次回は、9月12日(日)です。
8月はお休み。
◆オンライン句会7月入選句◆
【最優秀】
備長も我も頑固よ土用くる 北村勇治
作者は、料理人か。その生き様が伺われ、季節が生きている。「土用」
の備長炭が効いた。(高橋信之)
【優秀12句】
水平線丸く大きな夏来たり/霧野萬地郎
はるかな水平線に切り分けられた空と海からまるごと夏が来る。大きな
喜び。(高橋正子)
かつて足摺岬で見た風景を想いだし同感いたしました。水平線が弧を描
いているのです。(西野研一)
荒梅雨やミント浮きたる湯面かな/山岸忠信
激しく降る梅雨と家うちに静かに香るミントの香。充実感のある俳句。(高橋正子)
井戸水の冷たさかじるトマトかな/大森裕子
率直で、内容のある句。井戸水に冷やされたトマトの新鮮さがそのまま
伝わってきます。(高橋正子)
冷たい井戸水によく熟れた真っ赤なトマト、子供ころの情景を思い出し
ます。(安西さゆり)
炎天に遊ぶ子ら乾きし地を蹴る/鳩崎良一
「乾きし地を蹴る」は、観照の確かさ。(高橋正子)
潮焼の二の腕太き地引網/阪本登美子
さわやかな夏の海もとても好きですが、このようにたくましく力強さあ
ふれる光景も夏の海ならではの描写だと思います。(藤田洋子)
伯備線椅子に涼しく山を越ゆ/野田ゆたか
「椅子に涼しく」で旅の心が充分に表現されています。(高橋正子)
涼風や藍の経糸機に張る/小栗皐月
機は風の通り道にある。藍色の経糸が幾本も張られ、いかにもすずしげ
です。(高橋正子)
「藍の経糸」が「愛の」とも読めて…。機織りを楽しむさまが素敵です。(井上痴庵)
ひとつずつ解けて槿の花開く/渡邉道朗
私の通勤路に木槿垣があります。出勤時に元気のよかった花も夕方には
萎れています。朝顔同様、順に咲いて、花それぞれが精一杯生きている
様子がうかがえます。(野田ゆたか)
ふる里の木立の丈や揚羽蝶/前野一夫
鉾杉の情景が鮮やかに詠まれています。(野上哲斉)
パラソルのせりあがりくる上り坂/神谷和子
暑い登り坂をゆっくりと上がってくる日傘。持ち主はもちろん女性
でしょう。乾ききった、映画の夏の一場面を見るような動きのある
句。(古田けいじ)
暑い日差しの中を登ってくるパラソルだけが動いている。気だるさ
と坂道の向こうの景色をいろいろと想像させてくれる。私は青い真
夏の海を描きました。(霧野萬地郎)
さしかくる日傘ありけり車椅子/堀佐夜子
ほのぼのとした優しい光景。(高橋正子)
車椅子の方はどなたでしょうか。日傘を差しかける人のやさしさが
伝わってきます。(しまやふゆひと)
帰省の子まず井戸水を飲みにけり/武田稲子
どの言葉も平明だが、力がある。「まず」の使い方がうまい。(高橋信之)
【入選23句】
「涼」と言う一字の書かれ渋団扇/渡邉道朗
「涼」と書かれた渋団扇、風も気持ちよくリラックスできたこと
だろう。(阪本登美子)
ひとつずつ解けて槿の花開く/渡邉道朗
私の通勤路に木槿垣があります。出勤時に元気のよかった花も夕
方には萎れています。朝顔同様、順に咲いて、花それぞれが精一
杯生きている様子がうかがえます。(野田ゆたか)
ひまわりを描く子ピカソに勝っている/北村勇治
純粋な子供の心が描かせたひまわりの絵が見えるようで、心に残り
ました。(紫苑 恵)
宙に浮く意志あり宙に浮く揚羽/高橋信之
宙は揚羽の翅を生かしきれるところなのだろうか。揚羽の意とする
ものがあるところなのだろうか。(相原弘子)
夏帽の去年の思ひ出かぶりたり/安西さゆり
夏帽子には、いろいろな思い出か残っています。帽子をかぶると、
去年の思いが昨日のことのように思い出され、なつかしさが込み
上げてくるようです。(鳩崎良一)
鉾杉の峡の影濃き半夏生/西野研一
鉾杉の情景が鮮やかに詠まれています。(野上哲斉)
蔭置かぬ道を日傘の影の行く/神谷和子
蔭置かぬ道を日傘の影の行く、木陰も無い只長く道が続いている。
そこに日傘人が一人何処へ行くのでしょう。そして、この道は何
処なのでしょうか。若しかしたら北海道。(堀佐夜子)
万緑へ登山鉄道つづら折り/霧野萬地郎
安堵して病院出し梅雨の街/山岸忠信
一周忌去年より深き濃いあじさい/藤川雅子
朝の瞳に夏鴨沖へ泳ぎ出る/高橋正子
生ビール挨拶ぬきで始まりぬ/野田ゆたか
せせらぎに耳を澄ませば天の川/佐伯賢治
ふぞろいのグラスにわかつ梅酒かな/原 小繭
夏服や手を振る腕のしなやかさ/原 小繭
入道雲屋上からの笑い声/相原弘子
配達の瓶の音ふれ明け易し/藤田洋子
バス停のサルビア赤し少女立つ/渡邉道朗
黙々と畑打つ人や雲の峰/安西さゆり
夏簾見知らぬ街を見る如く/安西さゆり
金魚田や生駒の山の夕煙/井上痴庵
歓声の遠くに立ちて夏河原/井上痴庵
古希過ぎて国体出場さくらんぼ/野上哲斉
【最高点/同点2句】
香水のくるり抜け来る回転ドア/江田 晋
井戸水の冷たさかじるトマトかな/大森裕子
[全作品]
人見忠雄
水清き清滝川に初河鹿
青嵐石仏群を偲ぶ跡
釣り堀の鯉が恋いして水はねる
しまやふゆひと
梅雨明けを待てず白靴下ろしけり
スーパーに西瓜の切り身笑ひける
桜桃忌我が青春の「彷徨記」
古田けいじ
朝顔の蔓伸びて鳴るジャズピアノ
高層ビルに負けずに立てり入道雲
筋力を一杯にしてミズスマシ
野上哲斉
世紀末日本憲法記念の日
山のいろ変え一勢に栗の花
古希過ぎて国体出場さくらんぼ
井上痴庵
金魚田や生駒の山の夕煙山蟻や碑文に卑弥呼の影を追う歓声の遠くに立ちて夏河原
森 隆博
夕日受け触れたる強さ蜘蛛の糸酸っぱさに琵琶好きの伯母山帰りせっついて夕日畳むやひややっこ
霧野萬地郎
万緑へ登山鉄道つづら折り水平線丸く大きな夏来たり梅雨雲の山を洗いて流れ行く
安永次郎
天野の川姫よりメール流れ星
雨音に弾む名曲梅雨の夜
江田 晋
香水のくるり抜け来る回転ドア
雨だれが歌うタンゴよ梅雨も楽し
荒梅雨の直線に降り砕け散る
kikko
星祭り願いをどこに結ばんか夏雲雀我さえずりの中に居る明けやらぬうつつに聞きぬほととぎす
紫苑 恵
小人になる十薬の海かきわけて
とらわれの露したたかに光る蜘蛛の糸
笑いながら花ざくろ幾百も落ちて
山岸照子
くす玉のリリアンなびく昼寝ざめミセス学敦賀原発ねむの花梅雨休み紫陽花揺らすかたつむり
山岸忠信
安堵して病院出し梅雨の街荒梅雨やミント浮きたる湯面かな蝸牛の子等さざめく朝の畦
有吉孝史
カーテンレース揺れ吹く夏風の青の空より朝凪の風動かぬままそこに梅干しの酸口にして飯食らう
大森裕子
井戸水の冷たさかじるトマトかな姿なき虫鳴く庭に一人いる打ち水を打つ庭の色濃くなれり
鳩崎良一
梅雨激し再開の友肩光る日焼けし子のほてりがわが腕熱くする炎天に遊ぶ子ら乾きし地を蹴る
めばる
雲海に背中を押され付く家路宿題が出来ないそれは君のせい褐色の口紅ひかるかえりみち
武田稲子
帰省の子まず井戸水を飲みにけりナイタ−や私の国と夫の国向日葵の真ん中にあり閨の闇
阪本登美子
サーフィンの光しぶきて空の円潮焼の二の腕太き地引網せせらぎの音広がりて夏木立
藤川雅子
一周忌去年より深き濃いあじさい白き夏検査結果を報告す帰省子の足音犬の耳立てる
高橋正子
朝の瞳に夏鴨沖へ泳ぎ出る釣りの子の半身ぬらす梅雨の池半夏生外国人の乗る電車
高橋信之
宙に浮く意志あり宙に浮く揚羽薄き雲一面空に梅雨の昼道に沿って緩いカーブの塀が梅雨
野田ゆたか
生ビール挨拶ぬきで始まりぬ海の日や砲火に沈むこともなく伯備線椅子に涼しく山を越ゆ
北村勇治
蟻の列踏まじとまたぐ石の段備長も我も頑固よ土用くるひまわりを描く子ピカソに勝っている
佐伯賢治
雨上がり星の降る夜もまた涼しせせらぎに耳を澄ませば天の川我が心虫より手元の西瓜かな
原 小繭
紫陽花を切る人に傘かける人ふぞろいのグラスにわかつ梅酒かな夏服や手を振る腕のしなやかさ
相原弘子
軽きものに蜻蛉も新しく朝人が佇ち紫陽花は終りに近し入道雲屋上からの笑い声
藤田洋子
洗い水はじき輝く初茄子配達の瓶の音ふれ明け易し父と子が肩寄せすくう金魚かな
小栗皐月
機織りの夜のしじまの時鳥
涼風や藍の経糸機に張る
出勤の夫追う記者に梅雨しとど
渡邉道朗
バス停のサルビア赤し少女立つ「涼」と言う一字の書かれ渋団扇ひとつずつ解けて槿の花開く
田中栄子
傾けて切子のグラス冷酒かな母見舞う帰路はすっきり梅雨晴れて炎天や掠め過ぎ去りオートバイ
小栗顕二
虫ばらい子らのさざめき火手の条
びわの実のはざ間にすけたる空の青
金刀比羅のきざはし高く汗しぼる
安西さゆり
黙々と畑打つ人や雲の峰夏簾見知らぬ街を見る如く夏帽の去年の思ひ出かぶりたり
前野一夫
夕空が枝に降りたり合歓の花父母の家に胡桃聳えし蟻の株ふる里の木立の丈や揚羽蝶
西野研一
鉾杉の峡の影濃き半夏生
梅雨晴れや昼の星見る天文台
ミュージカル観て梅雨月の運河かな
神谷和子
蔭置かぬ道を日傘の影の行くパラソルのせりあがりくる上り坂緑陰に大河の流れ見て憩う
城本三舟
生業といえど炎天土を掘る
岩清水しみだすような
経の声青柿の小さな実孫の手にあり
金井ひろみ
万緑や大地の一点我れもまた郭公を聞きたし雨の森に入るまっすぐに飛行機雲や梅雨明ける
椎木英輔
踏込みぬ木蔭に灯る夏つばき句一句夏つばき一個落ちをればつづく雨大地見下ろし夏つばき
堀佐夜子
さしかくる日傘ありけり車椅子風死して老犬長き舌垂らす松葉ボタン花盗人は爪で摘む
7月句会は、7月11日(日)でしたが、
次回は、9月12日(日)です。またのご投句をお待ちしています。
作者不明の方は、お名前をお知らせ下さい。