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今日の俳句 柿食べてふと思い出すことなどを 信之 暗幕垂らして秋深きパソコン教室 〃 沖を見て夜霧見ていて今日を終える 〃
今日の俳句 布製の鞄を肩に冬近し 信之 柿蜜柑その他を卓に夜の団欒 〃 秋の暮れ雲空色に透けてくる 〃
今日の鑑賞 ■花を剪る十一月の始まりに/相原弘子 「花を剪る」という行為によって、月日のけじめがついた 。前向きの姿勢がよく、前向きの生活が見える。(評:高 橋信之) ■湯煙と霧立ち昇る山濡らし/霧野萬地郎 「山濡らし」が、詩的な表現で、作者の感動が伝わってく る。山と森は、都市生活者にとっての癒しの場。原句は、 「山濡らし霧立ち昇る湯煙と/萬地郎」で、添削は、高橋正 子による。(評:高橋信之) 今日の俳句 文化の日今日一日の充実に 信之 菊鉢の小さな買物して帰る 〃 玄関に菊鉢置いて詩人の居 〃
今日の鑑賞 ■温室の巨き葉先の滴りぬ/伊嶋高男 中七の「巨き葉先の」は、写生の効いた表現で、イメー ジが鮮明である。下五の「滴りぬ」は、おさまりがよい。 上五の「温室」は、冬の季語。(評:高橋信之) ■ゆどうふの湯気まるごとに喉越さる/碇 英一 「まるごとに」は、思いきった表現だが、「喉越さる」 と続き、リアルである。(評:高橋信之) ■すすき咲く土手に変えよう散歩道/祝 恵子 楽しいリヅムのある句。「変えよう」で切れ、下五の「 散歩道」と続くリヅムが楽しい。(評:高橋信之) 今日の俳句 残る虫ときに鋭く風に鳴く 信之 えのころ草の群生遠くから夕日 〃 中空の半月の弧の確かなる 〃
今日の鑑賞 ■蜜柑剥く海の蒼さを沖に見て/野田ゆたか 日常どこにでも見る風景だが、作者の静かな姿勢がよい 。それでいて、力強さがあるのは、作者の生活のよさに あると思う。日常生活の強さなのである。(評:高橋信 之) ■全山の紅葉へ瀬音ひびきけり/八木孝子 言葉の技巧が無い。上五の「全山」と下五の「ひびきけ り」は、作者の感動を伝えて充分である。技巧が無いの で、力強いのである。(評:高橋信之) ■草の実を求め小鳥の低い空/霧野萬地郎 観察が良くて、抒情のある句。写生の基本がしっかりし ているので、作者の感動を安心して読むことが出来る。 (評:高橋信之) 今日の俳句 寝ころんで空見て秋の草匂う 信之 蜻蛉現われ十一月の日の光り 〃 柿の実の枝に重さの垂直に 〃
今日の俳句 秋高し息を大きく吸う朝に 信之 マンションの四角四角が秋天へ 〃 白雲の厚みよ冬はまだ先に 〃
今日の俳句 秋夕焼けして今日一日の終わり 信之 葉が軽くなって樹を離れる前に 〃 立冬のゆるやかな坂行き戻る 〃
今日の鑑賞 ■鶏頭の花の重さを持て余し/目見田郁代 この句を生かしているのが下五の「持て余し」で、鶏頭 の色も姿も鮮明に見えてくる。(評:高橋信之) ■背負い籠に柿紅葉の運ばれし/戸原琴 作句の対象となった情景が新鮮なのは、作り手の心が生 きいきしているからで、言葉のリズムがよい。(評:高 橋信之) 今日の俳句 銀杏の青あお落ちて拾われる 信之 冬晴れのわが歩く足音を聞き 〃 枯芝に子ら遊ばせて夕餉まで 〃
今日の鑑賞 ■神無月玻璃戸に透る外の声/相原弘子 昨日今日の季感を感じさせる句。「神無月」は、陰暦の 10月で、新暦では使わない。今年は、新暦10月27 日から11月25日が「神無月」である。(評:高橋信 之) ■ミニバラの赤きを立冬の北の部屋に/戸原琴 この作者の句には、破調が多いが、作者独自のリズムあ って、真似の出来ないのがよい。(評:高橋信之) ■秋夕焼け大山の尾根なだらかに/堀佐夜子 固有名詞「大山」を使って、いい思い出を記録した。無 理のない句。言葉が「なだらかに」である。(評:高橋 信之) ■森の奥銀杏落ちる硬い音/伊嶋高男 男っぽい写生句だが、作者の感動が伝わってくる。詩が ある。(評:高橋信之) ■背黒五位流れの中の冬迎え/堀佐夜子 「冬迎え」た五位鷺である。生きて行くには、春夏秋冬 の季節の流れに逆らわない。それが自然界の生き方であ ろうと思う。(評:高橋信之) ■「柿狩り」の看板ごとに路曲がり/目見田郁代 ご夫婦か、親しい知人か、それは問わなくとも、楽しい ドライブである。楽しい句である。(評:高橋信之) 今日の俳句 デンマークカクタスという冬の花 信之 一枚の玻璃初冬の漆黒に 〃 辞書開き夜寒の黒い文字を読む 〃
今日の鑑賞 ■空港の冬となりいし玻璃全面/高橋正子 句に季感を与えているのが「冬」で、単なる説明の季語 ではない。詩の言葉である。「全面」がいい。空港の広 がりが出た。(評:高橋信之) ■遠山の稜線まろし冬に入る/藤田洋子 四国松山の自然は、穏やかで、そこへ今年の冬が来る。 まろく穏やか句である。(評:高橋信之) ■列車行き秋冷の風ホーム渡る/三浦絹子 作者の驚きがある。驚きは、俳句や詩の原点である。( 評:高橋信之) ■枯れ芝に靴脱ぎ走る幼な子ら/守屋光雅 「幼な子ら」に向けられた視線がいい。出来るようで出 来ない行為である。(評:高橋信之) ■葱を手に友と姪とが道の駅/堀佐夜子 詩のある生活がいい。無理のないのがいい。(評:高橋 信之) 今日の俳句 壷の水吸い上げ菊の輝く白 信之 初冬の白き灯に白きもの多し 〃 冬の句を記して今日の日記閉づ 〃
今日の鑑賞 ■奥へ紅葉丘なだらかにハーブ園/祝恵子 晩秋の穏やかな日和の行楽である。家族か、あるいは、 親しい知人か、楽しい団欒が見えてきて、読み手も楽し くなる。(評:高橋信之) ■日時計の仮想空間帰り花/野田ゆたか 暖かな冬である。日時計の「仮想空間」のいい働きで、 季語の「帰り花」が生きた。(評:高橋信之) ■木枯らしや「ま」組火消しの絵馬が鳴る/霧野萬地郎 「木枯らし」の季節は、決して軽いものではないが、句 が重たくないのがよく、俳句の良さを生かした。作者の 生活信条なのであろうか。(評:高橋信之) ■小春日和の空に校歌の高らかに/日野正人 平和である。平和な世を詠むことが出来るのを嬉しく思 う。(評:高橋信之) 今日の俳句 白菊のそこらの光り集めて光る 信之 初冬のもろもろの音地を這う音 〃 亜浪忌の時の流れのその中に 〃
今日の鑑賞 ■露天風呂半月天心散る紅葉/堀 幹夫 写生句である。作者の位置がはっきりしている。見えて くるのである。(評:高橋信之) ■月澄んでガラス巡らす研究棟/高橋正子 慶応の湘南藤沢キャンパス。夜が更けても灯りは消えな い。キャンパスに月が澄んでいて印象深い。(評:高橋 信之) 今日の俳句 冬菊の庭に明るく無造作に 信之 一枚の葉が落ちてわが肩を打つ 〃 樹を離れ木の葉が帰る地へ帰る 〃
今日の鑑賞 ■栃落葉大きな秋の終りけり/伊嶋高男 高男さんの良さが出ています。大きくて潔い句で、代表 句「炎昼や明神下から野郎ども/高男」を思い出しました。 (評:高橋信之) ■夕仕度手元香りて蕪剥ぐ/目見田郁代 日常を充実させて、俳句も充実する。生活と芸術とが不 即不離のいい生活である。(評:高橋信之) ■さくさくと落葉ふむおと陽の温み/阪本登美子 冒頭の上五「さくさくと」で始まる快いリズムが一句を 支配した。中七と下五との切れが良く、いいリズムを作 った。小春日和の「陽の温み」が伝わってくる。(評: 高橋信之) ■鳰潜るビルに夕日の美しきとき/北村ゆうじ 「美しき」は「はしき」と読む。自然と人間との共生を 思い、美しい。(評:高橋信之) 今日の俳句 冬菜みずみずしく畝の幾列も 信之 池土手の枯草踏めば脚に弾む 〃 落葉する時が来ていて樹を離れる 〃
今日の俳句 ひつじ田の無数の葉先に空のある 信之 葉が枝を離れ落ちるも離れぬも 〃 十一月のカンナの朱と黄が強し 〃
今日の鑑賞 ■校舎杉子等かけ抜けて冬に入る/祝 恵子 すっくと伸びた杉は、冬に入ってもますます元気な子ども 達の象徴。子ども達が幸せでなければ、その民族の未来は ない。(評:高橋信之) 今日の俳句 黄落の空よ今日のよろこびに 信之 冬の月丸く地球も丸いと思い 〃 黄葉してポプラの夕べ軽くなる 〃
今日の俳句 桜紅葉を透かして朝の明るい空 信之 マンションの階の落葉を踏み上がる 〃 鴨が来て池よろこびの漣を 〃
今日の俳句 落葉掃き集められ黄の色の山に 信之 雨に濡れ乾き黄葉の濃き色に 〃 黄落の朝のひろびろした世界 〃
今日の鑑賞 ■冬らしい気温の旦空がいい/相原弘子 それぞれの季節には、それぞれの良さがあって、朝の空気 がいい。朝の空がいい。(評:高橋信之) ■空高く白雲明るし冬の旅/岩本康子 作者の性格が、そのままでてきたような句。開放的な明る さがよい。(評:高橋信之) ■寒鯉の締まるあらいと竹酒と/霧野萬地郎 軽い写生句であって、市民の生活が楽しく、その楽しさが 読み手にも伝わってくる。(評:高橋信之) 今日の俳句 初冬の壁垂直に真っ白に 信之 風の樹の十一月の夕焼けに 〃 暮れてゆく空の黄葉の濃き色に 〃
今日の鑑賞 ■そこだけがひときわ明るく桜紅葉/岩本康子 「桜紅葉」に絞り込んで、それを句の終わりに置いた。 「そこだけ」、「ひときわ」、そして「明るく」と畳み 掛けて下五の「桜紅葉」を際立たせて、力強い句。(評 :高橋信之) 今日の俳句 葉を落とし空に親しきポプラの樹 信之 一抱えして冬薔薇のどれもがピンク 〃 冬の夜の紙の平らに四角なる 〃
今日の俳句 ひつじ田に語りかけたく見て歩く 信之 雨降る空と直に語っている刈田 〃 黄落のはげしさに雨降る日暮れ 〃
今日の俳句 芒の穂の閉じて夕べの空が高い 信之 踏切の棒の二本が冬空へ 〃 いいことあって桜もみじの明るい夕べ 〃
今日の鑑賞 ■公園の噴水硬し冬来れば/碇 英一 技巧があるように見えるが、率直な句。心がまっすぐに 対象の風景に向かっている。(評:高橋信之) ■剪定終え木々の丸さを冬空へ/日野正人 言葉に無理がない。作者の心が柔らかなのである。(評 :高橋信之) 今日の俳句 暮れてゆく空の光がどんぐりに 信之 海の向こうに冬の日の落ちてしまい 〃 枯芝のなだらかな起伏を歩く 〃
今日の鑑賞 ■美(は)しきものみな地に返し山眠る/北村ゆうじ レベルの高い勝れた句。作者の心境がいい。心の姿がい いのである。(評:高橋信之) ■ポプラ黄葉雲寄り雲のまた流る/高橋正子 単なる写生に終らずに、現象の奥を見ているので、句に 広がりがある。いい句だ。(評:高橋信之) 今日の俳句 椿咲いて語りかけたき出会いなる 信之 手のひらの木の実こきこき木の音を 〃 木の橋を歩き木の音紅葉降る 〃
今日の鑑賞 ■風なくて花の重みに山茶花揺れ/目見田郁代 「風なくて」は、見えないものを見たのである。これが 俳句の心であって、作者は、深く感じたのである。(評 :高橋信之) ■短日の西はありあり日を沈め/相原弘子 「ありあり」という強い表現に作者の意思があり、一句 の存在を確かなものにした。(評:高橋信之) 今日の俳句 日が差すも蔭るも黄葉よき色に 信之 欅黄葉のふわふわ落ちて踏み歩く 〃 先の見えぬ線路が続き冷たい光り 〃
今日の鑑賞 ■残る葉も積もる落葉も日の中に/藤田洋子 「日の中に」あって、いい風景である。共生する幸せを 思う。待てば、日の光は、すべてを照らし、すべてを輝 かしてくれる。(評:高橋信之) 今日の俳句 松山・三津 冬晴れて長い時間の港町 信之 冬麗の渡船の機械音軽し 〃 冬雲の今日をのんびりして浮ぶ 〃
今日の俳句 実南天きらきら午後の陽に空に 冬麗の光が沖へ沖へ広がる 冬波をたっぷり吸って堅い砂
今日の俳句 今落ちしばかりの姿の葉の反りに 外灯に照らされ黄葉の明るい黄 暖冬の闇の空気の甘い流れ
今日の俳句 日が差して今朝の薄の穂を広ぐ 空が青い桜黄葉の広がりに 冬雲の底が分厚く黒ぐろと
今日の俳句 十一月二十九日がすっきり晴れ 冬晴の沖へ大きく息を吐く 小春の波の親しく寄せて来し匂い
今日の俳句 師走に入る時の流れの一方へ 平らにして少し斜めの冬渚 沖寒く沖向く足の跡があり