|
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 |
傘振るにメーデーの顔ぬれて過ぐ 西垣 脩 メーデーの行進は雨の中を進む。気勢をを上げるために振る傘は用をなさず 、髪の毛も顔も雨に濡れる。大写しにされたような、雨に濡れた髪と顔は労 働者の働く力と、命を象徴している。(高橋正子)
八十八夜のポプラに雀鳴きあそぶ 高橋正子 自句自解 我が家の居間の窓からは、年中ポプラのそよぐのが見られる。今はやわらか な緑がしずかに音を立てて、風の様子を見せてくれている。いい天気の昼下 がり、鳴き始めた雀は、いつまでたっても鳴きやまない。一人遊びをしてい るように、夏の近づく日差しを楽しんでいた。
子等遊ぶ声のあふれて憲法デー 高橋信之 自句自解 平和のは何よりも良い。子等の幸せを憲法が守ってくれるであろう。
裏口の軽き明るさ松の芯 相原弘子 松の芯をこのように明るく、軽くとらえていて裏口にもなにかしら風格をか んじる。(高橋正子)
子どもの日の夜の安らぎをどの家も 高橋信之 自句自解 休みが続くので、誰もが一息つく。親も子も誰もが和やかになる。快い季節 でもある。
パン香る夏の初めの白さ抱き 相原弘子 パンは焼き立てに限りますね。「白さ抱き」で弘子さんの姿が目に浮かんで きます。弘子さんの日常が生き生きしています。(高橋信之)
寝転んで森ごと動く若葉風 古田けいじ 森に包まれ、森との快い一体感が伝わってくる。(高橋信之)
路地裏の白き風あり花こぶし 阪本登美子 裏ということ何においても捉えるのがむつかしいですね。強く捉えれば反発 されそうだし弱ければこちらが冷淡ではと思うし。こぶしはそれらを救って くれるひとつではないでしょうか。(相原弘子)
新緑や少年の吹くホルンの音 西野研一 読者の意表をつく、といった句ではないのが幸いした。「新緑」の季節、自 然の恵みを素直に受け入れて活気がある。(高橋信之)
水芭蕉触れば冷たき水に咲き 古田けいじ 水芭蕉の白がとても鮮明に感じられます。(高橋正子)
ベネチアングラス乾杯夏の訪れに 岡本栄一 この句の良さは、不要なおしゃべりのないことで、多くを語ってはいません が、それでいて、直に伝わってくるものがあって、それが読み手の心の中で 快くふくらんできます。(高橋信之)
花みかん匂う野の道一番星 堀佐夜子 お友達との楽しかった一日が伝わってきます。一番星に語りかけたい思いです 。(相原弘子)
麦の秋河口見る時胸広げ 相原弘子 自句自解 麦の熟れようには、どこからともなく急かされるものがある。熟れきって刈 り取るまでの一息の間、何かを見たくなる。
麦全て風に揺れては熟れを増し 相原弘子 毎朝、広い麦畑の中を通勤しています。こんな感じです。(高橋正子)
風あたりくる白シャツの腕時計 中川樗枝 更衣を皮膚感覚でとらえた句。明るい句です。(高橋正子)
花樗窓開け放ち書に倦まず 西垣 脩 樗の花が咲くころは、うっすらと汗ばむ。開け放たれた窓の明かり、樗の花 明かりに身を入れて読書する楽しみは学生生活の充実と、大きく開かれた未 来を思わせてくれる。(高橋正子)
薫風を起こして自転車山下る 古田けいじ 颯爽として、まさに五月ですね。「薫風を起こして」が若わかしい。(高橋 正子)
青嵐この村ぬけて登山口 北村勇治 読者を自然の喜びの中に連れ出してくれる。作者とともに登山を楽しむこと のできる俳句の喜びでもある。(高橋信之)
朝の薔薇露もろともに壷の中へ 安西さゆり 朝の花壇から切り取ったばかりの薔薇です。生き生きとした薔薇に今日の始 まりを励まされます。嬉しい今日の始まりです。(高橋信之)
ブロンズ像の視線の向こう薔薇盛ん 古田けいじ 鶴舞公園のバラ園は、私も一二度参りましたが実に見事でした。ブロンズ像 の見下ろすバラ園に、甘い香りの漂う薫風を感じてしまいました。(野上哲斉)
蒸し上げし朴葉の匂い皿に盛る 古田けいじ 自句自解 朴の木の若葉で上新粉と小豆餡を包んで蒸す朴葉餅。母が得意で、小豆が無 くて豌豆で作ったものだった。蒸し上った時の朴葉の匂いはなんとも言えず 、何十年も前の母たちをを思い出させる匂いだった。
満々と水張る瓶の鉄線花 渡邉道朗 充分に水を吸い上げて鉄線のみずみずしい花が咲いている。落ち着いて読め る句である。(高橋信之)
のみの音がのぼる夏空どこまでも 森 隆博 人の姿は、全く見えず、夏空にひびく音だけ。空の高さ、青さを感じます。 (高橋正子)
夏走る青年息も乱さずに 安西さゆり 夕暮れ時でしょうか、黙々と走る青年の姿が目に浮かびます。私の住まいの 近くに消防署がありますが、まさにこう言う姿で空いた時間に皆さん走られ ています。(渡邉道朗)
少年の日を語り尽くせず五月闇 古田けいじ 自句自解 1学年1クラス、28人の田舎の小さな小中学校の同窓会を田舎へ帰ってやっ た。集まったのは半分にも満たなかった、恩師にも来てもらって夜遅く迄話 し込む。話が尽きず会場の料理屋に泊まる人もいた。名古屋に帰るべく外に 出たら街灯もなくまったくの闇だった。苗田では蛙の合唱が盛んだった。
休日の校庭広く夕焼ける 渡邉道朗 夕焼けが広い校庭をそめて、いかにも夏らしい。(高橋正子)
万緑の中教会の鐘ひゞく 阪本登美子 自句自解 私が行っている教会は、小さくて湘南の光がいつも溢れています。白壁と十 字架が印象的です。
腕に重き初孫眠る葦簾 古田けいじ 自句自解 孫を抱いて、簾越しにカンパニュラの花を見ながらゆすっていると、何時の 間にか眠っていた。半年過ぎた孫は、眠ると一層重くなってきた。疑うこと を知らず、一途に信頼して胸にもたれかかっているのを見ると一層いとおし さがましてくる。
少年の潔癖白き靴を買う 渡邉道朗 自句自解 仕事を終え帰宅すると、玄関に真っ白な靴が揃えてある。生徒手帳には確か に「靴は白」と書いてあるが、普段に履く靴までこだわる必要は無かろうと 思う。しかし、口を挟む余地は無い。玄関の薄明かりの中の白が眩しい。
大夏野ぐるりとわれを軸として 阪本登美子 自句自解 旅をしてて、日本の原風景に出会い、ほっとしたことを思い出しました。
五月雨に黙して通夜の人帰る 渡邉道朗 自句自解 子どもの同級生のお父さんが亡くなった。私よりも何歳か若い。その通夜帰 りの列に出会った。雨の中を、それぞれが故人の思い出を噛み締めるように 、一様に黙って歩いていた。明るい風景ではないが、心に残った。