過去入賞発表一覧

第59回オンライン月例句会入賞作品
2004年12月12日

『オンライン12月句会入賞発表@』
司会/高橋正子 2004年12月12日(日) 13:0:44 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■オンライン12月句会入賞発表/高橋信之選■

【金賞】
★ふかぶかと枯れ野の果ての日の名残/大山涼
枯れ野の果てまでをしっかりと見ている作者の視線が遠く、深く、暖かい。「枯れ野の果ての」「日の」と畳み掛けた修辞によって、まっすぐ本質へ迫ろうとする精神がよく表されている。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★水光る白鳥守は藁に住み/矢崎すみ子
「水光る」に新鮮な感動があって、白鳥を清らかな鳥としてイメージさせてくれる。また、その白鳥を守る人の住むところが藁であって、つまり藁屋だろうが、小さく、暖かく、やさしい印象である。童話的な北国の風景が美しい。(高橋正子)

★冬木みな傾ぎて波の音ばかり/河ひろこ
「冬木」の動きがあって、いい。「波の音」が聞こえ、「冬木」に命を与えた。(高橋信之)

【銅賞/3句】
★寒燈や扉重たきジャズ喫茶/大石和堂
「扉重たき」が冬の外と内の世界の違いを際立たせていて惹かれました。(碇 英一)

★冬水の弾く光りに菜を洗う/吉田晃
冷たい水であろう、弾けるなかで菜を洗う時、冬の淡い光りに煌きが見える。さらりと詠まれているのに惹かれる句でした。(志賀たいじ)

★霜柱ざくざく踏んでランドセル/守屋光雅
寒い朝登校の元気な学童が霜柱を楽しんで踏み潰す子供のころを思い出します。(河野一志)

※選者作品は、金銀銅賞から割愛した。

『12月句会入賞発表A』
司会/高橋正子 2004年12月12日(日) 12:58:50 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【高橋信之特選7句】
★ふかぶかと枯れ野の果ての日の名残/大山涼
静かだが句の中に流れている明るさを感じる。きっと、作者の将来にいいことがあるのを、自身が実感しているからだろう。(吉田晃)

★水光る白鳥守は藁に住み/矢崎すみ子
水と藁、白鳥と人、それぞれが互いの存在や質感を引き立て合うように感じました。そして、なにか物語の始まりのようでもあり、心惹かれる句です。(池田加代子)

★冬水の弾く光りに菜を洗う/吉田晃
勢いよく注がれた水に手際よく菜を洗う、弾く水は陽に眩しいくらいです。(脇美代子)

★一樹よりあまたの冬芽青空へ/池田加代子
青空のすがすがしさへ樹の芽のいのちがふくらむ。希望にあふれる、まっすぐな句。(宮地ゆうこ)

★冬木みな傾ぎて波の音ばかり/河ひろこ
★霜柱ざくざく踏んでランドセル/守屋光雅
★大根を重く提げ来て少女たり/高橋正子


【高橋正子特選7句】
★踏み出せぬままに冬田の広さあり/野本俊枝
冬の農作業があって、広い広いぬかるんだ田圃にこれから入ろうとする時の気持ちが心に伝わってきました。(長岡芳樹)

★窓拭けば冬野くっきり真四角に/宮地ゆうこ
草が枯れ尽くした狐色の枯野には見るべきものもなく、寂しく、侘しい感じがする。しかし風に吹かれてなびき続ける畦草等懐かしい思いがする。年の暮となり拭いた窓の四角い枠の中に作者の心を捉えてやまない景となったことでありましょう。心をひかれた句でした。(今井伊佐夫)
窓から見える冬の情景がガラスを拭けば一気にその形となって切り取られ自分のものになった。(大石和堂)
曇った窓ガラスを拭いたら、冬野の景色が見えた。やがて雪も降るであろう静けさもあって、身の引き締まる思いの作者を想像しました。(河ひろこ)

★水光る白鳥守は藁に住み/矢崎すみ子
白鳥の飛来する湖沼の豊かな自然の中で、棲息する白鳥と人との日々の生活が素朴な藁葺きにあらわれていると思います。自然と諸々の共存するありさまが、白鳥の水面をより美しく輝かせているようです。(藤田洋子)

★木枯しやタオル蒸さるる理髪店/河ひろこ
★栃の実に来て寒禽の声光る/吉田晃
★ふかぶかと枯れ野の果ての日の名残/大山涼
★寒燈や扉重たきジャズ喫茶/大石和堂

『12月句会入賞発表B』
司会/高橋正子 2004年12月14日(火) 7:27:55 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選T/10句】
★天涯へ棚田の冬陽積みあげる/おおにしひろし
稲作文化を育んできた日本の村の原風景に思いを馳せる。永永と続くであろうことを思う作者である。(守屋光雅)
棚田の一枚一枚が冬の陽を映し、天涯へ通じる階のように、積み重なっている。冬の棚田の光景が、力強く描かれています。(山中啓輔)

★冬欅すっくと立ちて星光る/藤田洋子
枯欅の天辺高所の直線的な枝先に光る星。景とともに寒さの中に在る作者の心の温さを感じる。(野田ゆたか)

★村の風甘くなるほど柿干され/大給圭泉
のどかな村の冬の風景ですね。きっと美味しい干し柿がたくさんできるでしょう。週刊新潮の前の表紙絵を描いていた谷内六郎さんの懐かしい絵を思い出します。(岩本康子)

★パスタ茹でる窓に小さき聖樹あり/宮地ゆうこ
この季節に穏やかな生活を身近なものの写生で描かれています。(霧野萬地郎)
この季節ならではの光景ですね。台所にも飾られた小さなクリスマスツリー、暖かな湯気の雰囲気も伝わってきて好きな句です。(多田有花)

★大根の存在感を選り分ける/今井伊佐夫
野菜の高値が続く、必要して最小限なものを買う。大根の葉から尻尾まで存在感で選ぶとは面白い。この7句選も168句から存在感のある秀句でした。(町田智司)

★鳥蹴りし冬木の枝のまだ揺るる/臼井虹玉
★冬の陽を一杯に浴びて嬰育ち/大山涼
★まさをなる空より降りくる落葉かな/大給圭泉
★山茶花の丸く刈られて今盛り/岩本康子
★山丸くビルは四角に冬入日/多田有花

『12月句会入賞発表C』
司会/高橋正子 2004年12月12日(日) 21:17:15 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【入選U/9句】
★母の忌が近づく万両の実が真っ赤/おおにしひろし 
すごく印象づけられる句です。まっ赤な万両の実にお母様への思いが伝わってきます。(藤田裕子)

★沢庵を漬ける手計り目の計り/黒谷光子  
沢庵を漬ける時の母を思いでさせて呉れた句です。きっと長年の経験であろうと思いますが今はスーパーで買ってしまいます。家で漬けた沢庵が懐かしいですね。(堀佐夜子)

★紡績の煙突消える十二月/澤井渥
長い歴史を閉じた紡績工場。季語にも哀感がこもる。(安丸てつじ)

★一鐘の一音寺の雪景色/町田智司
一面の雪景色の中にお寺の鐘がゴーンと一つ聞こえてきます。静かな静かな北国の冬です。(今村七栄)

★手に伝う芯までの冷え冬林檎/臼井虹玉
★葉牡丹の渦の芯まで日を含む/藤田洋子
★冬の蝶己の影の虜なる/小島花英
★登校の自転車のサドルに霜がつく/中西麗美子
★冬麗の海一枚の鏡なる/岩本康子

『12月句会入賞発表D』
司会/高橋正子 2004年12月14日(火) 7:26:56 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【佳作/29句】

★冬ざれて掛ける人なき石の椅子/山中啓輔
回りの色も枯れ色にぽつんと冷たそうな椅子がうかんできます。(大給圭泉)  

★冬凪や大漁旗に鴎群れ/能作靖雄
大漁で沸く港の賑わい、大漁旗に群れる鴎、とても気持ちが盛り上がり、温かなってきました。(大山涼)

★ストーブに顔じんじんと紀行読む/池田加代子
読まれていたのは何処への紀行文だったのだろうかという想像をさケられる句です。ストーブにあたりながら南の島への旅行記を読まれていたのかも、などと思うと楽しくなります。(臼井虹玉)

★冬将軍斥候そろり地震の地へ/佐藤貴白草  
斥候そろりという言葉がおもしろい。地震の地の様子を探らせるために遣わして情報を分析する。被害甚大という斥候の報告を受けて 冬将軍は攻撃を止めて退散するかもしれない。被災者の皆様方の一日も早い復興をお祈りいたします。(武田稲子)

★小春日や胎児の如く眠りおり/佐藤 博一
おだやかなのんびりとした昼下がり、素敵な夢が見られそうですね。(渋谷洋介)

★踏みしめて大地となじみし落ち葉かな/やまなかみゆき
「大地となじみし」新鮮なことばです。踏みしめた落葉に楽しさを感じて歩きましょう。(祝恵子)

★旅終えて主婦にもどりし花八手/藤田裕子
旅から帰り、また日常に戻る。木戸口には主婦の毎日の暮らしぶりにも似たやつでの花。まだ残る旅の興奮と毎日の堅実な生活者としての姿をとてもうまく表現していると思います。(小西 宏)

★極月の三者面談固き椅子/石井秀子
どのような形の面談かは、判りませんが極月と固い椅子からして緊迫した状況が察せられます。ぴりっと句だと感じました。(澤井 渥)
固き椅子の冷たさと、作者の緊張感が伝わってきます。(野本俊枝)

★日差し燦々枯薄きらめかす/堀佐夜子
★群青の稜線に冴え西に月/前田修平
★枯園に空に手伸ばす童子像/河野一志
★冴えわたる稲村ガ崎の夕景色/霧野萬地郎
★小春日の握手が永久の別れとは/今村七栄
★冬木群れ蘇鉄大樹の存在感/安丸てつじ
★北の地に雪の兆しの雲流る/篠木睦
★冬晴れて園児の笑顔走り来る/高橋秀之
★孤独という客の長居の冬座敷/武田稲子
★冬霞祖師との距離を遠くせり/野田ゆたか
★屋根よりも高きに咲いて山茶花散る/祝恵子
★とっくりの首から覗く冬の顔/木村 修
★空つ風富士降りて来しぶどう棚/長瀬正之
★寒空の杭打つ響きつき破る/志賀たいじ
★物忘れ多くなりけり寒肥やし/小西宏
★濡れる葉のなお鮮やかに時雨降る/矢部れい子
★やわら日に橙ゆっくり色付きぬ/碇英一
★ブーケ見て友見て楽し冬港/長岡芳樹
★十二月八日火鉢に人あふれ/矢野文彦
★冬朝の硬き空気に薬缶吹く/脇美代子
★民の子の蒼き骨片冬星座/作者不明

『12月句会選者詠』
司会/高橋正子 2004年12月12日(日) 12:43:6 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■選者詠/高橋信之
★この時を得て冬日さんさん浴びる
平明な句ですが、中身は濃い。小春の日だろうか、こうする事への満足感と充実感に溢れています。(おおにし ひろし)

★今年また鴨来て鴨の池ひろびろ
池を引き立てる鴨。鴨を引き立てる池。好きな情景です。(矢野文彦)

★鴨池に楽な姿で浮かんでいる

■選者詠/高橋正子
★大根を重く提げ来て少女たり
★水音のがぼと残して鴨翔てり
★色失せし空へ出てゆく鴨の影

『オンライン12月句会互選句の集計結果』
野田ゆたか 2004年12月13日(月) 12:45:31 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【互選高点句】
 14点 窓拭けば冬野くっきり真四角に /宮地ゆうこ
 11点 ふかぶかと枯れ野の果ての日の名残 /大山 涼  
 10点 寒燈や扉重たきジャズ喫茶 /大石和堂

【互選高点者】
 20点 宮地ゆうこ
 15点 おおにし ひろし
 12点 大石和堂
 12点 吉田 晃

『12月句会全作品』
司会/高橋正子 2004年12月12日(日) 12:39:41 削除・編集 スレッドの一覧・返信
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http://www.suien.net/online/k0412z.htm