更新:1999年5月10日
◆オンライン句会5月入選句◆
【最優秀】
新緑や少年の吹くホルンの音 西野研一
評:読者の意表をつく、といった句ではないのが幸いした。「新緑」の季節
である。自然の恵みを素直に受け入れて活気がある。(高橋信之)
評:ホルンの静かにひびく音。少年のすこやかさと清潔さですね。(高橋正子)
【優秀10句】
青嵐この村ぬけて登山口 北村勇治
評:読者を自然の喜びの中にともに連れ出してくれる。作者とともに登山を
楽しむことのできる俳句の喜びでもある。(高橋信之)
評:楽しく、堂々とした句です。(高橋正子)
ハーブ園包む青空聖五月 阪本登美子
評:ハーブの香気が五月の空を明るく深いものにしています。(高橋正子)
竹の秋父は鋸の目立てており 作者不明
評:親と子の歳月が思われます。(相原弘子)
今年筍取られる故に朝の来る 森 隆博
評:「故に」が気になるところだが、筍の一夜の成長にはおどろかされる。(高橋正子)
風薫る手話の青年ピアス揺れ 安西さゆり
評:青年のピアスは青年のかがやき。(高橋正子)
出直してきても留守なり麦の秋 堀 佐夜子
評:麦秋のころは家内がしんとします。みんな外で活動しているのでしょう。(高橋正子)
宿題にすぐに飽きる子夏つばめ 野田ゆたか
評:この季節、子どもが家で勉強したがるはずがありません。(高橋正子)
パラソルに薔薇の一枝の刺しゅうされ 高橋正子
五月晴ジャックと豆の木絵本展 阪本登美子
評:豆の木の成長の勢い、そしてジャックの元気には「五月晴」が最も相応
しい季節だ。(高橋信之)
えんどうのさやのふくらみ十分に 高橋信之
評:上五中七のひらがな書きが、やわらかい豌豆の曲線的な形状と滑らかな
手触りを表わすのに相応しく効果的だと、感じました。実に美味しそうで
す。(中川樗枝)
【入選12句】
肩車親子の空に鯉幟/渡邉道朗
評:青い空を背景に、親の肩車を喜んでいる子供と、5月の風にそよぐ幟の
、低い所からの写真の構図を想像しました。(古田けいじ)
鶯を独り占めして山の路/山岸忠信
評:1人の山歩きでしょうか、其処らに自分だけに鶯が唄ってくれている?こ
んな贅沢な気分良いでしょうね。(堀佐夜子 )
風薫や紫煙くゆらせ畑仕事/山岸忠信
評:喫煙できる場所が少なくなって、愛煙家として淋しい限りです。私には
、草木の匂いに土の匂が入り混じり、煙草の香りが漂ってきました。羨まし
く思いました。(野田ゆたか)
夕暮れや鎌砥ぐ傍に蛙鳴く/渡邉道朗
評:作者の汗と草の匂いとが、その日の仕事終わりの”ほっと”した気分が
伝わる。(霧野萬地郎)
薔薇を切るその一瞬の息を止め/安西さゆり
評:折角、きれいに咲いた薔薇を切るとき、余りきれいなので、一瞬切るの
をためらったのだろう。その気持ちがとてもよく表現されている。(阪本
登美子)
水田に空の青さが集まれり/鳩崎良一
評:季語がありませんのでもう一工夫。この風景は大変美しい。(高橋正子)
こいのぼり風飲み込んでひと泳ぎ/鳩崎良一
評:初心者の小生が人様の句を批評できませんが、51のこいのぼりの俳句す
きです。初夏の風景が眼に浮かびます、「ここに男子あり」(人見忠雄)
気まぐれに薫風辞書をはいでゆく/原 小繭
評:ここちよい五月の風がひろげておいた辞書のうす紙をときおりめ
くる。風が生き生きと感じられる。(高橋正子)
白蝶や影曳きはなし舞ひ翔てり/神谷和子
新緑の山ぐいぐいと盛りあがる/人見忠雄
洗濯の干す手を止めて飛行機雲/作者不明
上り詰め天道虫の今飛翔/作者不明
【最高点/同点2句】
薔薇を切るその一瞬の息を止め 安西さゆり
評:折角、きれいに咲いた薔薇を切るとき、余りきれいなので、一瞬
切るのをためらったのだろう。その気持ちがとてもよく表現されてい
る。(阪本登美子)
気まぐれに薫風辞書をはいでゆく 原 小繭
評:ここちよい五月の風がひろげておいた辞書のうす紙をときおりめ
くる。風が生き生きと感じられる。(高橋正子)
[全作品]
作者不明
柏餅数を数えて買えるなり
あやめさく前を黒猫横切れり
竹の秋父は鋸の目立てており
人見忠雄
新緑の風さわやかに名画みる
我が家には子供もいない子供の日
新緑の山ぐいぐいと盛りあがる
新潟・おぼろ
啼き真似に応う鶯影見せず
温床の早苗のほむら目に眩し
なかむしを避けて媼の畦渡
上出真佐子
ガラス戸にや守標本の如くはりついて
クロッカス庭に光のみちあふれ
春じおん試歩はやわらかな日差しにつつまれて
山岸忠信
映像の花芽ふくらみ窓辺かな
風薫や紫煙くゆらせ畑仕事
鶯を独り占めして山の路
森 隆博
今年筍取られる故に朝の来る
山若葉登ってみたい峰ひとつ
友さそう近くの山の茂り中
中村未早夫
苗代の緑に少しも隙間なし
時々羽開くもてんとう虫飛ばず
細き腕でもたのもしかな田を植える
建川 茂
束の間の蒲公英の絮群立ちて
大凧の翔風の二字空にあり
春月の森の暗さを照らし居り
紫雲亭哲扇
南溟は輝くよ燕囀る
あまどころ蛙を待ちぬ春深し
夏みかん峠の汗に風よぎる
安西さゆり
薔薇を切るその一瞬の息を止め
風薫る手話の青年ピアス揺れ
窓開けて緑の風の通り道
神谷和子
筋となし岩肌伝ふ清水かな
露座仏の御手に膝に散る残花
白蝶や影曳きはなし舞ひ翔てり
渡邉道朗
肩車親子の空に鯉幟
夕暮れや鎌砥ぐ傍に蛙鳴く
手を振れば手を振り答う春の果
古田けいじ
朝市の媼抱いてる春炬燵
万緑を静かに溶かす飛騨路雨
飛騨に住む媼の手料理春祭り
阪本登美子
五月晴ジャックと豆の木絵本展
花水木風交わりて空の彩
ハーブ園包む青空聖五月
高橋正子
双眼鏡に春行く雲の一朶入れ
麦野の川全き青の蛇行せる
パラソルに薔薇の一枝の刺しゅうされ
高橋信之
葉桜となり豊かなる風を生む
藤の房垂らしよき風通わせる
えんどうのさやのふくらみ十分に
鳩崎良一
去年の巣に帰ってきたよつばくらめ
水田に空の青さが集まれり
こいのぼり風飲み込んでひと泳ぎ
相原弘子
麦は黄にある日は夜まで雨を吸い
雨が降る若葉に重みささぬよう
川は行く夏の初めの青に染まり
中川樗枝
荒芝(あれしば)を繕う車前草の穂花
夏立つや短髪ピアスの速歩き
枯れかけたカリフラワのごと棕櫚は咲き
北村勇治
山菜を採る楽しみやお裾分け
青嵐この村ぬけて登山口
おやぁたんぽぽの笛が赤児のよう
原 小繭
気まぐれに薫風辞書をはいでゆく
青の上緑はみ出す立夏かな
金雀枝やうつらうつらと留まらず
しまや ふゆひと
雨降れば楠の若葉の我がこころ
子供の日日本全国雨上がり
母の手のその母の手の柏餅
作者不明
お義母さんハナミズニ行ってしまわれた
黄シャツアブラムシ襲来もなんのその
献血ウサギ瞳の底の鰆
西野研一
新緑や少年の吹くホルンの音
アカシヤの花の高さに鳥の声
韓見ゆる展望台の夏帽子
作者不明
葱坊主釘打つ音を聞いてをり
夏草に錆びし磁石の北を指す
倉庫の灯一灯残し梅雨に入る
城本三舟
汗ぬぐう木陰のありて柿若葉
初孫を抱きて若葉の宮参り
お遍路の白き衣にみどり風
作者不明
上り詰め天道虫の今飛翔
大タモを横に夜釣りの準備する
林道に一瞬見えし雉子の色
堀佐夜子
出直してきても留守なり麦の秋
薫風や缶蹴りの缶カラコロと
進化論海から陸へ子供の日
安丸てつじ
子供の日ここに無双の力持ち(川西市満願寺に坂田金時の墓を訪ねて)
ハイカーの交す言葉に風薫る
柏餅医者に背いてついと手が
野田ゆたか
白波に夢広がりて夏来る
宿題にすぐに飽きる子夏つばめ
夏めくや柔道教師道衣干す
作者不明
洗濯の干す手を止めて飛行機雲
5月句会は、5月9日(日)でしたが、
次回は、6月13日(日)です。またのご投句をお待ちしています。
作者不明の方は、お名前をお知らせ下さい。