▼俳句カレンダー/1999〜2001
俳句日記
デイリー句会


■俳句カレンダー/2002■

【3月】

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今日はどんな日?

2002年: 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月


1日(金)

かたわらに人の声あり梅白し 相原弘子





梅の花の白さが、すがすがしい。人の声も早春の空気のなかに、す


がすがしく聞こえて来る。(高橋正子)


2日(土)

石鹸の丸さ春へと一歩ずつ 宮地ゆうこ





「石鹸の丸さ」は、平凡のようだが、そこに主婦のいい生活を読む


。作者独自の世界である。(評:高橋信之)


3日(日)/雛まつり

雛菓子の五色広げて紙の上 藤田洋子





「広げて」の主語は、「雛菓子」となっているから、雛菓子がみず


からその色を紙の上に広げているのである。五色の色が生きいきと


春めいて、雅やかである。(高橋正子)


4日(月)

青空に梅かっきりと枝揺らし 山野きみ子





梅の花の咲くときには、枝に葉がないので、梅の枝と花が、青空の


中に咲いている印象は、まさに「かっきりと」なのである。「かっ


きりと」でありながら枝が揺れるという「定まらなさ」が、梅が生


きいきと咲いている証拠である。(高橋正子)


5日(火)

双蝶に湖面の空のひろびろと 田岡 弘





いい心境の句。心を空(から)にして自然と一つになれば、心は限り


なく「ひろびろと」大きなものとなる。(高橋信之)


6日(水)/啓蟄/下弦

車椅子髪なびかせて風光る 能作靖雄





「風光る」がいい。季語の働きがいい。「車椅子」も「髪なびかせ


て」いる人も風に光れば、その存在が確かなものとなる。(高橋信之)


7日(木)

春耕の整えられし畝の高さ 安増惠子





始まりである。「春耕」の音の響きが新鮮で、「畝の高さ」の緊張


感がいい。(高橋信之)


8日(金)

土筆群れて湖の深さはいくばくぞ 八木孝子 





「土筆」と「湖」との取り合わせが詩的である。群れて深さがある


。(評:高橋信之)


9日(土)

水流し晒す摘みたる蕗のとう 守屋光雅


 


あくの強い蕗のとうも、水に晒され、みどり色も清かな感じとなる


。流れる水がよい。(評:高橋正子)


10日(日)

春港船尾(とも)を廻してフェリー着く 吉田 晃


 


春のゆったりとした動きが眼に浮かんで快い。いい旅立ちともなろ


う。(評:高橋信之)


11日(月)

花菜漬夕餉にほのか色も香も 福田由平





句意がはっきりして、気負いがないのがよい。日常生活で、我々を


突き上げ、生かしているのは、意外に小さなことだと思う。小さく


光るものを感じ取った心のゆとりがいい。(評:高橋正子)


12日(火)

北欧のグラスに透ける春灯し 相原弘子





北欧料理のレストラン「惑星」での、祝の会食の模様を、伝えてい


ただいた。北欧のシンプルなデザインのグラスに透けるともしびは


、暖かい色合いながら、小さくきらめくスターダストをイメージさ


せてくれる。明かりというものは、心に強い印象を残してくれるも


のである。(評:高橋正子)


13日(水)

湯豆腐の語らいをもて送りけり 碇 英一





どなたかの送別会でしょうか。温かい湯豆腐で、これまでのこと、


これからのこと、いろいろ話されたことでしょう。あたたかい雰囲


気が良く出ています。(評:高橋正子)


14日(木)/新月

木の校舎の香りを持って卒業す 日野正人





作者は、久万中学の事務職員で、生徒を見守っている眼がいい。「


香りを持って」という感覚がいい。(評:高橋信之)


15日(金)

白蓮の日毎に天へふふみ行く 堀佐夜子





作者の視線は一つに絞り込まれている。「日毎に」一つに絞り込ま


れているのがよい。(評:高橋信之)


16日(土)

湧き水にクレソン茎芽光るかな 守屋光雅





清冽な水に芹科のクレソンの茎芽がかがやき、目の覚めるような春


が来た。(評:高橋正子)


17日(日)

天辺の一つから咲く白木蓮 古田けいじ





「天辺の一つから」は、観察の深さ。春の空に触れる一花の白木蓮


が印象的。(評:高橋正子)


18日(月)/彼岸入り

囀りに子の片言の鳥を呼び 高橋正子





自句自解


子どもが小さいうちは、外を散歩しながら、よく遊ばせたものです


。外が好きな子どもに付いて行くと、あちこちから、小鳥の囀りが


聞こえてきます。どきどきは、子どもが小鳥をたどたどしく呼んだ


りして、親の私も楽しみました。


19日(火)

全開の蛇口よりあふる春の水 藤田洋子





春となれば、家事に使う水も、思いきり溢らせて使いたくなる。


かがやきのある活動的な春が、水の使いようにも表れた。(評:


高橋正子)


20日(水)

校庭に青菜育てて卒業す 山野きみ子





いい生活がある。子供たちの顔が見え、先生たちの顔が見え、親た


ちの顔が見えてくる。(評:高橋信之)


21日(木)/春分、春分の日

春灯へ丸い口開けている湯呑 高橋信之





ありふれた日常の風景であるが、現実を厳しく見つめている眼を感


じる。(脇坂公司)


22日(金)/上弦

水平に刈られてぶどう棚芽吹く 古田けいじ





「水平に」と捉えた作者は、大地にしっかりと立っている。地球に


立っているからこそ、「水平に」なのである。その大地から「芽吹


く」。 (評:高橋信之)


23日(土)

握りしむ幼子の手に土筆んぼ 右田俊郎





幼子も土筆の何たるかを知っているのでしょう。汗ばむほどしっか


り握られた土筆に、萌え出るもののかがやきと強さがあります。(


評:高橋正子)


24日(日)/彼岸あけ

辛夷一樹温み残して暮れゆけり 山野きみ子





辛夷の花は、正真正銘白い。暮色のなかで、それは、つつましく、


あたたかい白い花の一樹となっている。(評:高橋正子)


25日(月)

ほの紅き蕾に染まり桜大樹 岩本康子





桜は、開こうとして、樹液までもほの紅くなるという。桜の大樹が


蕾の色でほの紅く染まった様には、花開くものの気品と輝きが満ち


ている。(評:高橋正子)


26日(火)

鳥曇り一時帰国の子を送る 安丸てつじ





家族の情が伝わってくる。静かである。感傷といったものではない


。(評:高橋信之)


27日(水)

踏青や歩幅あわせる妻がいる 北村ゆうじ





どちらかが遅いのでしょうか。歩幅をあわせることによって,相手


に対する愛情を表わそうとする。(評:古田けいじ)


28日(木)

あたらしき乳母車あり芝萌ゆる 堀佐夜子





新しい生命(いのち)と平和をこれ以上感じさせるものはありませ


ん。(評:岩本康子)


29日(金)/満月

はこべらの花咲く路や乳母車 八木孝子





温かい、のどかな春の様子。赤ちゃんも母親の姿も想像でき、読者


の眼の中に、描かれている。(評:霧野萬地郎


30日(土)

白れんは鐘撞堂を越えて咲く 祝 恵子


 


白木蓮の咲く景色が、明るく、直截に捉えられて、日本の景色を見


事に詠っている。(評:高橋正子)


31日(金)

花を見て花影を踏む石畳 霧野萬地郎


 


「花を見て花影を踏む」作者の姿が見えてきます。長身の萬地郎さ


んが見えてきます。いい句ですね。(評:高橋信之)