むかしの俳句カレンダー
俳句日記
デイリー句会


■俳句カレンダー/2001■

【4月】

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1日(日)/エイプリルフール

白れんは鐘撞堂を越えて咲く 祝 恵子



白蓮の咲く景色が、明るく、直截に捉えられて、日本の

景色を見事に詠っている。(高橋正子)


2日(月)

殻軽くふれあう音や浅蜊汁 八木孝子



軽くて詩情のある句。写生の基本がいい。(高橋信之)


3日(火)

雪柳幾百万という白さ 古田けいじ



<幾百万という白さ> 細部と全体に目の行き届いた表現に感服しました。

運河の近くの職場で絶好調ですね。(伊嶋高男)


4日(水)

ひよ鳥はさくら房ごと落として遊ぶ 北村勇治



日本画のような、すてきな俳句ですね。ひよどりなら、こんな遊びもしそう

です。松山も、桜は、三分から四分咲きです。お忙しそうですね。道後公園

も夜桜にぼんぼりが、灯っていましたよ。夕べ東京からのお客さまを案内し

て、道後公園の前をに行き過ぎたものですから。(高橋正子)


5日(木)

ひとひらの花降り落ちる長さかな 碇 英一



「長さ」は、平易な言葉だが、この句に使われて深いものがあるのは、作者

の内面の深さでもあろうと思う。(高橋信之)


6日(金)

花を見て花影を踏む石畳 霧野萬地郎



「花を見て花影を踏む」作者の姿が見えてきます。

長身の萬地郎さんが見えてきます。いい句ですね。(高橋信之)


7日(土)

満開の花ゆれ山の揺れうごく 野上哲斉



確かな実感のある句です。(高橋信之)


8日(日)/潅仏会、花祭り

ああ雲雀同時に言いて雲のなし 守屋光雅



いい句ですね。上五の「ああ雲雀」の後の切れがうまく働いています。「雲

のなし」と言い切って、一句を終えているのも、読者に強い感動を伝えてく

れます。中七の「同時に言いて」は、まさに感性の共同体ですね。インター

ネット上で、このようなレベルの高い句が生まれたのを、とても嬉しく思い

ます。(高橋信之)


9日(月)

やわらかきけやきの新芽中空に 伊嶋高男



中空の新芽が、まぶしいくらいです。白く光りに充ちた空が広がっているの

も、春ならではですね。(高橋正子)


10日(火)

駅頭に学生どっと新学期 八木孝子



ことが新しくなると、勢いがつく。「どっと」という言葉がこの勢いを表現

して、素直である。生命の勢いは、真っ直ぐである。この句に季語はないが

、季感は、充分に春である。(高橋信之)


11日(水)

蘂残る桜の透けて空深き 藤田洋子



桜は、ずいぶん葉が出てきています。うっすら汗ばむ昼間は、蘂が残り、葉

がではじめた桜は、むしろ、涼しげです。(高橋正子)


12日(木)

土間固し胸から降ろす春キャベツ 相原弘子



弘子さんのよいところが存分に出ています。力があります。実感があります。(高橋信之)


13日(金)

いたどりの三寸ばかりへ風軽し 吉田 晃



ふるさとの俳句ですね。「風軽し」で成功しました。(高橋信之)


14日(土)

春夕焼ままごとセット置き去りに 堀佐夜子



佐夜子さんらしい抒情があって、いい句ですね。(高橋信之)


15日(日)

上空に風雨残りて春夕焼 伊嶋高男



まだ、雨が上がりきっていないのに、はや、春の空は夕焼けている。上気し

たように、明日の晴れを約束してくれている。上気したような春の気分がい

いと思います。(高橋正子)


16日(月)

信号待つこでまり持つ人加わりぬ 古田けいじ



日常身辺を詠んで、さりげない句ですが、とてもレベルの高いものです。(高橋信之)


17日(火)

ボート漕ぐ池一面の若葉風 伊嶋高男



戸外の生活を楽しむ季節が来ました。いい写生句ですね。(高橋信之) 


18日(水)

三つ葉浮く汁碗軽き漆塗り 霧野萬地郎



俳句の良さをうまく出しています。押し付けの無い軽さが良く、心を通じ合

うのに不足はありませんね。(高橋信之)


19日(木)

流れても流れても吹くシャボン玉 碇 英一



ずいぶん自由で、のびのびした句ですね。シャボン玉が、つぎつぎ吹かれて

飛んでいく、伸びやかな春の明るさがいいと思います。(高橋正子)


20日(金)

不揃いに羽をゆらせて白き蝶 大谷悦子



うまく言葉が出てきましたね。句の頭に置いた「不揃いに」は、なかなかの

力量を覗わせます。自然の営みには、不揃いなものが多いのですが、どれも

がそれなりのリズムや調和をもって活動します。それなりの命があるのです

。「白き」が美しく、句に生命を与えました。(高橋信之)


21日(土)

春泥をつけてバス待つくりくり坊主 北村勇治



泥が付いていても気にしない、くりくり頭の男の子。頓着なく振舞うのであ

ろう。春の日差しのなかで、男の子らしくてかわいい。(高橋正子)


22日(日)

皮置いて筍掘りの帰りけり 吉田 晃



「皮置いて」という見方がユニーク。置いていかれた皮が、いきいき

している。この世の実相のような気がする。(高橋正子)


23日(月)/イースター

花こぶし白の幾片残る空 建川 茂



こぶしの花が咲き終わる頃、それでも、空には、数片の白い花びらが

、残って風にひらひらしている。こぶしの花を惜しむ気持ちがさらり

と詠まれている。空にぬけるような、淡々とした気持ちがいいと思い

ます。(高橋正子)


24日(火)

薔薇つぼみふくらむ朝に旅立ちぬ 藤田洋子



旅立ちの朝、家の中、そして庭の様子をしっかりと胸に収めています

。留守にする家を、点検するうちにも、薔薇は、つぼみをつけて、作

者の旅立ちを詩情ゆたかにしてくれます。清潔でやさしい句ですね。(高橋正子)


25日(水)

宙の空ゆくも快晴夏近し 相原弘子



広い空も、それよりも大きい宇宙の中にふくまれる。大きな宇宙への

驚き。それは「夏近し」で言い尽くされている。雲の上は、何時でも

快晴だという常識は、作者には関係ないこと。すばらしい宇宙の空を

体感すればよい。(高橋正子)


26日(木)

紫雲英田の向こうの富士は雲少し 古田けいじ



新幹線からの景色でしょう。列車から見える紫雲英田は、子どもの頃

から変わらぬ、日本の風景ですね。紫雲英の花の色が懐かしさを誘い

ます。裾野を遠く広げた富士山に雲が少しかかって、いっそう優しい

風景となっています。この日、飛行機からの富士山は、真っ白い春の

雪をかむっていました。(高橋正子)


27日(金)

みちのくの花曇抜け隅田川 守屋光雅



みちのくは、今花のとき。旅立つ日は、高い曇り空。その曇り空を抜

け出て着いた東京の隅田川。隅田川をこの目で見た、たしかな嬉しさ

が伝わってくる。(高橋正子)


28日(土)

一泊の旅立ち松の若みどり 野上哲斉



水煙200号記念の祝句に相応しい。「松の若みどり」が祝福してく

れる。(高橋信之)


29日(日)/緑の日

桜桃のはしごかけらる大きさに 戸原 琴



桜桃が熟れるころの空は、どうでしょう。濃い緑の葉の中に、かわい

く熟れる桜桃をいっそう詩的に感じさせてくれ色合いです。はしごを

かけて、桜桃をとるのでしょうか。ちょうど、はしごの高さなのです

。桜桃とはしごの取り合わせは、「少年の心」ですね。(高橋正子)


30日(月)

新緑となってポプラは鳴りはじめ 高橋正子



抒情があります。優しさがあります。(高橋信之)