■励ましと癒しの部屋■


掲示板


梅の香に見送られ行く夜勤妻  白石照子

無花果のコンポート煮るやさしい夜  足立眞弓



国立療養所愛媛病院
愛媛県温泉郡重信町横河原366
TEL089-964-2411

竹内好月句集「花樗」

昭和43年12月20日発行 冬草社


著者略歴(本名好春)

大正11年10月3日 愛媛県広見町に生まる
昭和20年 国立愛媛療養所入院
昭和21年 櫪林俳句会入門
昭和33年 若葉同人
昭和39年 第一回冬草功労賞
昭和40年1月30日 愛媛療養所にて死去


作品

蝉遠し妻にふぐりを拭かれゐて(S.26)

油虫吐きし血しほをなめにくる(S.28)

桜咲き病む吾の子を妻胎す(S.38)

ミサに行く療苑曼珠沙華咲いて(S.39)

寒き夜の看護婦の夜の二本の手(S.40)

死の前の氷枕の飲みたい音(S.40)




井川静句集「紫」

昭和56年4月13日発行 卯辰山文庫


著者略歴(本名静香)

昭和4年9月20日生、生後一ヶ月より松山市三津にて育つ。
昭和26年 国立愛媛療養所入院
昭和32年 山内千枝、竹内好月氏より俳句のてほどきを受く。
昭和39年 冬草同人
昭和49年 武蔵野賞(この年に病院名を国立療養所愛媛病院に改称)
昭和51年12月2日 国立療養所愛媛病院にて死去


作品

生きてゐることの嬉しき小鳥来る(S.32)

清拭をされし身匂ふ青嵐(S.40)

看護婦の指さす冬の虹仰ぐ(S.41)

花野に背向けてひたすら血を吐けり(S.41)

銀杏散る癒ゆるをあきらめしにはあらず(S.45)

瞑れど瞑れど花の闇の中(S.51)




相原利生句集「蒼生」

昭和55年8月1日発行 草苑発行所


著者略歴

大正11年10月23日生
昭和20年 国立愛媛療養所入院
昭和22年 「若葉」所属
昭和31年 国立愛媛療養所退院
昭和51年 草苑同人


作品

肋斬るための冬衣を脱ぎにけり(S.28)

寒夜わが骨を挽きいる音をきく(S.28)

わが骨を捨てられておる寒灯下(S.28)

癒えて見る五月の海のふくるるを(S.31)




白鷹火風遺句集

昭和46年11月13日発行 いたどり発行所


著者略歴(本名高興)

大正8年12月26日生
昭和21年 国立愛媛療養所入院
昭和26年 川本臥風の「いたどり」に参加
昭和31年 国立愛媛療養所退院
昭44年11月13日死去 


作品

わが肩のうすきよ蝶に越さるる時(S.27)

柩車濡れて寒き虹出し方へ行く(S.28)

病者二人石投げ寒林の中さぐる(S.28)

桃の蕾見上げてゆくや悲しき日(S.29)




高橋千代子句集「福寿草」

昭和61年5月20日発行 青葉図書


著者略歴

明治39年5月27日 松山に生まる
昭和44年 川本臥風の「いたどり」に参加
昭和48年 中村草田男の「万緑」に投句
昭和52年 国立療養所愛媛病院に一カ年入院
昭和58年 高橋信之の「水煙」創刊に参加
平成9年1月28日 松山にて死去


作品

野苺を摘みて病む掌に溢れしむ(S.52)

葉桜のこぼれ陽肩に胸に受く(S.52)

蛍追う重信川は白かりき(S.52)

美しき虹かかりしを病窓に(S.52)




■大江健三郎の言葉■

☆文学のすぐれたものは、なにより僕らに励ましをあたえる。(あたらしい文 学のために)

☆僕は深く気が滅いってくると、医師トルストイ、ドストエフスキー、あるい はマンに救助をもとめる。(「個人的な体験」から「ピンチランナー調書」)

☆子規はまたいかなる私小説の作家よりも勇敢にかれの全体を見せている。細 部にわたって克明に。(子規の根源的主題系)


■近代の俳句■

正岡子規

痰一斗糸瓜の水も間に合はず

石田波郷

雪はしづかにゆたかにはやし屍室