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4月29日、30日の水煙大会に出席。藤沢の元のマンションに一泊 。新学期の学生生活の様子を聞く。友人の家が金春流の家元いうこと で、金春流の能を鑑賞したとか。午後6時40分羽田空港発の便で帰 松。 今日の俳句(水煙大会/4月29日より) オレンジジュース機内の春の服いろいろ/正子 行く春の雲の流れを水平飛行/正子 今日の鑑賞/高橋正子(水煙大会/4月29日より) 宙(そら)の空ゆくも快晴夏近し 相原 弘子 広い空も、それよりも大きい宇宙の中にふくまれる。大きな宇宙への 驚き。それは「夏近し」で言い尽くされている。雲の上は、何時でも 快晴だという常識は、作者には関係ないこと。すばらしい宇宙の空を 体感すればよい。 桜桃のはしごかけらる大きさに 戸原 琴 桜桃が熟れるころの空は、どうでしょう。濃い緑の葉の中に、かわい く熟れる桜桃をいっそう詩的に感じさせてくれ色合いです。はしごを かけて、桜桃をとるのでしょうか。ちょうど、はしごの高さなのです 。桜桃とはしごの二つが持つ取り合わせは、「少年の心」ですね。 薔薇つぼみふくらむ朝に旅立ちぬ 藤田 洋子 旅立ちの朝、家の中、そして庭の様子をしっかりと胸に収めています 。留守にする家を、点検するうちにも、薔薇は、つぼみをつけて、作 者の旅立ちを詩情ゆたかにしてくれます。清潔でやさしい句ですね。 天龍の蛇行の形(なり)に山若葉 徳毛あさ子 天龍川の流れを空から見ると、蛇行しているのがよくわかる。蛇行そ のものも自然の大きな営みと長い時間を想起させるもの。その蛇行の 形のままに、川沿いは、若葉のみどりが見て取れる。川も山も今を生 きている。 花こぶし白の幾片残る空 建川 茂 こぶしの花が咲き終わる頃、それでも、空には、数片の白い花びらが 、残って風にひらひらしている。こぶしの花を惜しむ気持ちがさらり と詠まれている。空にぬけるような、淡々とした気持ちがいいと思い ます。
水煙6月号校了。青葉図書の専務さん来宅、手渡す。 今日の俳句 みやこどり波の寄せ来る音もして/正子 春宵を地酒並べてほがらかに/正子 今日の鑑賞/高橋信之(水煙大会第2回句会より) ゆっくりと初夏の夜風が川に沿い/霧野萬地郎 (隅田川の夜景をゆっくりとした時間が過ぎていく。ささやかだが、 充実した時間。) 春の闇鉄橋黒くふくらます/戸原琴 (ふくらんでいくのは、作者の内面でもあろうと思う。存在のある句 。) ほたるいか煮られて黒き色となる/徳毛あさ子 (写生だが、印象の強い句。) 枝先に重さを見せて八重桜/北村勇治 (精神の充実が隅々まで行き渡っている。「枝先」にも行き渡ってい るのである。) 春宵を地酒並べてほがらかに/高橋正子 (水煙東京大会の夜が「ほがらかに」過ぎて行く。出世間の俳句仲間 の集まりである。)
砥部真砂家本店で、水煙200号記念大会の最後の句会を行う。これ は、4月30日に予定していた句会の締めくくりが出来ていなかった ため、今日の打ち上げ会で行うことになった。水煙は俳句を志す人た ちの集まりなので、何事においても俳句を抜きにしては、ありえない ことを、水煙の皆様に、ご承知願いたいと思う。出席者は信之先生、 哲斉さん、弘子さん、洋子さん、晃さん、正人さん、それに正子の七 人。この句会をもって、水煙200号記念大会を終わりとする。 本日の句会での句。 風に吹かれはや草の穂の出はじめる 信之 ハングライダー五月の空の果て探す 哲斉 灯のこぼれ新茶の匂う奥座敷 弘子 藤揺れて池の深さに影映す 洋子 皮置いて筍掘りの帰りけり 晃 口紅の明るさ増して更衣 正人 満天星に水はくらきを流れ来る 正子 今日の俳句/高橋正子 満天星に水はくらきを流れ来る 竹幹に春の夕日のきりりと差し 流れ来て春水それはもう日暮れ 竹の秋秀先いろづかせる夕日 春夕日句帖にわが手の影を生み 今日の鑑賞/高橋正子 皮置いて筍掘りの帰りけり 吉田 晃 「皮置いて」という見方がユニーク。置いていかれた皮が、いきいき している。この世の実相のような気がする。
午前中は、留守番のご褒美に句美子と買い物。そごうと紀伊国屋。夜 は、塾。ドイツ語の俳句と詩がメールで送られてくる。Horst Ludwig, toni vagner, Wolfgang Johann Krainer の3人。 今日の鑑賞/霧野萬地郎 山藤の色濃き朝の晴れあがる 吉田 晃 (山藤は棚藤より一層この句を鮮やかなものにしていると思います。 鎌倉の見事な山藤を思い出しました。) ぼうたんの崩れて花瓶の胴の張り 相原弘子 (花瓶に活けてある牡丹の花の変化と、その崩れに相対的に花瓶の 質感アップを上手く捉えていると読みました。) 乾杯のグラスの鳴りて夏来る 藤田洋子 (この句も夏を迎える清々しい様子が、涼しい冷酒(ビール?)の 乾杯と共に伝わって来ます。)
夕べ「芭蕉の世界」を少し読んだが、深川辺りを歩いたせいか、芭蕉を 楽しんで読めるようになっているのに、気づく。刺し子で花ふきんを作 る。針目をようやくふっくらさせるコツを覚えた。夜は、塾。 今日の俳句/高橋正子 花蜜柑針持つことのやすらけし 野茨の花を集めて書にはさむ 新緑の目に泌み遠く眺む癖 今日の鑑賞/高橋正子 朝まだき豆腐を買いて山椒の芽/守屋光雅 (ひんやりとした朝の空気に山椒が芽吹き、白い豆腐を買い戻る。「 朝まだき」の音が、固いもめん豆腐を想像させる。あたたかい朝餉 をしつらえて、今日一日が始まろうとしている。) 新緑は色かさねあい山丸くし/目見田郁代 (やわらかな、そして様々な色合いの新緑が見て取れるようです。「 色かさねあい」が作者の言いたいところでしょう。松山の城山のよ うにも思えます。)
今日は暑くてお昼は、小豆島のそうめん。朝のうち買い物。新ごぼう、 なす、蚕豆、レモンそのほかを買う。すっかり夏野菜。大会で戴いた プレゼントの中の、和手ぬぐい二枚を合わせ、暖簾を縫う。かつお縞 にほととぎすと藤の花の絵柄。句美子の云うには、「違う柄だけど、 全然違和感ないね。」午後と夜は、いつも通り塾。模試が近づく。 今日の俳句/高橋正子 お菓子「二人静」 うす紙の二人静かも薄暑なる 新牛蒡葉をすっぱりと切られたる 今日の鑑賞/高橋正子 麦黄ばむ風のうねりがひとつ過ぎ/相原弘子 (麦が熟れ始めましたね。風が麦畑でひとうねりするとき、麦畑は、 大きく波打って日の光に輝いています。おおらかなうねりと「麦黄 ばむ」の色彩感覚がいいですね。) 半袖の子ら垂直に一輪車/碇 英一 (かなり上手に一輪車を乗りこなしていますね。身の軽さはサーカ スの子どものようです。初夏の楽しさが軽く詠われています。「垂 直に」は、巧みな表現ですね。)
砥部の家に行く。庭に咲いている都忘れ、おだまき、すずらん、ゆき のしたを少し掘り起こして、マンションに持ち帰る。「水煙」と銘の 付いた宮本松次郎さんからいただいた蘭の二鉢も持ち帰る。公司さん が来て、自宅の藪で出来た筍の茹でたのをくれる。元から電話。「桑 の実はどんなのか。お正月料理にあるあれはなにか。」と。本でも読 んでいるのかしら。桑の実は、まだ食べたことがない。 今日の俳句/高橋正子 草の揺れわずかにありし立夏かな ひるがえる燕に川は空映す 今日の鑑賞/高橋正子 大欅一樹丸ごと若葉なる/碇 英一 (何はどうあっても、大樹というのは、いいですね。「樹は精神そ のものである。」という脩先生の言葉を思い出しましたし、私もそ ういう実感があります。それが丸ごと若葉なら、若さに満ちた精神 ということになります。それはともかく、大きな樹の明るい若葉は 素敵ですね。)
午前中、主人と水煙大会の句の整理をする。岡本栄一先生、桜子さん より、水煙大会のビデオが送られてくる。落ち着いたら見るつもり。 午後早めに夕食の準備。元より電話。「魚は何があるか。」と。「め ばる、いさき、ほご、鯵。」と答えておく。なんだか、禅問答のよう な短い電話であるが、今、旬の魚と言えば、このくらいが思いつく。 今日の俳句/高橋正子 たけのこずしふだんのままの夕べなり たけのこずし少し光るをうつむき食べ 今日の鑑賞/高橋正子(水煙200号記念大会作品より) みちのくの花曇抜け隅田川/守屋光雅 (みちのくは、今花のとき。旅立つ日は、高い曇り空。その曇り空を 抜け出て着いた東京の隅田川。隅田川をこの目で見た、たしかな嬉 しさが伝わってくる。) 紫雲英田の向こうの富士は雲少し/古田けいじ (新幹線からの景色でしょう。列車から見える紫雲英田は、子どもの頃 から変わらぬ、日本の風景ですね。紫雲英の花の色が懐かしさを誘い ます。裾野を遠く広げた富士山に雲が少しかかって、いっそう優しい 風景となっています。この日、飛行機からの富士山は、真っ白い春の 雪をかむっていました。) 空気まで軽い春の夜散歩道/渡辺京子 (春の夜の心地よさといったらありません。どこまでも歩いて行きた いくらいです。空気も軽く浮いて、天女の衣に掬われて、舞い上が っていくような感じですね。) 東京の雑踏に馴れつばらめ/野上哲斉 (上京して思うのは、あの雑踏にもすぐ馴染んで、自分が今どこから 来たか考えなくなっていることです。蝶や、燕などいれば、どこか ら来ようと今居るところは、気持ちの中では、たちまち故郷なので す。蝉がよく鳴き、蜻蛉が飛べば、新宿だってとても近しいところ だと感じたことがありました。)
空無我堂のパソコン教室。大正12年生まれの婦人が教室に入る。昼休 み松山大学の図書館に行き、閲覧証を作ってもらう。 今日の俳句/高橋正子 唐木順三の本 若葉光背文字の金の古りし色 欅若葉木下を伝い図書館まで 今日の鑑賞/高橋信之 稲武古橋懐古館 鯉幟上手い具合に山の風/古田けいじ (いい俳句が「上手い具合に」出来あがりましたね。「山の風」は、 自然の恵みの風です。) 厚切りの新玉葱の甘さかな/碇 英一 (英一さんの良さが充分に出てきた句です。写生がよく、それでいて 、作者の思いも伝わってきます。)
今日の俳句/高橋正子 明けそめて新樹のいろがまず浮かぶ 俳句掲示板のコメント 乾杯のグラスの鳴りて夏来る/藤田洋子 「カチン」と交わすコップの音とビールの泡、まさに「夏来る」ですね。い ける口ではない私ですが、みんなでいただく最初の一口の味は格別です。 (八木孝子) 水を汲む音の垂直明易し/相原弘子 深い井戸なんでしょうね。朝の洗顔の為に汲む井戸水の音遠い昔を思い出 されて貰いました。(堀佐夜子) よもぎ餅繊維が喉を通り過ぎ/守屋光雅 手搗きでしかもよもぎが新鮮なものを入れるとどうしてもよもぎの繊維が 餅に混ざります。 餅を食べたときよもぎ独特の香りとともに繊維が喉を 過ぎる感覚を実感いたしました。(碇 英一) 青嵐背を向け森のざわめきて/大谷悦子 森の木々を揺り動かすほどの青嵐の強さ、そしてざわめく森に句の風景の 大きさを感じます。(藤田洋子 )
今日の朝日に詩人の平出 隆氏が、「現代詩と定型詩 越境して見えたもの ーー日本詩歌の多面体」という記事を書いていた。その中に、「詩論は大切 である。だが、論に結んだようないまの現代詩の分野では、欲しいのは、あ たりの空気を変えるほどの清爽で芳醇な作品だろう。」と言っている。俳句 でも、あたりの空気を変えるほど清爽な作品が望まれているのは、前々から のことと思う。しかし、現実は、大変困難なことである。 今日の俳句/高橋正子 花茨雨はいずれか冷たかり 俳句掲示板のコメント 窓に入る風ふくらんで今日立夏/日野正人 正人さんには今回初めてお目にかかりましたが、この作品は正人さんご自 身ですね。さわやかで、明日への期待にあふれています。(伊嶋高男) 麦笛のいろいろの音集まれり/吉田 晃 広々とした麦畑を音から感じます。麦笛はどんな音がするのですか?(霧 野萬地郎) 萬地郎さんありがとうごさいます。 麦畑も少なくなり、麦わらで遊ぶ子どもはいなくなりました。昔、お兄ち ゃんたちが鳴らしていたビーッというあの音が思い起こされます。素朴な 音が消えてしまいつつあるのが残念です。(吉田 晃) 新樹光さても南京玉すだれ/伊嶋高男 この句のすばらしさは、深川風景がすんなりと、しかもいきいきと描かれ ていて、得意顔の高男さんがそこに見えてきます。(野上哲斉)
今日の俳句/高橋正子 青ポプラまたたく間に明けそよぎ出す 今日の鑑賞/高橋信之 新緑の山めがけ蹴るサッカーボール/日野正人 (まさに新緑の季節である。じくじくしていないのが良い。思いっきりが 良い。 花林檎川の蛇行の光りけり/守屋光雅 (美しい風景を見せていただいた。スケッチがいい。) 村ざかい葉桜つなぐ山のみち/森 隆博 (私の好きな句。村ざかいを「葉桜」が繋がっている。自然の力強い命が 繋がっている。)
塾生の高校入試模試、自宅で午後3時まで。尾形仂の「芭蕉の世界」を再読 。隅田川の三つ股、万年橋、小名木川など思い起こしながら読む。芭蕉がリ アルに感じられるのは、先日の深川散策の効き目か。 今日の俳句/高橋正子 朝の日にぎしぎし日焼けはじめたり ぎしぎしにかの日の朱(あけ)の変わらずに 今日の鑑賞/高橋正子 我がこころ少年のまま衣更/森 隆博 (いかにも爽やかな句です。衣更の爽やかさが言い尽くされています。ト ム・ソーヤーや、ハックルベリー・フィンを読みますと、少年というのは 、人間の中でもっとも詩的な部分という感じがします。少年のこころは、 人間いつになっても忘れないで欲しい心ですね。) 黒き幹の若葉斜めに日を入れて/目見田郁代 (黒い幹と若葉の色が目に浮かんで、とても印象の強い句となっています 。「斜めに」と見たところは、観察が確かでよいと思います。)