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先月20日入稿予定の水煙5月号が大幅の遅れ。 今日の鑑賞 ■鳥曇り一時帰国の子を送る/安丸てつじ 家族の情が伝わってくる。静かである。感傷といったものではない。
水煙5月号の入稿が遅れる旨の電話を青葉図書へ。 今日の鑑賞 ■遠方の友の来たれば花霙/霧野萬地郎 横浜の三渓園での句会、皆さんで楽しまれたご様子うれしく思いま す。 ■平野の花菜畑真四角黄を密に/目見田郁代 私の好きな句です。情景がはっきりしています。
午前、弘子さんの句集「気流」の最終校正をチェックし、「東京四 季出版」に宅配便で送る。くろねこヤマトの営業所へは、洋子さん 運転の車で弘子さんが発送、正子が付添う。昼食は、弘子さんご注 文の料理で句集出版の前祝い。洋子さん持参のワインで乾杯。 今日の鑑賞 ■前山の膨らみ増しぬ桜咲き/岩本康子 イメージの流れがいい。「前山」、「膨らみ」、「増し」と続く言 葉は、どれも前向き。「桜咲き」で終え、おさまりのいい、大きな 句に仕上げた。 ■この町の交差点には花菜咲く/福田由平 何気ない風景だが、そこを捉えて訴えてくるものがある。私の好き な句である。
午前10時、水煙5月号入稿。青葉図書の村上和興専務に来ていた だく。原稿の出来上がりがこれほど遅れたのは、創刊以来のことで 、この20年での、最も多忙な一と月となった。 吉田晃さんの小論を書き終え、それをメールとファックスで「東京 四季出版」に送る。 えひめ朝日テレビの合田ディレクターから電話。テレビの料理番組 への出演依頼。3月出演の予定を多忙のため延期していた。 今日の鑑賞 ■咲く前のざわめき丸き桜蕾/古田けいじ いい「ざわめき」である。幼子たちの「ざわめき」のように楽しい 。作者のやさしさが伝わってくる。 ■桜満開郊外線を乗り降りす/相原弘子 花見の桜ではない。生活の中の桜である。それがいい。 ■見上げたる花の向こうの青い空/岩本康子 大空に包まれ、青色の中にあって桜が鮮明。人間も桜も地上のすべ てが大空に包まれ、生き生きとしている。 ■花トンネル朝の空気と一体に/八木孝子 体全体で受け止めているのがよい。花の空気と「一体に」なってい るのがよい。頭で考えたのではない。
終日、北村ゆうじさんの句集「初商い」の原稿をチェック。多くの 時間をかけての作業。深夜、「初商い」の原稿を「東京四季出版」 にメールで送る。 今日の鑑賞 ■雛納め見るたび空は青一つ/相原弘子 空の「青一つ」に、作者の整理された内面をみることができます。 「雛」と「青空」との対比もいい感覚です。 ■木蓮に吹く風我の胸に吹く/多田有花 「吹く風」によって、「木蓮」と作者が一つになった。同じレベル に立っている。「胸に」吹く風は、強い実感をもって読者に伝わっ てくる。
湊町の事務所で一日を過ごす。午前は、弘子、洋子、そして正子に 手伝ってもらい、事務所の整理。
午前10時過ぎ、正子が近くの久万の台温泉へ。やっと自分の時間 が取れたのである。留守は、句美子と私。 終日、ホームページの更新。夕刻、パソコンショップへ。プリンタ ーのインク、スピーカー、プロッピーディスクなどを買う。 今日の鑑賞 ■春夕焼海よりうまれ海にかえる/戸原琴 写生ではなく、主情の強い句だが、「春夕焼」のイメージが鮮明。 「海」が生きている。 ■おおらかに花を謳いて人集う/山野きみ子 「おおらかに」生きたいと、誰もが願う。「花」に学べばいい。自 然に学べばいい。 今日の俳句 (松山朝美・真光寺) 満開のさくら古木へ歩み入る 信之 花びらの一枚ずつを地に拡ぐ 〃 花びらを敷き詰め寺苑清浄に 〃
今日の鑑賞 ■山一つふくらましをり遠桜/芦本照代 ゆったりした風景で、作り手の心がふくらんでいます。 読み手の心も大きくふくらんできます。いい句ですね。 ■甘き香につつまれ本堂花祭り/さるのこしかけ 句の構成がしっかりしていて、いい感動があります。 ■入学のざわめきの朝子らの声/都 「ざわめき」が快く聞こえてきます。嬉しい「ざわめき」 で、誰もが明るい気持ちになります。 ■土筆折る音はかすかに指で聞く/静水 「指で聞く」に技巧がありますが、実感を損なうもの でなく、句が生きています。 今日の俳句 やさしさもかなしさもあり夜桜は 信之 あせび今盛りで庭の落ち着きに 〃 春灯の四角なビルの映る池 〃
今日の鑑賞 ■山桜二人に晴天賜りし/古田けいじ 「二人」は、ご夫婦であろうが、四国遍路の「同行二人 」を思い浮かべた。たとえ一人ぼっちの遍路であっても 、お大師さんが共に居る、という「同行二人」である。 いつ、どこでも、誰かと共に居る、と自分に語りかける ことが出来ればいい。 ■道行きのうれしさ花の吹雪くなか/福田由平 「道行」は、浄瑠璃、歌舞伎狂言などでの、限定された 使い方があるが、「道を行くこと」、「旅をすること」 の意味に取った。目的は、大したことではない。「花の 吹雪くなか」を、「行くこと」の「うれしさ」である。 今日の俳句 鳥たちが来てにぎやかに花降らす 信之 花降っているその一片が大き 〃 花散らしてしまうことにも樹の勢い 〃
湊町の事務所で一日を過ごす。事務所の仕事を弘子さんと正子が手 伝う。 午前10時からの2時間、朝日新聞記者の取材を受ける。全国版に 掲載の予定。 正午前、水煙5月号の校正ゲラを事務所に取りに来てもらう。 午後、一階の会議室でのベンチャービジネス協議会に出席。 今日の鑑賞 ■薔薇一輪持って地下鉄新入生/古田けいじ 読み手の思惑の入らない、言葉通りの句で、素直に 読めばいい。 ■ランドセル鳴らし登校麦青む/吉田晃(添削) いい句ですが、言葉の訓練が必要です。 <麦青むランドセル鳴る畦道に/原句> <ランドセル鳴らし登校麦青む/添削> 季語「麦青む」で、日常語とは違い、「畦道」を読み取ら なければなりません。それには、長年の修練が必要です。 季語以外の言葉は、より詳しい写生です。 今日の俳句 下萌の地に立ってその確かさに 信之 落花踏みつつ階下りてまた上る 〃 いち日のあっという間に葉桜に 〃
正午前、水煙5月号を校了とし、青葉図書専務の村上和興氏に渡す 。その後、衣山の自宅で歓談。 今日の鑑賞 ■真新しい靴幾列も新入生/日野正人 「新入生」は、季語として不安定で、いい例句も ないが、「新入学の生徒」という意味で、季節に 問題は無い。いい俳句が生まれたならば、季語と して定着する。この句はいい。 ■花屑の流るる速さと歩みけり/八木孝子 自然の流れに身を任せるのはいい。安らぐのであ る。 ■春昼のピエロの眼動きけり/戸原琴 全くの写生句なのだが、作者の心の動きが伝わっ てきて、インパクトの強い不思議な句である。 今日の俳句 たんぽぽの絮のふくらみ風の中 信之 えんどうの花開き眼にやさしい白 〃 少しの花でいい玄関のパンジー 〃
今日の鑑賞 ■花の湯に花の疲れを溶け込ます/堀佐夜子 主情の勝っている句だが、読者の解釈が迷うことはない 。作者の訂正があって、<花の湯に花の疲れの四肢伸ば す>となったが、どちらの句もいい。 ■卵割る朝の囀り聞きながら/藤田洋子 明るい一日の始まりである。多忙な朝の主婦のいい生活 俳句である。 ■紅に大地を染めて桜蕊/右田俊郎 素直な写生句だが、そのことが力を得て、鮮明な景を読 み手に伝える。 今日の俳句 春暁のひとりの時間抹茶飲む 信之 春陰の去りゆく後姿の子 〃 春昼の空気を鳴らし布団を叩く 〃
午後、朝日新聞記者の取材。自宅のパソコンルームの写真撮影。 今日の鑑賞 ■囀りの声が聞こえて雨あがる/祝恵子 力まないのがいい。俳句はそういった詩であって、しっ かりした生活感情に根差しているか、が問われる。 ■羊歯萌えてしんとしている雑木山/多田有花 ときには、人間を離れて、自然の中に入っていくのがい い。「羊歯」がいいのである。「雑木」がいいのである。 今日の俳句 山も野も若葉となって地に厚み 信之 新じゃがの地中に太る葉がそよぎ 〃 葱坊主に大小のあり日がさんさん 〃
今日の吟行は、午前9時、伊予鉄古町駅に集合し、萱町商店街を散 策。山越のレストランで昼食の後、句会。参加者は、弘子、洋子、 正人、正子、晃(投句)、そして私の6名。 今日の鑑賞 ■枝広ぐ欅新樹に風軽ろし/碇 英一 「軽ろし」がいい。心軽やかに「新樹」の季節を迎え、 日常の生活にも張りが戻ってくる。 ■葉桜の下で広げるお弁当/多田有花 お花見ではない、葉桜の良さがある。仲のいい者同士の 語らいがある。 今日の俳句 万国旗風にひらひら筍売られ 信之 地の筍地の蕗売られ町いきいき 〃 大通り銀杏若葉の色に染まる 〃
今日の鑑賞 ■七分咲き角封筒の花だより/小峠静水 明るい「花だより」です。花らんまんを予測させて、 「七分咲き」が嬉しい。 今日の俳句 神苑にかぶさってくる楠若葉 信之 筍の四角な籠の大盛りに 〃 耕しの両足のしっかと大地に 〃
国連プログラム「世界詩の日」のアンソロジーの原稿をメールで送 り、一連の国連プログラム参加は、一段落する。 午後5時前、東京北区の平川康子さんから電話。水煙購読者になっ ていただく。新潟の磯部勇吉さんも新規の購読者に。 午後5時過ぎ、水煙5月号が刷り上る。発送の準備。 今日の鑑賞 ■竹秋の風の軽さを部屋に入れ/戸原琴 「竹の秋」の季節である。次の世代へと、筍が勢いづく。 そこを「軽さ」と見たところがいい。 ■九十九折いきなり春の富士に会う/多田有花 「いきなり」が作者の感動のすべてである。富士の美しさ、 山歩きの醍醐味を読者に伝えてくれる。 今日の俳句 蕗の色土の色して店頭に 信之 えんどうの花どっさりと農がよし 〃 からたちの花垣に沿い海へ歩く 〃
午前10時、水煙5月号を近くの衣山郵便局から正子が郵送。 午前を湊町のMITZ松山のパソコン教室。 今日の鑑賞 ■海や山の色折り込まれ春物服地/日野正人 「海や山」を取り込んで、大きな俳句だが、「春物服地」 に、いい生活感情が込められた。 ■不戦の碑薔薇の新芽に囲まれて/古田けいじ 「不戦」の思いがいい。「新芽に囲まれて」いるのがいい。 今日の俳句 海に近づけば花桃に風強し 信之 春光集めて虫眼鏡のふくらみに 〃 春暁の先ずは暮らしの水の音 〃
掲示板の書き込み、ホームページの更新、パソコンの整備等で一日 の殆どをパソコンの前で過ごし、休みを取りながらのほどほどの仕 事を楽しむ。 今日の鑑賞 ■蝶生まる空どこまでも青々と/藤田洋子 胸内が膨らんできて、いいことがありそうな予感。 嬉しい俳句です。 今日の俳句 若葉となっているポプラの大きな木 信之 海からの風に新樹の大きな揺れ 〃 夏近しと思う温度の中にいる 〃
午前4時起床でインターネットの仕事を済ます。午前4 時から6時までは、多くが睡眠中なので、アクセスが楽 になる。私には快適な時間帯。 午前11時に家を出て海へ向かう。自転車に乗っての一 人吟行で、海を見ながらの軽い昼食。午後2時帰宅。 今日の鑑賞 ■ひときわに高く欅の若葉なる/碇英一 言葉に無駄が無い。作者の思いがそのまま言葉となり、 うまく17音におさまった。 ■三椏の花咲くところ光あり/多田有花 「三椏」は、高さ2メートルほどの落葉潅木で、樹皮は 製紙原料となる。3月末、葉の出ない前に、黄色のかわ いい「三椏の花」を枝先に付ける。山蔭に咲く目立たな い潅木なので、「光あり」が生きた。 今日の俳句 柿若葉白く輝き今日の晴れ 信之 若葉風匂う坂なり海に出る 〃 春昼の長い時間の眼は沖へ 〃
芦本照代さん(東大阪市)、安増恵子さん(北九州市)、安増美喜 子さん(北九州市) が水煙新会員に。 今日の鑑賞 ■春の蕗茹でてみどりを漲らす/山野きみ子 「蕗」は夏の季語だが、4月ともなれば、筍、蕨と並んで、八 百屋の店頭を賑わす。「春の蕗」である。「みどりを漲らす」 は、野生のみどりであり、元気を与えてもらう。 今日の俳句 新樹大きく揺れて玻璃全面に 信之 そら豆の風に吹かれて葉の厚し 〃 どの若葉もういういしくて風のなか 〃
午後、湊町の事務所に出掛ける。四国インターネットの水田さ ん等と協議。 今日の鑑賞 ■沙羅の木の芽吹けるままに売られけり/八木孝子 「沙羅」は、沙羅樹(沙羅双樹)、あるいは夏椿のことで、この 句の場合はどちらに取るか、作者の勝手となる。私は、「夏椿 」とした。「沙羅の木」の売り手も買い手も、白色の涼しげな 花開く夏を思い、楽しむ。 ■秀吉の真筆豊か花の歌/霧野萬地郎 「秀吉」と「花」との取り合わせがいい。「秀吉の真筆」と「 花の歌」との取り合わせがいい。作者のいい内面を見せていた だいた。内が「豊か」なのである。 今日の俳句 暗からず明るからずの若葉雨 信之 踏切の棒の突っ立ち若葉雨 〃 若葉雨土曜の午後の明るい町 〃
今日の鑑賞 ■きのうより多き光に楠若葉/岩本康子 「きのうより多き」は、いい発見である。日々の移り変わり、 季節の変化に生命の輝きを見て喜ぶ。これが感動の原点であろ う。 ■春の雨木々の葉全て滴持つ/日野正人 若葉雨である。みずみずしい季節である。表現に推敲の余地が あるのも、そのままで句がみずみずしい。 今日の俳句 春深し糠漬け茄子の濃き紺に 信之 良しとすること多し若葉風吹く 〃 わが前の若葉して盛り上がる山く 〃
正子、午前9時松山空港発のJALで、私用の上京。 今日の鑑賞 ■十和田湖の水の蒼さや蕗のとう/多田有花 十和田湖を訪ねたことは無いが、実感をもった風景が伝 わってくる。「水の蒼さや蕗のとう」の写生が鮮明であ る。東北地方の春は遅い。 ■春竹の一本ごとに揺れを持ち/目見田郁代 「春竹の一本」ずつのすべてが見え、そして「揺れ」て いるが、どの「一本」も同じ動きでない。いい観察であ る。 ■やわらかに春光集める花の絵皿/三浦絹子 「花の絵皿」がいい。「花」は、歳時記では桜のことだが、 この句は、桜に限らない方がよい。「絵皿」の「花」に、 「春光」も視線も集まって、楽しい団欒が聞こえてくる。 ■菖蒲湯の菖蒲かき寄せ遊ぶ子よ/安増美喜子 「かき寄せ」がうまく子どもの動きを捉えた。子どもらし い世界は、読み手にも鮮明に伝わってくる。 ■観覧車地上は春の色に満ち/安増惠子 ひろびろとした大空に駆け上がったように、「地上」を俯 瞰する。「春の色」もまた、開放的である。子どもと共に いる喜びでもある。 今日の俳句 囀りに遠く旅している思い 信之 囀りのしきりに朝日差す池へ 〃 留守居して玻璃に明るい若葉揺れ 〃
今日の俳句 囀りに遠く旅している思い 囀りのしきりに朝日差す池へ わが前の若葉して盛り上がる山
今日の俳句 ほうれん草のみどり濃く茹でられ皿に
今日の俳句 つつじ咲く朝のきれいな空気を吸う 朝日昇る葉桜の黒ぐろ大き 空へ空へばらの蕾に黄が覗き
今日の俳句 大空を身近なものに囀れる 囀りの遠くに相手あるものと 若葉風入れ団欒の部屋なれば
今日の俳句 藤房の野生の白を高きに垂れ うぐいす鳴く朝の散歩の歩の軽し 葉桜の葉の重なりの幾重にも
今日の鑑賞 ■曇天にそこだけ光り柿わかば/古田けいじ 若葉のみどりは、印象の強いものだが、その中でも「 柿わかば」は、また特別で、「そこだけ光り」を集め ているように光る。いい感覚の句で、その奥にある作 り手の心境を読む。 ■そよ風の鳴らす新樹の音を聴く/右田俊郎 作り手の感覚が充分に働いて、「新樹の音」を見逃さ ない。読み手にも「新樹の音」が聞こえてくる。 今日の俳句 松の芯みな真っ直ぐに朝空に 信之 楠若葉盛り上がりたり城山に 〃 春潮に洗われ石の白きに句 〃 (陸中海岸の石を送らる・高男さん、萬地郎さん、光雅さんの句)
今日の鑑賞 ■筍のリックの膨らみ夫の背に/目見田郁代 楽しさのある句。季節の楽しさでもある。 ■山里の蒼さに高き武者幟/吉田 晃 力を秘めた「山里」の「蒼さ」に「武者幟」が勢いづく。い い季節である。 今日の俳句 若葉雨池の蒼さを深め降る 信之 降って上がって若葉の匂う高階へ 〃 若葉雨降らして今日の陽が西へ 〃