デイリー句会


■俳句カレンダー/2000■

【10月】

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1日(日)

秋うららナプキン立てり予約席/堀佐夜子



自句自解

たまにはホテルのレストランでもと予約して行くと綺麗に人数分のナプキン

が立てられていました。24階の見晴らしも良くて美味しいでした。


2日(月)

話ししていても全く秋の風/相原弘子



自句自解

昼下りの語らいは、そのことをあまり記憶としない。秋の風は、暑さを過ご

したことをその語らいと共にいたわってくれる。


3日(火)

秋晴れの都会は動く水脈の先/霧野萬地郎



自句自解

竹芝桟橋からお台場へのフェリーから。そのフェリーの水脈が広がる先には

道路や鉄道の動きが忙しい。船は一時のゆとりを持たせてくれる。


4日(水)

車窓より眼で喰む檸檬酸っぱかり/野田ゆたか



自句自解

海道を渡っていて、蜜柑山の中に檸檬の畑が見えた。青い檸檬でしたがいか

にも酸っぱそうに見えた。


5日(木)

手のひらに団栗転がし風の森/古田けいじ



自句自解

近くに残された緑地。どんぐりは孫への土産。その喜ぶ顔を想像しながら気

持ちのいい風の吹く森を歩いた。


6日(金)

一湾の涛たたみこむ秋日傘/阪本登美子

自句自解



台風の9号の影響で海は荒れていた。空は真っ青であった。今みてきた涛と

いっしょに日傘を閉じた。


7日(土)

新米の湯気の香りもいただけり/藤田洋子



自句自解

新米の炊き上がるその湯気の香りにも、天の恵みへの感謝を感じずにはいら

れない。


8日(日)

富士遠く初冠雪の宙に浮く/霧野萬地郎



自句自解

湘南海岸からの情景です。図抜けた高さの富士山頂の雪は宙に浮いて見えま

す。山に対して、神々しい気配を感じます。


9日(月)

古時計遅れて秋の深みけり/堀佐夜子



自句自解

わたしの部屋に前の家からの掛時計が有り、朝目覚めても4時か5時頃でお

かしいなと思いつつテレビをつけると8時過ぎているでは有りませんか。そ

んな訳で秋は気候が良くて、、、と云う訳です。


10日(火)

抱き帰る芒が何にでも揺れる/相原弘子



自句自解

ほしいだけ刈り取った。抱きかかえてのその歩になんと揺れることか。何に

活けよう。ふと思ったのは一斗升。ゆさゆさと活けた。


11日(水)

長き夜や煙草切らしてより欲しく/野田ゆたか



自句自解

これまでは、煙草が切れると深夜でも買いに走っていましたが、このごろは

翌朝まで我慢するようになった。


12日(木)

地に木犀香り天にカシオペア/古田けいじ



自句自解

狭い我が家の庭。木犀が今年もよく咲き、よく匂う。寝る前に外に出て、木

犀の香りの中で、天をあおぐと、カシオペアが今夜はくっきりと見え心を癒

してくれる。


13日(金)

明日には地にあり光るか毬の栗/古田けいじ



自句自解

行き付けの緑地の中の栗畑。今にも落ちそうに毬が割れてつややかな栗の実

が見えた。地面に向かってジャンプの用意をしているようだ。


14日(土)

草の絮話しながらの下校生/相原弘子



自句自解

下校してくる少年少女のなんともの開放感。家へ帰ってなにをするのだろう。


15日(日)

鵙高音寺の広縁ぎしと鳴り/堀佐夜子



自句自解

京都の大徳寺の広縁での出来事です。


16日(月)

秋うらら潮騒聞こゆ改札口/阪本登美子



自句自解

海が一望のもとに広がり秋の日差しが気持ちよかった。潮の香と波の音だけ

が聞こえた。


17日(火)

夜なべする母の背中と夢で逢う/堀佐夜子



自句自解

いくら歳を経ても母の夢はよく見ます。働き者の母でしたので夢まで働いて

いる姿しか見れません。


18日(水)

ここからは木犀の香がついてくる/藤田洋子



自句自解

いつもの愛犬との散歩道。しばらくの間、木犀の香に包まれる楽しき道とな

る。


19日(木)

小鳥来る朝よろこびの始まりに/藤田洋子



自句自解

一昨年程前、砥部の先生宅での「水煙大会」を迎える朝。おそれながらも「

水煙賞」をいただき喜びの中、身の引き締まる思いもした。


20日(金)

目に見えて揺れねばならぬ鳥威し/相原弘子



自句自解

威しが揺れはためく風は身にも心にも心地よい。威しはその風を雀と分け合

っているかのようである。


21日(土)

山門に紅葉踏む音だけの朝/吉田 晃



自句自解

山里の小さなお寺の山門。朽ちかけた門に二三歩足を踏み入れてみる。朝霧

の中に乾いた小さな音がして,冬が来たことを改めて教えてくれる。


22日(日)


23日(月)


24日(火)

向かい合う山のそこにも稲の秋/吉田 晃



自句自解

めったに車の通らない谷底の村にも、人は確かに生きている。黄色く実った

稲はやがて刈り取られ,都会に住む子どもたちに送られるのだろうか。


25日(水)

ミラーウォールから鰯曇流れ出る/古田けいじ



自句自解

事務所の近くの高層ビルはミラーウォールの作りである。その鏡を見ている

と、青い空をバックに淡い鰯曇が流れて行くのが見えた。


26日(木)

満月の河口の村を青くせり/吉田 晃



自句自解

月がこれほど村を青く染めるとは知らなかった。街灯の光さえも青く染めて

しまうほどの青さに、釣り糸をたれるのを忘れてしまっていた。


27日(金)

離陸機の大円描く秋天に/渡邉道朗



自句自解

中国自動車道を吹田から西へ、伊丹空港あたりでの句。離陸した飛行機はち

ょうど自動車道のあたりで大きく円を描いて目的地に向かう。着陸しようと

する機も見えるが、離陸して空の彼方へ消えていく機のほうが私は好きだ。


28日(土)

蜩や聲明と和す境内に/堀佐夜子



自句自解

幼いころ、祖母に連れられてよくあっちこっちのお寺に参りました。子供で

すので本堂の縁側で遊んでいますと、読経と蜩の声が私には子守唄と感じら

れて何時しか寝てしまい、祖母に起こされるまで夢うつつでした。


29日(日)

風紋に白波よせる秋の浜/阪本登美子



自句自解

風紋とは風によって画かれた砂の上の模様。多くは波の形をしている。


30日(月)

学童の見上げる空の鰯雲/阪本登美子



自句自解

小学生たちがマンションの公園でサッカーボールで遊んでいた。急に

静かになった。7,8人の子供が腕組みをし植え込みのブロックに一

列になって空を見上げていた。私も思わず空を見た、本当にきれいな

雲がゆっくり流れていた。


31日(火)

レタス出荷トラック霧の坂下る/古田けいじ



自句自解

知人の信州の別荘に泊まってのゴルフに行った。別荘のある一帯はレタス御

殿が建つと言われるほどのレタスの産地。夕方、霧が深くなった落葉松の坂

を、レタスを積んだトラックが下って行くのが別荘のベランダから見えた。