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日 月 火
水 木 金 土
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晴れ渡る中を流れる冷えた風 相原弘子 自句自解 霜を覚えながらの目覚め。明けきっての晴れ。パーンとどこかへ弾き飛ばさ れそうになる。冷えている風、それがどこからともなく優しい。
羽づくろい終えれば飛ぶよ冬の禽 相原弘子 自句自解 寒さにも冷え込みにも、ていねいにていねいに、羽づくろいをしている。そ して飛び立つ瞬間のその心満足そうなこと。声もいい。
こんばんわの言葉も白い息となる 古田けいじ 自句自解 奥三河花祭を訪ねた。12月ともなると奥三河は寒さが厳しくなる。夜通し行 われる花祭。村の人が集まってきて踊りはじめる。交わす言葉がそのまま白 い息となって闇に消える。
黒足袋のわらじが凍てつく庭を蹴る 古田けいじ 自句自解 奥三河花祭は男性の出番が多い。一晩中、単調なリズムに合わせて、時には 激しく庭を蹴りながら踊り続ける
大根の白を積み上げ朝の市 渡邉道朗 自句自解 再開発中の町は暗く寂れていた。寒い朝がよけいに寒く感じられる、そんな 街角に朝市があった。市というほどのものではないが、リヤカーに積み上げ られた大根の白と、農婦の威勢の良い声が印象的だった。
日溜まりにある日常と日向ぼこ 渡邉道朗 自句自解 何事もない、平凡な日常が良いと思う。会社の短い休憩時間に日向ぼっこを しているとそう思う。くる日もくる日もそう思う。
冬の朝楽しみながらカミソリ音 森 隆博 自句自解 少し濃いめの私は朝の日課です。いいことは分かち合いたく分けて貰いたい 、自然とリズムが生まれ寒さも気になりません。
棟梁の釘の小春日集め打つ 阪本登美子 自句自解 雨の多い日が続き久しぶりに晴れあがった。棟梁の手元に燦燦と小春日が注 いでいた。
バス停のかたまって咲く冬菫 阪本登美子 自句自解 海風の強い日、いっぱいに冬日を受けて紫色の菫が寄り添うように凛とさい ていた。
インバネス袖膨らませ角曲がる 古田けいじ 自句自解 帰宅途中、前を行く黒いインバネスの女性が街角を曲がっていった。昔懐か しい響きのあるインバネスを風で膨らませながら。
冬天のてっぺんまでつきぬけて青 有吉孝史 自句自解 いつも曇りがちな冬空が、ある日、目覚めるとすっきりと晴れ渡っていまし た。ほかの季節とは、またひと味ちがう空の高さ。大気の層がより澄んでい て肌が切れてしまいそうな気分になります。今日一日も頑張るぞ、と思いき って詠んだ一句です。
耳に残るリズムで歩く冬の月 古田けいじ 自句自解 コンサートの帰り、バスが途中までしかなくなって、歩いて帰った。印象的 で、耳に残った音楽を、思わず口ずさみ乍ら歩いた。中天には丸い冬の月が 輝いていた。
咳の子の寝息も一度確かめる 藤田洋子 自句自解 度々、喘息を起こす子供に何度も寝つけない夜がありました。子供の安らか な寝顔こそ親の安らぎでもあります。
おはようの息の白さを交わし会う 藤田洋子 自句自解 お互いの息の白さに改めて感じる寒さです。でも、明るい朝のあいさつに心 はあたたかです。
ラグビーの練習夕日落つるまで 渡邉道朗 自句自解 冬の日は短く、練習は夕日が落ちてボールが見えなくなるまで続く。さらに その後にグランドを整備して一日が終わる。すでに冷え始めた身体でグラン ドを後にする。
まみどりの冬菜は湯気に包まれて 藤田洋子 自句自解 茹でられて、更に鮮やかな色となる冬菜。台所に立つ主婦のささやかな喜び のひと時です。
氷雨打つ星条旗の群れ波となる 霧野萬地郎 自句自解 ワシントン郊外のアーリントン墓地にて。大星条旗がいくつも風と氷雨の中 で波のように揺れていました。
ロデオ囃すカウボーイ達息白し 霧野萬地郎 自句自解 ダラス郊外にて。地元の友人と一緒に迫力満点のロデオを見ました。観る人 、する人、皆カウボーイです。
ランドセルゆらして朝の白い息 藤田洋子 小学生の登校の列。ことに冬のそれは、こちらを励ましてくれます。皆かな りの距離の登校のようですね。(相原弘子)
部屋の隅明るく広く年用意 森 隆博 自句自解 日頃、私の部屋を見る目つきが鋭い、感じてはいるのだが知らない振りを通 している。押し詰まってきて一躍奮起、この際だからと徹底的にした。毎年 の繰り返しであるがいいものである。
大霜の白一面に一歩踏む 日野正人 「一歩」が効きましたね。「一面」と「一歩」との「一」の繰り返しが効き ましたね。「霜」を遺憾なく表現して、とてもいい句です。(高橋信之)
大根を包む新聞濡らしけり 堀佐夜子 「新聞濡らしけり」は、大根のみずみずしさを言い換えてほかならない。水 対する感覚といえるかもしれない。いきいきして、フレッシュである。(高 橋正子)
冬麗の空の青さが音を吸う 渡邉道朗 精神をしっかりと集中させている。心を静かにして俳句に集中させている時 間だ。(高橋信之)
聖イヴの大き絵本を子に広げ 高橋正子 クリスマスにふさわしい絵本は、いくつもあると思うが、ここに広げた絵本 は、「てぶくろ」というロシア民話の話だと記憶している。幼い子が、脚な ど伸ばして、大きな絵本を読んでいる姿は、かわいらしい。
クレソンは霜に焼けつつ色をなし 守屋光雅 クレソンは、ステーキや、サラダなどに添えられ、西洋三つ葉とも言われて 、独特の香気とピリッとした辛い味が魅力の野菜。濃い緑色は、霜に当たっ て、一層濃くなる。霜の朝のきりっとした清々しさがよいと思います。(高 橋正子)
澄み渡る冬の日の一面の大空 福田由平 自然の大きさは、何のこだわりもなく、曇りなく広がっている。そこを捉え た作者の心も、大きく、透明になっているのである。(高橋信之)
しんしんと冷ゆる音なき音の中 野上哲斉 自句自解 宵のうちの暖房も消えて、深夜の空気は冷え切ってきている。物音一つない 暗黒の中で、冷えはつづいてゆく。不気味な感じすらしてくる一夜でした。
実南天楽しきまでにあまた垂れ 藤田洋子 自句自解 毎年、庭の南天が旺盛に実をつけてくれる度、実の数ほど楽しいことがたく さんあればいいなと子供の頃思っていました。
大甍ゆっくり動く冬の雲 伊嶋高男 限られた空間をゆったり使い、限られた時間をゆったり使えば、自己の存在 を確実にするであろう。作者が得た日常での充実した時間。(高橋信之)
揚げ風の鳶の冬山越えにけり 吉田 晃 上昇気流に乗って、冬空高く舞い上がり、ついには大きな山も飛び越えて行 ってしまう。雄大な景色が広がってきます。(福田由平)
ここでも子ら笑う大晦日の湯舟 高橋信之 自句自解 昭和45年の作。この頃の借家には浴室がなく、誰もが銭湯に出かけた。 この句に出会うと、その日の情景がありありと浮かんで、子ども達の笑 い声が聞こえてくる。懐かしい思い出の句。