デイリー句会


■俳句カレンダー/2002■

【2月】

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1日(金)

風に立ち冬芽しっかり銀を巻く 山野きみ子





原句「風の中」は、第一句切れとしてはイメージ、意味が弱いので添削した


。テーマは「冬芽」。冬芽にもさまざまあるが、「銀を巻く」芽に、春が確


かに近付いていることを予感させてくれ明るさがある。(評:高橋正子)


2日(土)

水匂う春のいそぎや軽き籠 宮地ゆうこ





「いそぎ」は、かな書きなので、「急ぎ」ではなく、「支度・準備」と解し


た。「水匂う春」の準備に心は軽々として事が運ぶ。「春のいそぎ」は農作


業かと思う。(評:高橋信之)


3日(日)/節分

豆まきや善男善女の掌が開く 古田けいじ





「掌が開く」は、川柳的な表現とも取れるが、俳句の写生と解し、明日が立


春の開放感を読み取った。こだわりを捨てた「善男善女」の開放感がいい。


(評:高橋信之)


4日(月)/立春・寒明け

春立つ日黄色い薔薇を持ち帰る 伊嶋高男





作者にとってどんな日だったのでしょうか?黄色い薔薇ということで、とて


も心が弾んだ日だったことと思います。 薔薇の中でも黄色は特別の色だと


思います。(評:岩本康子)


5日(火)

若布浸(か)して海の記憶を取り戻す 日野正人





「浸(か)して」は、方言。若布を水に浸して戻すのである。戻るのはいい


。戻って新しくなるのである。(評:高橋信之)


6日(水)

剪定鋸林檎の畑に光りけり 守屋光雅





2,3日前にテレビで青森の林檎の剪定作業の記録フィルムを見ました。岩


木山か岩手山かはっきりしませんがきれいでした。春先の作業だといってい


ましたが、もうはじまっているのですか。積雪はどの位なのでしょうか。


(評:伊嶋高男)


7日(木)

海峡に春を告げたり遠汽笛 岩本康子





春の到来を告げているような遠くの汽笛の音、康子さんの海の句にはいつも


夢と希望が感じられます。(評:八木孝子) 


8日(金)

遮断機が上がる桜の芽の中へ 相原弘子





写生がいい。空間をうまく切り取っている。季感がいい。時間の流れをうま


く捉えている。(評:高橋信之)


9日(土)

桜木の枝の丸みや二月晴れ 右田俊郎





すっかり塵をはらったように晴れる二月の晴の日には、万物が、はっきりと


見える。桜の枝も花芽の成長で、はっきりと丸みを感じさせてくれる。花の


季節が約束されている。(評:高橋正子)


10日(日)

挿されたる穂に触れてみる猫柳 岩崎楽典





活けられている猫柳に、思わず触って見たくなる。手に触れてみる春の確か


さでもあるのだろう。(評:高橋正子)


11日(月)/建国記念の日

店先に鶯餅の緑映え 青海俊伯





和菓子屋のなかで、ひときわ目に鮮やかに映るのは、やはり鶯餅であろう。


店先に並べて売られている鶯餅のあかるい緑色に、春が来たことを教えられ


る。(評:高橋正子)


12日(火)/新月/旧元日

 戸を繰りて軽い空気の春に触れ 脇美代子





朝一番に起きてやることは雨戸を開けること。今朝は一段と暖かくなり、春


を思わせる。「軽い空気の」がいいと思いました。(評:古田けいじ)


13日(水)

蕗の薹野に在るままに揚げ物に 山野きみ子





よい生活である。「野に在る」ことに生活の工夫があり、下五の「揚げ物に


」で句が生きた。(評:高橋信之)


14日(木)

堤防の土筆一号と名づけよう 祝恵子





大好きです、この句。土筆を見つけて思わず「土筆一号」と呼びかけている


作者の声が聞こえるようです。(評:宮地ゆうこ)


15日(金)

公園のふらここ揺れて陽の匂い 堀佐夜子





「陽の匂い」に陽春の兆しが感じられる。「ふらここ」は、ぶらんこのこと


。ぶらんこの揺れに、のびやかな開放感を感じ、陽春の光と一体になった心


がよい。(評:高橋正子)


16日(土)

犇めきて陽を喜べり梅蕾 古田けいじ 





早春の日の光りを浴びて、びっしりと枝についた梅の蕾が、晴れ晴れしく、


梅の香気さえも思い起こさせてくれる。(評:高橋正子)


17日(日)

竹鳴りの風の高さや春浅し 碇 英一





早春の風の持つ情感を、見事に言い表している。「風の高さ」に読み手の緊


張感が出ている。(評:高橋正子)


18日(月)

雪解光集めて湖の碧さかな 野田ゆたか





湖の碧さが、雪解水のようにきらめいている。そのしずかで、美しい光景が


、そのまま内面世界の光景となっているところによさがある。(評:高橋正子)


19日(火)

対岸の菜の花日々に黄を増せり 藤田洋子


 


「対岸」という空間と「日々」という時間とを、無理なく纏め上げましたね


。いい俳句です。ベテランの俳句です。ますますの精進によって、俳句の質


をさらに高めてください。(高橋信之)


20日(水)

春泥のつきし長靴父帰る 堀佐夜子





一家の柱としての父の姿が見えてくる。働き者の父である。信頼されている


父である。(高橋信之)


21日(木)

目刺し焼く匂いが届きご飯です 守屋光雅





口語表現の「ご飯です」がこの句を生かした。家庭生活のあたたかさが伝わ


ってくる。「目刺し」は春の季語である。(高橋信之)


22日(金)

極楽鳥の色添えられて春の雪 森竹智則





春の雪がテーマとなったこの景色は極楽鳥を配することで、まことに美しい


句となった。(高橋正子)


23日(土)

心地よしバッハのソナタ春そこに 福田由平





在り来たりの俳句ではないところに、この句のよさがありますね。自由なの


で、作者の思いが伝わってきます。(高橋信之) 


24日(日)

生駒山ぼんやり見えて春気配 堀佐夜子





自句自解 


堤防へ上ると生駒山が良く見えます。けれど春霞がかかると薄ぼんやりと墨


絵のようです。


25日(月)

春の土手少し数増す万歩計 堀佐夜子





自句自解


今日は良いお天気で久しぶりに淀川の堤防へ。顔見知りの人達が元気良く歩


いていました。


26日(火)

白梅の空と接する円やかに 伊嶋高男





この頃は、白梅がだんだん好きになりました。桜より好きになったかもしれ


ません。だんだん平安、奈良時代へと帰ってる、などと思わないでください


。空と接するがいいですね。(高橋正子)


27日(水)

火をつけて中州の葦の遅速あり 堀佐夜子





自句自解


淀川の葦焼はテレビにも放映される程です。


28日(木)

春灯へ丸い口開けている湯呑 高橋信之





自句自解


この句には、私の代表句としての愛着がある。私独自のユーモアがある句だ。