Haiku Pictures by Nobuyuki Takahashi
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1999
Haiku Diary 1999/
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午前9時半、水煙6月号の原稿を印刷に回し、大学の講義に出る。午後も2 時間の講義。 今日の俳句 風吹くままに欅若葉のやさしさよ 信之 今日の鑑賞(俳句掲示板の俳句より) 寝転んで森ごと動く若葉風 古田けいじ (森に包まれ、森との快い一体感が伝わってくる。信之)
古城探訪吟行。近くの唐(もろこし)山城跡へ参加者十名。 今日の俳句 花みかん匂う風吹く城跡に 信之 麓から鶯鳴き城のあった山頂 〃
水煙6月号の編集。 今日の俳句 若葉丸ごと映って池の濃きみどり 信之
午後、松山市二番町の珈琲屋で「道後湯築城跡を守る県民の会」ワークグル ープの集まり。 今日の俳句 若葉が風に吹かれその上の白雲 信之 今日の鑑賞(俳句掲示板より) ベランダの絹さや今日も二人分 しまやふゆひと (絹さやは手軽に使えて、それでいて料理になにかとなくてはならないも の、彩です。料理を生かせてくれ、食事を味あわせてくれます。相原弘 子) ぼうたんや雨まっすぐに降ってをり 安西さゆり (日本画のようです。雨まっすぐにが効いています。 八木泰子) 五月の風来ればハーブのよく匂う 古田けいじ (絵の中にいるようです。そしてその中から抜け出して自分を確かめる思 いです。相原弘子)
午後、大学の講義。 今日の俳句 若葉風吸えば体が軽くなる 信之 大根の花の十字が眼にやさし 〃 今日の鑑賞(俳句掲示板より) 零時告げる時計の音の春の果 八木泰子 (一日ずつ春の終わりが近づくのを感じる時期になりました。この季節の 代わりめの時間の経過の感覚を、真夜中の日付けの変わる瞬間に焦点を 当てることによって凝縮的に表現し切っているのが、たいへん見事だと 思いました。中七下五にくり返す「…の…の…の…」が翌日になったば かりの時間を刻んでいるように聞こえる、と読むこともできて、効果的 です。樗枝)
午後、愛媛学生俳句協会4月例会に自宅を解放する。 今日の俳句 葉桜の影の色濃き土を踏む 信之 麦の穂の元気を活けて朝の卓 〃 水たっぷり吸い込んでつつじの白 〃 今日の鑑賞(俳句掲示板より) すみれの花大事に抱え大男 林 緑丘 (遠いロスからのご投句嬉しく思います。「大男」は、アメリカの方です ね。写生が効いていますので、アメリカの方らしさがよく出ています。 信之) 春の海一人暮らして遠目癖 林 緑丘 (異国のロスに一人暮らして遠くを見るのが癖になってしまった作者の目 にきらきらとはるの海が輝いています。泰子)
今日は第4土曜で、家族が自宅にいる。 家族が勤務や学校に出て、一人の留守居は、長年の習慣にないので、妙なも のだが、きょうは、いつもの生活。 今日の俳句 葉桜となってしまって風を生む 信之 今日の鑑賞 花種の袋を持てば風の音 渡邉道朗 (いかにも楽しそうな句。いい生活です。信之)
結婚30年になるが、正子の始めての常勤。家にいて、家事が毎日の仕事だ と思うと、これは大変だと気づく。数日の仕事だと、別だが。 今日の俳句 春風やさし「あきたこまち」を買い帰る 信之 今日の鑑賞(俳句掲示板の俳句とコメントより) 裏口の軽き明るさ松の芯 相原弘子 (松の芯をこのように明るく、軽くとらえていて裏口にもなにかしら風格 をかんじますね。正子) (とかく暗いイメージのある裏口が明るくなりました。やわらかな明るさ ですね。その中に松の芯がつんと立っている。道朗) 路地裏の白き風あり花こぶし 阪本登美子 (裏ということ何においても捉えるのがむつかしいですね。強く捉えれば 反発されそうだし弱ければこちらが冷淡ではと思うし。こぶしはそれら を救ってくれるひとつではないでしょうか。弘子) げんげ田や人影見えず風一陣 安西さゆり (れんげ田を大きな風が通り過ぎて行ったのですね。れんげ田のやわらか さがよくでていると思いました。正子)
午前4時からホームページの更新。それだけの仕事で一日が終わる。 今日の俳句 雨降って夏へ草木のまた進む 信之
正子初出勤。コンピューターの技術を買われての英語教師。勤め先は、愛媛 情報技術専門学校で、不登校・中途退学生徒のための高校教育コース担当。 今日の俳句 春暑く白が目立っている正午 信之 今日の鑑賞 花びらのひらひら散るを見届ける 森 隆博 (下五の「見届ける」で完成。作者のやさしさと強い意志が読み取れる。 信之) ぼうたんの大きく咲く日へ茎の張り 相原弘子 (弘子さんの良いところが存分に発揮。信之) 風船や風船売りの手を離れ 渡邉道朗 (深いところに目を向けていて、句が重くなっていないのが良い。信之)
「道後湯築城跡を守る県民の会」の二神重則さん、土居敬之介さんと砥部・ 真砂家で昼食を取り、久万に出かける。久万美術館と久万中学新校舎のパソ コン教室を見学。 今日の俳句 花らんまん今は昔の湯築城 信之 今日の鑑賞 頑丈な造りの家の樫の花 相原弘子 (俳句の造りがしっかりしている。読者を迷わすことのない句。信之)
午前、泰子さん来宅。水煙の発送とホームページの更新を手伝ってもらう。 午後、大学の講義。 今日の俳句 若葉雨いつもの町を美しく 信之 今日の鑑賞 手に取ってちりめんじゃこの白ばかり 相原弘子 (日常を詠んで、そこに詩のある生活。下5の「白ばかり」が効いている。信之)
水煙5月号発送の準備。 弘子さんから喜びの電話。お父さん(元旧制松山高校教授)の教え子からメ ールを受けたとのこと。インターネットでの交流が広がる。 今日の俳句 春昼の紙と付き合うこと多し 信之 今日の鑑賞 大根の花がさわさわ風白し 八木泰子 (日常をしっかり見ていますね。作者の風景に、読み手の心を誘ってくれ ます。快い風に吹かれています。信之)
掲示板を新しくする。七つの掲示板の管理。 今日の俳句 留守居して若葉の風を通わせる 信之 今日の鑑賞 セーターは脱いで花屋の中にいる 古田けいじ (春、そして初夏を迎え、自然の晴々したなかに誘い出される。作者の思 いのはっきりしたユニークな句。信之)
大学の講義。昼休みを挟んでの4時間。 水煙5月号刷り上る。 今日の俳句 若葉拡がる空の澄んでいる青 信之 今日の鑑賞 菜の花を抱えて花をこぼしおり 安西さゆり (初心者の句だが、作り手のやさしさと確かさがあって、読み手を落ち着 かせてくれる。信之)
午後、GFiネット(四国インターネット松山本部)に、専務の鳩崎さんを訪ね る。オープンセミナーの打ち合わせ。 松山一の繁華街の路上で、産地直売海産物の楽しい試食。 高校生の句美子は、大の魚好き。 今日の俳句 街に出てひじき目刺を買い帰る 信之 今日の鑑賞 おつかいの仕上げにこっそり摘むきのめ 中川樗枝 (作者の思いが何の滞りもなく伝わってくる。在り来たりの見方では、評 価のできない良さのある句。信之)
午前、自宅でのコーヒー教室。14名の参加者で盛会。 午後、句会。20代の新人参加で、これも盛り上がる。 今日の俳句 花冷えにコーヒー高き香りなる 信之 ぞくぞく拡ぐ若葉の小さき葉を拡ぐ 〃 風吹いて花びらの水平に飛ぶ 〃 今日の鑑賞 外つ国の子にもひとしく桜散る 安西さゆり (「外つ国」の人にも、日本の心、日本の俳句が「ひとしく」解かっ てもらえると知ったときの喜びは、大きかった。これは、珍しい句。 信之) 山に来て全身包む風も春 森 隆博 (自然と直に触れ合う喜び。まさに春である。信之) 花の後の空の確かな色となる 渡邉牛庵 (牛庵さんの調子が戻ってきた。レベルの高い句である。信之) パレットの彩り芽吹く今朝の椎 古田けいじ (カタカナ表記が生きている。けいじさんらしさを生かした句。信之)
昼過ぎになり、ようやく一昨日のオンライン句会の整理が済む。入選全作品 にコメントを付けた。 哲斉さん、弘子さん、泰子さん、そして正子の協力を得て、成功。良い句を得 たことが何よりの成果。 今日の俳句 散る命なり花びらの一枚に 信之 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) からからと空の矢車新しき 牛庵 (技巧を凝らしたところがない。それが作者の思いを読み手に直に伝えて くれる。親であれば、誰もがわが子の健やかな成長を願う。信之)
午後、大学の講義。 今日の俳句 花の雨わが隻眼の中に降る 信之 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) けぶる雨白木蓮の咲き揃う 上出真佐子 (咲き揃えば、静かな日常の中での賑わいである。久しぶりの投句。いつ もの息子さんからの書き込み。信之)
オンライン4月句会。句のレベルが確実に上がってきた。 今日の俳句(オンライン句会へ投句) 風吹いて花びらどっとわが頭上 信之 花明かりしている中をうきうき歩く 〃 きれいですね花びら風に散ってゆく 〃 今日の鑑賞(オンライン句会の最優秀で最高点の句) 入学の子に青空の新たなる 渡邉道朗 (わが子をしずかに見守っている親の姿勢が良い。下五の「新たなる」 で句を終えたのも、効果的な文語の働きがあって、レベルが高い。信之)
けいじさんからのお土産、落柿舎のお土産の「俳句かるた」が届く。親しみ のある俳句が多いので、子ども達とも楽しめる。インターネットのお付き合 いは、遠くが身近に思えるので嬉しい。昔の旅も思い起こす。 街に買い物に出た帰りに、原田さんの「珈琲屋」に立ち寄る。わが家でのコ ーヒー教室の講師。 息子さん夫婦が店にいた。慶応大学出身の息子さんで、奥さんは東京の人、 お店の後を継ぐそうである。後継者がいるのは良い。 お寺の副住職の澤田さんが来ていた。この人も後継者。私の周りには、親の 仕事の後を継ぐ人が多い。 今日の俳句 新しき校章胸に入学す(句美子) 信之 マンションの敷地も花の満開に 〃 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) 黄蝶来て庭のすみずみ動き出し 相原弘子 (黄色い蝶が一羽飛んできた。ふと見るとあちらにも黄色、こちらには白 い蝶。空には、長旅の疲れを見せずに飛び交う初燕。本格的な春の到来 を喜ぶ弘子さん。けいじ)
今学年度始めての講義。午前2時間、午後2時間のドイツ語。 今日の俳句 花咲いてまた散りゆくも華やかに 信之 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) カラカラとなずな鳴らして遊ぶ子よ 中村花乱 (花乱さんの良さが出た句。快いリズムに誰もが子ども心に戻ってしまい 、無心になる。信之)
句美子の松山東高校入学式。 フォーマットしたハードディスクのインストールとファイルの保存・コピー に時間を取られ、昼食抜きで、午後2時まで掛かる。 午後2時過ぎ、青葉図書の田頭さんが水煙5月号の初校ゲラを届けてくれる。 午後3時過ぎ、泰子さんが水煙の表紙絵を描いてきてくれる。 午後5時過ぎ、水煙の表紙絵を青葉図書に届け、青葉図書発行の「河野氏の 歴史と道後湯築城/川岡勉」を買って帰る。 夜、「河野氏の歴史と道後湯築城」を読む。大江健三郎の文の引用もあって、 面白い。 今日の俳句 春灯し中世武士の物語 信之 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) 花冷えや空一枚に光り呑む 阪本登美子 (春愁を掻き消す緊張がありますね。ユニークさに惹かれます。信之)
昨日に続き、今日も、ハードディスクと付き合う。 今日の俳句 一日篭って外は花満開と思う 信之 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) 黄水仙同じ方向く風の吹く 中村花乱 (写生句です。「風の吹く」でうまく収まりました。)
機械の調子がよくないので、ハードディスクの取り替えやフォーマット。 午後5時、Gfiネットで菊地さんに会う。四国インターネットカレッジの 相談。 吉田晃先生と夕食。泉小学校校長への栄転祝い。 今日の俳句 花びらの微笑み合って満開に 信之
書類や手紙類の整理で夜の12時が過ぎる。 今日の俳句 満開の花を見上げて大きな息 信之 花らんまん今日の出会いに大きな息 〃 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) 手に汲むとあふれる柔さ春の水 森 隆博 手にあふれ汲む春水の柔さ(添削) (気持ちの良い句なので、思いきった添削をし、リズムを調えました。 好きな句です。信之)
午後、松山市民会館小ホールでの「道後湯築城跡を守る県民の会」に出席。 ここの会長さんは、旧制松山高校俳句会出身で、俳句掲示板の常連。 午後1時、記念講演「湯築城跡発掘調査の成果」 中野良一・柴田圭子(愛媛県埋蔵文化財調査センター) 午後3時、総会 午後5時半、懇親会 今日の俳句 春暁の空気のぴんと張り詰める 信之 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) 真っ先に春障子より夜の明ける 中村花乱 (素直な写生がよい。作者の思いは、「真っ先に」という言葉が伝えてく れる。信之) (投句された14句の中では、この句がもっともよいと思いました。障子 からもれる春の朝の光は、美しいもののひとつ、と言わねばならないで しょう。精神の美しさを大切にしたいものと思います。正子)
元の慶応大学入学式。日吉校舎。 正子と句美子は、重信町の泰子さん宅へ。泰子さんの次女美苑さんは、正子 主宰の子ども俳句クラブの生徒で、また正子の塾生でもあった。今は、松山 東高校二年生なので、句美子の一年先輩になる。学校では、東大受験を勧め られている成績だが、音楽や詩が好き。 泰子さん宅の雛祭り俳句会にメールで参加。 今日の俳句 花の影花に重ねて塊りに 信之 満開を待たずに散りし花びらも 〃 満開の花を支えて幹黒し 〃 鶯鳴けばそこのすべての芯となる 〃 花咲く朝しらじら花の刻動く 〃 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) 新しき部屋のベランダ花いちご 八木泰子 (清歌さんの広島での新しい部屋です。詩のある生活です。そのための努 力は、きっと楽しいに違いありません。信之)
自宅マンションの廊下を画廊風に。 絵を掛け並べ、その中の一つに自作の薔薇の油彩も。 今日の俳句 薔薇の絵に春の灯しを当ててみる 信之 絵の中の薔薇屈託なく咲けり 〃 春灯を引き寄せている薔薇の黄よ 〃 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) アイロンをかけた明るさ春の服 相原弘子 (春の明るさを見事に表現した句。日常の強さである。生活の良さである 。信之)
何ヶ月ぶりかの理髪店で髪を刈る。 近くの温泉に入って、その後マッサージ。 今日の俳句 さくら咲く大空にかたまって咲く 信之 夜の明かり集め桜の濃き色に 〃 今日の鑑賞(俳句掲示板の作品より) 初蝶の現れすぐに屋根を越す 牛庵 (作者の精神が集中していますので、とても静かな世界です。ひとつの世 界を作りだしています。信之)