(関空にて) 五月雨を 地上に残し 旅に出る (フランクフルトにて) 黒林の 国にきたりて ウナギ食う 黒林の 国のうなぎは 固きかな (アテネにて) ソクラテス 歩みし道なり 新茶かな 走馬灯 映してみたし 二千年 明易や 窓を開ければ アクロポリス (アクロポリスにて) この丘に 夏の光が 四千年 (パルテノン神殿) 神殿を 見上げる店で ぶどう買う
(エーゲ海) 昼寝する エーゲの海の 風うけて 碇いれ エーゲの風に 耳すます 甲板の 影を求めて 昼寝する ヨットとめ エーゲの海の 青さすう この青さ 赤いトマトを 美味くする
(ミケーネ文明) 熱風や この丘掘りし シュリーマン 夢追いし 人を思いつ オリーブかな 朝涼や 山羊の鈴にて 目を覚ます 出張の合間に俳句を作りました。時差で眠れぬ夜、早く目覚めた 朝、飛行機で移動する時など 今まで時間を持て余す事もあった 時間帯をお陰で楽しくすごすことができました。 また、旅の記録をこのように残すことがで来たのも俳句をはじめ たお陰です。 深謝
<カスターニエの青き実曇天よりもげば ベルリン/高橋正子> <川風に夏逝く中にいて吹かれ ライン川/脇坂公司> <氷菓食べ歩く異国と思わずに フランクフルト/高橋信之> ◆林 緑丘さんが海外出張で、海外詠のいい句を送っていただきましたので、 掲示板の俳句仲間の海外詠の俳句をなつかしく記録しました。
シベリア 父征きしシベリアを飛ぶ夏の旅 夏雲の下はシベリア乱気流 スキポール空港〜ウイーンヘ 雨上がり空港が夕焼けている 両翼に夏の夕日やウイーン行き 音楽もウイーンの森の夏の旅 シェーンブルンの芝の朝露に濡れ歩く ドナウ河下流へ白き夏の蝶 マウトハウゼン強制収容所跡 幾万の屍眠るや夏の草 ザルツブルグ ピアノ聞こゆ中世の夏石畳 酸漿の実が覗いている市場かな 無い色はないザルツブルグの夏の市 城門に大道芸人汗をかく 10シリングで聴くモーツアルト城の夏 楽聖の歩きし道を日傘行く 細き路地出れば広場に夏の市 モーツアルトも見た聖堂に夏の風 遠近法ミラベル宮の夏花壇 イルドニンング古城ホテル 天に近き古城ホテルの流れ星 名を覚えし木の葉を飾る夏帽子 バドガスティン 窓開ける村中が霧滝の音 霧の山聖堂の尖塔頭出し 花のある窓メインディッシュへ風は秋 シベリアの大地雲間に夏終る 日本茶と箸出て終る夏の旅
イタリア 鉢植えの小菊もありし石畳 路地裏の真青なる空小さくて 城壁の見上げるところ月明るく 秋蝶や古代ローマの水呑み場 秋灯山裾の町眠りいる
スイス 石の家緑青色へ秋時雨 牛の列飾り囃して秋祭り 髑髏絵の残る屋根橋雨月かな オーストリア 蔦の巻くワイン酒場の花文字 幾何模様離宮庭園夏の花 果てしなく向日葵の咲く鉄路行く イギリス 蔦紅葉廃虚の砦化粧する 牢城の悲しき堀の水澄めり カウベルの音のみ聞こゆ霧深し 丘を這うヒースの小花揺れ続け 黄葉林領主の館まだ向こう 落ち栗を拾いしリスの立ち居かな
ラインのぼる巨船の人の裸かな マイン河 音なき河森また村の夏灯 マインの流れ明るき夜の家族の旅 ヴュルツブルク 鐘の音のわれを包んで夏空へ フォーゲルヴァイデの墓 黒つぐみ詩人の墓も緑蔭に ベルリン カスターニエの青き実曇天よりもげば ガーデンパーティー すもも甘し庭はいつしか青く暮れ
フランクフルト 氷菓食べ歩く異国と思わずに 夏空の青く暮れゆき青き児の眼 夏空の暮れゆく青を鏡とも ヴュルツブルク 夏に芯あればそこより鐘の鳴る ベルリン 灰色に夏の冷たき雨降らす ベルリンの雨を素肌に受け歩く 成田を発つ 楽しくて晩夏の地球の裏側へ 8月21日クーデター最中のモスクワ空港 夏を逝かすここでも明るい少女の顔 ウィーンの森 八月の夜の暗さでしずかな森 ミュンヘンへの機上より眼下に 八月のアルプス雪の新鮮に ミュンヘンの環さんに招かれて くったくなく秋を日本の一家族 フライブルクの夕食会 白ワインの白が秋の近づく光に
虹と夕焼け、あと、ほしいものは、あなただけ 現在、カリフォルニアのサンタクルーズに住んでおります。 こちらでは、夏よりは冬によく雨が降ります。昨日の夕方、一人でそんな風景に 出会いました。
のぶゆきさん、添削、ありがとうございます。 お言葉に甘えて、また、作ってみたりしました。 (こんなのを作ると、知っている人に見られたら、誰だかすぐに、分かってしまいますね) ビザを待つ、ふたりを別つ 太平洋 E-mail ななめ向こうに、見える あなたと あなたが探すあの本を、 Web上で、オーダーしてみる
(ロスにて) 季節なき町の公園 ハイビスカス
苗床に痛みをはじく通り雨 旅客機の曲だけ奏でた雲の峰
北カリフォルニアにて 坂上る路面電車の霧に消え 葡萄待つ焼き印の樽焦げ新た 馬車に乗り旧市街行く夏惜しむ アメリカ、コロラド州 ロッキーのその奥頂に冠雪す 紅葉を縫い七折れの滝白し 秋暑し四重連結貨車遅速 河が湧きそこに岩魚の影を見る ロッキーの谷渡る鹿声のみぞ 急流に足場を固め鱒釣らむ ニューヨークにて 常緑樹飾り付けたる蔓紅葉 落ち葉踏み沈む音のみ続きけり Sushi商う戦争花嫁過去遥か 反射して摩天楼ビル秋夕焼け スラム街動きは花のすすきのみ 一樹ありカナダ紅葉を仰ぎ見る Yellowstone National Park(世界最初の自然国立公園)にて 時刻む間欠泉は天高く バイソンの肩に霧濡れ駆け抜ける レンジャーの毅然と仕切る秋めきて アリゾナにて 冬夕焼けサボテン高し影長し 禿山に野うさぎ跳ねるそここに 冬眠のガラガラ蛇にも注意板 ナヴァホにて(ユタ、アリゾナ、コロラド、ニューメキシコ州境) 風花や”駅馬車”の道走り切る 北吹いて奇岩聳える砂漠抜く 遥かなる赤い砂漠の斑雪 ケネディー大統領の墓3句 時雨てもその遺志と火は燃え続け 凍て硬く固まる紅顔墓陵衛士 氷雨打つ星条旗の群れ波になる
<乾杯のビールあわあわ北京大学 北京/高橋信之> <城打ちて空へ吹き上ぐ風青し 万里の長城/高橋信之> <煙突いく本も五月の風の中に 大連・ロシア人街/高橋信之>
タラップに出て大陸の秋匂う 悠久の地に悠久の秋の風 耳抜ける異国の言葉秋ふかし 秋の街見下ろせば太極拳の人 花売りの少女に寒し秋の風 皆さんの海外の句に刺激を受けて、中国出張を思い出しました。http://www.lucksnet.or.jp/~watanabe/
北京 紫禁城全ての甍秋日受け 秋の昼天安門前荷駄進む 夏尾根に長城のたうつ龍のごと 杭州 木犀の香る境内太極拳 屋根反らす秋高楼の緋の垂木 円門のある白壁や菊の列 紹興 荷駄の甕揺れて新酒の音がする 深セン コスモスの土まみれたる新開地 広州 北へ行く民航機内ライチの香 香港 明月の光染みこむ大夜景 朝霧の晴れて艀の先ず動く
大連四句 風薫るなかのふるさと大連は 聖五月ここに錦を飾るとは 尾びれ背びれ薄暑の水をしたたらす(自由市場) 煙突いく本も五月の風の中に(ロシア人街) 北京大学二句 アカシヤのみずみずしくて花たらす 乾杯のビールあわあわ北京大学
早速のお返事有り難うございました。私は現在バンコクに駐在中でして 先日の俳句も年末日本に一時帰国した際につくったものです。 バンコクには季節が無く すなわち 歳時記を 伏せて想う 故国かな 火焔樹や 暑さを厭わぬ 妻眠る 大肌脱ぎ 故国は冬と 言う人も また宜しくお願いします。
(季節外れなるも豆の仕事にて出張して) 枝豆や 皿の白さを 深うする 隠元を 一人手に取る 昼も有り
遠ければ 水面に映える 日傘かな ラン飾りて 異国を五年の 仮住まい パパイヤを 食らいて 異国を住まいとす 一人季節が違い申し訳有りません。
シドニーにて 空中にコアラ寝ている枯木立 枯れ葉舞うキャプテンクックの狭き家 冬の風オペラ座跨ぐ橋抜ける
虹かかる地平線行く象家族 火炎樹に身体預けて象が牙研ぐ 地を蹴ってマサイ跳梁槍踊り 牛糞の壁も夕焼けマサイ村 飛瀑湧くあの密林が国境 タンザニア 吾子生まる蝶群舞する病院で モザンビク独立 日盛りの街角毎に少年兵