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1999
Haiku Diary 1999/
January
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久万中学校のインターネット俳句への取り組みが愛媛新聞に紹介される。記 事を書いた記者の相原さんは、女性。私への取材は、電話であったが、いい 記事を書く。 今日の俳句 春月のそこは別世界の白で 信之 芽吹く夜を自転車はずませ走る 〃 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) 足元の春草摘んで歩く人 相原弘子 (楽しいこと、嬉しいことは、どこにでもありますね。「心外無仏」と いう言葉を思い出しました。人次第ですね。信之)
正午前、文京区の出版社、同学社を訪ねる。社長の近藤久寿治さんと専務の 近藤孝夫さんに会う。久寿治さんは、東大ドイツ文学科卒業。息子の孝夫さ んは、慶応。昼食を共にする。 午後4時5分松山空港着の便で帰松。 今日の俳句 春雨の舗路踏み歩く都庁前 信之 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) 雛飾る窓に楽しき光り来て けいじ (明るいのがよいですね。何の拘りもなく「楽しき」世界が広がってき ます。読み手を嬉しい気持ちにさせてくれます。信之)
午前7時45分松山空港発の便で上京。渋谷の元のマンションへ。慶応の環 境情報学部に合格。念願の情報学の道へ進むことになる。 午後、お茶の伊藤園を渋谷に訪ねる。伊藤園主催の新俳句大賞に愛媛大学俳 句会の学生、吉盛一也君が最高賞を取った年もあった。47523句の頂点 に立った。1991年、8年前の第2回である。 冬の空レノンの眼鏡は晴れている 一也 今日の俳句 春朝日きらきら雲海の上を飛ぶ 信之 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) 春水を手になみなみと顔洗う 吉田 晃 (誰もがどこでも手にすることが出来る春水だが、とても贅沢な気分に させてくれる。物ではなく、心を求めているのが嬉しい。信之)
午後4時、青葉図書の田頭さん来宅。水煙4月号の原稿を渡す。 水煙は、インターネットによって独自性をもつことに成功した、と自負して もよいであろうと思う。 今日の俳句 春菜の句書かれて親しわが前に 信之 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) 新築校白木に春の光あり 大西和章 (作者は久万中学校の校長先生。この頃珍しい白木の新築校が出来あが った。木の校舎とパソコン教室、この調和と共生が楽しみ。)
西垣しげ子さんから来信。水煙贈呈の礼状を毎月欠かされることがない。私 達スタッフへの大きな励ましとなる。旧制松山高校俳句会出身の西垣脩先生 の奥様で、西垣通先生(東大教授・情報学)の母上。 今日の俳句 春雨降って帰宅する娘の少し濡れ 信之 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) 春北斗頭上に斜め鈴鹿越え 古田けいじ (掲示板に書き込まれていた「鈴鹿越え」4句は、どれも読み応えがあ った。作者の心が働いているからであろうと思う。)
早朝、インターネット俳句コンテストの賞品を書く。泰子さんの絵に私の句 を書いた色紙。 マウスを握る時間がここ数年多くなり、筆の字が書けない。のびのびした字 が書けない。マウスと毛筆を共に自由に使えるようになるのが私の課題。午 前4時から6時を過ぎる。 午前9時、重信町の泰子さん宅へ出掛け、第6回インターネット俳句コンテ ストの賞品を届ける。郊外電車で30分のところ。 今日の俳句 味噌汁のほうれん草の濃き色に 信之 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) 教室の声あって屋根の雪落ちる 晃 (瞬間の出来事を捉え、いきいきとした句である。南の四国といっても高 原の町には、雪が降る。屋根の雪が明るい。学校が明るい。信之)
午後、松山東雲短大俳句会出身の赤松(旧姓三上)俊子さん来宅。 東雲短大には、非常勤で出講。俳句会の顧問をしていた。俳句指導は、正子 に任せていたので、正子も30年のお付き合い。 東京の久保(旧姓山口)越子、川西の阿部(旧姓西脇)寿子、砥部の千葉( 旧姓白戸)敬子が同期で、この四人は、水煙の購読者。投句は休みがちだが、 今も水煙を支援してくれるのはありがたい。越子さんの次女、維希子さんに は、NHKの正月俳句番組に出演してもらった。 今日の俳句 セーターで小さな用事の外出に 信之 さかな棲む水槽の水ぬるむ音 〃 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) 梅香るでんでん太鼓を孫へ買う 古田けいじ (孫の句は情に流されるので難しいが、けいじさんのは別で、惹きつけ るものがある。私情に溺れていないのである。信之) (なつかしい光景ですね。子供のころ、紙で張ったでんでん太鼓があっ て、一年間それを破らないように、気をつけていました。正子)
今日発売の愛媛新聞発行「えひめ奥様ジャーナル」3月号に正子が執筆。 「五十歳からのインターネット」というタイトルで、愛媛の相原弘子さんと 大阪の堀佐夜子さんを紹介。俳句は、 潮騒の駅に揺れいる二日の灯 弘子 寒禽の胸小さくて美しき 〃 青空の寒天作り能勢の里 佐夜子 シクラメン明日は真紅の花と思う 〃 で、俳句掲示板に書き込まれた句である。 今日の俳句 春雪のふる空仰ぎ顔にふらす 信之 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) 青空の薄きを見せて冴え返る 相原弘子 (春が来たというのに、雪の降る寒さ。「薄きを見せて」という言葉で 見事に季節を表現した。信之)
第6回インターネット俳句コンテスト入賞発表。 午後、泰子さん来宅。 第6回インターネット俳句コンテストの賞状送付の打ち合わせ。 実行委員会は、高橋正子(水煙編集発行人)、八木泰子(愛媛学生俳句協会 事務局長)、鳩崎良一(四国インターネット専務)の三人。 今日の俳句 紅梅の描かれて紅の匂いける 信之 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) 菜の花の坂行く電車軋みつつ 八木泰子 (「菜の花」をもってきたことによって、句が軽く、「軋みつつ」で終 えて、実にリアルである。俳句を知っている。信之)
来学期のシラバス(授業計画書)を作成し、メールで大学に送る。 週6時間の出講。語学教育と情報教育との共通課題を探る。 今日の俳句 菜の花の傾き活けて野の風を 信之 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) ひとふしの初音海より風まろび 阪本登美子 (茅ヶ崎の海辺に住む作者の身辺を詠んだ句。山からの初音と海からの 風が程よく調和を保って、快い早春の風景を作っている。信之)
HPを更新。 社会に働きかける力があるか、が課題。文学に力があるか、が問題。 今日の俳句 鴨帰る日の近づくを池が知る 信之 春の雨降って一日文学す 〃 伊予柑の果汁たっぷり手を滴る 〃 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) 樹々の芽の総立ち空へ勇み立ち 八木泰子 (生命の勢いを詠んだ句。「総立ち」で作者の思いは、充分伝わってき て、元気を与えてくれるのが嬉しい。「勇み立ち」は、勢い余ったと いうところか。信之)
午前、水煙3月号の発送。 正子の仕事を手伝う。 午後、期末試験の成績評価表を大学に届ける。 自転車で片道20分の道程を往復。 自転車での往復は、二年ぶりのこと。 一昨年の一年間は、大病で大学を休み、この学年度は、正子運転のゴルフで 大学を往復した。 今日の俳句 手のひらに余りて重き伊予柑もらう 信之 地球儀の海にも春の風吹く青 〃 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) 草青む畦道子等のランドセル 古田けいじ (草萌えの季節である。「ランドセル」で子等の生きいきとした姿が目 に浮かぶ。元気なのがよい。信之)
午後、大学の期末試験監督。 午後3時過ぎ、水煙3月号が刷り上り、青葉図書の田頭さんが届けてくれる。 夜、試験の採点。 今日の俳句 芥子菜の黄色のつぼみ摘み帰る 信之 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) 食堂に若芽売り来て磯香る 渡邉道郎 (春が来る嬉しい気分を「磯香る」で表現した。「若芽」は春の季語。 数少ない日本の特産品で、北海道の一部を除く全国各地の海岸で採れ る。四国の鳴門若芽が有名。信之)
大学の期末試験の問題を作成。 学生のドイツ語俳句のドイツ語も使う。 夕食前の散歩。空気の快い流れ。 今日の俳句 まだ固き芽を夕空に散りばめる 信之 桜の幹つやつや樹液満ちきて春へ 〃 浮くことの何の不思議もない鴨ら 〃 池平らなり草萌えの岸映し 〃 囀りの不意を喜びまた歩く 〃 春浅き空気の快い流れ 〃 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) 春菊の香りをゆでし夕支度 堀佐夜子 (春菊は、如何にも日本のの野菜であるかのようだが、南ヨーロッパ原 産。この句のよさは、「香りをゆでし」で決まった。いい生活である 。信之)
午後、オンライン句会。 20名の参加者で、盛会。軌道に乗る。 インターネットらしい抒情のある句に注目。 今日は、バレンタインデーだが、角川の歳時記にはない。季語となっていない 、ということである。 正子の塾生や塾生の親からチョコレートを貰う。 「夏も小袖」という言葉があるが、いただくものなら、不用のものでも喜んで 頂く。私に頂いたチョコレートを娘の句美子が大喜び。 今日の俳句(オンライン句会に投句) 春入日その輝きを見て帰る 信之 輝きの底がくろぐろ春の雲 〃 落ちてゆく速度落として春日が落ちる 〃 今日の鑑賞(オンライン句会の作品より) 馬鈴薯の紫の芽や寒明ける 中川樗枝 (最高点、最優秀の句。「芽」と「寒明ける」との季重なりがあるが、 「紫」という強い言葉でもってバランスを取った。春に向かって、明 るく力強いのがよい。信之)
朝の9時から夜の9時までの一日を、不動恵嗣、福島栄希両君の受験指導。 夕食前の小さな用事で出掛け、1時間を歩く。 広い世界を見るには、乗り物に乗らないこと。乗り物は視野が狭い。 今日の俳句 冬耕の畝の乾きのいく筋も 信之 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) 大空の山のくぼみに春夕焼 森 隆博 (観察がある。写生がある。日々の生活に俳句がある。そこに、句の世 界を大きくしている根っこがある。信之)
この頃、メールの受信が多いが、顔が見えない気楽さからか。 ホームページとメールの殆どがごみ。 今日の俳句 春浅き空気をたたき踏切鳴る 信之 今日の鑑賞(角川書店「西垣脩句集」より) 瀑の水いま山葵田にささめきあふ 西垣 脩 (脩俳句を語るには「清冽」という言葉が何よりも似合う。昭和三十一 年、脩三十六歳のときの句。信之)
今日は建国記念日なので、日本の国と民族を考える。 憲法で、国家元首、国旗、国歌がどこにも明記されていない珍しい国家。 近代国家からは程遠い日本国である。 朝の9時から夜の10時までを、不動恵嗣、福島栄希両君の受験勉強の手助け。 如何に自主的な学習にもっていくか、が私の課題。社会に出てからの働きを視 野に入れての学習。 今日の俳句 パソコンの向こうにも春の広がり 信之 同胞と春の喜び分かち合う 〃 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) 降り始むときを知らずに春の雪 吉田 晃 (時間を取り入れることによって、広がりは当然だが、深みも出てきた 。信之)
弘子さんのパソコンを、泰子さんの協力を得て修復。 すべてが電話での指示で、昨晩から今日の午前をかけた仕事となる。 夕食前の一時間を近くの温泉で按摩。 今日の俳句 春灯点けて白く明るき部屋に座す 信之 春風の温度の無理のない中に 〃
午後、今学期最後の講義。 インターネット俳句センターに書き込んだ学生のドイツ語俳句をテキストに 使う。 今日の俳句 山青く霞み空へとすぐ続く 信之 春光あふれ今日一日を楽に生きる 〃 春日ふんだんに頂く五体がある 〃
水煙3月号の初校を済ませ、青葉図書の田頭さんに手渡す。 正子の仕事。 「第6回インターネット俳句コンテスト・小中学生部門」の選を済まし、 その選句を四国インターネットの鳩崎良一さんにメールで送る。 選者は、吉田晃、高橋正子、八木泰子、そして私の四人。 今日の俳句 春灯の甘き色して夜道を照らす 信之
四国インターネットから依頼されていた「第6回インターネット俳句コンテ スト」の選を済ます。発表は、20日。 「高齢者・身障者こそパソコンを」という文が愛媛新聞の投書欄にあった。 山上進(73歳)さんの文である。定年退職の時から、ほとんど独学で、パ ソコンの学習を始め、高齢者や家庭の主婦、または身障者と一緒に研究をし てきた、とのことで、「ある身障者は、会社から在宅勤務扱いにしてくれて います。パソコンをするとき生き生きとしています。」と報告している。 家庭の主婦が、高齢者・身障者の支援を、パソコンやインターネットを通し てする新しい時代が来た。 今日の俳句 二ン月の時のしずかな充実に 信之 秒針の廻る速度よ春浅き 〃
学生に作らせたドイツ語俳句を添削。 優秀句をHPに書き込み、昨年の反応を思い起こす。 ■このホームページは四カ国語というのがすごいのではないか。世界の人が その人の見やすい言葉で見れるというのは、ホームページを見る側にとって の配慮が伺われる。私も英語やドイツ語やその他の言葉も学んで、その言葉 で会話を楽しみたい。(山口貴将) ■僕のドイツ語俳句が載っているので、このホームページを見た世界各地の 人が僕の名前を知ってくれたと思うと、なかなかいい気分がしました。(古 谷聡) ■こうしてインターネットのホームページを見ますと、何か明るいイメージ で俳句をしてみようかという気持ちになります。(高田浩明) 今日の俳句 長身を屈めて受験近き日に 信之 街灯に照らされ芽木の夜空へ伸びる 〃
愛媛県の私立高校一斉入試。 正子の学習塾「さくらシューレ」の塾生、不動恵嗣、福島栄希、山高歩美が 受験。句美子も受験。高橋梨絵は推薦入学。 ドイツ語の俳句がメールで届く。どこからの発信かは不明。 川涸れて石の流れの続くのみ /M・ヘフゲン作/高橋信之訳 ホームページのドイツ語バージョンを更新。ドイツ語のフォントの失敗で丸 一日の仕事となる。インターネットの最大の課題は、多言語の問題。使用言 語の90%近くが英語。これをインターネットの英語帝国主義と言う。 今日の俳句 菜を洗う水の音聞き春と思う 信之 春光の少し歪みて虫眼鏡 〃 曉けてゆき色が付きつつ春の空 〃
日本列島は、昨日来の大雪。 松山は、穏やかな昼となる。 午前、藤田洋子さん来宅。 午後、茅ヶ崎の阪本登美子さんから電話。 今日の俳句 春立つも時の流れのその中に 信之 パソコンの画面に春の色流れ 〃
日本列島各地で大雪。四国も雪。 今日は節分。炒り豆を美味しくいただく。 今日の俳句 夜空の白っぽい雪雲が雪降らす 信之 夜の外出のしんしん冷えて雪道 〃 節分の豆を噛んで健康と思う 〃
午後、大学の講義。 「四月の東京都知事選で、青島幸男知事は出馬せず」 青島知事は、4年前、無党派層を中心に170万993票を獲得し、 政党の相乗り候補らを抑え初当選した。 無党派層が力を持ったのも、短命か。それとも、政党が無党派層を抱 え込むか。 青島幸男は、私とは一歳違いの同世代なので、大江健三郎、小沢征爾 等と共に、その動向と発言に関心を持っている。 今日の俳句 如月となりまた新たなる日記 信之 寒き日のカバーの硬き日記帳 〃
午後、青葉図書の田頭さんが来て、水煙3月号の原稿を持ち帰る。 予定が先月の20日なので、大幅の遅れ。 午後4時過ぎ愛媛大学に出掛け、東京の同学社出版の近藤孝夫さん等と 夕食。ドイツ語の諸先生と食事をするのも久し振り。 午後10時過ぎ帰宅。 今日の俳句 日が白く枯木が白くいく本も 信之 二月来る釣りの少年高声で 〃 寒おだやかに釣りをする少年ら 〃