過去入賞発表一覧

第58回オンライン月例句会入賞作品
2004年11月14日

『オンライン11月句会入賞発表@』
司会/高橋正子 2004年11月14日(日) 13:54:7 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■オンライン11月句会入賞発表/高橋信之選■

【金賞】
★唐辛子広げし紙も乾きゆく/脇美代子
赤く熟れた唐辛子を乾かすのに、軒に吊るしたりするのではなく、紙を広げてその上で乾かしていると、広げた紙も乾いて、日焼けて引きつったような状態になる。紙までも乾くという驚きと、いい色に乾いてゆく唐辛子と、乾いて音の出そうな紙が、カントリー風な生活に楽しさを演出してくれている。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★冬水をこぼして軋む大水車/吉田晃
冷たく硬い冬の水に押され、ぎしぎしと大水車が動く。冬水の力が美しい。(宮地ゆうこ)
冬の澄んだ空気の中の水音や穏やかな冬の陽に反射する水しぶきが感じられます。(やまなか みゆき)

★牡蠣飯の海の匂いの家じゅうに/池田加代子
牡蠣飯を炊くと吹き上がる湯気からは、牡蠣の匂い、つまり牡蠣の育った海の匂いがしてくる。温かい海の匂いに、冬の夕餉が楽しみになる。(高橋正子)

【銅賞/3句】
★刈田道荷台の刈り機とすれ違ふ/小島花英
刈田道ですれ違う小型トラックの荷台には、稲刈り機が乗せてあって、今稲刈りの真っ最中であることが知れる。現実感の強い句で、あたりから稲の匂いもしてきそうな感じである。(高橋正子)

★大根の葉ののびのびと空広ろぐ/碇英一
あおあおと育った大根の葉が、土に広がるときは、「のびのびと」育っている印象が強まる。広がった葉が空を見上げるようであるので、大根の葉の位置からは空はぐんと広がるのである。のびのびとゆったりとした句。(高橋正子)

★包丁のあとを残して柿干さる/池田多津子
機械剥きにはない包丁の剥き跡。柿の瑞々しさと人の手の温み、穏やかな日常が伝わってきます。(野田ゆたか)
力強い、包丁の跡を残して干された柿。晩秋の里山の静けさが、心に伝わってきます。(山中啓輔)

※選者作品は、金銀銅賞から割愛した。

『11月句会入賞発表A』
司会/高橋正子 2004年11月14日(日) 20:23:18 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【高橋信之特選7句】
★真平らに句帳に枯れて吾亦紅/古田けいじ
吾亦紅を句帳に挟んで置いたのが押し花みたいに成っていたんですね。どんな句が出来たんでしょうか。記念になりますね。(堀佐夜子)

★病む母に紅葉の一葉をおみやげに/やまなかみゆき
★冬水をこぼして軋む大水車/吉田晃
★幼子も綱の端引く亥の子かな/伊藤笑留人
★牡蠣飯の海の匂いの家じゅうに/池田加代子
★包丁のあとを残して柿干さる/池田多津子
★唐辛子広げし紙も乾きゆく/脇美代子

【高橋正子特選7句】
★火山(ヤマ)は雨溶岩(ラバ)に少しの草紅葉/霧野萬地郎
ゴツゴツと真っ黒に冷たく濡れた火山岩に、草紅葉の色が鮮烈です。地中のマグマにも思いが行くようです。(池田加代子)

★真平らに句帳に枯れて吾亦紅/古田けいじ
★わが窓に冬の夜空を切り取りし/高橋信之
★大根の葉ののびのびと空広ろぐ/碇英一
★刈田道荷台の刈り機とすれ違ふ/小島花英
★牡蠣飯の海の匂いの家じゅうに/池田加代子
★唐辛子広げし紙も乾きゆく/脇美代子

『11月句会入賞発表B』
司会/高橋正子 2004年11月14日(日) 20:28:53 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選T/10句】

★遠くまでイチョウ散る日や退職す/古田けいじ
木を離れていくイチョウの葉が遠くまで飛んでいく。その葉に重なって、職を離れる遠き思いが伝わります。(池田多津子)

★落葉ふむ音のひとりを愉しめり/藤田洋子 
晴天の日であろう・・落葉踏む音は「ひとり」である故より心に響き又、それを愉しむ。(おおにしひろし)

★一画の緑濃くして麦の畑/野本俊枝
「一画」に区切られているので、「麦の畑」は、「緑濃く」鮮明で、そこを素直な写生で捉えた。作り手の強い感動が読み手に伝わってくる。「麦」は、夏の季語。投句の申し合わせは、秋か、冬の句なので、残念である。(高橋信之)

★オリオンの確かと組まれし空動く/宮地ゆうこ
オリオンは冬の星座の主役である。南天のオリオンを中心に確かと組まれた冬の星座も、時間とともに少しづつ動くのだ。素晴しい景である。(北野清市)

★一村のみな唐辛子軒に下げ/おおにしひろし
真赤な唐辛子が干されている山村。日本の原風景が詩情豊かに詠まれている。(安丸てつじ) 

★一帆を沖に置きたる芒かな/作者不明
ススキが風に揺れ、沖には帆を張った船が行く。いい景色ですね。(古賀一弘)

★清冽な水を生みつつ山眠る/吉田晃
しみじみ感じます。平和は声高に叫ぶことではないと。(矢野文彦)

★開店の花屋の周り菊香る/岩本康子
★音高く蓮根の節の折れにけり/臼井虹玉
★時雨降る北山杉や凛と立つ/大山涼

『11月句会入賞発表C』
司会/高橋正子 2004年11月14日(日) 20:32:44 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選U/10句】

★バスを待つ小春の列に加わりぬ/栗原秀規
いい日ですね。みんなそれぞれ行き先は違うだろうが、この小春の列を共有しております。のどかな秋日和の一句で好きです。(河ひろこ)
のどかな風景でいいですね。こんな時間を持ちたいです。(藤田裕子)
このような日はお出かけしたくなりますね。(祝恵子)

★散り敷いてなお山茶花に花のとき/今村七栄
地に花びらを敷きつめながら、なお山茶花は豊かな花に満ちている。情感ゆたかな句と感じ入りました。(小西 宏)
山茶花は美しく咲いても直ぐ散ってしまう。しかし散り落ちた花びらも重なり合って濃淡ができそれもまた美しい。この景を的確に表現されている。(伊藤笑留人)
山茶花の咲きこぼれている様が強く伝わり、下五が更に句を引き立たせておりとても好きな句です。(大石和堂)

★葱を摘む香のまっすぐや朝用意/宮地ゆうこ
摘まれた瞬間に立ち昇る葱特有の強い香りが「まっすぐ」という言葉から生き生きと伝わります。(臼井虹玉)

★黙祷の一分間や菊薫る/古賀一弘
実感があって胸に響きました。(石井秀子)

★農婦らは光る脚立で林檎もぐ/守屋光雅
林檎農園の風景が美しい。借出された農婦の姿、空に差し出す脚立、足元の銀色のシート、そして色付く赤の林檎を丁寧に一つ一つ腰籠に収める景が見える。(町田智司)

★マネキンの細き二の腕冬日射す/長瀬正之
血の通わないマネキンの二の腕、それ自体が冷たい。そこに冬日が差す光景はまた寒い。(小島花英)

★大根の真白き地場の農業蔡/祝恵子
★牡蠣くらう檸檬たっぷり滴らせ/渋谷洋介
★電線の多き街並み秋夕焼け/石井秀子
★すすき穂に水車ゆっくり廻り来る/河ひろこ

『11月句会入賞発表D 』
司会/高橋正子 2004年11月15日(月) 6:24:26 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【佳作/24句】

★幼な手の拾い溢せし落紅葉/志賀たいじ
幼子が落ち葉の中で夢中に紅葉を集めている穏やかで平和な光景、童画を感じます。(河野一志)

★登りつつ紅葉の谷を振り返る/やまなかみゆき
紅葉狩りのときの何度も何度も振り返り、上から下から紅葉を見ている様子が良く表されていると思います。(碇 英一)

★朝寒や両手で転がす缶のお茶/矢部れい子
私の好きな句です。(篠木睦)

★ベンチには紅葉に砂の飯盛りて/脇美代子
遊んだ時の笑顔 声まで聞こえて見えるようです。(大給圭泉)

★どの家にも冬夕映えの流れ入る/宮地ゆうこ
大変平和で静かな実風景であり、心の風景だと思います。 「冬夕映え」がとても温かく感じられます。 世の中のすべての人が(私も含めて)こんな気持ちになれたらと願わずにはいられません。(岩本康子)
冬の穏やかな夕焼けの日差しが家家にさしている様子を水の流れるように優しく表現されていて素晴らしいとおもいました。(矢部れい子)

★一筋の秋風通す懺悔椅子/清水冨美枝
己の罪に気がつき、敬虔な気持ちを持つ年齢になることは幸いである。季語秋風と懺悔椅子との取り合わせが好い。(守屋光雅)

★五百羅漢の一人くさめをこぼしけり/栗原秀規
さまざまな表情の五百羅漢の中には、そんな表情もあるのだろう。野仏を観に来たひとりがくさめをしたのか、本人がそんな寒さを感じてのくさめか?楽しくも季感のある句です。(霧野萬地郎)
はてさて、くしゃみをしたのは誰?冷たい堂の中でついついくしゃみをしたくなる気持ちが伝わってきます。おそれいりました。(木村修)

★蔓のべて仏を恋ふる葛のはな/大給圭泉
山里の野仏でしょうか、葛が優しく寄り添っているのですね。(渋谷洋介)

★大股のキャリアウーマン神の留守/篠木睦
キャリヤの姿目に浮かびます。神の留守がいいですね。(伊藤華将)

★山茶花の白ぽっかりと夕闇に/安丸てつじ
★目を通す世界の天気今朝の冬/矢野文彦
★時雨るるもはや西山の晴れにけり/作者不明
★チヤイム鳴る渡り廊下や秋桜/作者不明
★日をちらす猪苗代湖の刈田風/町田智司
★深々と顔の半分冬帽子/作者不明
★登り来てブナのささやく尾根小春/太田淳子
★背丈より長き影追う冬日和/高橋秀之
★赤も黄も掃き寄せられし落ち葉かな/小西宏
★初時雨止みて藷売る屋台出る/山中啓輔
★干柿が吊るされ軒に並ぶかな/南出杯来
★冬浅き厨の壁のかまど神/堀佐夜子
★紅葉冷え傘で防げぬ降りとなり/澤井渥
★窓を打ち寂しさ連れて初時雨/藤田裕子
★団栗の落ちし逆波落着かず/作者不明

『11月句会選者詠』
高橋正子 2004年11月14日(日) 11:31:34 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■選者詠/高橋信之
★わが窓に冬の夜空を切り取りし
冬の星座のオリオンや昴が輝く空を、一枚の絵のように窓ごと切り取って楽しまれたという作者のセンスが好きです。(今村七栄)
ふと見上げると窓から夜空のみ見える安堵感が伝わる。(平田弘)
多分一人で見ている夜空が、深く作者の心を占めている様子がうかがえます。(脇美代子)

★はつふゆの闇の甘さにある期待
★鴨が来て明るい午後となりし池

■選者詠/高橋正子
★裸木に夕焼け蒼くうすれけり
夕空の美しい色彩の余韻に、どこか感傷の尾を曳くような詩情豊かな裸木の姿を感じます。(藤田洋子)

★星降るに鴨いぬ池となりいたり
★紅葉散る散るに任せて石に積み

『オンライン11月句会互選句の集計結果』
野田ゆたか 2004年11月14日(日) 19:1:59 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【互選高点句】
14点 わが窓に冬の夜空を切り取りし / 高橋信之 
12点 散り敷いてなお山茶花に花のとき / 今村七栄
10点 大根の葉ののびのびと空広ろぐ / 碇 英一

【互選高点者】
21点 高橋信之
16点 栗原秀規
14点 吉田 晃

『11月句会全作品』
司会/高橋正子 2004年11月14日(日) 11:26:20 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■全作品は、下記のアドレスをクリックしてご覧ください。

http://www.suien.net/online/k0411z.htm