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伝言板

高橋信之選
第63回オンライン月例句会入賞作品
2005年4月10日


【金賞】 ★畑打つ雲大胆に斜めなり/大山涼 「雲大胆に」は、思い切りのいい表現。全身を動かし、力を入れて 畑を打っている。畑に対して斜めの雲がいい景色を作っている。                         (高橋正子) 【銀賞/2句】 ★ボート漕ぐ花に触れつつ花の中/池田加代子 花爛漫のなかのボート漕ぎの嬉しさ、楽しさに若やぎがあって、読 者をまた、楽しくさせてくれる。水に散った花びらを触り、枝垂れ ている花に触れ、また進んでゆくと、頭上にも花が咲き満ちている のだ。                     (高橋正子) ★子が振って花種はみな鈴の音/矢崎すみ子 いろいろと花の種を用意して、幼い子どもと花の種を蒔こうとして いるところ。子どもが珍しそうに種袋をかわいい仕草で振ると、ど の袋も鈴のような音がした。「鈴の音」に、明るい日向での種まき の楽しさが伝わってくる。            (高橋正子) 【銅賞/3句】 ★花菜摘み丈を短く病室に/藤田洋子 的確な写生だが抒情を生み出した。お見舞いか、看護であろうが、 すこしの淋しさがあって、いい詩となった。    (高橋信之) ★風が来てさやぐ木の芽の光り合う/脇美代子 明るく降り注ぐ陽光と温和な風の中、木の芽のさやぎが美しく瑞々 しいです。やわらかな春の息吹を感じ、優しい気持ちになれます。                         (藤田洋子) ★二度つきて児に渡したり紙風船/瀧口文夫 親が膨らませ、ポンポンと軽くついて子に渡す。のどかな、何気な い風景ですが、親子の情愛を感じます。       (高橋秀之) ※選者作品は、金銀銅賞から割愛した。 【高橋信之特選7句】 ★ボート漕ぐ花に触れつつ花の中/池田加代子 滝廉太郎の「花」とは少し違うかもしれませんが、絵になると同時に 動きがあり、春爛漫の幸福感が伝わる句だと思います。ずっとこの時 間に浸りたい!(岩本康子) ★一塊の残氷沖ゆく海真青/尾崎弦 潮を真青と詠む作者。万物の一年の始まりの春を前向きに捉えて待つ 心が伝わってきて好感を持ちました。(野田ゆたか) ★二度つきて児に渡したり紙風船/瀧口文夫 「二度つきて」がいいですね。(碇英一) 和やかな晴天に親子のほのぼのさが、笑顔が浮かびます。(大給圭泉) ★子が振って花種はみな鈴の音/矢崎すみ子 ★畑打つ雲大胆に斜めなり/大山涼 ★水漬いて若布ふたたび揺らぎ得る/臼井虹玉 ★花菜摘み丈を短く病室に/藤田洋子 【高橋正子特選7句】 ★二度つきて児に渡したり紙風船/瀧口文夫 お母さんと子供でしょうか、親子の情愛がさらりと詠まれ好きな句 です。                     (渋谷洋介) ★芽吹く山雨走り来る早さかな/原順子 うすっらとあわい緑の芽木の色を消すような白い雨脚。その色の重 なりがとても美しい。芽吹く木のみどりをさっと走る雨に興趣がわ く。                      (高橋正子) ★子が振って花種はみな鈴の音/矢崎すみ子 ★畑打つ雲大胆に斜めなり/大山涼 ★ボート漕ぐ花に触れつつ花の中/池田加代子 ★風が来てさやぐ木の芽の光り合う/脇美代子 ★春陰や三々五々の町灯り/大石和堂 【安丸てつじ特選7句】 ★夜空に高く花満開のふくらみを/高橋信之 満開の夜桜そのものを見事に詠いあげている。「ふくらみを」に生 命の躍動感がある。              (安丸てつじ)  ★春昼の湯をたたきいる嬰児(やや)の四肢 /おおにしひろし 沐浴をする小さな命の動きに、力強さ、生命力を感じます。                         (臼井虹玉) ★赤チューリップ群れて白壁光らせる/祝恵子 赤と白の美しい色彩が印象的です。(松本豊香)  ★あたたかや古都の疏水に魚影見る/霧野萬地郎 静かな札所周りの佇まいが心を平安にしてくれる。                      (おおにしひろし) ★一塊の残氷沖ゆく海真青/尾崎 弦  ★介護車の走り抜ける花の昼/堀佐夜子 ★蒼天に胴上げ高く卒業子/田村征三 【藤田裕子特選7句】 ★一本に辺り鎮もり大桜/碇えいいち 大きな一本の桜がそこにあるだけで、厳かな静けさを感じました。                         (藤田裕子) ★二度つきて児に渡したり紙風船/瀧口文夫  紙風船の懐かしい手触りを確かめるように二度ついて可愛い子に手 渡した、という日本情緒溢れる好きな句です。   (今村七栄) ★眠りつもなほ手の中のつくしんぼ/伊藤華将 摘んできた土筆を大切に握りながら眠ってしまった幼子の可愛い寝 顔まで想像できます。              (黒谷光子) 大切に土筆を摘んだ夢の中の光景が好きです。(平田 弘) ★一塊の残氷沖ゆく海真青/尾崎 弦  ★子が振って花種はみな鈴の音/矢崎すみ子  ★春星きらきら明日晴れの楽しみに/高橋信之  ★その先は余生の風よしゃぼん玉/志賀たいじ 【古田けいじ特選7句】 ★大カーブまわれば春のオホーツク/尾崎 弦 カーブを大きく回りきると、目の前に春のホーツク海が広がる。読 むものを、その風景に引き込むような、力強い句である。                         (山中啓輔) ★春の陽を丸めて子らの砂団子/佐藤博一 春の空のもと、陽光をつめた砂団子は子らの笑い声も一緒に入って いるようで楽しい句です。            (大石和堂) ちいさな手でころころと砂団子を作って遊ぶ子供たちに柔らかい春 の日ざしが暖かく、無心に遊ぶ子供達のよく動く姿が見えて来ます 。                      (甲斐ひさこ) ★二度つきて児に渡したり紙風船/瀧口文夫 自らの手で作った紙風船だろうか。うまく出来上がり、突いてみる とうまく上がる。傍らで見上げる児へ、つぶさないようにそっと渡 す。そんな風景を想像しました。        (古田けいじ) ★満開の桜の上の階に住む/高橋信之 ★屋根替えの声飛び交える峡の空/井上明 ★その先は余生の風よしゃぼん玉/志賀たいじ ★水漬いて若布ふたたび揺らぎ得る/臼井虹玉 【入選T/10句】 ★仔の山羊に角生う兆し風ひかる/志賀たいじ ★四万十を泳いでも見よ鯉のぼり/岡山良治 ★春浅し木の香残して閉校す/河ひろこ ★花どきの日輪が好き風が好き/篠木睦 ★チューリップ初々しきをわが部屋に/安丸てつじ ★ものの芽に活気あふれて朝日満つ/河野一志 ★握りめし食す遍路に朝日照る/日野正人 ★ゲレンデに蒼き影おく春の月/希往来 ★いつ来てもピカピカスプ−ン花の宿/長瀬正之 ★たらの芽を越後訛の朝市女/大給圭泉 【入選U/10句】 ★遠ざかる花から花びら散ってゆく/高橋句美子 ★鶯の一声空気澄み渡る/多田有花 ★それぞれに芽吹く色あり植木市/池田多津子 ★白れんのどの一輪も空にあり/甲斐ひさこ ★たんぽぽの大地に触れて低く咲く/臼井虹玉 ★雪柳占めたる位置の確かさに/吉田晃 ★逞しき燕となりて帰り来し/碇えいいち ★桜散り足元一面桃色に/中西麗美子 ★新しき校歌響けり白木蓮/石井秀子 ★池の辺に花咲き満ちて影おとす/藤田裕子 【佳作/25句】 ★払暁や溢れ出でける花の色/山中啓輔 ★月の夜に辛夷の花のまばらなる/藤田洋子 ★流れるは片岸ばかり花筏/澤井渥 ★おでん屋の横にたこ焼花の下/齊藤まこと ★まっすぐな心で育つ春大根/木村修 ★桜咲く校舎に響く子らの声/松本豊香 ★舎利塔へ柔らかに伸び花楓/古田けいじ ★多摩川の浅き流れに花の屑/町田智司 ★外灯に浮かび広がる夜の桜/前田修平 ★花見かな横一線の黄鶺鴒/能作靖雄 ★入船が夕陽隠して春港/高橋秀之 ★裏の戸を開けて出会いし花椿/長岡芳樹 ★蜜蜂の毛深き尻の丸さかな/小西 宏 ★春惜しむ新会員の顔ぶれに/野田ゆたか ★アスファルト濡れて広がる散り桜/南出杯来 ★燦燦と波打つ花の山覆う/平田弘 ★青麦の足袋癖の跡青強し/野本俊枝 ★桜桃の花に榛名の斑雪かな/小口泰與 ★万葉の色紫に堅香子の花/渋谷洋介 ★一輪がひとひらになる花の風/かわなますみ ★夕桜光る水面に届くほど/黒谷光子 ★仰ぎつつ振り返りつつ花トンネル/岩本康子 ★満開の花照らされる帰路にいる/福田由平 ★厨に芽吹く小さな幸福の木/今村七栄 ★青き踏む寄りつ離れつ影法師/太田淳子 【互選高点句】 16点 二度つきて児に渡したり紙風船 /瀧口文夫 13点 子が振って花種はみな鈴の音 /矢崎すみ子 12点 ボート漕ぐ花に触れつつ花の中 /池田加代子 【互選高点者】 23点 瀧口文夫 23点 志賀たいじ 18点 矢崎すみ子 ■選者詠/高橋信之 ★満開の桜の上の階に住む 上から見る桜も一度見てみたいてすね。(篠木睦) マンションのちょうど良い高さの階にお住いになって良いですね。 家に居ながら朝夕のお花見、羨ましい限りです。  (堀佐夜子) ★夜空に高く花満開のふくらみを ★春星きらきら明日晴れの楽しみに ■選者詠/高橋正子 ★蝶現れて消えてうつつを幻に ★木柵(ませ)匂い辛夷の花の咲き初むる ★菖蒲の芽小さきものは水に出づ ■全作品は、下記のアドレスをクリックしてご覧ください。 http://www.suien.ne.jp/0001/online/k0504z.htm