■オンライン5月句会入賞発表/高橋信之選■
【金賞】 ★茄子苗の棘奔放に葉裏にも/脇美代子 元気のよい逞しい茄子苗がリアルに捉えられて、苗の持つ生命の力強さが伝わってくる。棘も葉も茄子の紫色を充分に含んで、日本の土が育てた色となっている。(高橋正子)
【銀賞】 ★苗代に水を集めし棚田かな/伊藤華将 棚田には苗代が作られ、そこに山の水がいそいそと流れ込んでくる。田植えの準備が調えられてゆく静かな風景に、作者の平らかな心境を見る。(高橋正子)
★ゴンドラの大きく揺れて樟新樹/徳毛あさ子 ゴンドラが大きく揺れたのは、新緑を燃やす樟に触れてか。宙を移動するゴンドラの下には、新緑の勢いがはっきりと身にじかに感じられる。(高橋正子)
【銅賞】 ★田水張り村じゅう空の青もらう/河ひろこ 田に水が張られ、どの田にも空の青が映っている。村じゅうの田であるから、その眺めは爽快である。稲作りは、天候に左右されだけに、「もらう」には、このごろの青空を嬉しく思う気持ちが込められている。(高橋正子) なみなみと水を張られた村の田一面に初夏の陽が注ぎ水も温む。「空の青もらう」が素朴な明るい農村の景と、作者の豊作へ願いも込められているとりました。(志賀たいじ) 村一面に水を張られ青空が写った明るい景は実りの喜びに向かおうとしている。(平野あや子) 水田に青空が写り明るい農村の風景がうかび。好きな句です。(篠木睦) 村の田一面に水が張られ、青空が映っている様は、これからの作業にエールを送っているかのようです。(脇美代子) 村じゅうが一斉に田植えの仕度をしている様が目に浮かびます。村じゅうと云う表現がいいし。自然えの感謝のきもちがある。(伊藤華将)
★一両電車行きて麦の香まきおこす/おおにしひろし 一両電車が、それでもスピードを上げて過ぎるとき、沿線の麦畑からは、熟れ麦の芳しい匂いが巻きあがる。麦秋の田園風景が、一両電車を通すことで、生き生きと描かれた。(高橋正子)
★駈くる子らシャツはらませて風薫る/志賀たいじ 「はらませて」の「て」の表現は、不用意だが、その内容は、大変さわやかで、風薫る季節の子どもたちの生き生きとした姿が捉えられている。みどりの風と、シャツの句素材がよい。(高橋正子) |