行く様子を感じます。(大給圭泉)

★新藁の倉庫にあふれ香をこぼす/池田多津子
稲の収穫が終って得た藁。「倉庫にあふれ香をこぼす」は豊作の表れであり農家の人々の微笑む姿までが感じられる。取入れも終り安堵の気持ちまでが伝わって来ます。(今井伊佐夫)
まだ少し青味も残っている新しい藁の色とかおりが感じられます。(やまなか みゆき) 

※選者作品は、金銀銅賞から割愛した。

『10月句会入賞発表A』
司会/高橋正子 2004年10月10日(日) 21:37:52 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【高橋信之特選7句】
★ゆさゆさと束ねて香る新生姜/脇美代子
「生姜」は、秋の季語。和風のスパイス(薬味)として日常使われているが、この句の「新生姜」は、自家菜園のものであろう。いい香りが伝わってくる「葉生姜」でもある。上五の「ゆさゆさと」に作者の詩情を読む。(高橋信之)

★台風の後の日差しに鋸の音/高橋正子
★手折りきし芒の軽さ壷に挿す/おおにしひろし
★赤蜻蛉浅間の麓を飛び交えり/大山涼
★箱根路の入り口とあり曼珠沙華/近藤久子
★稲馬の一直線に踏ん張りぬ/日野正人
★新藁の倉庫にあふれ香をこぼす/池田多津子

【高橋正子特選7句】
★よく廻るひとつ大事に木の実独楽/矢野文彦
木の実独楽は、さしずめどんぐりの独楽であろう。いろいろ作った木の実の独楽の中で、特にひとつがよく廻る。気に入ったというわけである。それを大事にしておく気持ちは、少年のようであると言ってしまってはいけない。思い出や、たのしさや、いろいろが木の実独楽に寄せられている。(高橋正子)

★行く雲の速さや野には秋桜/矢部れい子
さわやかな空の雲の動き、そして、野の秋桜。秋だなあと感じる気持ちのいい風景です。(池田多津子)

★手折りきし芒の軽さ壷に挿す/おおにしひろし
★露白し日当たるまでの杉木立/霧野萬地郎
★ゴンドラの視界は徐々に霧の尾根/祝 恵子
★雲を雲追いかけている花野かな/長瀬正之
★新藁の倉庫にあふれ香をこぼす/池田多津子

『10月句会入賞発表B』
司会/高橋正子 2004年10月10日(日) 15:44:51 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選T/10句】
★満月やマンボウ眠る珊瑚海/古賀一弘
南国の椰子のざわめきも聞こえて、とても心和む光景です。満月のきらめく珊瑚海にそんな想像するだけで楽しくなります。(霧野萬地郎)
月の煌煌と照らす、青くて暗くて白いサンゴ礁。その海に夢見て眠る愉快なマンボウ。楽しい大人のおとぎ話ですね。(小西 宏)

★眼閉じれば花野に遊んだ幼き日/やまなか みゆき
★長月や鎌磨かれて弧を伸ばす/大石和堂
★一村へ一輌電車天高し/作者不明
★音の無き風に誘われ草の絮/今村七栄
★穂高遥か稲架が並んだ秋の朝/河野齊
★コンテスト終わりて眩き秋青空/岩本康子
★すべきこと終え頭上に星月夜/作者不明
★てのひらを蔽いて余る葡萄房/臼井虹玉
★秋澄みてセロを背負いて芸大生/守屋光雅

『10月句会入賞発表C』
司会/高橋正子 2004年10月10日(日) 21:40:20 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選U/10句】
★遺句集を閉じて身に泌む後記かな/野田ゆたか
身に泌むが、句全体を引き締めています。(澤井渥)

★手遊びに昼を灯して野分中/山野きみ子
外は風雨、手遊びをするにはチャンスですが、部屋の中は灯が無ければ暗すぎ、所在の無さが感じられる。(河野一志)

★売られゆく牛の一声秋しぐれ/作者不明
丹精込めて育てた飼主にも、牛にも別れの時を迎える。売られゆくを知るか知らずか、牛の一声が折からの雨にしっとりと秋のわびしさを感じさせる好きな一句です。(志賀たいじ)

★秋の声草木にそよぐ響き持ち/堀 佐夜子
作者が心に感じられた草木に響く秋声。読者を仲秋、秋の真っ直中に置いてくれます。(野田ゆたか)

★日の入りてためらい暮るる蕎麦の花/小島花英
一面に咲いている白い蕎麦の花、その白さが日の暮れを遅くしている。ゆったりとした温かさが感じられます。(伊藤笑留人)

★大花野に放つポインター風になる/おおにしひろし
花野に放たれたポインターが、獲物を追いかけるのではなく、秋の野原と空気を楽しむようにの走り出した瞬間を捉えている。(古田けいじ)
放たれてこそのポインターですね。花野の広大さとポインターのスピード感が、一点にいる作者を中心として広がっていきます。躍動感と爽やかな風を感じ好きな句です。(池田加代子)

★花すすき水平線を撫でており/河 ひろこ 
情景が見えてきます。好きな景色です。(谷寺余)

★曼珠紗華特に告ぐべき事もなく/矢部れい子
★単線の花野へカーブ急なりし/澤井渥
★新米の粒光らせて掬われり/碇 英一

『10月句会入賞発表D』
司会/高橋正子 2004年10月10日(日) 15:45:50 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【佳作/19句】
★鵙高音聞きしより胸の底澄め/おおにしひろし
秋の少し引き締まった清浄感が表されていて好きです。(碇 英一)
空貫くような鵙の高声が胸に落ちる。爽快と一抹の寂寥を「底澄める」に実感します。(宮地ゆうこ)

★秋の虹遥かのビル群跨ぎけり/古田けいじ
ビル林立の大都会を遠望、人間の造型と自然美の対比、虹色とモノクロとの淡い色彩の対比があり、都会生活者の憂鬱を表現したのでは。現代詩的味わいがある。(守屋光雅)

★岩の上亀腹ばいて秋日和/作者不明
秋のいいお天気に亀が甲羅干しを見ているとのんびりした気分になりますね。自分も草原に寝そべってゆっくりゆったりとして見たいものだと思われたのでしょう。(堀佐夜子)

★二人居て一人ひとりの夜長かな/堀 佐夜子
ご夫婦でしょうか? それとも母娘でしょうか? いづれにしてもよく分かる秋の夜長です。相手に何もないから平和な一時です。(岩本康子)
お互いを意識しないで心は通っている夜長の二人。羨ましい。(矢野文彦)
老夫婦の静かな佇まいが、秋をしみじみ感じさせます。(渋谷洋介)

★秋の水はらり一葉ひき寄せて/作者不明
日に輝く清らかな流れに乗り、一葉がひらりと水面に落ちていく様子がスローモーションのように見えてきます。小さな葉の最後を優しく見守る作者の気持ちが伝わってきます。(日野正人)

★又ひとつ老舗の閉じて柿赤し/山野きみ子
寂しい情景が、「柿赤し」で、尚一層つのります。(藤田裕子)

★柿のたね包丁の刃の薄きかな/小西宏
この句の意外性を評価します。柿の種の大小また硬軟は、割る瞬間まで解らない、その不安さと、刃の薄さとの取り合わせが良い。(町田智司)

★初孫の胴着編む手に秋気かな/大山涼
編み上がっていく可愛い胴着、幸な時間ですね。(祝恵子)

★遠回りしてコスモスに風を聴く/伊藤笑留人
★街中が金木犀の匂ひなる/作者不明
★泥まみれ引き抜く芋は手に余り/高橋秀之
★土手の道先へ先へと芒揺れ/藤田洋子
★逆さまに書幅眺めし夜長かな/都久俊
★稜線のひろやかにのび秋入日/宮地ゆうこ
★猫じゃらし何時の間にやら黄の帯に/安丸てつじ
★新涼や少し熱めのシャワー浴び/渋谷洋介
★樹々色葉ひと群れづつの影ゆれる/志賀たいじ
★順調な反対車線秋日落つ/金森知美
★赤とんぼ何処から群れをなしてきた/南出杯来

『10月句会選者詠』
司会/高橋正子 2004年10月10日(日) 15:46:26 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■選者詠/高橋信之
★秋風に軽がる乗って子らの声
風に乗り、飛び跳ねて子等は大きくなります。軽々が躍動感を引き出しています。(大石和堂)

★台風の遠くを行けるここは静かに
★台風が近づき池の張りつめる

■選者詠/高橋正子
★秋水のこぼるるままに噴水像
★台風の後の日差しに鋸の音
★秋蝶の黄蝶の沈む萱深き

『オンライン10月句会互選句の集計結果』
野田ゆたか 2004年10月10日(日) 20:2:20 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【互選高点句】
13点 新藁の倉庫にあふれ香をこぼす / 池田多津子
11点 手折りきし芒の軽さ壷に挿す / おおにし ひろし
10点 よく廻るひとつ大事に木の実独楽 / 矢野文彦
10点 露白し日当たるまでの杉木立 / 霧野萬地郎

【互選高点者】
19点  おおにし ひろし
18点  池田多津子
15点  作者不明(No.23の出句者)

『10月句会全作品』
司会/高橋正子 2004年10月10日(日) 11:19:27 削除・編集 スレッドの一覧・返信
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