|
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30303 |
挙手の手の明るく動く更衣 吉田 晃 学校が明るいのが嬉しい。「更衣」という季語の働きを十分に生かすことが できた。(高橋信之)
新じゃがの茹で上げてまだ野の匂い 渡邉道朗 「まだ野の匂い」がいいですね。「新じゃが」の「新」と「まだ野の匂い」 の「まだ」とが、うまく響き合って、句の力を強めています。平明で、しか も力強い俳句です。なべさんの日常がそうなっているのでしょう。よい俳句 は、よい生活から生まれてくるものです。(高橋信之)
夏富士の裾とどまらず海に入る 霧野萬地郎 自句自解 箱根の三島側からの富士。稜線が山頂から山裾の先を一気に駿河湾に入れて います。
上り詰め天道虫の今飛翔 霧野萬地郎 自句自解 芝の雑草取りが私の自ら進んでする唯一の家事。虫や草などの精一杯の生き ざまを見ます。最初にオンライン句会に投句した句。
走り梅雨納屋の長靴男物 相原弘子 自句自解 何によらず不測の事態に供えて、用意してあるものが、ひとつあると、 ふと安心が湧く。長靴はそれ程のものではないが、大きくて底も強い のでやはり安心。
握手して足早に行くパナマ帽 堀佐夜子 自句自解 実際はパナマ帽ではなく白いワイシャツの後ろ姿でしたっけ。
葛に葛からまり空に立ち上がる 渡邉道朗 作者の精神の高まりを感じさせてくれます。(高橋信之)
萍の生まれる時も漂える 渡邉道朗 「萍」の本性を見事に捉え、物の本質に迫る。(高橋信之)
空と海赤くとけあう夕焼けに 林 緑丘 とても抒情的で、作者の情が伝わってきます。(高橋信之)
カヌー漕ぐ琵琶湖の入り日の中へ漕ぐ 古田けいじ 自句自解 琵琶湖にかかる橋を夕暮れ時に渡った。ちょうど夕陽が湖面に照り映え、そ こへカヌーを漕いで行くのが見えた。入り日の中へは行って行くようだった。
万緑へ登山鉄道つづら折り 霧野萬地郎 自句自解 箱根登山鉄道。アブト式で急勾配を登る。夏は緑がすばらしく、それを縫う ように電車は行きます。
腕を組み漢無口に辣韮売る 相原弘子 自句自解 よくこんなに丁寧に洗い上げ、輝かせていること。いつ買っても、いい 歯ごたえに漬かるぞと言わんばかり。
大夕焼航海終えし船だまり 阪本登美子 油絵に画かれたような景色ですね。繋がれた船が、きしんで揺れる音や波の 音が聞こえるようです。(高橋正子)
朝の薔薇露もろともに壷の中へ 安西さゆり 朝の花壇から切り取ったばかりの薔薇です。生き生きとした薔薇に今日の始 まりを励まされます。嬉しい今日の始まりです。(高橋信之)
夏走る青年息も乱さずに 安西さゆり 夕暮れ時でしょうか、黙々と走る青年の姿が目に浮かびます。私の住まいの 近くに消防署がありますが、まさにこう言う姿で空いた時間に皆さん走られ ています。(渡邉道朗)
瀬の早き流れ操る鵜縄かな 城本勝馬 自句自解 大洲肱川の鵜飼、難所の早瀬もあれば臥龍淵もある、船頭はその流れを水竿 一本で操る。篝火の中、目まぐるしく動く鵜を操る手縄捌きも見事なもの、 三瀬師匠の孫娘も一本立ちされた。
ハーブティゆっくりふふむ梅雨寒し 堀佐夜子 自句自解 この時期は冬物をと思うぐらいな寒い日があり暖かい飲み物が欲しくなりま す。お友達との一と時です。
軽やかに散って現れ蛍来る 森 隆博 自句自解 かつては数え切れない乱舞の両岸、少なくなりはしたが今年も充分活動でき る状態で嬉しさが込み上げてくる、童心に帰りいつまでも見飽きることがな かった。
風そよぎ玉葱吊すところあり 森 隆博 自句自解 料理にはかせない玉葱であり的を射た保存方法、吊す場所は物置の裏側と決 まっている。空を見上げながら手伝っていると納得のゆく最高の場所である ことが解る。
涼風のさっと来てをりさっと去る 堀 幹夫 「不即不離」というような、心境でしょうか。風をうまく捉えた句と思いま した。(高橋正子)
看護婦の手のやさしくて髪洗う 渡邉道朗 自句自解 十日間の入院生活を送った。入院も、看護婦さんの優しさに触れたのも初め てであった。退院も近くなった頃、新米の看護婦さんが髪を洗ってくれた。 そのひたむきさが優しい手を通して伝わって来た。まさに白衣の天使だった。 あれから五年、あの白衣の天使も立派な看護婦さんになっているでしょう。
白ばらの空気を巻いていて崩る 高橋正子 しみじみとしたところがあって、ベテランらしい深みもあります。私の求めて いますのは、明るくて深いところのある俳句です。透明感のある俳句です。(高橋信之)
梅雨の畳に体重のせて歩く音 高橋信之 自句自解 自分らしい句だと思い、愛着がある。
梅届くほのかに色づく丸さあり 古田けいじ 自句自解 近くの人が、梅を届けてくれた。つけるにはちょうど良い時期で、いくつか は紅色をしていた。
あじさいや夕刊少し湿りをり 堀佐夜子 自句自解 梅雨時の郵便受けや新聞は少し湿っぽいですね。
夏の海雲まで届き丸くなり 林 緑丘 水平線に湧く夏の雲。海の青さと夏を思わせる雲のコントラストと海の丸さ 。(古田けいじ)
梅雨晴れの午後に清しき出会いあり 藤田洋子 自句自解 インターネットの講習で久しぶりに高橋先生他、誌友の皆様とお会いしまし た。今日の梅雨の晴れ間のような爽やかなひとときを過ごせました。
六月の女動かず画廊守る 野上哲斉 自句自解 箱根強羅美術館でのこと、彫刻や絵画を見て回ると、側に動かないで、まる で展示物の彫塑かと間違えるほど静止している監視の女性に出会い、強い印 象を受けました。
夏の灯を入れては飛べりシャボン玉 野上哲斉 自句自解 夜市で孫に求めたシャボン玉、すぐ吹き上げると夏の灯を一つずつ入れて飛 び続ける美しさに、つい感動しました。
羅を広げて座り師と対す 野上哲斉 自句自解 先生のお宅での句会の席、羅をふんわりと広げて座るうら若き女性がいまし た。そのお色気には勝てないと思いました。