俳句カレンダー1999年
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俳句日記/1999年12
高橋正子  ejouhou@shikoku.ne.jp

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31日(金)

今年もインターネット俳句センターに多くの方々が参加され、有意義に活動

できた。俳句が、ただ趣味の領域にとどまらず、それぞれの方の生活なり、

大げさでないまでも人生に、多少の意義を加えていただいたものと思う。掲

示板や、オンライン句会などを通して、このようなことが感じられた。



今日の俳句

 大年の山河も晴れを賜りし  正子



今日の鑑賞

 大晦日年始挨拶時差電話 霧野萬地郎

 (時差は、特に珍しいことではありませんが、この句は、「大晦日」とい

  う季語でもって「時差電話」に現実感を与えています。そして、読者は

  、はっと驚きます。高橋信之)


30日(木)

紀伊国屋書店に行く。アガサ・クリスティの完訳本を2冊、句美子に頼まれ

る。

信之先生は、多言語のホームページを進める。松山のパソコンショプでは、

必要なものが、間に合わなくなってしまった。何をするにも、時間と手間が

かかる。



今日の俳句

 水仙の冷えは地の冷え火を燃せり 正子



今日の鑑賞

 餅搗きの音が聞こえる駅のそば   相原弘子

 (軽い良さがありますね。日常生活の良さです。高橋信之)


29日(水)

元、松山空港午前7時45分発の便で帰京。夜のJRで、長野の菅平スキー場

に慶応のクラスメートとでかける。4日3泊の予定。



今日の俳句

 水仙に滝落つ水のあって欲し 正子



今日の鑑賞

 仕事納め少し長めの風呂が良い 霧野萬地郎

 (充実感があって良い。安堵の中の静かな充実感がよい。くつろいだ雰囲

  気には、口語表現が相応しい。下5の「風呂が良い」で一句を終えてい

  るで成功した。高橋信之)

 金柑のどれもが我が身の光持つ 吉田 晃

 (冬日に光る金柑のそれぞれの個性に注目されて、校長先生の目ですね。

  霧野萬地郎) 

 年の瀬のうらおもてなき雲の色 森 隆博

 (「うらおもてなき」ものは、作者の心なのだ。大自然に触れて俳句に精

  進すれば、「うらおもてなき」世界となる。高橋信之)


28日(火)

今日は、塾の生徒の一日特訓。午前9時から午後9時まで。例年、冬休みは

、子どもたちはよく勉強する。

帰省中の元はスノーボードに出かける。スノーボード歴は、結構長い。



今日の俳句

 泳ぐ鴨見つめて胸に鴨泳ぐ 正子



今日の鑑賞

 こきこきと海鼠を食めば海の底  守屋光雅

 (「こきこき」が効果的に使われた句ですね。海の底を絵に描かねばなら

  ぬほどの衝撃があります。「コクトーの貝がら」の句と双璧ですね。愉

  しめました。高橋正子)


27日(月)

早朝、元より電話、今日帰省したいとのこと。松山空港着午後の便でかえる。



今日の俳句

すきとおる飴を噛みたり年ゆけば   正子



今日の鑑賞

 手を広げ嬉しさ包むちゃんちゃんこ 森 隆博

 (飾らないというんでしょうか、見栄のないというんでしょうか。優しい

  日本の生活が感じられます。吉田 晃)

 コクトーの貝がらの耳に冬の涛 伊嶋高男 

 (この頃畑がお休みなので、毎日当掲示板を見ております。伊嶋さまの俳

  句を毎日楽しく拝読しています。コクトーの詩は高校の教科書にあり俳

  句に似ていると思った記憶があります。今朝一番これは凄いと思って下

  手な書き込みを致しました。有り難うございました。 守屋光雅) 


26日(日)

吉田晃さん来宅。えひめ子ども俳句会11月作品を持ってきてくださる。し

ばし、歓談。トランペットを3本持っていらっしゃるとか。



今日の俳句

 マリオネット吊るせば目覚む年の暮  正子



今日の鑑賞

 冬帽の赤青黄色鬼ごっこ 堀佐夜子

 (歌いたくなるようなリズムがありますね。子どもの心に戻った喜びに読

  者もともに喜ぶことができ、嬉しくなります。芭蕉の「俳諧は三尺の童

  にさせよ」といった言葉を思いだしました。高橋信之)

 (すっきりした句ですね。それだけに、明るく幸せな子どもたちの姿がは

  っきりと見えてきます。吉田 晃)

 地下道のぼる四角い空の青い冬  吉田 晃

  (現職の頃、よく仰いだ地下道の四角い空、青い冬とは脱帽です。野上哲

  斉)


25日(土)



今日の俳句

  桜芽木雲の白さをきわだたす  正子



今日の鑑賞

  炭熾り息をあかあかしまい込み    相原弘子

  (「息をしまい込み」というのは、なかなか言えることでは、ないですね

    。炭を熾しているとき、自分の吹く息が炭にしまい込まれてあかく燃え

    る、これは、命の明るさですね。正子)


24日(金)

クリスマスイヴ。信之先生は、愛媛情報専門学校から依頼されて、インター

ネットの具合を見に行く。イブもいつもどおり塾。



今日の俳句

 南天の実のかがやいて水音す   正子     

 冬うらら抱き歩ける菊かおる   〃



今日の鑑賞

  音がするこんな時代の聖樹の灯    森 隆博

  (「音」が何の音か、「こんな時代」とは、どんな時代か、その説明は不

     要である。それが俳句なので、この句は、私の好きな句。リズムがい

     い。作者の呟きに真実がある。高橋信之)


23日(木)/天皇誕生日

終日、年末の家事。夕刻、藤田洋子さん来る。



今日の俳句

  昼の月まあるく白く冬至の空    正子



今日の鑑賞

  芽麦田のきょうの明るさ客送る    相原弘子

  (田園に居を構えて明るい生活がある。夏の青田、冬の芽麦田は、日本の

    広々として明るい風景だ。大都市に住む人々にも、それは原風景として

    あるはずだ。高橋信之)


22日(水)/冬至

青葉図書に水煙2月号の原稿を渡す。今月は、信之先生が特にがんばって

くださって、予定の月末より十日ばかりはやく編集が済んだ。弘子さんが

、お見舞い(?)に来てくださる。ちょっと忙しくして、掲示板をご無沙

汰してたので、心配をかけてしまいましたが、正子は元気でしたので、せ

っかくのことなので、ささやかなクリスマスのお祝いをする。信之先生、

弘子さん、正子の三人でする。



今日の俳句

 落葉ふかし手のくぼほどの雪残し   正子

 冬至の朝の雨はしずかに止んでいる 〃



今日の鑑賞

  快晴の空から冬至の温度来る    古田けいじ

  (今日は冬至ですが、よく晴れた空からは、直接天球の温度が伝わって

    来る感じがします。天と地の間に眼にみえないものが響きあっている

    ような不思議さがありますね。正子)


21日(火)

終日、水煙2月号の編集。



今日の鑑賞

  揚げ風の鳶の冬山越えにけり    吉田 晃

  (上昇気流に乗って、冬空高く舞い上がり、ついには大きな山も飛び越え

    て行ってしまう。雄大な景色が広がってきます。福田由平)


20日(月)

寒い一日。東京吟行のホテル、飛行機を調べに旅行社に行く。帰り、CD

「未完成」を買う。誰の指揮でもいいわけで、みんなが持ち去って私の手

元のCDがなくなってしまっている。原稿を書きながらひとりで聴く。



今日の俳句

  雪は白くかなしく梢のなかに降る   正子

  雪のあとは竹の秀先を風が吹く     〃

 

今日の鑑賞

  大甍ゆっくり動く冬の雲  伊嶋高男

  (限られた空間をゆったり使い、限られた時間をゆったり使えば、自己の

    存在を確実にするであろう。作者が得た日常での充実した時間。高橋信

    之)


19日(日)

今年一番の寒気が来て、雪にこそならなかったが、冷たい一日。FMを聴

きながら、昨日に続き水煙の発送準備。何年かぶりに、ブラームスの一番

を聴く。何を忙しくしていたのだろうか。



今日の俳句

 雪の気配空に満ちきて今日暮れる  正子

 朝の瀬戸寒気が降りて色深む    〃

 

今日の鑑賞

  インドネシアにて

 年歩む亡父の戦地はなお奥地  霧野萬地郎

 (2つの世代の海外での出会い。「年歩む」と「なお奥地」がうまく響き

  会って、作者の深い思いが伝わってくる。高橋信之) 


18日(土)

水煙1月号が刷り上がる。夜、発送の準備。朝日新聞をぼんやり見ていて

はっとする。「鴨とほく泛けり睫毛に風おぼゆ 西垣 脩」が折々のうた

に掲載されていた。街を歩いていて、こんなところで出会うなんて、とい

う感じ。3時過ぎから、デパートに買い物に出かけ、便箋などを買う。明

日は、雪または雨の予報。



今日の俳句

 雪の予報聴いて寒さを身におぼゆ  正子

 冬海の遠く波立つことばかり    〃 



今日の鑑賞

 キャンドル手にルシアを歌う北の処女  霧野萬地郎

 (ルシアがどのような歌か知りませんが,果てし無く長い夜ににソプラノ

  の歌声が凍りつくように聞えてきます。伊嶋高男)


17日(金)

雨が降りそうな気配。砥部のわが家をのぞく。ほぼ一年ぶりだが、思った

より雑草が生えてなく、それでも冬らしい庭になっている。ひいらぎは、

花が終っていても、かすかな香り。山茶花は、今が盛りだけれど、花数は

少なく、椿は、はつあらし。玄関の椿がいつもより早く、白い蕾をふくら

ませている。早春の黄色い花、さんしゅは、固い蕾を枝先につけている。

万両もほうぼうに生えて、赤い実を光らせて、都わすれもだいじょうぶ。

客間の机は、さすが、一年のほこりをかぶり、忘却のかなたから、やって

来たように鎮座している。はなれに括って置いた本も、傾いてすでに、記

憶の残照のようである。こういう光景は、仮の世にまちがいない。



今日の俳句

 静かさに師走のバッハ聴きもはてむ  正子

 日当たりて庭の万両かがやかす    〃

 

今日の鑑賞

 冬麗の空の青さが音を吸ふ 渡邉牛庵

 (精神をしっかりと集中させている。心を静かにして俳句に集中させてい

  る時間だ。高橋信之)

 冬の日の一面の大空澄み渡る 福田由平

 (自然の大きさは、何のこだわりもなく、曇りなく広がっている。そこを

  捉えた作者の心も、大きく、透明になっているのである。高橋信之)


16日(木)

よい天気であった。それにしても、暖かい。娘は、灯油屋は大丈夫か、と

心配する。今年は、なるべく早めに、一年を終えて、年末の十日はブラン

クにしておきたい。



四国インターネットカレッジのパソコン教室は、今学期を終える。



今日の俳句

 ポプラ散り枝を移れる鳥が見ゆ  正子

 冬夕日すすきの白い穂を照らす  〃



今日の鑑賞

 大霜の白一面に一歩踏む  日野正人

 (「一歩」が効きましたね。「一面」と「一歩」との「一」の繰り返しが

  効きましたね。「霜」を遺憾なく表現して、とてもいい句です。高橋信

  之)


15日(水)

師走もちょうど半ば。たびたびチャイムで、玄関に出る。いつもの年より

暖かい感じがするけれど、どうでしょう。掃除のお湯もすぐ冷えた記憶が

あるのだけれど、今年は、水でも大丈夫。昼間の暖房は、ぜんぜん要らな

いし、夜も電気ストーブだけで十分。



今日の俳句

 がまずみの実のかがやきも過ぎしこと  正子

 贈られし林檎の産地は雪降るや     〃



今日の鑑賞

 暮れていって子どもの絶えて鳥渡る    吉田 晃

 (田舎なら、子どもが帰ってしまった夕方は、家々に灯がともっていた

  としても、さびしい。見上げれば、そのしずかな空を鳥が渡っている。

  充足の中にも、一抹のさびしさが感じられる。  正子)



 かぶら漬け乳歯がいい音して嘩めり  古田けいじ

 (かぶらの真白さと乳歯の真白さが、ふれあって、いい音になる。かわ

  いらしい表情までもが、見て取れる。  正子)


14日(火)

けいじさんが、水煙大会の写真を送ってくださる。みなさんには、明日郵送

する予定。阿波踊りもどきのが、一枚あって、いつこんな事態になっていた

のかと、笑ってしまう。

夕方、近くの丘に散歩に出かける。ガマズミ、エゴ、トベラなどが実をつけ

ていて楽しめた。



今日の俳句

 えごの実に暮れゆく空の金いろに  正子



今日の鑑賞

 着膨れの登校の児童の半ズボン  吉田 晃

 (子供は風の子。でも、母心でしょうか、厚着と半ズボンのアンバランス

  が何とも面白く、かわいい子供の表情が見えるようです。福田由平)


13日(月)

水煙専用掲示板に、昨日のオンライン句会を楽しんでいただけた様子が、

書きこまれて、うれしく思う。「感性の共同体」や「オンライン共同体」

として一つの方向がはっきり見えたことを実感する。インターネットは、

ヴァーチャルといっても、俳句は、実体をともなった言葉なので、一般

にいわれるヴァーチャルとは、事を分けて考えたいと思う。分かり合え、

感じ合える楽しさが、一番のしあわせではないのかしらと思う。

一月号の再校を青葉図書に渡す。



今日の俳句

 水槽に水音やまず師走の夜  正子



今日の鑑賞

 スエーデンにて

 キャンドル手にルシアを歌う北の処女   霧野萬地郎

 (この季節、北の国は、よりいっそう幻想的になっているのでしょう。

  きよらかな歌声とキャンドルの明かりに、しずかに祈りをささげたく

  なります。今は、夜中ですから。 正子)

 

 鶏小屋に寄り合っている虎落笛     守屋光雅

  (鶏小屋は、寒いのですよね。鶏のとさかや、羽は冷えてかわいそうだ

   けれど、意外と気丈に生きているのが、鶏ですね。虎落笛が集まるほ

   ど寒々としているのですけれど。少し元気を出さなくてはいけません

   ね、私は。 正子)


12日(日)

12月オンライン句会。しっかりと、充実した句がたくさんあって、句会

の充実ぶりをうれしく思う。オンライン句会の後、水煙の忘年会。参加者

は、信之先生、哲斉さん、晃さん、公司さん、洋子さん、正子。有吉さん

は、風邪で、弘子さんは用事で欠席。料理は、脇坂商店のいつものおふく

ろ料理。みんな帰って、最後は、晃先生と子ども俳句のことを話す。7時

半にお開き。



今日の俳句

 さわやかに林檎食べつつ年忘る  正子



今日の鑑賞

 下駄の音冬の花咲く庭へ入り  相原弘子 

 (軽やかな下駄の音。その傍らに咲く冬の花。こころ休まるひとときで

  す。  阪本登美子)


11日(土)

明日は、オンライン句会。オフラインの句会と忘年会も予定しているが、

一日しずかにしていた。しずかにしている分、いろいろ思いや考えばかり

浮かんで、俳句もろくにできない。あっという間に暮れていた。



今日の俳句

 白粥を炊いて師走を籠りたり       正子

 レモネードうつくしきまでのレモンの香  〃



今日の鑑賞

 白菜の白を積み上げ子に持たす  渡邉牛庵

 (白菜の取り入れをしているところでしょうか。いく玉か積んで子ども

  にもたせ、運んでもらうのでしょう。畑から切り取られたばかりの白

  菜は冷たくて、そしてけがれない白なのですね。 正子)


10日(金)

青葉図書の田頭さんに水煙1月号の初校を渡す。このごろは、ポプラを眺め

るのが楽しみ。白く薄い雲がポプラの黄色くて緑の葉をいっそうくっきりさ

せているのがいいと思う。



今日の俳句

 冬雲の白をポプラがそやぎやまず  正子



今日の鑑賞

 息太く雪踏み喘ぐ黒き荷馬   霧野萬地郎

 (雪深いレンガの街の朝でしょうか。異国の古い街のにお

  いが漂ってくる句ですね。 吉田晃)


9日(木)

四国インターネットカレッジ松山北学習センターのパソコン教室。夜はいつ

もの学習塾。水煙1月号の校正。レモンティーが格別おいしい。


8日(水)

パソコン教室の永野さんの「小さなホームギャラリー永野」を訪ねる。帰り、

ご自宅の庭で採れたレモンと柿をいただく。レモンは、ことにうれしい。今

日は一日あちこちよく出歩いた。



今日の俳句

 檸檬まだ青を残して夕寒し  正子



今日の鑑賞

 夕暮れは何の奥にも枯れのこる  相原弘子

(夕方は、一日の凝縮。焚き火の煙の匂いや、夕餉の匂い、枯れた草ぐさの

  匂い。それらの奥に感じられる枯れの気配が冬の深さを感じさせてくれる。

 正子)


7日(火)

朝日新聞の取材を受ける。午前中、3時間ほど。



今日の俳句

 さくら紅葉散り終え真青なる天蓋  正子



今日の鑑賞

 人参の泥を弾けり井戸の水  森 隆博

 (清冽な水のほとばしる中に人参の赤が鮮明である。人参・大根は、冬の

  季語。高橋信之)


6日(月)

急に寒くなって北風が吹く。今夜は誰も来ないので、いろいろ整理をする。

捨てたいものばかり。湯上り、バルコニーの整理をして、思い切り北風に吹

かれる。あたらしい季節はいい。



今日の俳句

 冬の夜の捨つべきものを分け終えぬ  正子

 ガラス戸にポプラ黄葉の鳴るが見ゆ  〃



今日の鑑賞

 ばりばりと氷を踏んで新聞屋  守屋光雅

 (北国の冬は、早く、厳しいが、生活が滞ることはない。「ばりばり」は

  、新鮮である。高橋信之)


5日(日)

雨。ポプラの葉の色がヨーロッパのような色あいでとてもきれいだ。空無我

堂に印刷機の接続の手伝いに行く。句美子も付いてくる。手伝いの合間に村

井純著の「インターネットU」を読む。インターネットの回路の話がなかな

か面白い。理系の人のロマンというのもなかなかである。



今日の俳句

 冬の雨鳥が遠鳴く朝白し     正子

 冬の雨ひとり歌いて若からず   〃



今日の鑑賞

 星の夜に飛騨の翁のねぎ貰う  古田けいじ

 (葱は、特有のにおいがありますが、清冽な感じのする野菜。星降る夜の

  飛騨の冷え込みを思うといっそう清冽さが増します。「翁の」の「の」

  の使い方があいまいか。 正子)

 ハリケーン恵みも残す取水屋根  霧野萬地郎

 (アメリカのハリケーンはひどいですね。バミューダ海域はどんな模様な

  のでしょう。Morning coffee という英語のニュースをインターネット

  で読んでいましたら、ハリケーンの様子が細かく報道されていました。

  取水屋根というのに生活感が出ていてこの句を頷けるものにしています。

  ニュースでは、知り得ないことです。  正子)


4日(土)

空無我堂にあたらしく、パソコン2台備え付けられる。これで、空無我堂の

パソコンは、7台となる。お寺にパソコンが7台。おだやかな師走。



今日の俳句

 水鳥のわが目の前で空を見る    正子

 実験のごときや燗酒ガラスに入れ  〃



今日の鑑賞

 冬霧が吐き出している鶏の声  吉田 晃

 (見えないところからの声は、力強く響く。生き物の命は、厳しい冬にも

  切れることがない。作り手の精神の強さから生まれた句。高橋信之)


3日(金)

えひめ子ども俳句会の子どもたちの俳句が吉田先生より送られてくる。40

0句ばかり。朝日新聞社より取材の依頼。

紀伊国屋でHaiku World, Huckleberry Finn, 「俳句12月号」(角川)

を買う。「俳句」は証言・昭和の俳句を特集。西垣脩先生のことが書かれて

いて買ったもの。夜、Haiku World の句を分類する。結構たいへん。



今日の俳句

 ひいらぎの花香溜まれるアスファルト  正子

 冬灯死して語らず物言わず       〃



今日の鑑賞

 力抜き日々一日の息白し  森 隆博

  (十二月に入ると一日一日がとても大切になります。でも、あまり気負

  ずに毎日を送る方がいいですね。 藤田洋子)

  十二月墨する朝に始まりし  藤田洋子

 (墨の香りは心を落ち着かせてくれて、とてもよいものですが、朝なら

  ばなおさらのこと。十二月も墨の香で清潔な月になりました。 正子)


2日(木)

空無我堂でパソコン教室と俳句教室。たいへん賑やか。20代から70歳ま

での賑わい。師走も二日目となる。



今日の俳句

 ひいらぎの花の薫りを胸ふかく   正子

 墨の香の残る師走のエレベーター  〃



今日の鑑賞

 寒夕焼鴎の群は海目指す  伊嶋高男

 (松山から帰られて、突然に句風が変わられましたね。抒情的ですね。高

  男さんの未発掘の一面を発見いたしました。「寒夕焼」という美しいが

  厳しい一面をもった事象が「海目指す」という抒情に支えられて大きく

  伸びやかな景色になっているのがよいと思いました。 正子)

 笹鳴や思わぬ高さに影を見し 伊嶋高男

 (これも高男さんの句ですが、肩の力が抜けたところが俳句らしくて良い

  思います。 正子)

 焚く菊の嵩を透かせて川の音 相原弘子

 (視覚と聴覚を、弘子さん、素敵ですね。 堀 佐夜子)


1日(水)

午前は、弘子さん、洋子さん、正子の3人で書の練習。

昼食は、信之先生の料理。パン、ソーセージ、スープなど、ドイツの学生ラ

ンチ。

珈琲屋の原田さんから無農薬の美味しい蜜柑を頂く。ご自分が栽培されたも

の。

午後、水煙1月号の原稿を青葉図書の田頭さんに渡す。



今日の鑑賞

 暖炉の火の揺らぎの満ちて子の寝顔  日野正人

 (575のリズムをうまく使って一日の終りの安らぎを表現した。上5が

  6音の字余りとなって緊張があり、中7の「満ちて」に続く下5の「寝

  顔」という安らぎのイメージによい効果を与えた。はじめに緊張があっ

  て、終わりを安定させている。一句の終りが体言で切れているのもよい

  。高橋信之)